久住女中本舗

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2009年 02月 09日

フリーサウンドノベルレビュー 『週末deクリスマス!』

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今日の副題 「お馴染みシリーズ第三弾」

ジャンル:クリスマス短編ノベル集(?)
プレイ時間:全部読んで(全三話)1時間くらい。
その他:選択肢なし、全て一本道。但し立ち絵、一枚絵が存在するのは第一話のみ。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2008/12/30
容量(圧縮時):37.2MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は少し寒かったですね。とはいえ、私の家の近くではボチボチ白梅が咲き出して、夜になるとうっすらと良い香りがするようになりました。
で、まぁ、本当なら旧年中にご紹介すればベストだったのかもしれませんが、気付くのが遅れてこんな時期に。
というわけで、今回は「週末使ってゲーム作らないか」スレッド有志の皆さんの『週末deクリスマス!』です。ちなみにダウンロード出来るサイトが見つからなかったので、スレッドの356番の書き込みからダウンロードしてみて下さい。
良かった点

・単純なラブラブストーリー以外の作品も収録。


気になった点

・少しストーリーがぶつ切りになってしまっているようなお話がある。

今回は、ストーリー紹介はしなくても大丈夫かな?
要するに、三つの「クリスマス」を題材にしたお話が詰まっているわけです。例によって例の如く、それぞれ軽く解説しながらストーリーにも言及していきましょう。

先ずは第一話目の「聖夜に舞う少女たち」。
本作の中で唯一立ち絵、そして一枚絵(といっても一枚だけですが)がついている作品です。
「一本の作品」として纏まっている感じがするのも、この第一話でした。起承転結というか、ちゃんと結論部分も描かれているという。後述しますが、他の二本はそうじゃないんですよね。何となく、「転」の所で終わってしまうような、そういう感じ。

さて、、不幸体質の女の子と、社長令息の男の子がひょんな事から出会い、或る目的の為ミッションを達成していく、というのが大まかなストーリーの流れ。
纏まりはあるのですが、まさに「転」の部分にもう少し描写があっても良かったかな、というのが正直な所。ミッションそのものの内容をより詳細に描く事で、二人の距離が縮まっていく様子が描かれていたらいいな、と。
ラストに繋がる重要なパートとして、このミッションが存在しているわけですから、もう少し筆を割いても良かったように思います。

で、これは余談ですが、ちょっと作品の作りというか作風にやっぱり心当たりがw
顕著なのは、BGMの使い方と、背景画像です。渋谷駅や恵比寿のあの背景写真は……。
多くは語りませんが、ソレっぽいなぁ、なんて思ったりして。


次は第二話、「出会いはある日偶然に」です。
これはオーソドックスなボーイミーツガール的なストーリーですが、第一話目とは逆に、二人の距離が縮まる様子が描かれており、好印象。
やっぱり、共通の趣味(たまたま好きな本のシリーズが同じだった)を糸口に、仲良くなっていくというのは常套手段でありつつも、お互いがお互いを意識しあう為の明確な「理由付け」になりますから。
現実だったら、それこそ何かの事件そのものがきっかけになって、所謂「吊り橋効果」みたいに、お互いを意識し合うなんて事はありそうですけれども、ノベルゲームだと、やはり感情の動きとか、二人が仲良くなる為の理由がなければ、読者にとっては何が何だか分からない部分は確かにあるわけで。

そんなこんなで、オーソドックスながらもちょっと良い雰囲気でストーリーは進んでいくのですが、ラストが少し尻すぼみだったかな、と。「仲良くなったぞ、よっしゃ~!」って所で終わってしまうので、少し消化不良感が。

例えば、ですよ?
私だったら、その後、二人で「お目当ての本」を買いに行く所まで描いて、女の子の方もこちらをバリバリに意識し出して、恋の階段第一歩目に足を掛けましたぜ、って感じでシメるかも。
そういう時に、グーな一枚絵とかが付くとそれなりに、シメ感が出てくるんじゃないかしら、なんて考えます。
が、この「週末使ってゲームを作る」企画は、やっぱりタイムリミットがあって、お忙しい中での制作ですから、結構難しい部分もありますよね。

で、やっぱり蛇足ですが、この第二話目、テキストの書き方が少し独特です。
というのも、読点のあとにどうもスペースを入れているっぽいんですよね。「?」「!」のあとにスペースを入れる、というのは基本的な文章の書き方の一つと思しいのですが、「。」のあとにスペースは初めてかもしれません。
や、別に見にくいとか読みにくいとか、そういうわけじゃなくて、珍しいから目に付いたとか、そういう話です。


さて、最後の「ヤンデレなクリスマス」。
若い男女二人が惹かれ合って……的なものとは一味違う、ホラー風味のクリスマスストーリーw やっぱりクリスマスなんて題材だと、どれもこれも似たようなお話になってしまう可能性があるわけですが、こういうちょっと毛色の異なるものが入っているととっても楽しいですねぇ。

これもやっぱりラストが美味しい所というか、「これからどうなる??」って所で終わってしまうので、やっぱりそこが気になりましたね。内容と相俟って、後味が悪いw

「唾液くらい料理に混ぜても全然分からないものなのよ。そうやって、少しずつ(※原文ママ)自分を食べてもらうのよ」

なんて描写が、本作の全てを或る意味で表していますw
所謂、直球のヤンデレストーリー。いやぁ、ヤンデレと呼ばれるような作品はフリーのノベルゲーム/サウンドノベルでも何本かやりましたが、「異物を食事に混ぜる」というのは、その手の病んだ女の子の常套手段のようですw
この作品に関しては、あれこれ言うよりも、プレイしてみて貰いたいですね。
本音を言えば、是非、この設定で結論部まで含めて、一本作って欲しいw クリスマスとはあんまり関係がないかもしれないけれども、これはこれでヤンデレ好きには堪らない作品になっているんじゃないかな、と。

そうそう、だめ押しの蛇足ですが、先ほど作中の台詞を引用しました。
で、なんでわざわざ「原文ママ」なんて書いたのかってーと、「少しずつ」という文章が何か私的には気になったからです。
というのは、ご存じの通り、私だったらきっと「少しづつ」とするからなんですね。飽くまで個人的な印象としては「少しずつ」よりも「少しづつ」の方がしっくり来るというか、こちらの方が正しい、という感覚があるからなんです。

で、気になったから少し調べてみたら、現行の表記では「少しずつ」が正しく、旧仮名遣いでは「少しづつ」が正則で、現行でも「許容範囲」として認められているんだそうな。
というわけで、「正しい/正しくない」という事で言えば、私の方が間違っているというw 流石に「少しづゝ」なんて書き方こそしませんが、結構旧仮名的な日本語に慣れていると、こういう所で妙に引っかかってしまいます。
日本語って、こういうのがあるから厄介ですよねぇ。今度、「ちょっと判断に迷う日本語表記」についても時間があれば色々調べてみたいです。


というわけで、以上三つの作品を軽く解説してみました。
私自身は、このシリーズは過去にも二本プレイしていて、さっくりと遊べる短編集という事で毎回楽しませて貰っています。
本当に凄いなぁ、と思うのは、ちゃんと作品が出来上がってプレイ出来る、という点でしょう。
掲示板にて企画が持ち上がるものの中には、完成せず消滅してしまうものも多いわけで、コンスタントに作品がリリースされる、というのはそれだけで素晴らしい事ではないかと思うわけです。

これからもこのシリーズを応援していこうと思います。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-02-09 20:36 | サウンドノベル | Comments(2)
Commented by 夜明け at 2009-02-11 16:33 x
管理人様、こんにちは。

前に期間限定公開だった『妖隠録』がベクターで公開されています。面白かったので管理人様もぜひに。

『鏡の中の』『雨と猿』制作者様の新作『はらいやばなし』(サニーガールからサイトへとべます)もオススメです。軽妙な文章としっかりした演出が合わさって、読んでいてとても楽しかったです。

失礼しました。
Commented by s-kuzumi at 2009-02-12 21:42
>>夜明けさん

をを、以前、あの私がダウンロード出来なかったヤツですね。これは楽しみ。
『はらいやばなし』の方も、味のある作品を作る作者様なので期待大です。

今、少し忙しいので、又例によって折りを見てプレイしてみようと思います。

情報、有り難う御座いました。


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