2009年 01月 26日

フリーサウンドノベルレビュー 『スターリーカラーズ』

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今日の副題 「読み応えある青春ノベル」

※吟醸
ジャンル:青春ノベル(?)
プレイ時間:3~4時間くらい
その他:選択肢なし、一本道。
システム:Yuuki! Novel

制作年:2008/11/1(?)
容量(圧縮時):214MB




道玄斎です、こんばんは。
今日もお休みですから、じっくりと少し時間のかかる作品をプレイしていました。
プレイ時間も長目で、色々な内容が盛り込まれた読み応えのある作品だったと思います。
というわけで、今回は「星団ファミリー」さんの『スターリーカラーズ』です。
良かった点

・単なる恋愛だけでなく、スポーツを絡ませたりと厚みのある作品になっていたと思う。


気になった点

・微妙に謎の残る部分があったりする。

今日は少し良かった点、気になった点は少なめですけれども、普通にレベルの高い作品だと思いました。スポーツが結構絡んできて、この辺りの演出は個性的で良かったですねぇ。あまり類を見ないタイプですし、スポーツの描写自体も中々熱くなるようなもので、グーでした。


ストーリーですが、サイトの方から引用しておきましょう。
幼い頃、いじめられていた子をヒーローのように助けようとした有馬悠樹。しかし、悠樹は返り討ちにあう。
「ヒーローなんかなれなくて、この世界にいないんだ」
そう諦めた瞬間、いじめっ子を完膚なきまでに倒していく、ひとりの少女が現れる。その光景は、悠樹にとってヒーローの登場を意味していた。少女の名は島田葵。

葵との出会いから八年。高校生になった悠樹は友人の杉崎幸介にバレーボールをやらないかと誘われる。
バレーボールチームの結成。それは悠樹に幸せとはなにかを問わせ、未曾有の事態へ誘う序章にすぎなかった……。

こんな感じです。
清々しいまでの青春ノベルゲームでした。
色々な要素が入り込んでいて、厚みがあり、又読み応えも上々。プレイ時間の長さ、或いは容量もかなりのものです。200MB越えは中々ありませんからね。

ストーリーを見て頂ければ分かるように、幼なじみの四人組がバレーボールチームを結成する所から物語は始まります。ギャルゲ全開のギャグっぽい文章はなくて、すっきりと読んでいけるので読みやすいと思います。
中々、こういうスポーツが一つの軸になるような作品、ありませんよね? まぁ、『君に見せたい優勝を』とか『僕…ing』とかあるっちゃあるんですけれども、それはスポーツが主役の作品です。しかし、本作は高校生学園青春モノの中に、重要なパーツの一部として存在している感じで、自ずと位相が異なります。

何故、バレー部に所属するのではなく、自らが(といってもリーダー格の幸介の発案ですが)バレーボールチームを結成するのか、という、バックグラウンドの理由も明確ですし、何かこう、ワクワク感がありますよね。
そして、部員集めをする中で、メンバーが入ってきて、それに付随する問題を解決し、「仲間である事」を確認していく、そして「幸せの意味を知る」というのが大まかな流れ。

ここいらで、キャラクターの解説もしておきましょう。
先ずは主人公の悠樹。元バレー部所属。所謂主人公らしい男の子です。別段強力なリーダーシップがあるわけでもなく、突出して頭が良いとかそういう事もない。だけれども「仲間」の価値を誰よりも信じている中々熱い男の子で普通に好感が持てます。
そして、幼なじみバレー集団スターリーカラーズのリーダー的存在の、幸介。
こいつは年齢は主人公達と同じでありながら、気持ちの良い兄貴っぷりで、魅力的なキャラ。喩えるならば『ムゲンの絆』の日向みたいなタイプでしょうか?
次に本作でのメインヒロインって事になるのかな? 葵ちゃん。彼女はおしとやかさこそはないものの、元気はつらつ系の女の子。色っぽい所がないのがまた好印象w 元気系少女というと、或る意味でイメージが固定されている感はありますが、葵は、微妙にぶっきらぼうな言葉遣いだったりで、その辺りに差異があったり。一見元気に見えるけれども色々と事情があって……。
最後に、冷静沈着、頭脳明晰の眼鏡ッ子、椿。
まぁ、例によって私が好きなタイプ……w 主人公の良きアドバイザーとして全編に渉って意外とオイシイ所を持っていきますw

この幼なじみ四人組に加え、飄々としてつかみ所の無い怜子さん、そしてある事件をきっかけに仲間に加わるひなたちゃん。この六人の青春ストーリー。

序盤をプレイしていると、随所随所に葵にまつわる「一年前」の話が出てきます。
そこに何があったのか? は実はすぐには明らかになりません。そしてその葵の抱える問題が本作の中でもとりわけ大きな問題としてフィーチャーされていくことに。

とはいえ、一直線に葵絡みのシナリオに向かうのではなく、ひなた絡みのシナリオがあり、バレー部との勝負という熱いシナリオがあったりと、そこには作品の「厚み」を感じます。
このひなた絡み、そしてバレー部との勝負があるからこそ、後半の「仲間ってなにさ?」というような問題だったり、或いは「人を不幸にしても、幸せになる権利はあるのか?」というような問題への説得力が出てくるんですよね。
バレーに関しても、最後の最後まで、色んな意味でシナリオに絡んでくるので、そこらへんの処理はとても上手だと思いました。

一点、気に掛かるって程じゃないのですが、一見すると普通の少年であるハズの主人公には、異能があったりします。それは「一秒後が見える能力」。
ただ、割と限定的な能力ですし、伝奇伝奇しているわけではないので、そこらへんはすんなりとw そうは言っても、主人公のこの能力はそこまでシナリオの根本に関わるようなものではないので、無くても良かったのかも、と思わないでもないw

で、葵の過去に関しては、暗めで重たいストーリーが展開されて、読んでいて辛い部分もあるのですけれども、やっぱり重要な本作のテーマです。
先にも述べましたが、予めひなたのシナリオ、そしてバレー部との勝負を描いていたからこそ活きるシナリオだったのではないかと。

ラストに関しては敢えて述べませんけれども、中々気持ちの良いエンドで爽快感がありました。「完!」というストーリーがぶつっと終わってしまう感じでもなくて、このスターリーカラーズという集団はまだまだ続いていくよ、的なラストでこういうのもいいですねぇ。


さて、気になった点です。
本作、Yuuki! Novelを使用していますが、選択肢とかはないので、そこまで不便な感じもしませんでした。選択肢で複雑に分岐する作品でYuuki! Novelだとやっぱり昨今ではちょっと厳しです……。

まぁ、ツールに関してはそこまで不満はなくて、問題は、微妙に謎が残っている部分があるわけです。それは後書きというかおまけの部分でも示されるのですが、椿なんですよね。
何となく達観していて、色んな事を知っている感じの椿。結構意味深な発言もあったりして、「こいつは何者なんだ?」とw
いつも飄々としている怜子さんはばっちりその正体が明かされるのですが、椿に関しては少し消化不良感が。主人公に惚れてるっぽいのと関係があるのかなぁ。

でも、どうやら続編の構想もあるらしく、そのあたりの事情は続編で明らかにされる、という事でいいのかしら? 続編の方も楽しみにしています。


大体こんな所かな?
色んな要素が詰まった読み応えある青春ノベルでした。最近は恋愛に特化した学園青春モノよりも、友情とか仲間とか、そういう部分をフィーチャーしたものの方が私としては好みなので、吟醸にしてみました。
商業の作品と比較するのは無意味ですが『リトルバスターズ!』に近い感触、と言えば分かりやすいかもしれませんね。
少し長目の作品ですから、少しづつプレイしてみて下さい。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-01-26 00:53 | サウンドノベル | Comments(0)


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