2009年 01月 29日

フリーサウンドノベルレビュー 『エミュレーターNANA』

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今日の副題 「実は良質なストーリーです」

※吟醸
ジャンル:ハイテンションドタバタSFアドベンチャー(?)
プレイ時間:3時間くらい。
その他:選択肢はあれど、別に分岐とかはなさそうな……。
システム:NScripter

制作年:2004/10/18
容量(圧縮時):6.72MB




道玄斎です、こんばんは。
ここ数日、静かだったのは、ちょっと長目のゲームをちょこちょこプレイしていたからです。
久々にプレイしましたよ? 単純にリリースが4年ちょい前ですから、相当に昔の作品、という事になるはず。だけれども、強烈な印象が残っていたのでフォルダから引っ張り出してきてプレイを。
というわけで、今回は「MA-リンク」さんの『エミュレーターNANA』です。
良かった点

・後半から、意外にもシリアスで素敵なストーリーにw

・中々心憎い演出も。


気になった点

・序盤から怒濤の勢いで繰り出される、ギャグテイストの文章。

こんな所でしょうか?
そういえば、私は昔の作品をプレイする時には大抵、遊んだあと各作品を入れておくフォルダを覗いて探してくるんですけれども、皆さんはゲーム、プレイし終わった後ってどうしてます?
実は、私の「プレイ済みフォルダ」なんですが、ついに20GBを越えてしまいましてw 流石にちょっと容量食い過ぎだろう、とw

それは兎も角、ストーリーですが、ベクターの紹介文から引用しておきましょう。
全7章からなるコミカルサウンドノベルです。
総テキスト量は凡そ文庫3冊分。プレイ時間は3時間半ほど。
多数の立ち絵、一部イベントグラフィックを使用。ビジュアル面も前作より強化されました。
一部を除き分岐等はありませんが、ミニゲーム的な要素を含みます。

と、こんな感じ。
コミカルサウンドノベル、うーん、言い得て妙ですねぇ。
ただ、コミカルなだけじゃなくて、実はかなりシリアスで胸きゅんな展開も含んでいますし、設定とかがやっぱりちょっとSFっぽい感じがします。

ストーリーを軽く補足しておくと、「私」が目を覚ますと、奈々だった、とw
最初は違和感は無かったものの、次の日、目が覚めると何故かクラスの学級委員長に、そしてその次の日は担任の先生になっていて……。
というような感じ。ちなみに奈々達は中学二年生の13歳。


ゲームの印象って色々ありますよね。
感動した、とか、キャラクターが良かったとか、或いは設定が良かったとか、或いは美麗なイラストが付いていたとか、はたまたプレイ後に残る絶妙な余韻だとか。
で、私自身、本作の印象って、「音楽」なんですよね。
別に「すっげぇカッコいい音楽が多用」されているわけでもなくて、音楽そのものはオーソドックスなノベルゲームのそれです。
だけれども、私が本作に関して良く記憶していた部分って、作中に登場する「ある音楽」絡みのシーンばっかりです。その曲は「恋するヤンバルクイナ」w 奈々達の担任の先生は元アイドル(演歌歌手?)で、どちらかというとヤンキー系w そんな彼女の唯一の持ち歌。それが「恋するヤンバルクイナ」なのですw 
んもうね、この曲のインパクトがデカすぎて、本作の内容(特にラストの一番美味しい部分)を完全に失念していたという。別にヴォーカル付きで曲が流れるわけじゃないのですが、何とも言えない演歌調のメロディは、記憶にこびり付いていたりします。

強烈な印象を残す音楽という事で、些か脱線するのですが、とんでもないCDを買ってしまった事があります。それはOvalというアーティストのCD。
今、倉庫から引っ張り出してきてリリースの日付を見ると2000年に発売された事が分かります。で、何で買ったのか、というと、ジャケットがね、もの凄くカッコ良かったんですよ。で、私が好きな「エレクトロニカ」とかそういう系統の棚に「新譜」として出ていて「聞いたことがないアーティストだが、何だかとっても良さそうだぞ」と思って、意気揚々とCDプレイヤーにかけてみたら、全曲「ザーザー」とか「ジッ…ジジジッ……」「ピー」とかノイズだけw なんて言うかメロディが存在せずに延々と針が飛んだような、或いは汚れたCDを掛けたときのようなそういうノイズだけという。

話を戻しましょう。
ストーリー紹介の所で挙げましたが、「コミカル」な作品になっています。
シリアスなSF、シリアスな学園モノってんじゃなくて、寧ろドタバタ系のストーリー。
かなり文章もトバしていますし、キャラクターも先に挙げた担任の清音先生を筆頭にみんな個性的。個人的にはツバメちゃんが好きですねぇ……。ちょっとおっとり系の不思議ちゃん。ちなみに実家は神社、当然ご本人は巫女さんw 他にも男の子なのに女の子に間違われる事が屡々な知樹君や、先生にパシリにされつつもそれを微妙に快感としている眼鏡委員長とか、兎に角個性的キャラクター達。

前半部は、こんなキャラクター達のドタバタ学園ストーリーが展開していく事になるのですが、上手い表現が見つからないのでアレなんですけれども、「視点人物が女の子のギャルゲの文章」的な、ハイテンションな一人称の語りだったりして、楽しいのはそれはそれとして、些か疲れてしまう部分も。
ただ、後述しますが、後半からかなりシリアスになってきて、文章そのものも洗練されてきます。そうは言っても、展開自体はドタバタ路線を保持している所が或る意味凄いw

ギャグ成分多めで、ドタバタ展開、なんて言うとちょっとイロモノっぽい印象があるかと思うのですが、実はさにあらず。大体、五章目である所の「ACT5」くらいから、段々と物語の核心に迫ったいき、内容もシリアスな方向に。
ネタバレはしませんけれども、実は相当良く練り込まれていたなぁ、と思いました。プレイヤーの予想をキチンと良い形で裏切ってくれるので、騙されても妙に心地よい。
ただ、プレイし終わったみると、いくつか疑問が。「何で、最初にナナだったんだ?」とか、ね。

で、ラストに近づきつつあるのに、何故か後半でイロモノ全開のキャラがw
オオカミ刑事さんと吟醸さん。どうやら警察関係者っぽいんですが、オオカミ刑事さんは丸いものを見ると見境無く発情して襲いかかるという、変態。で、吟醸さんは一応彼とコンビを組んでいると思しいものの、平気で彼に向かって発砲したり、頭のネジがぶっ飛んでいるというw
しかも、ストーリー自体に全然関係がないというわけで……w 一応、後書きにて「前作」に出演していたキャラのゲスト出演的な要素だという事は分かりました。

後半部の盛り上がりの一つ、ヤクザ屋敷での戦いは、キャラクター総出演のドタバタギャグ。
とある事情の為ヤクザ屋敷に忍び込む主人公。しかし、組員に見つかり、大変な事に。そんな状況で何でか分からないけれども、ツバメちゃん、先生、眼鏡委員長やら、濃いキャラクターが総出演で出てきます。主人公を助けるためじゃなくて、ただ単に破壊衝動が抑えられなかったとか、そういう感じがヒシヒシとw
あっ、勿論、ここでも「恋するヤンバルクイナ」が流れますのでw

結局、本気でシリアスになるのは最後の章。
ここで、本作の謎が全て明らかになるのですが、意外といいんですよね。
予想をしていない展開と、ナナの可愛さに打ちのめされます。また、ね、このタイミングで「二年生」に進級した当時の事を描く、という演出がいいですねぇ。
本当にラストはちょっといい雰囲気で終わるので、興味を持たれた方は是非プレイしてみて下さいませ。


兎に角、テンション高め、ギャグ多めのドタバタ劇が繰り広げられるので、最初の10分耐えられるかどうか、そこが最後までプレイ出来るかどうかの分かれ目かもw
繰り返しになりますが、ラストは凄く良いので、是非最後までプレイしてみて下さい。

それでは、また。

P.S
『英国メイドの世界』ゲットしました。
詳しくは、後日、日々之雑記にて。
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by s-kuzumi | 2009-01-29 21:32 | サウンドノベル


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