2009年 11月 01日

フリーサウンドノベルレビュー 『カスタードはあきもよう』

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今日の副題 「ほんのり甘い懐かしさ」

ジャンル:小学生恋愛アドベンチャー(?)
プレイ時間:1ルート20分程度、合計3ルート。
その他:選択肢アリ。但しルート分岐の一箇所のみ。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2009/8/23
容量(圧縮時):35.3MB




道玄斎です、こんばんは。
昨晩、ちょっと気になる作品を見つけたのでプレイしていました。続きを先ほどプレイして読了。
全体的にはオーソドックスな恋愛モノなのですが、何と登場人物はどれも小学六年生。ほんのり懐かしい手触りがあって、楽しかったです。
というわけで、今回は「桜美林大学 漫画ゲーム研究会」さんの『カスタードはあきもよう』です。
良かった点

・オーソドックスな恋愛モノながら、中々しっかりとした作り。


気になった点

・たまに文字表示で難が……。

ストーリーはベクターの紹介文から引用しておきましょう。
――――れんあいのことは、まだ、難しくてよくわからない。

でも、付き合うとか、告白とかくらいは知ってる。


徐々に冬へと姿を変えていく、小学校生活最後の秋。
これから寒くなってく帰り道だって、
こいびとどうし、一緒に帰ればマフラーよりもきっとあったかい。

背が小さくて、よくからかってくる幼馴染。
ちょっと大人びてて、しっかり者の図書委員長。
ぱっと見怖そうだけど、とっても優しいバスケ少女。

毎日顔をあわせてお話したりすれば、やっぱりうれしい。
ふと目が合ったりしたら、ちょっぴりドキドキしたりもする。

甘くて、やさしいその味は。
カスタードは、あきもよう。

こんな感じです。今日は少し長目ですね。


大学のサークル発のゲーム、たまに目にしますよね。
私がレビューした中だと、筑波大学、早稲田大学なんかがありました。今回は桜美林大学。私の居所からも割と近い所にある大学で、付属校の学生さんを良く目にします。あの『雨ではなく、雪ではなく』の舞台になっていた某駅からスクールバスが出ていたような。

それはさておき、非常にオーソドックスな恋愛作品でした。
選択肢はあるのですが、一箇所、「どの女の子を選ぶか」という所でしか出てこないので、コンプリートは楽々です。良くあるタイプの恋愛短編作品なんですが、決定的に他の類似作品と異なるのは、登場人物(主人公&ヒロイン軍団)が小学生だという点にあります。

それを意識して、テキストも漢字を開いて平仮名多用で綴られたりしていました。
ちょーっとあざといかなぁ? とか、平易で漢字少なめなのに「ボルテージ」とか「善意じゃなくて好意」とか、小学生にはちと難しめの言葉も併用されたりしていたのですが、こういう所って凄く難しいですよね。
どの言葉がOKで、どの言葉がNGだっていうガイドラインがあるわけでもないし、本当にリアル小学生が身近にいたりしないと書けないのかも、とか考えてしまいます。

キャラが物凄い立ってる(滅茶苦茶マセてるとか)なら、まだそうした属性に併せて、使用する言葉を選択していけば良さそうですけれども、本作に出てくる主人公やヒロインは、かなりナチュラルな造型なので、余計に難しい所があるのかな、と。
イメージ的には主人公は割と幼いタイプの男の子で、ヒロインの女の子は彼と比べるとちょっと大人っぽさもあって、という感じかな。

で、オーソドックスな作りで、纏まった作品を創る、というのは実はやっぱり難しい事です。本作の場合、ちゃんと作品として成立していて、尚かつ、ヒロインも割とナチュラルな造型ですからプレイしやすくて、凄く良かったです。

ちなみにどの女の子のルートを選択しても、基本的なストーリーの流れは同じ。
小学生にして、モテ属性をこれでもかという程搭載した、主人公が「お目当て」の女の子以外にもその優しさを発揮して、「お目当て」の女の子がそれを目撃して……みたいな。
って、書くと何だかナンパな感じですが、主人公は悪気があってやってるわけじゃなくて、女の子と比べてまだ「幼い」って事なんですよね。そうは云っても、接吻くらいは出てきますから、意外と恋愛描写は濃いのかも。ただ、無邪気なコミュニケーションの感じが、初々しくて小学生らしさを出している印象でしょうか?

同時に、どのルートを選択しても出てくる要素に「お菓子」、もっと云ってしまえば「カスタードクリーム」があり、それはタイトルとのリンクにおいて、作品の背骨の一つになっていました。
幼なじみキャラの亜季だと「シュークリーム」、図書委員の少し大人っぽい物静かな楓だと「タルト」、スポーツ系俺ッ子の穂乃華だと「ミルフィーユ」。どれもカスタードクリームが入っているお菓子です。

脱線しておくと、カスタードクリームの原料を知らない人がいるようなので、そこらへんをちらっと。
普通の「生クリーム」ってのは、生クリームですw スーパーマーケットで牛乳の側に置いてある「生クリーム」を砂糖を加えてかき混ぜると、普通の白い生クリームになります。
で、カスタードクリームってのは、卵黄を使います。薄力粉なんかも使って、加熱しつつかき混ぜてクリーム状にするわけです。英国人の好物ですな。
ちなみに、カスタードクリームを作る時に、ヴァニラビーンズやらエッセンスやらを入れると風味が良くなります。本当は自分でヴァニラを鞘から買ってきて、度数の高めのウォッカに漬けておいてヴァニラエッセンスを作るくとベストなんですけれどもね。


話を戻すと、どの女の子のルートでもカスタードを使ったお菓子が出てきて、そうした小道具が小学生の恋愛という、ちょっとほんのりしていて優しい設定を支えてくれます。全体を貫く設定という事で云えば、「秋」の要素も多いかな? 紅葉の影絵みたいなものが随所に出てきたりして、やっぱりタイトルとリンクする、全体の「まとめ役」の一つになっていました。

話が前後しますけれども、どこか懐かしい雰囲気を持っている、というのも本作のオイシイ所です。「帰りの会」とか「日直さん」とか、すごい懐かしい!
ヒロインも一人のルートのみが突出しないタイプの作品です。
個人的には……スポーツ系の俺ッ子穂乃華が好きかも。こういう子が年頃になるとバケるから女の子って怖いよねぇw

気になった点は、文字表示のからみで少し。
というのは、例えば、普通左クリックで文字を送っていくわけですが、クリックすると「次の行」まで送られてしまう事がありました。ですので、バックログを常に見ながらプレイしなきゃいけない時があって。ただ、これは何か起動のタイミング(?)みたいのにも拠るようで、ゲームを再起動してみたら、普通にプレイ出来たりします。もし、同様の症状が出た方がいらしたら、ゲーム本体を再起動してみると良いと思います。
又、既読スキップがないので、エンター押しっぱなしでスキップしていくと、途中でウンともスンとも言わなくなってゲームが停止してしまう場所があったり。
実際、短めの作品ですから、そんな目に遭う事は殆どないと思いますがw


一ルート20分、コンプリートで1時間程度の短い作品ですから、このくらいにしておきましょう。タイトルにあるカスタードが作品を上手に纏めるアイテムになっていて、オーソドックスな恋愛モノですが、しっかりとした作りになっていました。
少し懐かしい、ほの甘いカスタードのような作品を是非プレイしてみて下さい。


それではまた。
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by s-kuzumi | 2009-11-01 17:49 | サウンドノベル


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