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2009年 10月 12日

フリーサウンドノベルレビュー 『龍遊戯伝』

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今日の副題 「遊び応えのある中華風ファンタジー」

※吟醸
ジャンル:謎解き中華風ファンタジー(?)
プレイ時間:6~8時間くらい?
その他:選択肢アリ、バッドエンドなど多数。
システム:Live Maker

制作年:2009/9/27
容量(圧縮時):298MB





道玄斎です、こんにちは。
たまにお目に掛かる事はあれど、実は数の少ない中華風ファンタジー作品を今回はプレイしてみました。やっぱりこれもコメント欄にてお勧め頂いた作品です。実は、一年半くらい前にレビューを書いた事のある『NEW WORLD【新世界】』と同じ作者様の新作。
というわけで、今回は「万屋本舗」さんの『龍遊戯伝』です。
改めて、『NEW WORLD【新世界】』のレビューを(自分で書いたものですけれども)見直してみると、「ぱんださん」の攻略コーナーとかね、今回の作品にも活きている部分が発見出来たりして。
良かった点

・スケール大きめの中華風ファンタジー。プレイのし応えがあります。

・エフェクトや、演出など滅茶苦茶凝ってました。


気になった点

・ちょっと処理が重たい……。

・選択肢の出し方がちょっとズルい気が。

ストーリーは、サイトの該当ページへリンクを張っておく事にしましょう。ちょっとカッコいいストーリー紹介のページだしね。こちらからどうぞ。


というわけで、プレイしました。
丸々三日くらい掛けて読了。非常に素朴な印象を云うならば「ズッシリと重たい」という感じかもしれません。それは容量が300MBくらいある、という事とも無関係ではなさそうなんですが、内容がね、ギュッと詰まっている感触があるんですよね。
最初、割とすぐ読めちゃうんじゃないか、と思っていたら、思わぬ展開が次々と出てきて目一杯楽しませて貰いました。
それは、中華風って事なわけで、架空のそれではあるけれども、結構重厚に歴史的な背景を作ってあり、作品そのものに厚みがあったって事なんでしょう。あー、そういえば、本作に出てくる「龍」ってのは「人型」です。髪の毛の色とか目の色とか、身体能力とか、そこらへんに違いはあれど、一般的な概念の「龍」と「人」ってのとは違うんですね。

キャラクターも、魅力的に描かれていました。ビジュアル的にも申し分無し。
割と……女性向けの作品なのかな? という感じはしますね。基本、主人公である女の子、黎珠視点でストーリーを見ていく事に。また、出てくる男キャラがカッコいいんだわw 微妙にサービスシーン(?)もあったりなかったり……w ま、私は男なので「男のサービスシーン」を見てもそんなに嬉しくないんですが。

キャラクターに関しては、その「量」的な部分も含めてお腹いっぱいになりました。
全編を通して、かなり色々なキャラが出てきます。濃淡ってのは勿論あるわけですが、どのキャラもしっかりと描けていたように思えます。個人的な好みを云えば、やはり後半から出てくる褒姜でしょう。ちょっとコケティッシュな魅力のある女性キャラ。物語の中での立ち位置と云い、かなり私の好みに近いですね……。
あっ、一応フォローしておきますけれども、主人公の黎珠も、かなり良い子です。最初はツンケンしてますけれども、段々とよい子の部分が表に出てくるように……。正直「こういう子が側に居たら、もう別に何もいらん」というタイプ。頭がキレるのも高ポイントです。

謎解きの要素も多いけれども、恋愛的な部分が、本作の本当の背骨っていうか、そういう部分だったりします。勿論主人公黎珠と、謎の龍であるカナンの関係です。
で、恋愛モノの作品が出てくる度に云ってますけれども、「恋に落ちる必然性」っていうか、そこがちゃんと描かれているかどうかが重要になってきます。そうでないと、「何でこいつに惚れたの?」という、かなり重要な問題に説得力の無いままストーリーが進んでしまうわけで。
芥川龍之介という人は『侏儒の言葉』という作品の中で、
恋愛の徴候の一つは彼女は過去に何人の男を愛したか、或はどう言う男を愛したかを考え、その架空の何人かに漠然とした嫉妬を感ずることである。

なんて云ってます。
別に「彼女」を「彼」に、「男」を「女」にしてもこの場合はよさそうです。本作の「恋に落ちた瞬間」ってのは、まさにこの芥川龍之介の文章的なもので、それはちゃんと納得感のあるものになっていたんじゃないかと思います。
気がついたら好きになってました、ってのは、現実じゃあるかもしれないけれども、ちゃんと恋に落ちる過程とか、その瞬間は描写してやらないと、読者=プレイヤーには伝わらないので。
ともあれ、恋に落ちたと半ば自覚するシーンは、印象的で良かったです。

そういえば、最初の30分くらい、ちょっと慣れない雰囲気の固有名詞が多く出てきて、戸惑う部分もあるかと思いますが、そこらへんはプレイしていれば慣れてくるハズ。
それよりも、結構プレイしていて辛かったのは、「エフェクトなどの処理」が非常に重たく感じた、という所です。キャラが瞬きをしたり、凄いエフェクトとかに拘って作られていて、そういう部分を注目しながらプレイすると楽しい反面、微妙にスムーズなプレイが阻害されていたような部分もあったりして(メモリ4G積んでるんだけども)。
エフェクトの切り替わりのタイミングで一瞬、ウエイトが掛かってしまったり、ね。
ただ、常駐ソフト(ウイルス対策ソフトとか)を切ると、結構改善されるかな? もし、プレイしていて「重たく」感じたら常駐しているソフトを切ってみて下さい。かなり快適になるハズ。

でも、一番の問題は「選択肢の出し方」なのかもしれません。というのは、本作はバッドエンドも含めてコンプリートしていかないと、真のエンドに到達出来ない仕組みになっています。
ですので、割と選択肢が多めだったり、即死ルートが多かったりするのです。ちゃんとバッドエンド/デッドエンドになってしまうと「ぱんださん」が助けてくれるわけですが、こりゃねぇ、「ぱんださん」の助言なくしては、コンプリートはおろか、先に進む事さへ困難だったりします。

いやぁ、普通じゃちょっと選べないような、そういう所を選んでいかないと先に進めなかったりするんですよねぇ……。「ぱんださん」がちゃんとそのものズバリに答えを教えてくれるんだけれども、それだったら、あまりに難しい選択肢は、選択肢にしないでおいた方がテンポ的に良いかも、と思ったり。
ま、逆に云えば、プレイしていてバッドエンドを見るってのは、普通な事なので、寧ろポジティブにバッドエンドを回収しつつ、プレイを進めていくと後々楽になると思います。「ぱんださん」と黎珠との掛け合いは、本編とはまた違ったテイストで楽しいですしね。

個人的にはバッドエンド4と11の回収が難しかったですねぇ。
この二つの為に1時間くらいは使ってしまった気が……。


大体、こんな所でしょうかね。
そもそも、私は割とファンタジックな作品って好きなので、かなりハマりました。
スケールの大きい重厚な作品なので、プレイのし応えのある事、保証致します。
毎日、少しづつプレイして行けば、一週間くらいは遊べるかも? 興味を持った方は是非プレイしてみて下さい。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-10-12 12:12 | サウンドノベル | Comments(0)


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