2009年 03月 07日

フリーサウンドノベルレビュー 『黄昏を見つめて』

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今日の副題 「続きに期待。中華風ノベル」

ジャンル:中華風ファンタジーノベル(?)
プレイ時間:外伝までプレイして15~30分程度。
その他:選択肢アリ。されど大筋は変わらない。
システム:Live Maker

制作年:2008/1/2
容量(圧縮時):3.25MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は、以前実はプレイしていたものの、バグのせいだかでエンディングが見れなかったゲームのご紹介。
いつものように情報サイトを巡っていたら、ヴァージョンが新しくなって登録されていたので早速プレイしてみました。
というわけで、今回は「mystic night」さんの『黄昏を見つめて』です。所謂オーソドックスなファンタジーものなんですが、舞台は中華風だったりして、意外と珍しいタイプの作品かもしれませんね。
良かった点

・少し珍しい中華風ファンタジーノベル。

・オーソドックスな設定ながらも、続きが気になる。


気になった点

・絵にちょっとクセがあるかもw

・本作で完結しているのか、続編の構想があるのか不明。

ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。
青年、神楽は少女、旋律と妖魔の千尋と共に旅を続けていた。
旅の途中で立ち寄った村である妖魔の噂を耳にする。神楽達はその噂を確かめるために…。

彼らは"ないもの"を追いかけ、取り戻すために探し求め続ける――。

※小説版「黄昏を見つめて」の違い
グラフィックとBGM付き、ED分岐あり、書き下ろしの外伝追加

こんな感じ。
恐らく、小説版が先行発表されて、それをノベルゲーム化した、という体裁の様子。



さてさて、ここ数日すっかりドラゴンクエストⅡにはまって、小説まで買い求めてしまったのですが、やっぱりこう、なんかシンクロするっていうか、ファンタジー色溢れる作品をプレイする事に。
いや、実は発表直後にダウンロードしてプレイしていた作品なんですよ。ただし、エンドの所でフリーズモドキみたいになってしまって二進も三進もいかず、プレイを断念した記憶があるわけで、今回はそのリベンジというか、「ラストはどうだったんだ?」という半分、確認的なプレイです。

元は小説だけあって、三人称で語り出される本作は、所謂ファンタジー。
呪いを受けた旋律なる少女が、神楽という独眼竜のような青年と呪いを解くために旅を続ける、というもの。
こういう設定はファンタジーでは或る意味で王道なのですが、本作の場合、舞台設定がちょっと特殊。というのも、中華風なんですよね。

普通、ファンタジーと云って我々がすぐにイメージするのは、それこそドラゴンクエストっぽい西洋風のファンタジーだったりするわけです。或いは『ロードス島戦記』とかさ。どうでもいい脱線ですが、私は小さなニースがイラストを含め好きでしたw
しかし、敢えて云ってしまえば『十二国記』的な中華ファンタジーの趣が本作に良いアクセントを与えています。『十二国記』についても昔ちらっと書いた記憶がありますね。大体、今から、15年くらい前ですか、そのくらいに講談社の出しているホワイトハートで読んで以来、かなりはまってしまった記憶があります。昔っから結構ラノベ好きなんだよね。
これもいつも云っているので、いい加減うざったいかもしれませんが、ラノベこそが、実は文学の原点みたいな所があると思っています。で、私が言い続けたせいではないと思うのですが、先日『Wizardly Butterfly』をプレイした際にちらりと見たWikipediaの『源氏物語』の項目に「ライトノベルと捉える向きもある」的な事が書いてあって、正に我が意を得たり、という感じでしたw

話を元に戻すと、『十二国記』は、ちゃんと周礼(しゅらい、と読みます)に即して書かれているので、意外に奥が深く、そっちの専門の学者さんも読んでいるラノベなんですよね。知り合いの先生が読んでいて「これは中々良い……」と云っていたのを記憶しています。


それはさておき、本作は、この中華風ファンタジーの所謂「序章」的な位置づけの作品なんでしょうか?
大凡の世界観、旅の目的、そして妖魔退治のエピソードが示されています。
プレイ時間も短くて、本編は15分もあれば読了可能かもしれません。今回私がダウンロードしたヴァージョンでは、外伝という本編のプレストーリーを読むことが出来ます。とはいへ、全部合わせても30分もあれば読めてしまう短編作品ですね。

旅の仲間や、その目的なんかもやっぱり、オーソドックスなファンタジーなんですが、意外にも面白いんですよ。古式ゆかしいファンタジーを読んでいるような、懐かしさとワクワク感を与えてくれるような作風で、実は私は結構好みだったりします。

で、イラストに関しては個性的というか、昔のあおぞら幼稚園を彷彿とさせるというかw
まぁ、ちょっとクセがあるっちゃあるんですけれども、慣れてくると味わいが出てくるというか、そういうスルメタイプの画風。イラストの美麗さってのは、やっぱり無視出来ない要素だけれども、ノベルゲームってそれだけじゃないですし、基本はテキストの面白さなんですよね。
立ち絵/一枚絵共に存在していなくても名作は沢山あります。あー、そういえば『茜街奇譚』ってのもあったよね。あれも独特の雰囲気でグイグイ攻めてくる良質なノベル作品でしたが、やっぱり立ち絵/一枚絵が無かったハズ。

本作のイラストで結構面白いのは、ヒロイン旋律ちゃんのペット(というか作品のマスコット的存在?)の千尋です。「九尾の狐」ってのが居ますけれども、千尋は「九尾のピカチュー」という感じw
まぁ、その、なんだね、この千尋にも何となく隠された設定(しかも結構クリティカルな感じの)がありそうな気配がヒシヒシとしているのですが、本作では本編/外伝を含めそうした部分への言及はありませんでした。


つらつらと書きましたが、意外と面白いですし、凄く続きが気になります。
今のところ、シリーズ展開はしていない感じですが、これは是非、旋律と神楽の旅を最後まで書ききって欲しいですねぇ。

あっ、最後に一言。
実は、物語冒頭に「古来中国に似た風景が広がる」なんて三人称の語りがあるんですが、恐らくここでの「古来」は「古代」でしょう。けれども、問題はそこに止まらず、結構大問題も含んでいます。
それは「中国」なる実在の地名が出てきている点です。私は何となく気になってしまったのですが、こういうファンタジックな世界の説明に、「その世界には存在しないもの」を使って説明を行うと、何となく世界観が毀れてしまうような気がするんですよね。勿論、そういう説明の仕方もあってもいいけれども、そうなるとこの語り手の存在感ってのが一気に増してきて、尚かつ本作が「お話」である事も意識してしまう気が。
どっぷりファンタジーな世界に入るのには、やはり、その手の説明の仕方は注意が必要かもしれません。

もし、「中国」なる実在の地名を出さずに中華風を演出するとすれば、本作の場合は食事シーンが最有力候補でしょう。そこでさりげなく肉まん等の中華料理を出したり、飲茶の時間なりを描写すれば、恐らく「中国」なる言葉を使わなくても「あっ、中華風なんだな」と分かるハズ。
って、イラストを見れば、服装のスタイルでそれと分かっちゃうんだけれどもね。或いは、主人公達の衣装について描写しても良かったかもしれませんね。

最後に一言っていっておきながら、結構書いてますねw
で、更にだめ押しの一言をw
実は、スクリプトにミスがありました。それは引用符の部分です。恐らく「“ ”」の引用符を使おうとしたのだと思しいのですが、引用符が出てこないばかりか、タグが文中に出てしまっています。まぁ、単純なスペルミスかな? と思いきや、調べてみると「&」ではなく「¥」にするとかで回避出来る模様。LiveMakerは詳しくないので良く分かりませんけれども……っていうかNScripterも吉里吉里/KAGも詳しくないw 一応、この二つに関しては参考書を持っているんですけれどもね。


イラストにクセがあり、尚かつかなり短めの短編ですが、続きがゆかしい作品です。
少しづつでも良いので、是非本作をシリーズ化して、是非完結して欲しいな、と思います。
あと、無性に中華料理が食べたくなりましたw


というわけで、今日はお酒も入っているのでこの辺で。
それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-03-07 04:07 | サウンドノベル


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