「エキサイト公式プラチナブロガー」スタート!

トランスメディア提供アイコン01 Novelers' Materialの運営メンバー募集!

道玄斎です、こんにちは。

ちょっとブログを見ないうちに、またしてもエキサイトブログの仕様に若干の変更があり、「どうやってログインしたらいいのか」が全く分からず、難儀しましたw


さて、今日は私たちが運営・保守している素材ポータルサイトNovelers' Materialの運営メンバーの募集です。


Novelers' Materialでは只今、リニューアル作業を行っています。
より使い勝手のよい素材サイトにすべく、既存の機能の強化、他の素材サイトにはないような機能を追加したり……そんな作業に取り組んでいるのですが、只今、メンバーを大募集しています。



■メンバー募集

新たに参加してくださる方には、

    ・2週に1度の定例会議(Skype上でテキストチャット、基本土曜日)への参加

    ・上記定例会議に出席が難しい時は、きちんと欠席の連絡をする



という2点を、守って頂きたく思います。
さて、定例会議では、どんなことをしているのか、というと……。


    ・リニューアルに向けての話し合い(実装のイメージの案出や確定など)

    ・何か他に企画がある場合は、その企画についての話し合いなど
     (過去にはプロモ用のノベルゲームを作成し、窓の杜にてレビューを頂きました)

    ・日々のNovelers' Material関係の保守の報告など



がメインです。

今、リニューアルに向けての作業があるので、今後「デバッグ」などにもご参加いただきたく思います。
デバッグは仮組みされた環境で、「実際に機能を仕様書にそって試していただき、Excelなどにその結果を記入して頂き、定例時にご提出いただく」形となっています。

前回のリニューアル時には、表計算の機能を使う、ということは全然なくて「綺麗に見やすくするために、Excelを利用している」と考えて頂ければ間違いはないはずです。


日々の保守の報告に関しては、実際そんなにやることはないと思います。
自分がNMを使って、何かエラーが出たとか、使いにくい部分があったらその報告をする、とか。あるいはちょこちょこっと、NMをチェックして頂くとか、その程度だと思います。

それプラス、何かお仕事の割り振りがあれば、そのご報告を頂ければと。


今は、リニューアルに向けての作業がありますから、少し作業が多いのですが、何もプロジェクトが動いていない場合は、そんなにやることはありません。
むしろ、一番大事なことは、定例会議にしっかりと参加していただく、欠席時にはご連絡いただくということだと思ってます。


だいたい、こんなところでしょうか?

興味があれば、是非、メールなどにてご一報ください~。
「NMで○○をやってみたい!」「こんな企画があれば!」というような熱意のある方、大歓迎です!


まずは、メールにてお知らせくださればと思っています!

メールは、私のブログのメールアドレス(このブログの右側に載ってます)や、Novelers' Materialの「利用規約」のページ(画面上部の?アイコンからいけます)の下部に、Novelers' Material運営のメールアドレスが載っています。

どうぞよろしくお願いします!!
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# by s-kuzumi | 2016-06-05 13:32 | 日々之雑記 | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01 フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『山中の宿』

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道玄斎です、こんにちは。
ゴールデンウィークですから、ちょっと何かプレイしようかな? と思っていたところ、興味惹かれる短編作品を発見しました。
というわけで、今回は「aiGame」さんの『山中の宿』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。


私は、怖い話が結構好きです。
いや、ウソです。とっても好きです。

怖い話といっても、色々なジャンルがありまして、代表的なものとしては厳密には分けがたいものの、「都市伝説」のようなタイプ、「お化けや幽霊」の話、「妖怪などにまつわる話」、そして「実話の猟奇的な話」といったものがあります。

こうした怖い話のジャンルのなかで、ここ数年で一気に台頭してきたのが「意味が分かると怖い話」です。
一見すると、何の変哲もないような話。特にオチもなかったりする。けれども、ちょっと頭をひねったり、その話の中に出てくる特定のキーワードに着目することで、「もう一つの意味」が浮かび上がってきて……というタイプの作品です。


この手の「意味が分かると怖い話」には、一つ短所があって、それは「意味が分からないと全く面白くない」というもの。

そういうわけですから、このタイプの怪談では、ちょっとした工夫が必要となります。
たとえば、よく目にするのが「そもそもの文章がなんだか意味深」。

これは、「意味を分かってもらうため」に読者に考えることを促している、と考えられます。
また、「真相につながる特定のキーワードや、事象をしつこくない程度に強調しておく」なんてのもありますよね。これも意図は同じです。

第三の工夫は、ちょっと力技なのですが、「解説」を付けちゃうというもの。
これは、スマートフィンのアプリタイプの「怖い話」にはよくあります。お話を読んだあと「解説」をタップすると、すっきりと裏に隠れた意味が分かるというわけです(ネット上で見ることが出来るそれは、読者が考察した「解説」が付いていることも多いです)。


長々と前置きを書いてしまいましたが、本作『山中の宿』は、こうした「意味が分かると怖い話」を5編集めた、短編集というかショートショート集というか、そういう趣。
そして、それぞれの話のあとに「解説」が入り、「この話、意味わかんねーな?」という事態を防いでいます。

本作の特徴は、ただ単に「意味が分かると怖い話が5本あるから読んでね」ではなく、ちゃんと物語としてのガワがあって、いわば「物語内物語」として怪談が提示されている、というところでしょう。

タイトルに如実なように、主人公は道に迷い、山中にある洋館形式の宿に泊まることになります。
その客室に置いてあった本の内容、それが本作で提示される怪談、というわけです。


そうした「設定」の部分はゆかしいものがあったのですが、怪談そのものはそこまで怖くなかったかな? という気がしますね。

一つは、「文章そのものが理解しにくい」というところにあります。
意味深長な部分を作ろうとするあまりに(?)、その怪談の「表の意味」そのものが分かりにくくなっている印象がありました。

なので、もうちょい読みやすい文章であると、裏の意味の怖さもクッキリとしてくるんじゃないかな、なんて思いました。

あとは、魅力的な「ガワの設定」があるので、そこを活かす方向も考えられます。
たとえばの話ですけど、一話怪談を読むと、「洋館チャプター」が出てきて洋館のメイドさん(?)とのやり取りがちょこっと挟まったりして、最後の「オチ」にさらにインパクトを与える、みたいなね。


色々書いてしまいましたが、スッキリ10分未満で読了出来る尺は魅力。
また、「意味が分かると怖い話」をノベルゲームで表現しているという部分も楽しいですよね。今後も、こういうホラー作品、どんどん出てきて欲しいなぁ。


どうやら、かなり多産な作者さんのようですので、また面白そうな作品プレイしてみようと思います。



それでは、また。
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# by s-kuzumi | 2016-04-29 14:16 | サウンドノベル | Trackback | Comments(2)

トランスメディア提供アイコン01 フリーサウンドノベルレビュー 『路地裏の不思議な少女』

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今日の副題 「不思議ですごい物語世界」

ジャンル:ボーイミーツガール(らしい)
プレイ時間:二時間未満(私がプレイして1時間40分)
その他:選択肢なし、一本道
システム:YU-RIS

制作年:2016/2/23
容量(圧縮時):216MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は、ちょっと不思議な感触の作品をプレイいたしましたので、ご紹介。
電脳詐欺」さんの『路地裏の不思議な少女』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・柔らかい水彩風のイラストが素敵

・不思議な魅力に満ちた作品世界

・どのキャラクターにも物語内での「存在感」がある


気になった点

・割と多めの誤字

・強烈な盛り上がりには欠ける(※後述)

ストーリーはふりーむの方から引用しておきましょう。
走るのは少年。

流れ落ちるのは汗。

過ぎていくのは時間。

聞こえるのはセミの声。

節目の日はとある夏の日。

路地裏で見つけたのは
       

  不思議な少女。

こんな感じ。


こうしたストーリーの発端部分を読むと、「あっ、行き倒れ少女を拾って同居するタイプだ!」と思ってしまうのですが、実はあまり目にすることのないタイプの作品だったのです。

確かに、「謎の少女を拾う→同居する」という流れ自体はあるのですが、主人公は「一人暮らし」ではありません。

シェアハウスの管理人をしているただの高校生なのです。
そして、シェアハウスの住人は主人公以外は女性ばかり。

この段階から既に、「ちょと違う」のが分かるのですが、さらにその「シェアハウス自体」が「能力者」たちの一つの拠点になっていることも判明します。

そう、本作は異能力ものの趣があり、秘密の組織や秘密の都市といったキーワードも登場するのです。
その意味ではどこかSF的な世界であり、また独特の水彩風のイラストによって、現代日本が舞台であるにも関わらず、ファンタジーの雰囲気すら漂っています。

プレイしていると、それが「現代日本」であることをどこか忘れてしまうような、何とも言えない不思議な作品世界。そしてそれはシェアハウス内部の背景イラストや、タイトルにもある「路地裏」の背景イラストでも確認できます。

普通の家の構造……とはちょっと違っていて、また路地裏も、それが道であることはわかるのですが、どこか現実感に乏しいような、一見すると奇妙な感じ。
それはもちろん、本作に於いて「マイナスポイント」というのではなく、「こういうのって今までなかったよね」と感じさせてくれるような、表現だったのではないかと思います。

一応ふりーむの作品一行説明を見てみると「とある夏のボーイ・ミーツ・ガール」」と書かれているのですが、ちょっとそれは単純すぎるかもしれません。しっくりくるジャンルがなかなか見つかりませんし、こういう作品の場合「ジャンル」を無理に当てはめないほうが自然ですよね。


さて、内容に関しては、登場人物がそれなりに多いのですが、どのキャラクターにもしっかりとした存在感があってよかったな、と思いました。

割と登場人物が多いノベルゲーム/サウンドノベルでは、一部のキャラクターにのみ「存在感」というか「存在理由」が偏ってしまい、その他のキャラはただの「にぎやかし要員」になったりもするのですが、本作の場合、そうしたこともなく、しっかりとどのキャラも個性が立っていて、そこはすごくいいポイントだと思います。

個人的には、ちょっとクセはありますが、個人的には「まゆ」、そして「佐藤」が好きかな。


さて、気になった点ですが、ちょっと誤字が多めかも。
たとえば、「夜中」に主人公ハジメが外出しているシーンから、物語は始まりますが、その際、「午後一時」なんて書かれてるんですよね。

これは夜中ですから、「午前一時」の誤りでしょう。あっ、これは誤字ではなく誤謬か。
ともあれ、ちらほらと、誤字が出てきていて、あれ? というようなことがありました。


もう一点は、私はあえて気になった点に挙げてしまったのですが、「割とあっさり目のストーリー進行」だということです。

作品後半で大事件が起こり、グググッとお話しが盛り上がって、ラストに向けて収束していく。
というよりは、もう少し淡々とした感じ。

もちろん、ちゃんと物語には起承転結とでもいうべき、きっかけや事件は起きるんです。
そして、それらが絶妙に配置されていることによって、プレイしていてダレない、というのも事実です。
秘密の組織が明らかになって以降、話は急速に面白くなっていきますし、比較的最初のほうで張られた伏線が、最後にちゃんと回収されるなど、丁寧な作りでもあって、本当に面白いんです。

しかし、なんかそうした事件は比較的あっさりと描かれ(バトルシーンもあるのですが、そこにはすごい力が入っていたように思います!)、なんとなくの感触ですが「淡々」という印象があるんですよね。

でも……。
気になった点に挙げておいてなんですけど、本作の雰囲気そのものが「ファンタジックで、SF的な要素もあって、ちょっと不思議」なものですから、むしろこの「淡々」さはそこにマッチしている、と考える人もきっといるはずです。

実際私も、そういう風に思えなくもないのです。
ですので、意外と「気になった点」を挙げるのって難しいんですよね……。


おおよそ、こんなところでしょうか?
物語の最初の流れだけ取り出してみると、「お決まり」のパターンではあるものの、ふたをあけると、今までみたことのないような、なんとも不思議で魅力ある世界が広がっている。そんな作品でした。

これはちょっとプレイしてみる価値がありますよ!



というわけで、今日はこのへんで。
それでは、また。
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# by s-kuzumi | 2016-02-29 21:46 | サウンドノベル | Trackback | Comments(3)

トランスメディア提供アイコン01 フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『森の奥に住む座敷童子は報われない』

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道玄斎です、こんばんは。
今日は、尺がだいたい30分くらい……なので、通常レビューにしようか番外編にしようか迷ったのですが、番外編ということで。短いながらも、色々と心を揺さぶってくれるとてもよい作品だったと思います。

というわけで、今回は「おざしきわらし製作所」さんの『森の奥に住む座敷童子は報われない』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。



短いながらも、重量感のある物語でした。
本作の面白いポイントはいくつかあるのですが、タイトルと関わるところでは「座敷童という存在が、人間社会で認知されている」という点、そして「幸運ではなく不幸をもたらしてしまう座敷童がいる」という点でしょう。
当然、タイトルが予感させる通り、「不幸をもたらす座敷童」たちは森の奥でひっそりと暮らしています。


さらによかったのは、なんといっても、単調さがなかったという点です。

特に30分程度の短編ですと、後半の盛り上がりに「事件」を持ってきて、それまでは状況説明や、日常生活の延長のような形になることが多いのですが、本作の場合、エピソード(なかには結構重いものもあるし、伏線になっているのもある)がうるさくない程度に挟み込まれていて、興味が持続するというか。

プレイしていて、「え? こうなるの?」とか、「そうだったのか」とか、プレイヤーの気持ちを揺さぶってくれる、そんなストーリーメイキングが、本作に重量感を感じた理由です。
そうした意味で、本作は一時間、あるいは一時間半くらいの尺としてボリュームのある作品に仕立て直すことも十分可能でしょう。

ストーリーの流れこそシンプルに見えますが、そこには色々な要素があり、また単調にならずに最後まで読める、というわけですね。


気になった点としては、やはり「少年」との「密会」にもう少し密度があったらなぁ、とは思いました。
けど、どうやら、本作には18禁版もあるようで、「少年」との交流はそちらで上手く表現されているんじゃないかな、とも思います。
あとはシステム面でバックログなんかはあってもよかったかな、と。


30分という尺で、さらにシンプルな作りですが、重みがあり、また切ないラストが魅力の作品でした。
ぜひぜひ、プレイしてみてください。
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# by s-kuzumi | 2016-02-23 21:37 | サウンドノベル | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01 フリーサウンドノベルレビュー 『象牙の乙女』

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今日の副題 「クラシカルだけど重層的な優しい物語」

ジャンル:売れない劇作家と機械人形の物語
プレイ時間:約1時間ほど
その他:選択肢なし、一本道
システム:LiveMaker

制作年:2015/11/28
容量(圧縮時):41.1 MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は1時間くらいの比較的小粒な作品ですが、重層的で満足感のある物語をプレイしたのでご紹介。
というわけで、今日は「Lapree」さんの『象牙の乙女』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・入れ子構造の上に、舞台(演劇)と主人公たちの実生活が重なる重層的な作り

・やっぱり嬉しいハッピーエンド


気になった点

・主人公フレッドが、ヒロインであるガラティアに惹かれる描写はもうひと押し欲しい

ストーリーは、私が簡単にまとめておきましょう。
フレッドは売れない劇作家。
劇団長に台本を提出するもボツを食らい、家賃すら払えない日々を送っている。

そんなある日、謎の男たちがフレッドの部屋に棺のようなものを運び込む。
そのなかには……美しい少女の自律機械人形(オートマタ)のガラティアが入っていた。

どうやら、ガラティアを制作したのは、フレッドの父親らしいのだが……。

こんな感じでしょうか?

昨日に引き続いて、今日もある意味で「少女との同居型」の作品ですね。

さて、その少女ことガラティアが、機械人形だということで、本作の一つの特徴となっていました。
うんと粗雑に云ってしまえば、『鉄腕アトム』以来の「機械に心はあるのか?」というような問題にも踏み込んでいる部分もあり、その意味では割とクラシカルなテーマ設定だと云えるかもしれません。

機械(ロボット)と心、というテーマは、結構色々なところでおなじみですよね。
やはりクラシックになりますが、『われはロボット』という超有名SFでも、そうしたテーマが見られました。近年(でもない?)では『ちょびっツ』というCLAMPのマンガもありましたよね。

こうした問題設定の魅力は、「人間によって人間を語る」のではなく、「ロボットによって逆に人間が見えてくる」ようなところにあるんじゃないかと思います。

人間同士では気づかない、分からない「人間らしさ」とでも言うべきものが、ロボット相手だと逆に浮き彫りになって見えてきたりする。
そして、ロボットと人間との境界はますます不確かなものになっていく……。

こういう問題設定は、クラシカルでこそありますが非常に興味深いものです。
問題設定そのものはともかく、作者の力量次第で色々な物語の広がりを見せてくれるテーマでもあります。


実は本作は入れ子構造になっておりまして、ゲームを起動すると、主人公フレッドが「過去を回想し」、物語の本編を語る、という体裁を採っています。

これだけならば、比較的よくみられる手法なのですが(個人的には結構好き)、本作の場合、フレッドの職業と関わる「演劇」が作中で重要な役割を果たしています。

つまり、物語それ自体がすでに入れ子構造でありながら、その本編内部においても、「舞台の上」と「舞台の外」の物語がつながる、重層的な構造を採っているのです。

これはラストの部分なのですが、手が込んでおり、これはいいなぁ、と素直に思ってしまいました。
また、物語の最後でも、ちゃんとハッピーエンドであることが暗示され、温かい気持ちで読了出来たのです。


一方、気になった点は、やはりフレッドとガラティアの交流といいますか、もっと云ってしまえば、フレッドがガラティアにグッと惹かれていく、そのエピソードは欲しかったかな、という点です。

それは例えば、気になるけれど作中であまり語られなかった、フレッドと父親との関係や、何故、ガラティアがフレッドの家に送られてきたのか? といった問題と絡めて掘り下げていくことが可能だったのではないかと愚案致します。


そういえば、ロンドンを思わせる街の雰囲気だったり、小さな小屋の端役の女優さんなど、「作品世界の雰囲気」がとてもよかった、ということも併せてお伝えしておきます。


というわけで、今日はこのへんで。



それでは、また。
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# by s-kuzumi | 2016-02-18 21:30 | サウンドノベル | Trackback | Comments(2)

トランスメディア提供アイコン01 フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『ephemeral you~閉ざした記憶~』

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道玄斎です、こんばんは。
今日は久しぶりのノベルゲームレビュー。プレイしてみて30分ほどの尺でしたので、番外編ということで。
というわけで、今回は「不思議ノベル制作部」さんの『ephemeral you~閉ざした記憶~』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。


さて、タイトルにも使われている「ephemeral」という言葉、あまり馴染みがないかたも多いのではないでしょうか? 名詞形の「ephemera」は「カゲロウ」を意味する言葉でして、「ephemeral」のほうも「儚い」なんて意味を持っています。
作中でも何度か、この「儚い」という言葉が出てきましたね。


……と、そんな話はさておいて。
ちょっとプレイしてみると、「あっ! このパターンは!」と分かってしまうようなオーソドックスな作品でした。

簡単に言ってしまえば「幽霊との同居もの」ということになりましょうか。

作中冒頭で、主人公晃は、自らを指して「極々平凡で、男子学生Dみたいな存在」というようなことを言っていましたが、「親と離れ一人で暮らしている」「帰宅部」「基本ものぐさ」な性質を備えているわけで、それはまさに「ノベルゲームの主人公」の資質といっていいでしょうw


そんなわけで、かなりオーソドックスでテンポよく進む作品でした。
読みにくさなどは皆無。伏線なども分かりやすく、無駄なよどみがなく、ストレートに楽しめます。

もうちょっと、幽霊の美里との「同居感」があると、さらに物語としての面白さや深みが出たのかもしれませんね。かなり、ハイテンポで物語が進んでしまうため、「幽霊としての美里と主人公」との交流にもう少し筆を割くことで、ラストの印象も変わるはずです。


さて、ラストでは、ちょっと一ひねりしてあり、そこが本作の一番の特徴かもしれませんね。
しかし、一方で、ちょっと悲壮感が出てるエンドでしたので(けど、決してバッドエンドというわけじゃない)、もう少し希望のあるエンドの見せ方のほうが良かったかな? と若干思いました。


オーソドックスということ、お話ししましたが、「オーソドックスだから悪い」ということは絶対にないのです。
シンプルで、お馴染みの設定であっても、「あっ、なんかいいな」と思える作品も世の中にはたくさんあります。

本作もシンプルながら、どこかホッと出来る作風で、30分という時間を暖かい気持ちで過ごすことが出来ました。


というわけで、今日はこのへんで。



それでは、また。
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# by s-kuzumi | 2016-02-17 20:50 | サウンドノベル | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01 フリーサウンドノベルレビュー 『Sカレ、Mカレ』

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今日の副題 「男性も楽しめる、ハイクオリティ女性向け恋愛ゲーム!」

※吟醸
ジャンル:等身大の高校生の甘酸っぱい青春ストーリー
プレイ時間:フルコンプで4時間程度
その他:選択肢により「S」ルート、「M」ルートに分岐後述)、いじめ描写アリ
システム:自作エンジン

制作年:2015/11/28
容量(圧縮時):371 MB




道玄斎です、こんにちは。
今日は、昨年末あたりから気になっていた作品をプレイしたので、そのご紹介。

スクリーンショットをご覧いただければ、そのハイクオリティさの一端が十分伝わるんじゃないかな、と思います。
というわけで、今回は「アシナガおじさん」の『Sカレ、Mカレ』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・フリーなのが信じられないほど、全体的にハイクオリティ。

・男性がプレイしても全然楽しめる

・重たい内容はあるが、軽快にプレイ出来て楽しい


気になった点

・ラストですっきりしない部分が若干ある

・インストールを要求するタイプのソフト

ストーリーは、少し長めですが、公式サイトのほうから引用しておきましょう。
「俺にもっと勇気があれば、彼女をあんなにも泣かせることはなかったのに……」

中学3年生の冬、砂川 湊(すながわ みなと)はクラスメイトの小栗 咲希(おぐり さき)がいじめに遭っている場面を偶然目撃してしまう。
しかし、人付き合いが苦手でほとんど一人で過ごして来た湊は、ただ泣きじゃくる彼女を見守るだけで何も出来なかった。

自分を不甲斐なく思った湊は変わろうと決意をする。

数ヶ月後、高校デビューを果たした彼を待っていたのは、たくさんの友だちや女の子に囲まれたリア充ライフ。
それは今まで湊が感じたことがない心地の良い世界だった。
いつしか、変わろうとした時の純粋な意識は薄れ、小さな嘘で自らを偽り“良い人”を演じるようになっていた。

そんな中、湊は咲希と再会する。
咲希は中学の時のような明るさはなくなっており、誰とも関わらず一人で過ごしていた。

過去のことに負い目を感じつつも、彼女の口から中学時代の黒歴史をばらされたくない湊は行動に出る。

こんなストーリーになっています。


とってもハイクオリティな作品でびっくりしました。
これがフリーなんて信じられないくらいです。

リアル路線の美しい立ち絵は、「動き」を伴い、髪の毛が揺れたり、口パクもします。
さらに、素晴らしいボイスが作品を彩ります。

本作は、いわゆるフルボイス作品なんですが、声優さんの演技がまた凄くいいですよね。
ヒロインの咲希なんて、ビジュアルと声がぴったりハマっていて、その魅力を最大限に発揮していました。

割と重めのテーマを持っているのも確かなのですが、サクサクと読んでいくことが出来、なんだか「楽しい」感じがする、というのも見逃せないポイントです。


さて、本作の特徴について軽く説明しておきましょう。

タイトルが示すように、本作は選択肢の選び方で「Sカレルート」、「Mカレルート」に大きく分岐します。
主人公湊の性格というか性質が、早い段階で決定されるのです。

「Sカレルート」に進むと、湊はちょっと強気で、若干腹黒いヤツになります。
ヒロイン咲希に対しても、ちょっとグイグイ攻めていくような感じ。

一方「Mカレルート」では、湊はヘタレになり、色々と戸惑いながら咲希と向き合っていくことに。

これは私の感想ですが、個人的には「Mカレルート」の湊のほうが親近感が湧きまして、そちらのルートのほうから攻略していきました。


各ルート(Sカレ、Mカレルート)に入ってからも、選択肢は出てきます。
もちろん、その選び方でバッドエンドになってしまったり、ちょっと試行錯誤を余儀なくされる部分はあるのですが、プレイ中にいつでも見られる「フローチャート」があり、自分がいま、このチャプターのどこまで来ているのか? どの選択肢を選んだのか? そしてそれはバッドエンドへの選択肢なのか? といった情報が一目でわかるようになっています。

また、「トゥルールート」へ行くための選択肢を選ぶと、「音」がなります。
ですので、フローチャート、そして選択肢の「音」をたよりとすることで、プレイの難易度はグッと下がります。

とはいえ、「前のチャプター」で正しい選択肢を選ばないと、それ以上先に進めないということもあったので、場合によっては、かなり前の段階から選択肢を選び直さないといけない、ということもあると思います。

「詰まったら、それ以前のチャプターからやり直す」というのが、コンプリートのヒントになるかと。
ちなみに、私はMカレルートの、チャプター4で詰まってしまって、ずいぶんそこで時間を使ってしまいました。


さて、本作のいいところの1つは、「男性がプレイしても全然楽しめる」というところでしょう。

何しろ、主人公(つまり視点人物)は男の子なのです。
そして、ヒロイン咲希はとても美しい。

ストーリー的にも、湊が、咲希の不可解だったり、不思議な行動に頭を悩ませる様子がとてもリアル。
男の子が恋におちる、ってまさにこういう時ですよね。

「こいつ何考えてんだろう?」とか考えだしたらもうダメですねw
相手に対してイライラしたりする時もあるんだけど、相手のことを「知りたい」、「理解したい」と思ったら、もうその時には完全に恋におちてる、と言ってもいいでしょう!

ま、それはともかく、そういう甘酸っぱい恋愛のフレーバーもしっかり効いていて、男性向けの恋愛ゲームとして楽しむことも十分可能だということです。

そうそう、Sカレルートでも、Mカレルートでもトゥルーエンドを見ると、「咲希視点」からも物語を見ていくことが出来るので、女性も安心してプレイしていただけます!
この咲希視点では、クールで控えめな印象を持つ咲希のイメージがかなり変わります。意外と普通の女の子っぽいところがあったり、妄想癖があったり、ちゃっかりしてたり……。
けど、人間ってそんなもんで、そういう咲希もまた魅力的なのです。


もちろん、ただ甘酸っぱいだけの恋愛で終わらないところも、本作の大きな特徴でしょう。
たとえば、湊が「高校デビュー」であることをひた隠しにしている、という前提があって築いてきた交友関係とか、咲希の「過去」や、その過去によって現在も縛られている状況とか、恋愛の背後には、色々な文脈があり、物語に深みを与えています。

で、逆に気になった点の1つはそこにあります。
というのも、恋愛が成就すると、背後にあった文脈に対するフォローがあまりないまま、物語は終わってしまうのです。

咲希にしつこく言い寄ってくる男や、嫌がらせをしてきた女子、あるいは湊のバレてしまった「高校デビュー」など、二人を取り巻く問題はまだ残っているはずなのですが、そこはほとんど触れられないまま、物語が終わり、アフターストーリーでもフォローはあまりありません(ただ、いわゆる悪友ポジションの悟士は、以前と変わらず湊に接してくれていることはわかります)。

ほんの少し、その点フォローの文言があるだけで納得感が大幅に増したと思うので、そうした周囲の状況も含めた形でのハッピーエンドが見たかったかな、と。


一昨年辺りから、「最近、女性向けゲームが凄い」と、私は言い続けているんですけど、そういう女性向けゲームの凄さや、盛り上がりを体現してくれているような作品でした。

本当にクオリティの高い作品です。
一応、女性向け、乙女ゲームというくくりではあると思うのですが、男性がプレイしても楽しめること請け合い。
是非、遊んでみてください。



それでは、また。
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# by s-kuzumi | 2016-01-04 14:13 | サウンドノベル | Trackback | Comments(2)

トランスメディア提供アイコン01 謹賀新年

道玄斎です、こんばんは。


あけましておめでとうございます!

昨年も相変わらずあまり更新をしなかったのですが、それでもフリーのノベルゲームの関係で、色々な方とつながったり、お話しを聞けたり、仲良くさせて頂いたり、と貴重な経験が出来ました。

多分、本年もそんな感じで、のんびりマイペースに色々やっていくと思います。



というわけで、短いですが、新年のご挨拶ということで。
それでは、お正月をお楽しみくださいませ~。



道玄斎敬白
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# by s-kuzumi | 2016-01-02 17:02 | 日々之雑記 | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01 フリーサウンドノベルレビュー 『サクとマツリの赤道儀』

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今日の副題 「ちょっぴりモヤモヤ強烈な読後感」

※吟醸
ジャンル:星を撮りに行くフルボイスノベルゲーム
プレイ時間:1時間ほど
その他:選択肢なし一本道。フルボイス。
システム:Yu-ris

制作年:2014/1/?
容量(圧縮時):233MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は、短めではあるのですが、プレイ後にうまく言葉に出来ないけれども、強烈な印象を残す作品をプレイしたのでご紹介。ここまで読了後に色んな感情が残る作品って、珍しいのではないでしょうか?

というわけで、今回は「Custom Games」さんの『サクとマツリの赤道儀』です。
ダウンロードは上記サイトからどうぞ……と言いたいのですが、現在ダウンロードが出来なくなっています。また、同時に公開されている「設定資料集」も同様です。

恐らく、また何かのタイミングでダウンロード可能になると思いますので、その時は是非ぜひ。
また、android端末をお持ちのかたは、ストアから「スマホ版」をダウンロードできるはずです。
良かった点

・読了後に、何ともいい難い感情が押し寄せてくる。

・非常に丁寧に作られており、音声にも大きなこだわりが。


気になった点

・同時配布されていた「設定資料」を読まないと、理解できない箇所がある?)。

ストーリーは、私が簡単にまとめておきましょう。
サクは写真が好きな小学五年生。
彼のクラスには「魔女」と呼ばれている女子マツリがおり、クラスメイト達から陰湿な嫌がらせを受けている。
しかしマツリはそうした嫌がらせに対し、何も反応を見せようともしない。

サクはマツリと一緒に、学校の課題である「写真撮影」を行うことになっているのだが……。

だいたい、こんな感じ。


いやぁ、凄くいい作品でした。

タイトルが気になっていて、あらかじめダウンロードしておいたのですが正解でしたね。

尺としては1時間程度の、比較的小粒なサイズではあるのですが、非常に密度の高い作品になっていました。

タイトルやストーリーの概略から、「ちょっと変わった女の子と星を撮影しにいく感動ノベル」みたいな雰囲気を感じ取る人もいると思いますが、「それ以上」のものを感じさせてくれる、と断言できます。

実は、単純に星を撮影しにいく、というわけではなく、そこに至るまでに色々なエピソード(父親がカメラをやめてしまった理由や、学校のハムスターの話)があるんですよね。
それを丁寧に追っていきながら、本作の山場「星の撮影」に移っていく作りは、非常に丁寧なものを感じさせます。

どのエピソードも単発でどこか「浮いている」というわけではなく、読了した時に、「作品のテーマにしっかりとつながっているんだな」と感じさせてくれる、そういうものなのです。

ただ、それは「これが○○だから、あの△△と□□の意味でつながっている」と理解していく、というよりは直感的に感じさせるものであった、というのも確かでしょう。
それが故に、本作を貫く少しヒリヒリとした雰囲気や、読了後のなんともいえない不思議な感触が味わえるんじゃないかと思います。


ちなみに、本作品はフルボイスです。
ものすごい名演だったと思います。本当に「小学生」っぽい雰囲気が出ていて、「リアルさを感じさせる」ボイスアクトでした。

また、その編集も非常に巧みで、声の音量やリバーブ感で「人物間の距離」を演出したり、パンを振り、右から左へボイスが流れていくことで「移動」を表現したりと、他のノベルゲーム作品ではあまり見られない、音声に対するこだわりをひしひしと感じることが出来ました。

こういう音声演出って、もしかしたら他の作品にもあるのかもしれませんが、本作のそれは「サラッとしている」感じがあるんですよ。「わざとらしさ」や「いやみ」がない、というか。
だからこそ、「リアルさ」を感じさせてくれるものになっているんじゃないかな、と感じましたね。


一方で、読了後に感じる「不思議な気持ち」はそれはそれとして、ややスッキリしない部分が残っています。スッキリしないからこそ、不思議な感情が湧いてくるってことなんですけど、ここについては、ちょっと考え込んでしまいます。

どうやら、「設定資料集」を読むことで、そのモヤモヤは解消されるらしいのですが、「設定資料集まで読んだ上でないと作品の真価が分からない」というものについて、ちょっとだけ考えないこともないのです。
しかも、その「設定資料集」は単なる「データ集」ではなく、「物語の理解」へ直結してるからなんですよね。

つまり、ここに於いて、この作品の「読了」には2種類あるということになります。

  ・普通に「ノベルゲーム」を読了した状態

  ・「ノベルゲーム」読了後、設定資料まで読んだ状態

です。
そして、今……必然的に前者を選択せざるを得ない状況にあるわけで、ちょっとだけフラストレーションはたまりますね……。


そうはいっても、この作品はなんだか心に染み込んできますし、冒頭でもお話ししました通り、強烈な印象を残します。

ただ、「設定資料集」が残っているということは、その作品を100%理解していないわけで、その辺りで微妙に考えたり、葛藤があったりするのですw

ゲームそれ自体でしか判断出来ない、というのも1つの真実だと思うけれども、「これも読んでね!」とか「これを読んで100%」ってものがあった場合、その作品の理解をどこに依拠したらいいんだ? って感じです。

ま、これはつまらない蛇足ですね。


単純な感動モノ、とは絶対に言えない、ヒリヒリとした感触、ほろ苦い部分、痛い部分。
色んなものを感じさせてくれる作品です。

是非ぜひ、お読みくださいませ(今だったらandroid版がおすすめ)。



それでは、また。
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# by s-kuzumi | 2015-12-26 18:17 | サウンドノベル | Trackback | Comments(4)

トランスメディア提供アイコン01 フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『夜の路地裏案内』

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道玄斎ですこんばんは。

今日はクリスマス。
誰かと一緒に過ごしたり、あるいは家族と過ごしたり、お一人で過ごされる方もいらっしゃいましょう。
悲しい哉、私は一人で過ごしているのですが、タイトルが気になってゲームをプレイしてみたら、「今日プレイするのにピッタリだな」と思う作品に出会えましたのでご紹介。

というわけで、今回は「晴好雨奇一丁目」さんの『夜の路地裏案内』です。
ダウンロードはこちらからどうぞ。


「夜の路地裏」って、なんだかワクワクしませんか?
表通りにはないミステリアスな雰囲気はありますし、もちろん犯罪などのダーティなイメージもそこにはあります。

本作は、そんな「夜の路地裏」に迷い込んでしまった女の子「ロスチル」(迷子の子供、ロストチルドレンからの命名かな?)を主人公が案内していく、というもの。
路地裏とはいえ、若干の灯りがあり、どこか「優しい」雰囲気になっているのも一つの特徴でしょうか。

最初の一周に関しては固定のエンドで、二週目以降、選択肢が表示され、エンドが広がっていく、という作りです。

エンド数も多くないので(全部で4つ)、コンプリートは楽々です。
だいたい20分くらいで読了可能です。


多分……「このエンドを見ないとあのエンドは開放されない」タイプの作品だと思うのですが、そこが上手く機能していたと思います。

最初のほうは「ロスチルってどんな子なのかな? なんで夜に出歩いているのかな?」という部分に関心が向くようになっており、それが徐々に別の疑問にシフトしていく作りは巧みでした。
キャラクターも主人公、ロスチル、騎士、魔女のおばあさんと、短編ではありながらも、ちょっとにぎやかな感じ。

また、1つのエンドを見るごとに、タイトル画面が変わっていくのも、ちょっと凝っていて面白いですよね。

いわゆるトゥルーエンドに関しては、あえて言及しません。
けれども、ちょっと暖かい気持ちになれること請け合いです。

あえて、気になった点を挙げるなら「お醤油」でしょうかw
一応、洋風ファンタジーな趣がある作品ですから、「お醤油」はちと世界観から外れてしまうのではないかと……w


実力のある作者さんだと思うので、次回作が楽しみですね。
短編だけでなく、少しボリュームのある作品なんかも読んでみたいかな、と。


というわけで、今日は短いですが、この辺で。



それでは、また。
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# by s-kuzumi | 2015-12-25 18:10 | サウンドノベル | Trackback | Comments(2)

トランスメディア提供アイコン01 フリーサウンドノベルレビュー 『学校七不思議5』

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今日の副題 「深みのある学校ホラー作品」

ジャンル:ホラータッチマルチADV
プレイ時間:コンプリートまでおよそ2時間半ほど
その他:分岐多数。マルチエンド。『学校七不思議』『学校七不思議2』をプレイしておくとより楽しめる。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2015/12/15(公開)
容量(圧縮時):255MB



道玄斎です、こんばんは。
今日も久々のノベルゲームレビュー。
ここ、一年間くらい、なんだか妙に忙しくって、腰をおちつけてゲームをプレイするってことがなかなか出来なかったのです。その代わりに、無料ゲーム.comさんのほうで、ノベルゲームにまつわるお話を「コラム」という形で書かせて頂いております。

さてさて、今回のタイトルを見て「お!」と思った方もいるのではないでしょうか?
そうです、2000年からリリースされ続けている『学校七不思議』の最新タイトルがついに登場。
何度も書いていますように、私はこのシリーズが好きなので、さっそくプレイして取り上げてみました。

というわけで、今回は「銀の盾」さんの『学校七不思議5』です。
ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・単なるホラーや、ドッキリ型ホラーとは一線を画す深みがある

・2015年に至っても新作が出るという、素晴らしさ


気になった点

・やはり今作でも「七番目の怪談」の謎は明らかにならず……

ストーリーは、ふりーむ! のほうから引用しておきましょう。
どこの学校にも必ずあるという、怪談「七不思議」にまつわるADV。
今回は過去作との繋がりが深いため、「学校七不思議」「学校七不思議2」を
クリアした後でのプレイをお勧めします。


某テレビ局へ視聴者から送られてきた、一枚の投稿写真。
そこは、学校の怪談を追って失踪した二人の女生徒の実話や、夜の学校で肝試しを行った生徒が不可解な死を遂げたなど、曰くのある県立高校。

卒業生であるアシスタントディレクターとカメラマンの主導で、夏の怪奇特集としてその高校でロケを行う。
マスメディアによく取り上げられる有名な霊能力者がその学校にまつわる『学校七不思議』を祓ってみせるという企画だ。

デジタル時代の影響で、心霊写真も恐れられなくなった現代。
この高校に伝わる七つの怪談『学校七不思議』さえも、今夜テレビカメラの前でその正体が暴かれるのか。
本当に悪霊の仕業ならば、霊能力者の力によって穢れは全て祓われ、哀れな女生徒の霊達も成仏させてやれるのか。
それとも……


複数のエンディングを全てクリアするとおまけがありますので、是非コンプリートしてみて下さい。

こんな感じです。


数年くらい前から、いわゆる「実況動画」が流行るにいたって、ノベルゲームに限らず、フリーゲームの世界に多少の変化があったようです。

1つは「ホラー作品の見直し」。
もう1つは「ドッキリ系の多用」という感じでしょうか。

実況には、実況主が録画したものを流す、というものだけでなく、「それを視聴した人がコメントでその動画に参加できる」という部分があるわけです。

すると、「淡々とストーリーが流れていくもの」より、「ドッキリ」などの要素があって、動画に起伏を付けやすいもの(実況主がリアクションしやすもの)、そして、コメントが増えやすいものが好まれるようになってきました。

そうした「ドッキリ」要素があるもの、として「ホラー」作品が見直されてきた、ということなんですが、端的に云って、「実況ウケ」しやすい作品ということでの盛り上がりなんですよね。


一方で、本作はなんと2000年から、同シリーズがリリースされ続けているという、「ホラーノベルゲーム」の老舗。その世界を長年、支え続けている作品といってもいいでしょう。

そして、ドッキリ系で耳目を集めていく、というよりは、ストーリーの良さ、その奥深さでしっかりと「読ませる」タイプの作品、だと云えるのではないでしょうか?


そもそも「学校の七不思議」というのは、みなさんもご存じの通り、とても有名な怪談(群)です。
そして、実は「あまり怖くない」んです。

本作にも出てくるように、「骸骨の標本が動く」とか、そんなに怖いとは思えませんよね?
また、本シリーズを通して、かなりおいしい役どころの「トイレの花子さん」であっても、怖さとかわいらしさ、みたいなものが相半ばしている印象すらあります。

じゃあ、どうするか?
といったときに、本作シリーズが採用しているのは「学校七不思議」の背後の設定、つまりバックグランドをしっかりと成立させる、というもの。

「学校七不思議」という怪談(群)が存在しており、それを調査した二人の女生徒(美加と絵梨。今日のスクリーンショットは美加)が行方不明となる。そして、今も夜の学校に、その二人は囚われ続けている……。

こういう状況が、作品の背後にあるんです。
「学校七不思議」だけではなく、それに関わった(より正確に云うならば、知ってはいけない第7の不思議を知ってしまった)二人がいて、「夜の学校の世界」に七不思議と共に存在している。

そして、その二人は、「怖さ」を感じさせる存在ではなく、むしろそこに「切なさ」や「優しさ」を感じさせる存在でる、というのも特筆すべき点でしょう。


ですので、物語は、視点人物の「物語」であるのと同時に、美加と絵梨の「物語」と重なってくる、という重層的な構造をとります。さらに本作の場合、『学校七不思議2』の「物語」もそこに重なってきますから、相当に厚みのある物語構造をしている、と云ってもいいでしょう。

怖さを追求していく、というよりは、明らかに「物語的な深み」を感じさせる作りなのです。なにしろ「ホラータッチ」なわけで、ホラーとは作者さんも云っていないわけですからね。
今だからこそ、こうした作品はものすごく価値のあるもの、だと思います。


さて、一方で気になった点は、「やはり今回も七不思議の『七つ目』の謎は明らかにならなかった」という部分です。

きっと、それが明らかになるのは、本シリーズの「ラスト」なのでしょうね。
とはいえ、少し本作、つまり『学校七不思議5』でそれが見えてくるかな? という淡い期待があったのも事実でした。

ま、それはともかく、ちゃんと「次回予告」までついていましたから、まだまだ『学校七不思議』は終わりません! 次は『学校七不思議6』がちゃんと待っています。

リリースまで何年かかるかわかりませんが、ファンとしてその日をまた待ち続けたいと思います。
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# by s-kuzumi | 2015-12-16 22:05 | サウンドノベル | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01 なんてことない日々之雑記vol.393

道玄斎です、こんにちは。

今日は久々に更新。それも昼間からというていたらくw


■実は……

当初から宣言している通り、私は「草の根活動」をやっているわけですから、あまり宣伝めいたことはしなかったのですが……ここのところ、ずっと「無料ゲーム.com」さんにて、コラムを書かせていただいております。

その名も「道玄斎のノベルゲーム漫遊記」。
私が今まで見たり、聞いたり、経験したことを、ほぼそのまま一話完結のお話しとして書いています。

いつも、ここに書く時とは違って、漢字の使用率を大幅に下げたり、ヘンテコな言葉をなるべく避けるようにしているのです。なにしろ、よそ様のスペースですからね。

「箸休め」で書いた記事の再録とかもあるんですが、読みやすいように手を入れています。


個人的におすすめなのは(自分で自分のものを勧めるってちょっとアレだなぁ)、「第十一回目」以降の記事でしょうかね。

かなりライトな書き方にして、某TRPG関係の昔のエッセイを強く意識していますw
ほんとはね、こっちの方も適度に更新出来たらいいんですが、根が不器用なものですから、あっちに力を入れると、こっちに力が入らなくなってしまうのですw


というわけで、またコラムのほうがひと段落したら、こっちにも目を向けてやろうかな、と思っていますが、もうちょっとコラムは続くので、是非そちらのほうも宜しくお願いします!


それでは、また。
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# by s-kuzumi | 2015-10-30 13:42 | 日々之雑記 | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01 フリーサウンドノベルレビュー 『Lost order ~Last Smile~』

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今日の副題 「この終わりの世界で生きていく」

※大吟醸
ジャンル:女性向け頽廃世界分岐ノベル
プレイ時間:1章3時間程度。合計で10時間ほど
その他:選択肢アリ(後述)、18禁。注意書きを読んだ上でのプレイすること。
システム:LiveMaker

制作年:2014/8/28
容量(圧縮時):92.5MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は、人から勧められた作品をご紹介。
最初は、「女性向け」ということで、ちょっと身構えていたのですが、プレイしてみるととっても面白いですし、内容もとても上質だったのです。
というわけで、今回は「Imitation gallerY」さんの『Lost order ~Last Smile~』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・どのキャラクターにも魅力が感じられる丁寧な描写と物語構成。

・暗めの世界観だが、その中でも前向きで上質なエンド。


気になった点

・残酷、グロ描写など苦手な人は要注意。

・いささか誤字の類が多かった気が。


さて、ストーリーは、サイトのURLを張っておきましょう。
こちらからどうぞ。



というわけで、久々にプレイのし応えのある長尺のものをプレイしました。

最初は、女性向けということでしたから、ある種のセオリー通りに話が進むのかと思いきや、全くそんなことはなく(主人公の女性に個性がありますし)、開始直後から良い意味で裏切られた作品でした。

というのも、舞台は架空の近未来。
奇病の蔓延により、ゆっくりと人類が滅亡していく、そんな退廃的な世界が舞台で、少し暗いトーンのストーリー展開があったからです。

そして、その世界を牛耳る怪しげな民間組織の下級構成員が主人公のトート(名前変更可)。
彼女を軸にして、物語が進んでいきます。


良いな、と思えたのは、主人公が下級構成員であるが故に、上層部からのミッションをこなしていかないといけない、というところ。
そして、そのミッションに沿う形で、それぞれのキャラへの掘り下げがあり、ストーリーが前進していく構成がとても良かったです。

キャラクターの描写も本当に丁寧で、脇役が本当に魅力ある存在となっているのです。
これは中々出来ることじゃありません。
後書きを読むと、「群像劇」を意識された、とのことですが、なるほど納得です。

主人公とその相手(今回は、女性向けなので男性キャラということになります)だけが焦点化されていくのではなく、脇役には脇役の人生や行動の指針がちゃんとあって、それがメインのストーリーにしっかりと結びついている作りは、王道を踏まえながら、そこに丁寧な物語作りを感じさせてくれます。
そういった意味で、名作『TRUE REMEMBRANCE』に通じる部分もあると思います。どちらも、少しファンタジックな世界を持っていますしね。

個人的なお気に入りは、主人公トートの姉貴分、ヴォルガーレです。
どうしてお気に入りなのか……というのは、プレイして頂ければ分かると思いますw 凄く魅力あるキャラクターですよ。


さて、本作は選択肢ありの作品なのですが、選択肢の使われ方とでもいいましょうか、そうしたものがちょっと独特なので、ここで解説しておきましょう。

第1章から選択肢が出て、ストーリーが分岐していくのですが、それぞれの章によって主人公と結ばれる相手が違います。

例えば、第1章ではチェシャ、第2章ではギル、といったように。
第1章で、チェシャの個別ルートに入ってしまえば、第1章が終わった時点で物語がおわります。
逆に、チェシャの個別ルートに入らなかった場合、ストーリーは第2章へと続き、またギルとの個別ルートに入るか入らないかを、選択肢で選んでいくことになるのです。

ちょっと変わっていますよね。


一つ、言えるのは、「どのエンドも完璧なハッピーエンドではない」ということです。
それは、最終章のトゥルーエンドでもそうです。

何しろ、世界規模で人類が滅亡しつつあるわけで、そうした世紀末的な退廃的なトーンが本作の魅力の1つでした。そして、そのトーンは最後まで失われることはありません。

しかし、そうした世界の中で得られる幸せ、目標、そうした希望(というとあまりに安直ですが)を微かに感じさせる、暗いトーンの中だからこそ活きるエンドはしっかりと描かれています。
これは、安易な形でのハッピーエンドよりも、遙かに説得力があるのです。


上手く説明出来ないのですが、私が凄く好きだった80年代後半~90年代中盤頃のジュブナイル小説(ラノベっていうと、ちょっと違う雰囲気が出てしまうので)に近い雰囲気を持っている作品でした。

そうした小説の中には、ただ単に明るい楽しい話だけではなく、ちょっと渋いというか深みを感じさせる作品があって、それに非常に手触りが似ているのです。
作家の名前まで出しちゃうと、「小林めぐみ」や「冴木忍」(のシリアス作品)あたり、というと伝わる人も多いかと思います。


気になった点は、先に挙げた通りです。
ストーリー的な部分では、何も言うことがありません。

強いて言うならば、サクレのキャラクターは、第1章、第2章でもうちょい主張があっても良かったかな、というくらいです。


長いプレイ時間が全然苦にならない丁寧な構成と、キャラクターの掘り下げが本当に見事な作品です。
女性向け、ということではありますが、男性がプレイしても全く問題がない……というより、是非プレイしてもらいたい作品になっています。

本当に最近は、女性向けのゲームで素晴らしいものが増えてきました。
ちょっと甘いかな、と思いながら、今回は大吟醸です!



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# by s-kuzumi | 2015-08-24 19:48 | サウンドノベル | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01 フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『かげぼうし』

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道玄斎です、こんばんは。
今日は短編作品のご紹介。10分くらいの尺ですが、温かい雰囲気が活きている作品だったと思います。
というわけで、今回は「現屋」さんの『かげぼうし』です。



現屋さんと言えば、ここでもレビューした『喉の渇くその前に』、あるいは『よんひくいちは』といった作品がありまして、プレイヤーに考えさせるというか、少しヒネリの効いたストーリーが魅力でした。

ですが、本作は、それらの作品と比べるとかなりストレート。
男子小学生アカリとクラスメイトのアザミ、その二人の交流譚とまとめてしまうことも可能です。


物語の中に「ここが一番の見せ場だな」というような場面が設定してあり、その場面こそがタイトルである「かげぼうし」になっている、ということなのですが、これは、「焦点化」という手法だと言えましょう。

その場面、その瞬間を描くために物語がある、というようなタイプです。


ですから、アカリがアザミに好意を抱くようになったきっかけ、或いは、アザミを取り巻く環境の謎みたいなものは作中では明らかにされないのです。

これは一見すると、いかにも不自然なようですが、焦点化がシッカリと出来ている為、実はそこまで気になりませんでした。


ここ数年、こうした非常に短い作品のリリースが、フリーのノベルゲームの世界で目立つのですが、個人的な感触としては、最初はそうでもなかったものが、段々と「見せたいもの」「描きたいもの」「伝えたいもの」が分からなくなり、ただただリリースされる、というようなものが増えてきていた時期があったように思います。

作品をリリースする、ということ自体、凄いことではあるのですが、「作品を出すこと」そのものが目的となってしまっていたケースというのも、あるのではないでしょうか?


そうした作品と比べた時、本作は、放置されている謎などはあれど、やはり頭一つ抜けている印象を受けるのです。

また、その「描きたい部分」」をより印象付けるような演出も巧みでした。
全体的に柔らかく、温かみのある雰囲気、そしてそれを後押ししてくれるようなイラストが、作品の魅力を最大限に押し上げていたように思います。


10分程度ではありますが、密度の高い作品でした。
ちょっと温かい気持ちになれる、素敵な短編作品です。
是非、プレイしてみて下さい。



それでは、また。


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# by s-kuzumi | 2015-08-12 18:51 | サウンドノベル | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01 フリーサウンドノベルレビュー 『ココロ、そらいろ。』

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今日の副題 「子どもを描くからこそ描ける物語」

※吟醸
ジャンル:少年少女のハートウォーミングストーリー。
プレイ時間:40~45分程度。
その他:選択肢なし、
システム:NScripter

制作年:2015/4/9
容量(圧縮時):32.9MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は、久々のノベルゲームレビュー。
思春期の少年少女に焦点をあてた作品を多く作られている作者さんの作品のご紹介。
というわけで、今回は「mint wings」さんの『ココロ、そらいろ。』です。
良かった点

・短いエピソードを重ねていく形式で読みやすく、それ故の効果も出ている。

・小学校高学年という年齢設定が絶妙。


気になった点

・主人公いつきの問題に関しては、ちょいあっさりかも。

・物語の締め方が個人的にちょっと気になった。

ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。
"君島 樹(きみじま いつき)" は不登校の男の子。
ある日、担任の勧めから "保健室登校" を始め、新たな世界へ踏み出すことに…。

1番最初に出会ったのは "前川 柚子(まえかわ ゆず)" という女の子。
人に合わせるのが苦手で、友達から仲間外れにされてしまったらしい。

しばらくしてやってきた "藤堂 元成(とうどう もとなり)" はクールな男の子。
クラスに上手く馴染めず、ずっと1人だった。いつも無表情で笑わない子。


そんな彼らと過ごす日々は、様々に色を変えて積み重ねられていく…。
――そう、まるであの空の色のように。

このようなストーリーになっています。



mint wingsさん12作目の作品です。
この作者さんは、「思春期」の少年少女を描くのが本当に上手いですね。

その時期特有の不安定さや、脆さ、残酷さ、そして素直さや優しさ……そういったものを上手く折り込みながら、物語が進む作品が多いのですが、本作も例外ではありません。

今回は「思春期前期」とでもいいましょうか、小学校の高学年という年齢設定にまず惹かれました。

ノベルゲームの場合、だいたいが「高校生」を主人公としているわけで、ちょっと年齢をズラしてやるだけでも、まだまだ色々な物語の可能性があるわけです。
さらに、思春期の入り口、といった年齢ですから、そこに他の作品にはない「面白さ」や「深み」を感じることが出来ます。


物語は、短いエピソードを選択し、それらを順に読んでいく、という形で進行します。
それによって、一話一話が読みやすくなっていると共に、それ故の効果が出ていました。

どういう事かと申しますと、エピソード間にはそれなりの「空白の時間」が存在しているのです。
だいたい、数週間~一月程度のブランクが、各エピソードの間にあるんですね。

で、あるエピソードを読んだ後、次のエピソードにいくと、ちょっと人間関係が変化しているんです。
最初は、少しおっかなびっくりコミュニケーションをとっていた、主人公いつきと、やはり保健室登校のゆずが、大分うちとけた感じで会話していたり。

それはいつきとゆずだけでなく、もとなりに関してもそうでした。
エピソードの空白時間に、ちゃんとお互いの距離が縮まったり、あるいは、もやもやとしたものを感じたり……。そういう部分がキチンと次のエピソードで描写され作品に溶け込んでいる、というのがとても良かったです。

そういう意味で、とても丁寧に紡がれた作品、だということが出来ましょう。


思春期前期の子ども達を通して描かれる物語は、読者である私達にも改めて考えないといけない問題を提示してくれていたりもします。

ゆずの抱えていた問題、「自分の気持ちはそのままで、それでいて他者とうまくやっていく」、なんかはその最たるものでしょう。

気に入らないからケンカをふっかける。
あるいは、好きだから全てを肯定してしまう。

そういうことって、大人でもありますよね。
そうじゃなくて、「気に入らなくても、ケンカしない」、「ケンカにならない云い方をする」、「好きであっても、ダメだったらばちゃんと云う」。そういうことって、やっぱりとっても大切だけど、いざ実践するとなると、結構難しいところがあったりして……。


ですので、子ども達を描きつつも、「子供向け」で終わらない深みが物語にはあるんですよね。
もしかすると、それは「子供と大人の淡い」にある、思春期の子ども達を描くからこそ、出せるテーマなのかもしれませんね。


気になった点としては、主人公いつきの問題とその解決のパートが、ゆずやもとなりと比して、ややあっさり風味だったのかな、と。

ゆずやもとなりは、ハッキリとした理由・原因があって「保健室登校」をしているわけで、いつきはそこが「何となく」なんですよね。

ラスト付近で、いつきが自分の問題を自覚し、それに立ち向かう描写こそありますが、それも比較的あっさりしていたかなぁ、と。
多分……ゆずやもとなりが物凄くキャラが立っているので、そういう風に見えてしまう、というのもあるんじゃないかと思いますね。


もう一点は、ラストです。
ここは、本当に「個人的に」気になった、という感じなのですが、たとえば、「3人のその後」の一枚絵が出て終わるとかね、そういうのでも良かったんじゃないかな、なんて。

現行の終わり方も決して悪い、というわけではなく、そこに込められた意図や、その終わり方の良さも勿論、感じることが出来ます。
ただ、個人的には、3人が積み上げてきた友情をしっかりと描写した上で終わって欲しかったな、ということなんです。

ここは、単純に好みの箇所ですから、あまり気にしないで下さい。



さて、mint wingsさんは本作を以て、サークル活動を一時中止されるようです。
エイプリルフールなどのイベント時にはゲームを作る、ということですが、とにかく一度、活動は休止ということのようです。

私も、mint wingsさんの作品、何本もプレイしてきましたし、レビューでも何度となく取り上げさせていただきました。
12本、という作品数は本当に凄いと思いますし、フリーのノベルゲームの世界に残した影響は決して少なくなかった、と思います。

今まで、本当にお疲れ様でした。
また、活動が復活し、新しい素敵な作品を読める日を楽しみにしております。



それでは、また。



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# by s-kuzumi | 2015-07-30 20:48 | サウンドノベル | Trackback | Comments(2)