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トランスメディア提供アイコン01なんてことない日々之雑記vol.366

道玄斎です、こんばんは。
公私に渉って、色々面倒な事がありまして頭痛が止まりません。先ほど、半分が優しさで出来ている薬を飲んだのですが、果たしてどうなることやら。
と、まぁ、体調の悪い記録ばかり付けていてもしょうがないので、今日は、自分の好きな話題を出していこうかと。



■5mm方眼の魔力

私、割と文房具が好きなんです。
ノートとかメモ帳とか、割とこだわりがあって、特に好きなのが「5mm方眼」になっているものです。

日記兼ネタ帳にしているMoleskineというノートも、5mm方眼のものを使っています。
何となく方眼紙の方がカッコいい、という感覚的な理由もあるのですが、もう一つ、切実な理由もあったりします。それは、私はとても手跡が悪いということ。
けれども、5mmのマス目が付いていると、何となくヘタクソな字でもそれなりに見えてくるから不思議です。

ただ、最近、品質の低下が著しくて、愛用者としてはちょっと困った事になっています。
これも以前書きましたけれども、ゴムバンドが妙にペラペラで薄かったり、或いはゆるかったり。更に、栞にほつれがあったり、わけの分からない所からわけの分からないヒモが飛び出ていたりw

Moleskineの品質の低下に関して、結構沢山のブログやらを見つける事が出来たのですが、「アタリを見分ける方法」を掲載しているサイトが一番面白かったですね。
そのサイトのアタリ基準と、私のそれとは微妙にズレていたり、或いはクオリティコントロールのシール(そういうのがノートに入ってるんです)の色でアタリと外れを分けたりしているのですが、「必ずしもそうじゃないよなぁ……」と思う部分もやっぱりあります。

このMoleskine、最近じゃ書店なんかでも見かけるのですが、滅茶苦茶高いです。ちょっとした手帳サイズのそれが2000円くらいしますから。けど……アマゾンで輸入品を買うと900円で済んだりしてw なので、私は断然アマゾンで輸入品をお勧めします。

ま、折角ですから、写真を。
これが、私が普段使っているノートです。中身はアレなので外見だけw ちなみに新品です


で、そうやって日記兼ネタを書き付けるノートを使う一方で、メモ帳も5mm方眼のものにしています。RHODIAってブランド(?)のものなんですけれどもね。
何度か、このメモ帳の記事は書いた気がしますね……。なんだか凄くハマってしまって、メモ帳はこれに統一していますねぇ。勿論、ノートとメモって近い関係にあるので、ノートにメモする事も多々あるわけですけれども、このメモ帳、気に入って使っています。

何というか、手書きの方が「早い」局面って結構多くて。
パッと書き留めて、後で見返す。不必要になったら捨てる。
そんな当たり前の事ですが、ついついデジタル全開な世の中にいると、アナログ的な発想をつい見失いそうになってしまうのですよ。
これも、写真載っけておきましょう。


このメモ帳は、一枚一枚、ピリッと切り離せる所や、サイズの豊富さが魅力ですね。
普段のメモには№11を、リストを作る時は№8を、図を描いたり、Moleskineには書ききれないネタを書く、ノート的な使い方をするのには№16を、という風に使い分けています。

なんとなーく、方眼紙って「書きたくなる」魅力があるような、そんな気がしていますよ。
デジタルで記録を取ったり、メモをしたり、っていうのも、勿論アリですけれども、時にアナログで書く事で、新しい発見とかそんなのがあるかもしれませんね。



というわけで、今日はこのへんで。



それでは、また。

# by s-kuzumi | 2012-05-17 19:46 | 日々之雑記 | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01フリーサウンドノベルレビュー 『cranky・apple』


今日の副題 「さっちゃんはね、透明なんだよ、ホントはね」

ジャンル:透明人間との交流ノベル(?)
プレイ時間:30~40分程度。
その他:選択肢なし、一本道
システム:NScripter

制作年:2012/5/8(?)
容量(圧縮時):42.0MB



道玄斎です、こんばんは。
久々の更新ですが、実はゲーム自体は結構プレイしていたりします。何本もプレイしたり、又洋ゲーを探し回ったり色々していたわけですが、今ひとつ、ピンと来るものが無かったので、このブログを半ば放置してしまっていました。
そんな風に、今日も今日とてゲームを探してプレイしていたら、「この作品なら色々書けるかな?」と感じたものがあったのでご紹介。
というわけで、今回は「フリーゲーム讃歌」さんの『cranky・apple』です。
良かった点

・ちょっとヒネった設定が面白い。

・ただの不思議な話、で終わらず、主人公ミドリの成長物語としての軸があったのも良かった。


気になった点

・透明人間ことさっちゃんとの交流に、もう少し筆を割いて欲しかった。

・やや性急なラスト。

ストーリーはふりーむ! から引用しておきましょう。
「人には見えないもの」が見える少女・ミドリが出会ったのは、透明人間のさっちゃんでした――
二人のちょっと不思議で、ほんわりな物語。

1時間ほどで終わるデジタルノベルです。
選択肢なしの一本道ですのでお気軽にどうぞ。

こんな感じ。


大凡、主人公たる人間と人外の交流を描く作品の場合、偶発的にその幽霊なり、透明人間なりを知覚出来るようになった、というパターンが多数を占める訳ですが、本作の場合、主人公ミドリは最初から「見える人」として設定されていました。

メインキャラの一人、さっちゃんは、ミドリが認識出来る透明人間。当然、他の人は彼女の姿を見ることは出来ません(幽霊、では無く透明人間なので、ぶつかったりは出来るみたいですが)。
そんな二人の交流を軸に据えた作品、と、取り敢えず簡潔に本作を纏める事が出来そうです。

ともあれ、こうした幽霊や透明人間を見ることが出来る、というミドリの個性が、作品の一つの特徴になっています。これは、何かの拍子で、人外と交流を持つようになる、というパターンとはちょっと違いますよね。
何より、その「見えてしまう」こと、そのものが、作品のもう一つのテーマに繋がってくるあたり、中々巧みだと思われました。
「見えてしまう」が故に、ミドリは、その幽霊や透明人間と友達になる事に血道をあげ、生身の人間(クラスメイトなど)に対して興味を失ってしまっています。まぁ、作品を読めば分かるのですが、軽くクラスで浮いてたりしますw

さっちゃんは、主人公の幼なじみで、学校の養護教諭の椿に惚れている為に、学校の保健室にいたようです。そこを、ミドリに見つけられてしまい、二人の交流が始まることに。

幽霊・透明人間大好きっ娘のミドリは、さっちゃんにやたらと懐いていくわけですが、さっちゃんの方が割とクール。一応、椿に惚れている、というバックグラウンドがある為、彼の幼なじみで仲の良いミドリに対して、嫉妬の情もあるわけです。

で、基本路線としては、この二人のやりとりで以て物語が綴られていく、という事なのですが、先にもチラリと書きましたように、ミドリは幽霊や透明人間といった「人外」にしか興味が持てないでいます。
だからこそ、彼女は、クラスでは浮き、クラスメイトとコミュニケーションが取れず、人間関係が構築出来ないのでした。

この作品のもう一つの軸は、まさにここにあって、さっちゃんとの交流を通じてのミドリの成長、というのが一つ、大きな柱になっていたと思います。
変わった設定、だけでなく、そこにちゃんと成長の物語を内包してくれている所が良かったですね。この成長を、一風変わったガワで包んである、という印象でしょうか。
ガワと云えば、イラストが素敵でしたね。ちょっと淡い雰囲気を残していて、こういうイラストも好みだったりします。


さて、気になった点は、その成長物語と関係があります。
というのは、ミドリの成長が急カーブを描いているんですよね。あっという間に成長してしまうというか。
さっちゃんとの関わりの中で、彼女が成長していくわけですから、もう少し、二人のやりとりに筆を割いて、少しづつ終わりを意識させながら、成長が描写される、という形の方が受け入れやすい気がしました。

これは、ラストが性急だという点とも関わってきますね。
起承転結で云えば、転・結に当たる部分をじっくり描いて欲しかったな、という感じです。言い換えれば、さっちゃんをもっと活かす事が出来たのではないか、という事でもあります。随所に描かれる、温かみのあるやり取りと、必殺のセリフ(これはグッときます)は魅力的なんですけれどもね。



大体、こんな感じでしょうか。
一風変わったガワに包まれてはいますが、実は割とオーソドックスで読みやすい作品です。
そういえば、タイトル画面なんかもお洒落な感じで、中々素敵ですよ。人外との交流型(?)が好きな方は是非、どうぞ。



それでは、また。

# by s-kuzumi | 2012-05-16 19:40 | サウンドノベル | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01フリーサウンドノベルレビュー 『ONIGAWARA』


今日の副題 「我が名はブルーフレイムッ!」

ジャンル:中二病ノベル(?)
プレイ時間:小一時間。
その他:選択肢無し、一本道。
システム:NScripter

制作年:2009/10/10
容量(圧縮時):34.3MB



道玄斎です、こんにちは。
連休、皆様は如何お過ごしでしょうか? 私は、例によって例の如く体調が悪いので、随分グダグダと過ごしています。で、まぁ、そんな時には思いっきり笑えるノベルゲームが最適だろう、という事で色々探してみて、発見したのが本作。
というわけで、今回は「EIN-CHERE」さんの『ONIGAWARA』です。
良かった点

・中二病描写が楽しい作品。思わず吹き出してしまう部分も。

・後半、シリアスな方向も見せてくれる。


気になった点

・賛否両論あるラスト

ストーリーは、ふりーむの方から引用しておきましょう。
鬼ヶ原第二中学校に通っている中学二年生、青木炎(ブルーフレイム)。
彼は世の中の全てを下らないと感じ、ブログを設立して学校生活の日々を記録していく。

……そしてある日、ブログを通してMARIAという人物に出会い、新たな志を得る。

新たな世界を作り上げるために、青木は立ち上がった。

中二病の作品と云えば、先ず思い浮かぶのが『電波電波カプリッチョ!』でしょう。
現在進行形で制作されている作品としては『い~びる☆あい』とかもありますね。

中二病、というのはオイシイ設定なのにも関わらず、実は意外とそれを題材にした作品は少ない印象があります。本作は、2009年というかなり早い段階で中二病に目を付けていた作品、という事になりましょうか。

ストーリーを見て貰えれば、直球の中二病作品である事、理解して頂けると思いますw
世の中全てに対して斜に構え、挙げ句、かなり痛いブログを綴る主人公ことブルーフレイム。もう、この時点で笑ってしまう人は笑ってしまいますね。

内容としては、主人公が気に入らない相手の事をブログでけちょんけちょんに書く。
すると、その相手が何故か怪我をしたりする事に。
それに味をしめ、更にMARIAなるブログの愛読者に背中押されて、どんどんブログが過激になっていくのだが……という感じ。所謂、ブログ版デスノートみたいな、そんな趣ですね。


前半の、こうした中二病描写はひたすら楽しく、「中二病の典型例」とも云えるものになっています。
勿論、それだけでは終わらず、中盤~後半に掛けて、かなりシリアスで真面目な展開も見せてくれます。
ブルーフレイムの所業(?)は過激になりすぎて、実際に重態に陥る生徒まで出てきてしまいます。そこで主人公は、一気に中二病から覚めるんですw
そして怪我をさせてしまった(?)生徒への償いを込めて、真面目に生活していく事、彼らが戻ってきたら謝る事を決意して、日々過ごしていくことに。

こうした、ただの中二病だけで終わらないストーリーの運びはいいですね。
『電波電波カプリッチョ!』がそうであったように、中二病に+αがないと、ストーリーとしての奥行きがどうしても出てきませんから。

ただ、一つ、作者さんのページにも書いてあるのですが、ラストは賛否両論分かれそうです。
こうしたギャグ作品に対して、「気になった点」を挙げるのは実は困難なんですよね。ギャグという枠があって、その中でちゃんと笑えれば、それはそれで所期の目的を恐らく果たしているハズですから。

あのラストで、気になる人はいるのかなぁ……という感じではあるのですが、「えええ?」と思う人も中にはいるのかもしれませんね。そういう人は、作者さんのサイトのQ&Aを見る事をお勧めしておきます。
けど、逆に、この展開であれ以外のオチは、私はちょっと思い浮かばないですねぇ。
『電波電波カプリッチョ!』とは、方向性が違いますが、こういう作品も面白いものです。



今回は短めですが、この辺で。
中二病ネタが好きな方は、プレイしてみて下さい。きっと爆笑出来る箇所がありますよ。



それでは、また。

# by s-kuzumi | 2012-04-29 13:34 | サウンドノベル | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01フリーサウンドノベルレビュー 『君の道、僕の道』


今日の副題 「二人の道はまだまだ続く」

ジャンル:恋愛ノベル(?)
プレイ時間:2時間ほど
その他:選択肢なし、一本道
システム:YU-RIS

制作年:2011/9/?
容量(圧縮時):66.1MB




道玄斎です、こんばんは。
今日はなんか具合がとても悪くて、蟄居していたのですが、こういう時こそ積んでいたゲームをプレイするチャンスなので、気になっていた作品をプレイしました。
というわけで、今回は「同人ゲームサークルalpha」さんの『君の道、僕の道』です。
良かった点

・厭味、澱みがなく、素直に読み進めていけるテンポの良い作品。

・お約束の展開を見せるも、中々楽しいストーリー。


気になった点

・何と言っても、締まらないラスト。

・後半、キャラクターの感情変化が激しく、置いて行かれる部分も。

今回は、私がストーリーを纏めておきましょう。
海原海斗は、大学進学の為上京する事となった。
家族と別れを告げ、東京行きの寝台車に乗り込んだはいいが、荷物入れの中には袋にくるまった女の子、井波京香がいた。彼女は家出をして、寝台車に潜り込んだという。海斗は彼女を匿い、一緒に東京まで行くことにしたのだが……。

と、こんな所でしょうか?


さて、久々のノベルゲームレビュー。
奇を衒わない素直なタイプの作品だったと思います。

プレイをするとすぐに分かるのですが、キャラクター同士の会話の掛け合いに力が入っています。
主人公の心中と同化している地の文も、割とくだけた感じで、時にギャグっぽさを交えながら描写が行われます。
こうした掛け合いの要素が強かったり、或いは主人公の心中思惟が多い作品は、下手をすると、とてもテンポが悪くなってしまいます。プレイヤーの気持ちとしては、次の展開を早く見たいのに、何故かズルズルと引き延ばされる何てことない日常シーン……。

しかし、本作の場合、掛け合い、海斗の心中思惟で話が進んでいくタイプであるにも関わらず、テンポが損なわれません。
それは、「ストーリーのテンポが良い」からでしょうね。小気味よく場面が変えていくことで、冗長さを無くし、ストレス無くプレイ出来るように作ってある、という印象を受けました。

家出少女、京香とは、東京駅で一旦別れてしまうのですが、お約束通りにすぐに再会し、同居することに。
この辺り、お約束過ぎる! と感じる人もいるかもしれませんが、こういう素直で先が読める作品も、中々良いものです。お約束、とは「予想通りの所に落ち着く」という意味では、安心感のあるものですから。
特に、最近ではむやみやたらとヒネリを効かせた作品が多いので、本作は、そういう意味でも少しホッと出来るタイプの作品でしたね。


海斗と京香が同居してからも、お約束は続きます。
少しづつお互い惹かれ合っていき、恋人同士に。お祭り(花火付き)やプールといったイベントも完備してます。
こうした恋愛ノベルゲームでは、お馴染みのイベントなんですが、それでも何となく楽しめちゃうのは、作品の雰囲気のお陰でしょうかね。

恋愛面に関しては、かなりコッテリとした檄甘展開ですw
海斗は(例によって)かなり恋愛方面に鈍い男なんですが、めでたく恋人同士になるやいなや、読んでいて恥ずかしいくらいのラブラブっぷりが展開されることに。セリフも思わず赤面してしまうものが多かったですw
中盤くらいから、かなりラブラブになる海斗と京香なのですが、気になった点もそこにあります。

というのは、京香は家出をしてきたわけで、「何故家出をしたのか?」という重要な部分を、海斗が聞きだそうとする場面があります。
そこで、自分の非常にデリケートな部分に踏み込まれた京香が「あんたはあたしの何なのよ?」とか云うんですよね。
あれだけ、ラブラブしていて恋人同士、という単語が頻出するにも関わらず、「あんたはあたしの何なのよ?」は流石にないんじゃないかなぁ……と。かと思うと、あっさりとまたラブラブ状態に戻ったり……。
そんな調子で、終盤は、京香の感情の変化の振れ幅がかなり大きくて、ちょっと置いてけぼりを食らってしまいました。


まぁ、それは置いておくにしても、ラストが締まらなかったのが、本作の最大の気になった点でしょう。
結局、何となくなし崩し的に、家出するきっかけとなった家庭での軋轢に、真正面から向かう事にした京香なのですが、まさにその瞬間に物語が終わってしまいます。

もう少し、京香と彼女の家族の抱える問題を提示したり、又、それに立ち向かい、云うなれば幸せを勝ち取るまで、を描いて欲しかったな、という感じです。
先にも書きましたが、テンポが良くストーリーはスムーズに進んでいきます。けれども、グッと重みを増すパートもやっぱり必要だと思います。そこが、本作の場合ラスト付近なんですが、あまりにもサラリと流れてしまって、余韻もなく終わってしまったのが残念でした。



スムーズな展開と、恥ずかしいくらいのラブラブな描写があるわけですから、もう少しラストを丁寧に描いていたなら、より良い作品になったのではないかと思います。

全体で見れば、少し物足りなさはありますが、王道の展開と、赤面するくらいの甘酸っぱさを味わいたい方は、是非プレイしてみて下さい。



それでは、また。

# by s-kuzumi | 2012-04-16 19:29 | サウンドノベル | Trackback | Comments(5)

トランスメディア提供アイコン01フリーサウンドノベルレビュー 『本気で恋愛ゲー作らないか』


今日の副題 「ゲーム、作ってます?」

※吟醸
ジャンル:ゲーム制作恋愛ノベルゲーム
プレイ時間:4時間ほど
その他:選択肢なし、一本道
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2010/10/16
容量(圧縮時):426MB



道玄斎です、こんにちは。
今日は、プレイしようと思って長らく放置してきた作品のご紹介。一風変わったテーマのVIP系の作品ですね。
というわけで、今回は「ゲーム企画本気で恋愛ゲー作らないか」の『本気で恋愛ゲー作らないか』です。
良かった点

・同人ゲームを作る、という一風変わった設定が光る作品。

・要所要所を引き締める事件が、プレイをダレさせない。

・ゲーム制作し、発表する、というワクワク感が味わえる。


気になった点

・元ネタが分からないと楽しめない恐れがあるテキスト(作品中でそれに関して言及アリ)。

・もう少し、個々のゲーム制作の作業に焦点が当たっても良かった。

ストーリーはサイトへのリンクを張っておきましょう。こちらからどうぞ。



ノベルゲームを作る、というテーマを正にノベルゲームで表現する。
そうした作品はあまり存在しません。ノベルゲームそのものをネタにする、という作品はチラホラ散見されるのですが、やはり、「学園恋愛ノベル」のようにメジャーな存在ではないでしょう。
ゲーム制作に焦点を当てた作品としては『ゲーム作ってます』という作品がありました。本作はそうしたテーマを受け継ぐ、強化版のような作品ですね。

主人公石井拓海は、個人でゲーム制作サークルを立ち上げ運営しているわけですが、作品の絵を依頼していた絵師が逃げてしまって……というのがイントロです。
これ、ゲームを制作した事のない方にはピンと来ないかもしれないのですが、結構良くある事だそうですよ。絵も文章も自分で出来てしまう、そんな人は本当に一握りで、大抵の場合、「シナリオは書ける」「絵は描ける」といった具合で、だからこそ共同制作、というスタイルを採るわけです。

でも、絵師が逃げてしまう。或いはお願いしていた声優さんが音信不通になってしまう。そんな事は割と普通にあるらしいのです。
酷いのになると、シナリオライターが逃げちゃったりして……w


絵師が逃げて混乱する主人公の前に、一人の女の子西原秋奈が現れます。しかも彼女は味のあるイラストを描いているのです。当然、絵師に逃げられた主人公は最後の望みをかけて、絵師として参加してくれるように頼むのですが、実は、その女の子が、例の逃げてしまった絵師であった事が判明して……。
と、ストーリーは進んでいきます。一ひねりある出だしで、プレイヤーを前のめりにさせてくれますね。

ところで、先にも書きましたが、「同人ゲームを作る」というのが本作の大きなテーマで、他の作品が持っていない大きな特徴の一つです。
そして、その同人ゲーム制作を通しての人間模様や、事件が描かれる事になります。

本作で良いな、と思った点は、ゲーム制作という軸を保ちながらも、丁度良い塩梅に事件が起こり、プレイをダレさせない、という作りです。
主人公宅に転がり込んできた妹、大手サークル主催者の友人、そして、絵師の秋奈を巻き込んでの事件、エピソードが、主軸に上手に寄り添う形で提示されるので、プレイしていて飽きる事がありません。
凡そ、4時間程度の尺があれば、ダレてしまう箇所が一箇所二箇所出てくるものですが、本作はその点、非常に巧みに作ってあると感じました。


ちなみに、ヒロイン秋奈は、所謂ツンデレ系のキャラですね。
妹も、ノベルゲームでお馴染みの造型ですし、友人キャラも、大手サークルの主催者という付与属性を除けば、やはりお馴染みのキャラクターです。
なので、キャラクターという意味では、そこまで新味があるわけではないんですよね。勿論、登場キャラはもう少し多いのですが、些か唐突感のある片岡さんや、本当にラスト近くにならないと登場しない、秋奈の友人とかは、ちょいもったいないなぁ、と思ったりもします。
もう少し、中盤くらいから、ガシガシストーリーに関わってきてもいいかな? という事ですね。

一つの山場となる、秋奈に対する嫌がらせ事件の犯人も、プレイヤーとしては「恐らく、あいつ(ら)だろう……」と察しは付くんです。
が、その「あいつ(ら)」は、その段階では登場しないキャラなんですよ。そういう意味で、もうちょい早い段階でキャラクターを出てきていれば、もっと納得感があったのかもしれません。


もう一つの良い所は、ゲームを制作する、というワクワク感をゲームを通じて体験出来る、という事でしょう。
ゲームを作った事がある人は勿論、そうでない人も、紆余曲折を経ながら、少しづつ作品が完成していく様子を楽しむことが出来ます。
だけれども、ここは気になった点と表裏一体で、折角の、ゲーム制作というテーマがあるわけですから、個々の作業が、具体的にどういうものなのか、をもう少し描写しても良かった、と思います。デバッグに関しての説明なんかはあるのですが、肝心のシナリオ書きの様子だったり、イラスト制作の様子だったりがチラリとでも描写されていれば、より一層のリアリティが出たのではないかと。
あまり、ダラダラと「この作業は○○で、○○をして○○を……」とか書くと、やっぱりダレちゃうんでしょうけれども、も少しフレーバー程度でも、実際の作業の追体験が作品を通して出来ると良かったかな。


細かな点では、結構序盤~中盤に掛けて、ギャグっぽいノリで進んでいくのですが、VIP系作品ならでは(?)の、「元ネタが分からないと、おいてけぼりにされる文章」があったりします。
ここらへんは、本当に賛否両論あるような気がしますね。実際に作中で、そうした文章に関して言及もあるわけですが。
あとは、恋愛的な意味では、非常に予定調和だったかな、という辺りでしょうか。まぁ、期待を裏切られてもアレですから、このくらいのバランスの方が実は、いいのかもしれませんねw



ちょっと変わったテーマが光る作品です。
共同でゲーム制作をしたことのある人も、これからやろうという人も、そして、ゲームを作った事の無い人も、是非一度プレイしてみて下さい。
きっと、共感出来たり、参考になったりすると思いますよ。



それでは、また。

# by s-kuzumi | 2012-04-08 16:32 | サウンドノベル | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01フリーサウンドノベルレビュー 『Being -君がいた日-』


今日の副題 「いかまほしきはいのちなりけり」

※吟醸
ジャンル:ある1つのコンセプトを元にしたシナリオ集
プレイ時間:全部読んで、凡そ1時間ほど。
その他:どのシナリオも選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:2012/2/8
容量(圧縮時):55.0MB



道玄斎です、こんにちは。
今日は、こんな時間に更新します。それも久しぶりのノベルゲームレビュー。
というわけで、今回は「Clover」さんの『Being -君がいた日-』です。
良かった点

・プレイしやすい短編集。テーマに沿った感動系のシナリオが三本入っています。

・演出とテキストとが絶妙にマッチしている。

・地味ながらも良作が、定番だけれども感動出来る、そんな作品が入っている。


気になった点

・かなり『Kanon』っぽいシナリオがあったw

・もうちょい、シメ感のあるエンドが欲しいものも。

大体、こんな所でしょうか?
ストーリーはちょっと長いですが、ふりーむの紹介文から引用しておきましょう。
■バースデイ -to you-
――誕生日、おめでとう。
今日は娘の誕生日。主人公、千歳(ちとせ)は最愛の夫と共に、それを祝う。
素敵なプレゼントに、少し奮発したレストランでのおいしい料理――。
幸せだった。あたたかな家庭がそこにはあった。
それは、何でもない日常の1コマのお話……。

■この世界で笑いたくて
少年はビルの屋上にいた。
屋上から見下ろす夜景を、別の世界から眺めているような気がした。
少年はこの場所に、自らの生涯を終わらせに、自殺しに来た。
――やめた方がいいわよ。
ふいに聞こえた少年を止める声。この瞬間から、絶対に出会うことのない、少年と少女の物語が始まった。

■桜とさくら
――桜の下には、なにがいるの?
専門学校に通うため、明日香(あすか)は”この街”へ引っ越してきた。
街を見渡せる小高い丘、そのてっぺんに聳える桜の木。
そこで私は『さくら』と出会った。大切な、大切な、友達と……。

久々に或る程度尺を持った作品をプレイした気がします。
短編集、というのも、取っつきやすい感じで良かったですよね。実はノベルゲームで短編集というものは、少し厄介なものを秘めていて、それはズバリ「纏まりがないものが出来てしまう」という危険性です。
が、本作の場合は、あるテーマを軸としたシナリオ集、ということだったので、こうした危険性が未然に回避されています。
やっぱり、一本軸があると、纏まりが出て、個々のシナリオでありながらも、一つの作品として成立している。そういう感触がありますね。


さて、中身に入っていきましょう。
まず「バースデイ -to you-」ですが、短いながらも味のあるシナリオで、これをプレイしながら「これは絶対に良い作品だ」と思いました。
娘、千歳の14年分の成長を、手紙を通しながら、次々と語っていくのですが、このテンポが絶妙でしたね。ともすれば駆け足になってしまう。或いはダレてしまう。
そんな後半のシーンが、過不足無く語られ、ジワッと来る作品になっていました。

強烈な派手さ、或いはキャッチーさは無く、云ってしまえば地味な作品である事は確かです。しかし、地味=ダメという事は絶対になくて、地味だけれども良い作品は、世の中に沢山あります。
もしかしたら、このシナリオが、一番本作の中でふわりとした優しさを持つ作品だったのかな? なんて思いました。


次の「この世界で笑いたくて」ですが、自殺志願者の少年と幽霊らしき少女の交流を描きながらストーリーが展開されていきます。
何か悩みを抱えた人間と、人間以外の幽霊とか(って云っていいのかな?)の何かが交流していく、というテーマはノベルゲームでは、割と定番のものです。実際に、次の「桜とさくら」も、そうした趣のある作品でしたし。

さて、この作品は、絶妙な伏線の張り方がしてあります。
どこか、は敢えて云いませんが、九州檀氏さんの『君と再会した日』をプレイしていたりすると、割とすぐに分かってしまいますw 『君と再会した日』は二重に捻ってあるわけですが、同系統の伏線の張り方、と云っても良いのではないかと思います。
多分、『君と再会した日』をプレイしていない人は、この伏線の張り方に、してやられた感を感じるのでは? 

一方、気になった点は、何というか『Kanon』に似てたんです。
凡そ、恋愛ノベルゲームで『Kanon』の影響を直接間接(二次的な摂取も含む)を問わず、受けていない作品は少ないでしょう。勿論、意識してやった、というのではないと思います。
が、ラストでどうしても『Kanon』と重なってきてしまいますねぇw ですが、実は、そこがフリーのノベルゲームの面白さの一つ、でもあります。

ある作品とある作品がオーバーラップしたり、更にその中に当然あるであろう差異が面白かったり、似た場面や設定を持ってくる(意識/無意識を問わず)ことで、別の作品が重なり、瞬間的に作品が二重に再生され、厚みを増したり……。
なので、一概に、似てるから悪い、とは云えない面があるんです。

寧ろ、私が気になったのは、このシナリオのラストです。
ストーリーを積み上げていって、『Kanon』っぽさが出て、「さて、どんな結末になるんだ?」と思っていたら、意外や意外、ストンと落ちてしまったという。
枯淡、ではないですけれども、ストンと落ちると良い作品も確かにあります。が、このシナリオだったら、もう少しラストのオチの所で、もう少しシメ感というか、そうしたものが欲しかったですね。


さて、最後の本作唯一の長編シナリオ(と云っても35分くらい)の「桜とさくら」です。
桜の木と幽霊。定番の取り合わせです。が、気合いの入った良いシナリオだったと思いますよ。

主人公明日香は割とボケボケで、「幽霊が出る」と但し書きがしてある土地に勝手に入るわけですが、そこに現れた着物姿の女性を幽霊だと認知出来ない、というw
幽霊ことさくらと、明日香のやり取りは、温かみのあるものでこのシナリオの一つの特徴になっていますね。プレイして35分くらいでしたから、シナリオの容量は凡そ50~60キロといったところでしょう(100kbで一時間と云われています)。

そのテキスト量に反して、中身はギュッと詰まっている。そんな感触がありました。
テーマの一つであろう、「櫻=さくら」の持つ、淡い少しファンタジックな雰囲気もシナリオと良く合っていました。

このシナリオで一番光っていた所は、やっぱりラストですね。
プレイしていくと「こういうところに落ちるのかな?」と微かな予想は立てられます。けれども、そこで奇を衒わずに素直にドッと印象的な場面を出してくる。これは予想していても、やっぱりグッとくるものです。
ヒネリすぎて訳が分からなくなってしまうより、期待を裏切らない形でのラストも良いものですよ。

敢えて……気になった点を挙げるならば、高校卒業しているのに、あんな幼稚な形での虐めが行われるのかなぁ? という辺りで、シナリオの中身とはあまり直接的に関わってこない部分ですね。


大体、全体を俯瞰してみると、こんな感じになりますでしょうか。
ところで、本作は『ジサツ志願者同盟』と『自殺請負人』の作者さんとの合同サークル名義での作品になっています。
共に、「自殺」という、『ナルキッソス』以降、急激に増えて、そして、それが故に扱いにくくなってしまったテーマに、果敢に向かっていった作品です。
双方のレビューでも書いたと思うのですが、「死ぬこと」だけに焦点を絞らず、その先にある「生きること」を見据えた作品になっていたはずです。

それを更に推し進めて、本作のような作品が生まれたのだと、勝手に思っています。
作品紹介にある、「ある1つのコンセプト」とは何か? それは、個々人が考えて出した答えが、最良なのでしょうけれども、私は、「“残り続ける”命」とか、その辺りがコンセプトだったのではないか、なんて思っています。

サブタイトルの「君がいた日」という言葉がある事から、単純に「生そのもの」ではなく、生き続け、生まれる人がいる一方で、「いなくなってしまった人」がいるハズです。
その辺りを、上手く説明出来る程、ボキャブラリーが豊富ではないですから、苦し紛れに「“残り続ける”命」とか云ってみました。


『自殺請負人』『ジサツ志願者同盟』と比べてみると、パッと見、真逆なコンセプトのようでいて、その奥に底流しているものは、かなり近いものを持っているような気がします。

短編と云って、侮る勿れ。
久々に読み応えのある、ノベルゲームでした。少し切なく、そして温かいドラマを是非、楽しんでみてください。



それでは、また。

# by s-kuzumi | 2012-03-29 15:43 | サウンドノベル | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.51

道玄斎です、こんにちは。
なんか、毎度云ってますけれども、最近、新作のノベルゲームで目を引くようなものがなくて。
日常生活の忙しさと相俟って、中々ゲームの紹介が出来ずにいたりします。

さて、今回は、久しぶりの箸休め。
大凡、箸休めを書くとコメントが大量に付くのですが、果たして今回はどうなることやら。



■洋ゲーの世界

日本国内でめぼしい作品がないとすれば、手を出すのは、そう洋ゲーです。
ノベルゲームのレビューサイトは数多くあれど(あるんだっけ?)、洋ゲーに手を出しているところは少ないハズ。「人のやらない事をする」というのが、このブログの一つのコンセプトですから当然、洋ゲーにも手を出すわけです。

過去にも何作か洋ゲーを取り上げたのですが、全くと云っていい程反応がありませんw
まぁ、仕方ないのかもしれませんねぇ……。率直に云って、海外のそれはまだまだ熟していない、という印象があります。
そうした洋ゲーの世界の中で、『かたわ少女』という作品が話題の俎上に上るのは、或る意味で必至だったのかもしれませんね。少なくとも、ビジュアルは素晴らしいですし、尺も相当長目(だと思われる)で、中身を見れば、恐らくオーソドックスな学園恋愛アドベンチャーなのですから。

まぁ、ただ、私はあまり『かたわ少女』に関しては、積極的にプレイしたい、とは思っていません。体験版は勢いでプレイして、このブログでも紹介したのですが、落ち着いて考えてみると、「果たして、こういうゲームってどうなんだろうね……」と思ったりするわけです。
一方で、佐藤リリーさんに関しては結構気になっていたりするという千々に乱れる心もありつつ。


それは兎も角、ここ暫く、Ren'Ai Archiveという場所から、パッと見面白そうな作品を探してきてはDL。そしてプレイ、を繰り返しているのですが、どうにもこうにも良い作品に巡り会えません。

改めて云うまでもないのかもしれませんが、基本、向こうのゲームはRen'Py製です。
普段私達がプレイする、NScripterや吉里吉里/KAG製のゲームと同じようにプレイ出来る……んですが、少しだけクセがあるのも亦事実。
そもそも、マルチプラットフォームを謳っていますから、Windows用、Macintosh用、UNIX用のバイナリが用意されていて、自分のマシンに合ったものをDLする、という、ダウンロードの段階からして差異があったりします。

國産ゲームの多くは、Windowsで動かすことを前提としていますから、「俺はWindowsユーザーだから、これをDLすればいいんだな……」なんて事はありませんよね。
しかも、自分のマシンに合ったものをDLしても、必ずしも動くわけではない、というw
そうですね……。大体私の体感では、三作品に一作品くらい、動きませんw


ここまでは、プラットフォーム的なガワの話。
次は中身に入っていきましょうか。

先ず、プレイして気づくのは、イラストが独特なものが多い、という事。妙にバタ臭いというか、私達が普段目にするゲームのそれとは大分ベクトルが違うイラストが付いてたりします。
あと、酷いのになると、日本のゲームのキャラの立ち絵を(どうやったのか知りませんが)そのまま使用しているものもあったりします。

あとは音楽なんかもそうですね。
タイトル画面に流れるボーカル曲。黙って聞いてりゃ、あんた、日本語で歌われてる曲じゃないですか! 寡聞にして私は全然知らない曲だったのですが、日本の、恐らくゲームの曲をそのまま自作品のタイトルに使っちゃうわけです。
そのゲームは、タイトルから進んで本篇に入っても、「楽曲の無断使用」がハバを効かせますw
「……ん? このリズム……聞き覚えがある……」なんて思っていたら、マッシブ・アタックの曲でした。

意外や意外、立ち絵素材は、私達にも馴染みのあるものが使われていたり、もします。
『私の黒猫』なんかでお馴染みの、あの立ち絵が使われているのを発見しました。が、彼女の名前はイザベラだったんだ!


ストーリー的にも、どうにも物足りなさを覚えてしまいます。
ただ、良い点を挙げるならば、「妙なダラダラ感が少ない」と云う事が出来るのかもしれません。その代償として大体が薄味なんですけれどもね。
本来ならば、一時間くらい掛けて読ませるべき作品が、15分程度にギュッと圧縮されていたりするので、圧倒的に物足りなさを覚えたりするわけです。

心理描写なんかも、割と少なめ……なのかな?
下手をするとト書きが( )で付いていたりもしますしw
それを考えると、以前紹介したハーレクイン的洋ゲーは、かなりノベルゲームらしかった、と云えそうですw


ヒロインがセーラームーンだったり、『AIR』の神奈備命だったりするんですけれども、そういう意味でいえば、日本のゲームの直接的な剽窃、パロディ作品がかなり多いのは事実です。
しかし、だからと云って、「洋ゲーはダメだ……」と切り捨ててしまうのは、あまりにも早計というもの。

洋ゲーをプレイしていて、ふと感じるのは、洋ゲー圏ともいうべきコミュニティに存在する「伸びしろ」です。
まだ全然未熟なんですが、「なんかゲーム作りてぇ!」という強烈な衝動を感じるんですよね。割と誇らしげに「四時間で作ったぜ!」なんて添え書きがしてあったりして、ゲーム制作への衝動というか、やる気みたいなものは伝わってきます。

けれども、そこに「練り込む」為の時間がやっぱり、欲しいなと思いますね。
四時間で作品を作るのは確かに凄い。けれども、一週間くらい掛けて、シナリオをボリュームアップさせたり、文章をブラッシュアップしたり、足りない描写を補ってやったり……と手間をもう少し掛ければ、良い作品が出来上がってくるんじゃないかな? なんて思うわけです。


ここは一つ、英語に堪能なノベルゲーム制作者さんが、Ren'Pyでゲームを作って、向こうで公開して啓蒙してみる、なんていうのもアリかな、と思います。
「俺に任せとけ!」って人が出てこないかなぁ……。


あれこれグダグダ書きましたけれども、何よりも、一本プレイしてみるのが洋ゲーの雰囲気を掴むための一番の方法だと思います。
そして……「おや? これはいいぞ……」という作品があったならば、こっそり教えてくれたら嬉しいです。



それでは、また。

# by s-kuzumi | 2012-03-25 15:09 | サウンドノベル | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『手紙』


道玄斎です、こんにちは。
今日は、コメント欄にてお勧めして頂いた作品のご紹介。とはいえ、私も昔のYuuki! Novelのヴァージョンでプレイしていたりします。なので、NScripter版を使っての再プレイという事になりますね。
というわけで、今回は「P.o.l.c.」さんの『手紙』です。



この作品、初版がYuuki! Novel製で、2005年にリリースされています。
今から……7年前ですね。今回プレイしたNScripter版との違いは、まさにツールの違いだけであって、シナリオやグラフィック、といった面は変更がないようです。

それはともかく、この移り変わりの激しいノベルゲームの世界で、7年も作品を作り続ける(P.o.l.c.のわたるさんから、何やらシナリオを書いているとの事、最近伺いました)という事、中々出来る事ではありません。

本作も亦、ノベルゲームの世界に於いて、一つの古典とも云える作品なわけですけれども、2005年前後にも多くの名作があり、古典と化してきました。
けれども、単発でのリリースが多かったですね。良い作品が生み出される。けれども、そのまま作者さんはノベルゲームの世界からフェードアウトしていってしまう。

継続して作品を作り続ける。
そして、その一つ一つの作品に、力を込める。
これは本当に大変な事だ思います。その始発点とも云えるのが本作『手紙』です。


大分前置きが長くなってしまいましたね。
プレイ時間は凡そ、一ルート(選択肢はあれど、実質一本道)20分ちょい、といったところ。
かなり短い作品です。けれども、そこには凝縮された内容があるので、満足感が非常に高いのです。

昨今のノベルゲームを見渡してみれば、「長いのに薄味」、或いは「長く、且つ全体的にコッテリ」といった作品が多く見受けられるのですが、私なんかは、こうした「短くてもギュッと」というタイプの方が好みです。
勿論、長い作品には、長い作品なりの良さや仕掛け、があるものなんですけれどもね。

こういう作品はネタバレをしない方が良いので、所々ボカしながら書いていこうと思います。
主人公渡辺貴宏が、一枚の謎めいた、そして深みを感じさせる手紙を携え、帰郷する所から物語は始まります。

この作品のファンタジックな部分は、正直割とありがちなもので、且つ性急な印象があるのですが、そこは短編ということで、目をつむる、というのも一つの享受の仕方かなぁ、なんて思ったりもしますね。
まぁ、あまりに主人公がファンタジックな仕掛けを簡単に受け止めてしまえる辺りが、私には気になったりします。もう少し、尺が伸びてもいいから、主人公の戸惑いなんかを描いてやっても良かったかな、という事ですね。
ともあれ、帰郷とファンタジックな出来事、過去と現在が上手く繋がる形でストーリーが展開されていきます。

一応選択肢はあるのですが、どれを選んでも最終的には、一つの物語に収斂してしまうので、選択肢に対してナーバスになる必要はないでしょう。しかも、「これが本筋!」というのは、すぐに分かるはずなので。


本作の何より光っていた部分は、タイトルにある「手紙」の存在と、その使い方です。
冒頭部で示される、謎めいた手紙、本作は「この手紙の意味を探る物語」と云えるのかもしれません。
冒頭で示された手紙の存在は、中盤少し影を潜めてしまいます。が、後半になってまた、その手紙がグッと作中で活きてきて、「冒頭部での手紙はこういう事だったのか……」と納得させるものになっている。20分と少しの尺の中で、巧みにストーリーが構成されているからこそ、の演出でしょう。

ところで、今回スクリーンショットを撮る場所に、相当悩まされました。
悩んだ挙げ句、『手紙』だから手紙を撮ろう! と冒頭部の手紙を撮ってきました。他の部分を撮る、というのも一案なのですが、何しろ立ち絵も一枚絵もない作品なので、それだったらいっそ、タイトルに沿って……というわけです。


テーマ、そしてメッセージという意味では、実はこれも亦ありがちです。
家族、というものを再確認していく、と簡単に纏めてしまえますから。
が、先にも述べました様に、「手紙」という芯が一本入った事により、ストーリーに深みと奥行きが加わっています。


仕掛け、或いはテーマ、メッセージという意味でインパクトはさほどありません。
ですが、丁寧に作られている事がハッキリと分かる文章で、それだけで、作品はグンと質が良くなるのです。

凝った文体や言い回し、或いは選択肢分岐。
それらが上手く作品にハマれば、その効果は大きいと思います。
でも、地味ではあるけれども、分かりやすく丁寧に文章を綴る。たったそれだけで、地味な作品も光り輝いてくるのです。まぁ、本作の場合、ギャグっぽい選択肢もあるっちゃあるんですがw



云ってしまえば、地味な作品です。
ですが、その地味な雰囲気と作品全体を包み込む、しんみりとした情趣がマッチして、感動出来る良い作品になっていたと思います。

かなり有名な作品で、P.o.l.c.さんの「感動作品」の原点とも云えるものです。
まだプレイしていない、という方がいらしたら(ここを見ている人はプレイしてます、よね?)是非プレイしてみて下さい。



それでは、また。

# by s-kuzumi | 2012-03-20 12:56 | サウンドノベル | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01なんてことない日々之雑記vol.365

道玄斎です、こんばんは。
ここ数日、どうにもこうにも、頭が重たくて、日中苦労します。
何故頭が重たいのか、というと……。



■これが不眠症

簡単に云えば、「良く眠れていないから」ということになりますが、不眠というヤツも奥が深くて。
どうやら、一口に不眠、と云っても、その様態は様々なようです。
例えば、疲れて疲れて「よし、やっと眠れる」と布団に入っても何故か眠れない。或いは、運良く眠りに就くことが出来たはいいけれども、夜中に目が覚めてしまう。それも二回、三回と。

この様に、不眠にもいくつかの型があるらしいです。
ちなみに、私はそのものズバリの「眠れない」と、「眠りが浅い」です。確かに体は疲れてるんです。夕方頃になると欠伸が出るのは、健康な感じがします。

が、布団に入っても何故か眠れないのです。
寝返りを幾度となくうって、それでも眠れずパッと時計を見てみれば、午前四時。
「なんてこった……」と半分うなだれていると、ようやく眠気がやってきて……。

という感じですね。
こういう状態が長く続いたので、医者にかかった所、所謂睡眠薬が処方されました。
で、眠れるようになったのか、というと、実はさにあらず。
そりゃ、最初の頃は「こりゃ、死ぬほど便利な薬だ……」と思ってしまうくらい効いたんです。けれども、この手の薬は何故か段々効かなくなるという定めがあったりします。
ですので、薬を変えて、また変えて……とやって、今に至ります。

でも、今以て寝付きの悪さは天下一品です。
夕方頃から欠伸が出てきて、薬を飲んだら薄ぼんやりと眠気も起きる。だけれども、中々眠りに就けないのでした。

更に厄介なのは、夢、の存在です。
夢には、凡そ二つの意味があって、「将来、素敵なお嫁さんになるの!」みたいな、将来への願望と、眠っている時に見える(?)映像です。
ここでは勿論、後者の方です。

で、私は毎晩毎晩、バカみたいに夢を見ます。
それも大体長編。夢というと、何となく断片的な映像や場面が出てくる……という人が多いかと思いますが(私も嘗てはそうでした)、私の場合、或る程度明確なストーリーを伴った夢、を見るんです。
そして都合の悪い事に、そうした夢の大半は、所謂悪夢だったりします。
これは結構辛いですよ。夢を見る(私の場合フルカラーだ)という事は、取りも直さず脳みそが休んでいない、ということですから、私の脳みそは殆ど一日中稼働しています。元々デキが悪いのに稼働しても意味がない気がしますが、動いている以上仕方がないのです。

そう云えば、「連載モノ」の夢を見たりもしますよ。
夢を見ていると、「あっ、これはこの前の続きだ!」と認識出来る瞬間があるんです。かと云って、夢の中のストーリーに自分の意志が介入していく事は不可能なので、延々と流れ続ける映像/ストーリーを見る事になるわけです。



まぁ、大体毎晩毎晩、こんなんで悩んでるのが不眠症の人、という訳です。
そこには「日中ちゃんと体を動かせばよく眠れる」とか「もっとゆったりとした気持ちになれば眠れる」とか、「カフェインを採らないようにすれば眠れる」という様な論理は成り立ちません。

日中、激しく運動していても眠れないものは眠れませんし、ゆったりとした気持ちになれないからこそ、悩んでいる、とも云えるわけですし、カフェインを採らないなんて古典的な対策は、とっくに実践しています。

だからこそ、薬、という謂わば最終手段に出ているわけで、それでも中々眠りづらいときているものですから、結構苦しいのです。
それに、薬は、次の日まで「残る」んです。つまり日中にぼーっとしてしまったり、頭が重たくてどうにもダルかったり。なので、薬の調整とか、眠る時間の調整とか色々総合的にやらないとマズイみたいです。



と、まぁ、つらつらと例によって書きましたが、大体不眠症について分かって頂けたのではないでしょうか?w
そんな訳で、ここんところ、ノベルゲームのプレイが完全に停滞しています。
なんかこうね、サックリプレイ出来て、内容がギュッと詰まってる。そんな作品があったらなぁ、と思います。誰か紹介してくれないかしら。


今日こそ、ちゃんと眠れたら……という一縷の望みを託して筆を擱くことにします。



それでは、また。

# by s-kuzumi | 2012-03-16 18:56 | 日々之雑記 | Trackback | Comments(8)

トランスメディア提供アイコン01なんてことない日々之雑記vol.364

道玄斎です、こんばんは。
ちょっとプレイしたいノベルゲームもあるのですが、ちょっと時間がとれずに放置中……。少し更新が滞ってしまいますね……。



■肋骨骨折

というわけで、気がついたら肋骨が折れてましたw
いや、一週間ほど前からずっと、胸(の骨=肋骨)が痛くて、騙し騙し生活していたのですが、一向に治る気配がないので、流石に焦って「こりゃ、医者に掛かるか……」と重たい腰を上げる事に。

レントゲンを撮って、診察を受けたら、

「あー、折れてますねー」

と云われましたw
道理で痛かったわけです。幸い、深刻なダメージがあるとか、入院しなきゃいけないとか、そういうのではなくて、4週間安静にしていれば治る、という事だったので大人しくしています。

そのスジに詳しい人によれば、肋骨の骨折は治りやすいそうな。
足とか折ったら、結構大変そうですけれども、私の折った肋骨は、位置がズレるような場所ではなくて、日常生活にそこまで支障はきたしません。

ただし。
くしゃみをすると、痛くて泣きそうになりますw 
何だかんだで、骨折れてるわけですから、振動や衝撃はちと辛い。
いちおー、拡大解釈すれば、全治4週間って事ですから、そこそこな感じでしょ? なので、骨折にかこつけて、面倒な作業とかはスルーさせてもらおう、とかズルい事を考えていたりして……。



まぁ、兎に角無事で生きてます。
本当に、あとはノベルゲームがプレイ出来るくらい、時間的/精神的な余裕があれば良いのですが……。



それでは、また。

# by s-kuzumi | 2012-03-07 20:50 | 日々之雑記 | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『Candy Box』


道玄斎です、こんばんは。
今日は今まで名前こそ知っていたものの、何故かプレイを先延ばしにしていた作品のご紹介。もっと早くプレイしておけば良かったよ……と後悔するのもいつものこと。
というわけで、今回は「同志を待つ」さんの『Candy Box』です。



本作はどうも、iPhoneなどの携帯機でプレイする事を想定しているようで(PC版も勿論あります)、少し特殊な画面サイズをしています。いつも大体、スクリーンショットを撮ってそれを小さく加工するのですが、本作の場合原寸大、とまでは云いませんが、結構それに近い感じですね。

それはさておき。
ノベルゲームで、ほろ苦い作品と云えば、私がまず思い浮かべるのは『雨ではなく、雪でなく』です。
従姉妹の深雪と自分。そして自分の兄貴の三角関係にも似た、ほろ苦い恋愛模様が描かれる名作なのですが、ほろ苦いノベルゲームとして、新たに自分の脳内にインプットされたのが本作『Candy Box』。

何度かご紹介している同志を待つさんの作品です。
ストーリーをうんと簡単に纏めると、高校二年生の時に出会った“彼女”と主人公徹の不思議な間柄を描いていく……というものです。
何故、彼女に“ ”を付けたのかというと、彼女の名前は最後まで分からないからです。それも本作の演出の一つなのかな? という感じがしますね。
こういう作品で、ヒロインにありきたりだったり、或いは奇を衒った名前を付けてしまうと、その名状しがたい淡い部分が薄れてしまうような気がします。そういう意味で、本作の彼女が名無しの彼女であった点、高く評価したい所です。


徹と彼女は、彼女の提案により性的な関係を持つに至ります。
けれども、二人の間に恋愛感情があると云ったら怪しいのです。けれども、明るくサバサバとした彼女のキャラクターが「性的な関係を持つ」という状況を自然に演出し、尚かつ、いやらしく見せないように機能していて好感が持てました。

彼女は彼女で、色んな彼氏が居たりする。
徹は徹で、好きな人がいたり、彼女が居たりする。
しかし、二人は何故か離れられない。最初の一回だけで性交渉はないものの、軽口を言い合える良い友人のような、恋人未満のような、時として恋人以上の存在のような……そんな二人の関係で、中々興味を惹く設定だと思いませんか?


高校が終わり離ればなれになってしまう、徹と彼女。
そこで、もう一度だけ彼女との性交渉が描かれます。性的なシーンなのですが、先にも述べた通り、いやらしさや、所謂エロゲ的なそれとは一線を画している事、お伝えしておきます。

そして、その後に彼女の消息を知る、という形で物語は幕を下ろします。
所謂サンドウィッチ型の作品なんですが、ラストシーンがいいんですよ。とってもほろ苦くて、「ありそうで無い」「無さそうである」、というような絶妙なリアリティで、胸がキュンキュンする事請け合いです。

大体、私がプレイして15分でしたから、短い作品なんですけれども、結構インパクトのある作品だったんじゃないかな、と思います。特に男の人にはw この作品で描かれるようなキュンキュン具合って男じゃないと分かりにくい気がしますよ。


気になった点、という程でもないのだけれども、少し色々述べてみましょう。
作中で彼女がシュガークラフトという趣味を持っている事が描写されます。それが中盤、主人公と彼女の接触をナチュラルにする為に効果的に使われていたのですが、もう一押し使い所があったんじゃないかな、なんて思います。

例えばですよ? 
ラストシーンのメールで、彼女の作ったシュガークラフトの画像が添付されている、とか。
主人公と彼女を繋ぐ装置として、だけではちょっと勿体ない設定でした。まぁ、ここらへんのさじ加減って難しいですよね。「こういうのはどう?」って云っても、作ってる本人からしてみたら「蛇足」だと思えるかもしれないですし。



15分の尺の中で、丸二年+αを描いてしまうという作品です。
かといって、超スピードでストーリーが進むのかと云えばそうではなく、要所要所を抑えながら季節が推移するので、違和感は殆どないはずです。
そして、その中に、胸の中に残り続けるほろ苦い感触。私好みの良い作品だったと思います。
ほろ苦いラブストーリーをお探しの方は、是非プレイしてみて下さい。



それでは、また。

# by s-kuzumi | 2012-03-01 19:00 | サウンドノベル | Trackback | Comments(2)

トランスメディア提供アイコン01なんてことない日々之雑記vol.363

道玄斎です、こんばんは。
最近、どうにも調子が出なくてねぇ……。



■体温が上がらない


今日は、何故か体温が全然上がりません。
簡単に云うと冷えてます。全身w

特に酷いのが足で、氷の様に冷たくなって、今となっては感覚すら覚束なくなってきていたりして。
風邪か? と思って体温計で熱を測ってみると、37.0度。微妙な値です。微熱と云えなくもない。

取り敢えず、風邪薬は呑んでおいたのですが、果たして効きますことやら。
あとは、頭頂部に妙な違和感がありますねぇ……。
何か、頭の中に芯が入っているような。そして鳴りやまない耳鳴り。

なんか、ブログでこういう事を書くと、大抵その後、本当にダウンしちゃうというジンクス(?)があるんですが、多分、今回は大丈夫、だよね?
少なくとも四日間眠れてないとか、そこまでじゃないし。

ともあれ、気をつけるに越したことはないので、少し養生しつつ様子を見る積もりです。
というわけで、今日はこの辺で。



それでは、また。

# by s-kuzumi | 2012-02-27 20:55 | 日々之雑記 | Trackback | Comments(2)

トランスメディア提供アイコン01フリーサウンドノベルレビュー 『キミはキメラR』


今日の副題 「わたしも恋も規格外」

ジャンル:人外恋愛ノベルゲーム(?)
プレイ時間:2時間ほど。
その他:選択肢なし、一本道。15歳以上推奨。
システム:NScripter

制作年:2012/2/13(本レビューで扱うリメイク版)
容量(圧縮時):54.4 MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は、少し変わり種のご紹介。ヒロインは人外、そして15歳以上推奨という作品です。
というわけで、今回は「StarGazer」さんの『キミはキメラR』です。
良かった点

・読みやすくテンポの良い文章と、ストーリーの流れ。

・一見イロモノだが、実は純愛路線。


気になった点

・ラストで、色んな問題が置き去りにされてしまっている。

ストーリーはサイトの方から引用しておきましょう。
学校の教師になる夢を諦めた塾講師アルバイト――秋山義文(あきやまよしふみ)。
ある日の帰り道、「家庭教師として引き抜きたい」と、不審な女から誘われる。
その給与は破格であり、奨学金返済に苦しんでいた秋山は、家庭教師の仕事を受けることにした。
教えられた住所を頼りに辿り着いた場所は、「生命科学総合研究センター」という怪しげな研究所。
一室に案内され、秋山は少女ハマルと出会う。
やがて秋山は、ハマルに関する衝撃的な事実を知り、決断を迫られる。

こんな感じです。



キメラという人工的に作られた人外の女の子と、彼女の家庭教師として雇われた主人公の純愛路線の作品です。「純愛」と言い切らないのは、15禁止の描写があるからですw
けれども、そこを抜かして考えれば、凄くピュアな恋愛が描かれていました。

キメラであるハマルとのぎこちないやり取り、そして少しづつ距離が縮まっていく様子がテンポ良く描写されていきます。恋愛作品は、この「距離感」をどう描写していくのか、が非常に重要だと私は思っています。
最初っから、主人公の事が好きで好きでたまらない……というよりは(幼なじみとかなら、それはアリだと思いますが)、最初は心理的な距離があり、各エピソードを通して二人の距離が少しづつ縮まって……というタイプですね。

時折、その距離感を描かずに、スコーンと「好きだ!」と、急に恋愛まっしぐらになってしまう作品があったりします。けれども、本当にちょっとしたエピソードでいいので、少し距離感の推移を描いて、「数ヶ月経った」とかしてやるだけでも、違和感がかなり軽減出来るはずです。

本作の場合、テンポを確保しながら、上手くハマルと主人公の距離が近づいていく様子が描かれており、好感が持てました。文章そのものもテンポが良く、ダレる事がありません。
ラストまで、一定以上のテンポ感を感じる事が出来て、良く作られているなと感心します。反面、15歳以上推奨シーンを除くと、インパクトのあるシーンは少なかったように思えます。


研究施設から逃げ出して、主人公義文のアパートで同棲が始まるわけですが、基本、この同棲生活が作品の背骨になっているという印象です。
人外の、それも女の子のハマルとどうやって生活していくのか、ハマルは生活の中でどんな変化を見せるのか、そういった部分が描かれていくことに。
ここで、一発目の15歳以上推奨描写が入るんですが、決定的なアレはないので、そこまでナーバスになる必要はないでしょうね。

そして、例によってハマルは義文の事を好きになっていくわけですが、女の子としてのハマルと、キメラとしてのハマルの姿があって、キメラという属性がこの作品のアクセントになっています。
これが逆にキメラでなければ、割とよく見る、「謎の少女を拾ってきた型」の作品になっちゃいそうですもんね。
先に、純愛路線と云いましたが、義文がお堅いタイプで、純愛らしさを演出してくれます。もともと、義文は教職に憧れていた、という設定があるからなのですが、それは後述しましょう。


そんな形で、よどみなくストーリーが進んでいくのですが、ラストまで見るとなんとなく腑に落ちない部分があります。
一つは、義文の「教師」「教職」に就きたいという夢がどこか置き去りにされてしまっている、という所。
もう一つは、結局、何かが解決するわけではない、という点です。

主人公義文とキメラのハマルが愛を育む。そこはラストとして問題ないと思います。
だけれども、そこにはキメラというアクセントがあったはずなんです。それに他のキメラの存在もいますし、キメラの王国を作りだそうとしているマッドサイエンティストもいるわけで……。キメラという存在そのものの問題がそこにはあるはずです。
ですが、そうした、要素をスパッと切って二人の恋愛に焦点を置いたラストになっており、少し消化不良を感じました。


ちなみに、今回は、ノーマル版とリメイク版(今回取り扱ったヴァージョン)の二つをやってみたのですが、リメイク版は流石のイラストがついていて、豪華で美麗なのですが、私はノーマルの絵柄も決して嫌いではないです。
手作り感、という事を考えるならば、寧ろノーマル版の方が温かみがあって良かったかもしれません。ただ、ここらへんは完全に好みの世界でしょうね。


最初は人外との恋愛との事で、ビクビクしながらプレイしていたのですが、意外にも普通に楽しめるラブストーリーになっていました。
タイトルで敬遠してしまう方もいるかもしれませんが、ご安心下さいw




それでは、また。

# by s-kuzumi | 2012-02-25 19:03 | サウンドノベル | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『女教師・美喜 ~濡れて揺れる禁断の総集編~』


道玄斎です、こんにちは。
今日は、例のサンダーボルト三部作と並んで人気の高い、女教師美喜シリーズのご紹介。
今回、レビューで使用したヴァージョンは、総集編という事で、全三話(だったかな?)の物語を一本に纏めたものです。内容的に変化はありませんから、これからプレイする、という方は、この総集編をダウンロードするといいですね。
というわけで、今回は「Project Lips」さんの『女教師・美喜 ~濡れて揺れる禁断の総集編~』です。



サンダーボルト三部作のレビューでも書きましたが、サンダーボルト三部作が世に出てから、多くのフォロワーが生まれました。つい最近まで「新作」として、その系譜を引き継ぐ作品がリリースされていたわけで(もしかしたら、今後また出てくるかも)、その影響力の強さを認めない訳にはいきません。

そうしたフォロワー的作品の中で、頭一つ飛び出ているのが、本作、女教師美喜シリーズです。
これも以前書きましたが、サンダーボルトとの合作も行われていたはずで、単なるフォローを超えている感触すらあります。

敢えていうのならば、女教師美喜シリーズは、サンダーボルト三部作の「オマージュ」、もしくは「インスパイア」された作品、と云う事が出来るでしょう。
最近、どこかで見たのですが、「パクリ」とは、「ばれちゃマズイ」もので、「オマージュ」は寧ろ、「元ネタが分かるとより一層楽しめる」というようなことが云われていました。
なるほど、むべなるかな、という感じですが、本作も亦、サンダーボルト三部作をプレイしていると、楽しさが倍加します。

教師という枠組み、シュールな動きを使ったギャグ、不条理なバッドエンド……。
こうした作品のフレームは、まさにサンダーボルトそのまま。挙げ句、音楽まで同じものを使用しているという徹底ぶりです。
そこまで、作品を重ねてしまうとどういう事が起こるのか、というと、「作中世界が重なり響きあい、重層的になる」んです。

本作の、例えばバトルシーンで流れる音楽。
あれはサンダーボルトそのままでしたよね。すると、プレイヤーは、女教師美喜をプレイしていながらも、サンダーボルトの場面や状況が脳裏をかすめます。
そうなると、一つの作品をプレイしているハズなのに、二つの作品が同時に頭の中で再生される、という特殊な現象が起こるわけです。

こういう状況を“引用”で片付ける事も可能なのですが、本作の場合、積極的にサンダーボルトを摂取していこう、という姿勢が見えます。
そうした時、それは“引用”を超えて“物語取り”と呼ばれるものになるのではないかと思います。
ある作品が、ある作品を積極的に摂取する事で、自身の作品世界を豊かなものにしている……そうした場合、単なるパクりや引用を超えて、それを“物語取り”と呼んだりするわけです。


さて、随分ご託が長くなってしまいましたが、サンダーボルトと本作の大きな違いは、意外にもちゃんとしたストーリーが付いている、という点です。
規則がやたらと厳しい吉槌学園に、新任教諭としてやってきた美樹。しかし、あまりにも(不条理で)厳しい教育のあり方に疑問を持ち、同士と共に戦っていく……。

と、書いてしまうと、凄くまともなストーリーに見えますが、基本はシュールギャグ路線です。更に云ってしまえば割と勢い重視型w
とはいえ、一応まがりなりにも、こうしたストーリーの流れがある事で、全体の統一感が適度に保たれている点、評価出来ると思います。

あとは、選択肢の出し方も、ちょっと変わっていますね。
サンダーボルトが、どっちを選んだらいいか分からない、私が云う所の「分からない選択肢」を採っていたのに対し、本作では「ストーリー的に正解」な選択肢がすぐに分かってしまいます(後半、一箇所悩む所はあるのですが)。
この選択肢の出し方は、プレイヤーを「誘っている」のか……。
個人的には、こうしたシュールな作品は「分からない選択肢」を採用した方が面白いのかな、という気はしますね。一見、まともに見える選択を選んだ結果、シュールなバッドエンドを迎える。その落差が面白さに一役買っている、という部分は絶対にあると思いますから。



大凡、こんなところでしょうか。
サンダーボルトとの比較論、みたいな感じになってしまいましたが、それも、サンダーボルトと併せてプレイする事で、本作がより面白くなると云いたいから、です。
影絵ノベルの二大巨頭の一つとも云える作品なので、是非プレイしてみて下さい。



それでは、また。

# by s-kuzumi | 2012-02-20 14:12 | サウンドノベル | Trackback | Comments(0)

トランスメディア提供アイコン01フリーサウンドノベルレビュー 『春』


今日の副題 「私の人生ハッピーエンド?」

ジャンル:青春アドベンチャー(?)
プレイ時間:1時間ちょい。バッドエンドを全部見て2時間程度。
その他:選択肢アリ。結構多め。バッドエンド多数。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2006/4/15
容量(圧縮時):87.3MB




道玄斎です、こんばんは。
めぼしい新作がない今日この頃、昔の、それも埋もれた作品を見つけるべく色々プレイしています。今日は、そうした中で発見してきた作品のご紹介。
というわけで、今回は「YAOYAプロジェクト」さんの『春』です。
良かった点

・何と云っても楽しいバッドエンド。選択肢選びが苦になりません。

・ラスト、意外にも熱い展開が。


気になった点

・いじめの問題を描く作品なので、全編に渉り暗い雰囲気は漂う。

・恋愛面と学校生活面のシナリオが分離していたような。

ストーリーは、ふりーむの紹介文から引用しておきましょう
「寒いのは平気だから」千夏は本心ではないことを、母に言う。

新しい学校、新しい家族。 今、千夏を包むものは
すべてが氷のように冷たかったけれど、我慢、出来るから。

…千夏は平気だから。
「逃げちゃ駄目だよ」その一言が千夏を変える。

「春になれば、一緒に出かけよう」
そう言ってくれるのは…

こんな感じです。



いじめを題材とする作品では、『そこに幸せがある限り』がありました。あれはイジメ撲滅ノベルと標榜されていたと思しいのですが、別にいじめを特別なテーマにしない作品でも、ヒロイン(や主人公の女の子)がいじめられてしまう、というのは割と良く目にします。最近では『電波電波カプリッチョ!』の萌ルートなんかも、そうした雰囲気がありましたよね。

本作も亦、「いじめ」が取り扱われる作品です。
主人公千夏は、母親の再婚により、一気にお嬢様になってしまいます。そして転校先の学校で、「お嬢様」故にいじめられる事に。
このいじめの問題はラストまで続く、この作品の一つの特徴であり、基本路線となっています。
ですので、全体的な雰囲気はかなり暗め。いかにも悪役然とした最強寺響子と、その取り巻きのビジュアルなんかは思わず笑ってしまうものがあるのですが、それでも、少し暗めのストーリー展開です。

もう少し、明るい場面なんかも盛り込みながら話が進めば良かったな、と思いましたね。ここは後述する気になった点と重なる部分でもあります。


本作を取り上げるポイントになったのは、何と云っても、「楽しいバッドエンド」です。
序盤から選択肢がかなり多く出てくるのですが、バッドエンドが楽しいんです。いじめられた末に、千夏がヤンキーになってしまったり、はたまた悪役、挙げ句の果てにはアイドルになってしまったりもするのです。
作品そのものがホラーになってしまったり、ね。

逆に云えば、この楽しいバッドエンドが、本編を貫く暗いイメージを払拭してくれるものになっているのは事実なのですが、本編は本編としてそこに明るさがもう少し提示されても良かったかな、と思います。


いじめられる千夏に対して、むつきというクラスメイトが声を掛け、友達になってくれるのですが、千夏と友達になった事でむつきにもいじめの手が及びます。
この辺りで、さりげなく生徒会の面々を出して、後半への布石としているのは、本作の隠れた良い点ですね。これがラストで効いてきます。


又、千夏は、公園で出会った康平というサラリーマンと仲良くしていき、彼に恋するようになるのですが、その恋愛というテーマと、学校でのいじめの問題というテーマの二つが、どうしても分離しているように思えました。
康平の出番をもう少し増やして、千夏との交流を描く。そしてそこでは、康平は千夏の良きアドバイザーであり、明るいトーンで二人の描写が行われる……とかすると、大分印象が変わるんじゃないかな、と思います。
もう少し、学校外の人間である康平と、学校内で行われるいじめの問題を上手く接合してやるポイントがあればなぁ、と云う感じです。
そこが、本作最大に気になった点ですね。


非常に良かったのは、後半の展開です。
いじめも陰湿さを増してとんでもない事になっていく中で、むつきが所属する生徒会の面々が、学校からいじめをなくすべくかなり熱い行動をおこします。
そして、彼らに後押しされて、千夏もいじめをなくすために一歩踏み出す。そこが本作で一番光る場所でした。最後はちゃんとハッピーエンドなのも嬉しいですよね。


千夏は、ちょいロリ入ってますが、可愛らしいですし、イベントCGも50枚以上。更に一回しか使われない立ち絵などもあり、かなり豪華な作りになっています。
いじめから脱却して、幸せな日々を取り戻す……という割と良くあるテーマではあるのですが、素直に読んでいける読みやすさもあます。
そして、前述の楽しいバッドエンドがてんこ盛りなので、プレイしていて飽きる、という事は多分ないはず。シナリオの細かな所で突っ込みどころはチラホラあるのですが、十分楽しめる作品になっていると思います。



是非、本作のバッドエンド、コンプリートしてみて下さい。
意表を突いた展開のオンパレードで思わず笑ってしまう事、請け合いです。ストーリー的にはハッピーエンドなのに、バッドエンドになってしまうもの、なんかもあるので結構笑えますw
コンプリート後のおまけシナリオもちょっといい雰囲気ですので、そちらの方も。

少し暗めの本編と、楽しいバッドエンドの折り重なるストーリー(?)を、是非楽しんでみて下さい。



それでは、また。

# by s-kuzumi | 2012-02-19 19:37 | サウンドノベル | Trackback | Comments(0)

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