2009年 10月 07日

フリーサウンドノベルレビュー 『ユウレイのいた道』

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今日の副題 「読後感爽やかな幽霊モノ」

ジャンル:幽霊型ミステリー(?)
プレイ時間:~1時間程度
その他:選択肢無し、一本道。
システム:ADVRUN

制作年:2009/8/15
容量(圧縮時):35.8MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は、お勧め頂いた作品をプレイしてみました。季節的にちょっと合わないかな? という感じがしないでもないのですが、シンプルでさっくりと遊ぶのにはもってこいな作品でした。
というわけで「Fortune Bell」さんの『ユウレイのいた道』
良かった点

・爽やかな作風で、さっくりと遊びやすい。

・背景素材の加工が一風変わっており、中々面白い。


気になった点

・もう少し、全体的な纏まり感があると良かったかも。

ストーリーはサイトの方から引用しておきましょう。
瀬戸典明……どこにでもいる普通の高校生。ただ、幽霊がみえるという一点を除けば。
「僕はただ幽霊が見えるってだけで、それ以外は全然普通の高校生なの!」

長谷川環……河川敷の道で出会った幽霊の少女。かわいいけどなまいき。
「ちょっと、わたしを殺した犯人をさがしてほしいの」

押尾郁奈……噂好きのスポーツ女子高生。典明と同じ高校に通う。
「私は常に本気だよ。常在戦場、有言実行」

こんな感じのストーリーになっています。

そう、幽霊を視認出来、会話まで出来る男の子の主人公と、幽霊であるところの女の子がメインとなる作品。こうしたタイプの作品には『ゆうとっぷ』や『Moonlight Blue』なんかがありますが、本作の場合、主人公と女の子キャラの恋愛が描かれる訳ではないので、またちょっと違う風味がありますね。

で、強引にジャンル分けすると、ミステリーって事になるのかな?
幽霊の環から、「わたしを殺した犯人を捜して欲しい」と云われ、紆余曲折を経て、犯人捜しに取りかかる主人公。
トリック的な意味でのミステリー要素は薄いのですが、ラストで明らかになる真実は、結構意外性があって、環の存在だったり、作品そのものに大して深みを持たせてくれていたんじゃないかと愚案致します。
まぁ、その……環の口調が、小学生のそれ(幽霊だけど)にしてはかなり大人びているというか、マセているというか……。普通に小学生からあんな口調で話しかけられたらぶん殴ってしまいそうw

ところで、本作、ちょっと変わったノベルゲームのツールを使っています。
ADVRUNという、NScripter、吉里吉里/KAG、そしてLive Makerの三頭鼎立状態(前二つが圧倒的に多いけれども)では、あまり目にすることがないツールです。
ただ、これ、別に使い勝手として悪いとかそういうのは全然無かったですよ。めんどくさいのは「セーブ」も「ロード」もダブルクリックで行うというくらいで、バックログもバッチリ見られますし、何と言っても「プレイ時間」を表示してくれるのはいいですね。
ただ、検索を掛けてみると、最新版は2006年リリースのものと思しいですから開発が止まってしまっているのでしょうか? プレイヤーとしては、全然問題なくプレイする事は出来ますよ?

プレイして気がつくのは、背景素材の加工が一風変わっているんですよね。
写真素材を使いつつも、それに色を追加して背景素材を作っているような、ちょっと不思議な感触のものでした。一見すると普通に「イラスト」として背景を描いたように見えたりもして、これはこれで中々。

割と淀みなく、すらっとストーリーが流れていくわけですけれども、気になったのは、全体の纏まり感、です。
というのは、例えば、主人公の部活仲間である押尾さん。彼女自体は、本作の中心である事件に直接的に関わる事はなくて、或る意味で少し浮いている感触がある気がします。
又、主人公は、後半で「あるスキル」を使って、犯人捜しをするわけですが、そのスキルに関してももうちょっとバックグラウンド的なものが、丁寧に描かれていても良かったんじゃないかな? なんて。
その主人公の持つスキルは、主人公が所属している部活動にも関わりがあるものですし、事件解決パートの重要部分を担うものですから、「実はこんなことも出来ますよ」的に出してくるよりも、前半部からちょこちょこと伏線を張っておくとか、主人公のバックグラウンドを語る際に、もうちょっと分量多めで語っても良かったんじゃないかと。

そこらへんを丁寧に描けば、より、一本の作品としての纏まり感が出たんじゃないかと思います。
そうは云っても、やっぱり意外な真実が明らかになるラストは、中々良いものですし、ジメジメっとしたエンドではなくて、ちょっと爽やかなものだったので、読後感は非常に良いですね。

何だか雨ばかり続いて、気分も塞ぎがちになりますが、雨の合間にでもプレイして、ちょっと爽やかな気分を味わってみて下さい。今日は短めの作品ですし、こんなもんですね。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-10-07 01:21 | サウンドノベル | Comments(4)
Commented at 2009-10-08 01:11 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 青八木景 at 2009-10-08 20:26 x
道玄斎様、はじめまして。

「ユウレイのいた道」にてシナリオを担当していたフォーチュンベルの青八木と申します。このたびは、本作をレビューしていただき本当にありがとうございました。

前作(さとりのよる)のレビューをしていただいたときにも、当該記事を読んでいたのですが、なにぶん初めての経験だったのでコメントする勇気もなく、こうして2作目にしての書き込みとなってしまったことご容赦ください。

前作の感想、参考にさせていただきました。今回のご感想も、次回作への足がかりに出来たらな、と。今後も短くてシンプルな作品を中心に制作していきたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
Commented by s-kuzumi at 2009-10-09 22:28
>>非公開でコメント下さった方

例の企画ですが、一応耳にしております。
何だか、最近この手の大会っていうと大げさですけれども、そういう場が増えていますね。素材を限定する催しなんかもありますよね?

こちらとしては、何かしらの制限の中(ジャンルとか)で作品が集まると、好みの作品を見つけやすくなるので、嬉しい反面、即ダウンロードが出来なかったりして、微妙にヤキモキしたりもしますねぇ。
Commented by s-kuzumi at 2009-10-09 22:30
>>青八木さん

こんばんは、はじめまして。
わざわざご丁寧に有り難う御座いました。

結構、毎回毎回、好き放題書いていたりするのですが、そのように仰って頂き、感謝致します。というか恐縮の至りですね……。

短くてシンプルな作品、というのはやっぱりいつでも需要のあるものだと思いますし、これからの活動も期待しております。

この度は本当に有り難う御座いました。


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