2009年 04月 03日

フリーサウンドノベルレビュー 『箱入り娘のてるみどぉる』

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今日の副題 「箱入り娘達の憂鬱」

ジャンル:人形少女達の会話ノベル(?)
プレイ時間:30分程度
その他:選択肢なし、一本道。本レビューはフリー版にてプレイ。
システム:NScripter

制作年:2009/4/?(フリー版)
容量(圧縮時):60.3MB




道玄斎です、こんばんは。
又してもこんな時間になってしまいました。ちょっと作業をしていたら日をまたいでしまって。
で、先日は例のエイプリルフールでした。ベテランの所も、これから一旗揚げようと考えている所も、数多くのサークル様がその日の為の企画を発表していました。私自身はそんなに積極的にあちこちに行って、何か面白いものを見つけようとはしなかったのですが、幸いにして、ご紹介して下さる方があって、いくつか気になる作品を落としてきました。そういえば『グッバイトゥーユー』もVer.4.1というのがリリースされてましたね。
というわけで、今回は「花を吐く抄女」さんの『箱入り娘のてるみどぉる』です。
良かった点

・今までとは違う画面構成。

・相も変わらぬ、独自の持ち味が。

気になった点

・文法ミスがあったような……。

・クリック待ちのタイミングなどを考えても良いかも。

ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。
「人形を仕舞う。そう、仕舞う。いや、仕舞われる、か。お仕舞い、と言う言葉がある。お仕舞いか、お終いか」
人形の化物となっている三体が、ある人形遣いに拾われた。
そして、各々その役割を全うしていたが、活きている人形は意志があり、たまには羽目を外すこともある。
それが過ぎた所、主人ご用となり、箱に仕舞われ、蔵へ放り込まれる。 暑気に蝉が煩い時分、その暇つぶしとして閑話をするのだが―――

という感じ。


私のお気に入りの作者様の新作です。
多分、昨年度に頒布されたものだったハズ。それをエイプリルフール企画として、フリー版をリリースして下さったようです。同時にフリー版がリリースされた『傾城狐の嫁入りなこそ』の方も順次プレイしていきたいな、と。


さて、相も変わらず、作者様の独自の世界というか、持ち味が全開の作品でした。
30分で終わってしまう、短編ノベルにも関わらずフルボイス仕様で、小粒ですがしっかりとした作品となっています。

ストーリーを補足しておくと、人形遣い(文楽?)によって仕舞われた三体の人形、椿姫、市松、瑠璃が本作の登場人物であり主人公です。夏の盛りにこの三人が暑さでだれて、暇を持て余し怪談をする、というのが大まかなストーリーの流れ。
って、存在自体が怪談な三人組が怪談をするとはこれ如何に、という感じではあるのですがw
毎回云っている気がするんですが、声優さんの演技もいいですよね。イラストとの親和性も高いですし、作者様のディレクション能力の高さが伺えます。エンディングの演出なんかもね、凝っていてちょっと楽しいです。


「花を吐く抄女」さんの作品を何本かプレイしている方は、本作の画面構成が従来のそれとは違う事に直ぐに気がついた事でしょう。以前は、画面上部に細長いイラスト表示領域があって、その下に数行づつテキストが出てくるような、そういう画面構成でした。
対して、本作は画面左側にイラスト表示領域があって、右側にテキストが表示されるタイプ。それにより、多くのテキストを一度に見ることが可能になりました。

で、先に気になった点に入りますが、少しテキストが一度に表示され過ぎかな? という気がしないでもない。特に地の文なんかは6~7行くらいが一気に表示されてしまい、何となく、気ぜわしい印象を受けました。もう少し適度に「クリック待ち」を設けた方が、読みやすいかな、と。
あんまりがちゃがちゃクリックしなければならないのも、アレだけれどもね。この辺りのバランスがしっかりしていると、かなり読みやすくなるハズです。
特に、本作では(というかこの作者様では)、ちょっと古風で難解な言い回し、台詞回しが多い為、余計に文章表示の量なんかが気になってしまいました。

もう一点は、文法ミスです。
それは、本文中に「侵しべからずの段」という言葉が出てくるのですが、「べからず」の「べから」は助動詞「べし」の未然形です。で、「べし」は終止形に接続する助動詞ですから上についている「侵し」は「侵す」と終止形にしなければならないんですよね。
つまり、「侵すべからずの段」となる方が正しい訳です。というか、単純な書き間違えかもしれませんね……。


ともあれ、この三人娘(?)ののんびりまったりな会話を楽しむ、という趣の強い作品でした。
三人とも、箱に入れられているから「箱入り娘」なんですよね。そういえばタイトルにある「てるみどぉる」も季節の意味とドールで、人形とのダブルミーニングにしていると思います。
少しだけ補足しておくと、市松は云わずもがなの市松人形、椿姫(つばき)はビスクドール、そして瑠璃は球体関節人形です。
球体関節人形ってご存じでしょうか? 関節が球体になっていて、よりリアルなポーズが取れる人形の事です、ってまんまですね。この手の人形作家で有名な恋月姫さんという方がいらっしゃいまして、昔、この恋月姫さんの人形を愛して止まない女の子から、色々カタログのようなものを見せられたので、割と知ってるんですよねw 確かにちょっと心惹かれるものがあったりするんですが、如何せんお値段が……。
興味のある方は是非検索などでチェックしてみて下さい。

ビジュアル的に一番好きなのは、市松かなぁ? 所謂おかっぱ市松人形を可愛くした感じなんですが、声優さんの演技もビジュアルに良くあっていました。少し幼い感じとかね。
椿姫は、「攻撃的でない真紅」みたいな、感じ、って喩え分かりますか?w で、瑠璃は少しイキな姐さんという感じで、キャラクターはバラエティがあっていいですよね。


ストーリー的に、オチというか、そういうのがあるのか? と問われれば、実はあんまり無いんじゃないかなぁ? と。勿論、あると云えばあるんですけれども、作品のシメとしてのオチという印象は薄いんじゃないかと思います。「完!」というのではなく、ふんわり始まってふんわりいつの間にか終わっている、みたいな。
ですので、好みが分かれる所だと思います。私自身も、少しラストに物足りなさを感じました。
個人的には、もう少し最後でオチというか「だからなんだったんだ?」というような部分を見せても良かったのではないかと、愚案する次第。


今回は少し辛口になってしまいましたが、30分で読める短編ですし、作者様の持ち味というか、その特徴みたいのはしっかり出ている作品なので、「花を吐く抄女」さんのファンは是非チェックしてみて下さい。まだダウンロード出来るみたいですよ。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-04-03 02:29 | サウンドノベル | Comments(0)


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