2009年 11月 11日

なんてことない日々之雑記vol.248

道玄斎です、こんばんは。
先日、軽く予告しておいた「巻物の巻き方」講座(?)です。

家の押し入れを弄っていたら、秘伝の伊賀忍法の巻物が出てきて、こっそり開いてみたはいいけれども、元に戻らなくなって、それがバレたら大変な事になる……なんて時に重宝な技。って、そんな事殆どないわけですから、これを読んでいる人の99.999%くらいの人には、無意味な情報でしょうw
けれども、知ってて損はない技術……だよね? まぁ、話の種にでもして下され。

今回は、私の所有する巻物を利用して、実際の読み方、巻き方を解説してみよう、というそういう企画。
ちなみに、使うブツは重要文化財の『関白内大臣家歌合』という巻物……の複製です……。あっ、複製だらかってバカにしたでしょ?w けれども、実は結構お値段高め。定価85000円+税ですから、遊び道具にするにゃぁ、ちょっと勿体ない高級感のある感じ。
けれども、持ってたって使い道が無いんだから遊び道具にするしかないw


画像を多めに使おうと思うので、ライトな読み物だと思ってだうぞ。
もしかすると居るかもしれない「緊急に巻物の巻き方を知りたい人」にとって役に立てたら……いいなぁw



■巻物を読む前に

巻物をいじるわけですが、何事にも準備が大切。
具体的には、

・爪を綺麗に切っておく。

・当然、ヤスリを掛けて、爪の切断面を滑らかに。

・石鹸を使って、手を綺麗に洗っておく。

というプロセスが、前段階で必要になります。
そりゃぁさ、家にある巻物が、なんでも鑑定団に鑑定させたら2000円くらいの値打ちしか無かった、って事もあるけれどもさ、こういう物って、現金換算が必ずしも可能なものじゃないわけで、寧ろそれを大切に保管していた「思い入れ」みたいなものを大切にしたい所。

それに、なんでも鑑定団では2000円かもしれないけれども、「10万出しても欲しい!」なんて人が現れないとも限らない。汚さない(破らない、傷つけない)に越したことないって事よね。
何にせよ、書物に対する礼として、汚したり傷つけたりする事のないように、それを扱う手を綺麗にしておきましょう。



■巻物を読もう

別にヒモを解いて巻物を開くのは簡単。幼稚園児だって出来ます。
なんか飛び出てるヒモを引っ張るだけで、あっさり、巻物は開けられちゃいます。

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こんな感じになってるハズ。
巻物って、まぁ、読んで字の如しで、巻いてあるわけですから、読むためにはそれをほどいてやらないといけません。
長年巻かれていると紙にクセがついていて、すぐに丸まろうとしちゃいますから、本当はガラスの板みたいので押さえたりするんだよね。

それはさておき、基本、「読了した部分を軽く丸め」「未読の部分をほどいて読んでいく」というのが巻物の作法(?)。「軽く丸め」なんて書きましたけれども、きっと自力で丸まってくれます。ただ、少し気をつけて丁寧に丸めておくと「巻き直す」時にすげぇ楽になりますよ。

で、巻物も、本の一種ですからラストページがあります。ページっていうと変だけれど。
巻いてある紙を戻して戻してやってると、最後に到達する部分。それは「棒」です。この棒、「軸」に紙が巻いてあるから「巻物」なわけですよね、きっと。
で、恐らく、巻物の最終ページは、こんな感じになっていると思います。

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もう後戻りできません。ここまで紙をもどしちゃったら、それを「元の状態に巻き直す」作業がどうしても必要になります。けれども、別段難しい事はなくて、丁寧に丁寧に、そしてしっかりと巻き直してあげればいいだけです。

両手を使って、少しづつ巻き直していきましょう。
ポイントは少しづつ巻き直す、という事。何でかってーと、巻いていると、こういう状態になってしまうからです。

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つまり、巻いた紙がズレていってしまうわけです。紙が段々になっちゃってますよね。
こりゃ、多分だけれども、「紙のプロ」とか「和紙のプロ」みたいな人じゃない限り、誰にでも起こり得る現象だと思います。

こういう状態になったらどうするか?
両手を使って、紙を上下から軽く指の腹で押して(片方がズレている、って事は反対側もズレているって事ですから)、段々を無くしてあげます。これが、巻き戻しの際の一つの難所。
段々の被害が大きくならないうちに、こまめに優しくズレを直してあげるわけです。
だからこそ、丁寧に「少しづつ」巻き直す事が大切になってくるわけです。少しづつ巻き直して紙がズレていたら直して、また少しづつ巻いていって……と繰り返します。
時に、どうしようもない程ズレてしまった、なんて事も起こるわけですが、そういう時には、諦めて、紙をもう一回適当な所、つまりズレが生じていない所までほどいてやります。巻物って開くのは簡単だけれども、巻き直すのに労力が掛かる……。勿論、云うまでもない事ですが、ゆるゆるに巻いちゃ駄目ですよ。キツキツにしちゃっても駄目らしい。適度な遊びがある感じ。

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ちょっとブレていたり、少し雑だったりしますが、段々が治ってまぁ、それなりになっている様子が分かるんじゃないかと……。上下で紙の部分から飛び出ている軸の長さ、それが均等になるように丁寧に巻いていきましょう。

「あー、イライラする!」
なんていいながら、ここまで巻けました。

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けれども、これでせいぜいいいとこ半分くらいですから、本当に巻物を巻き直すには労力が掛かります……。
で、ついにちゃんと紙だけは巻き直す事が出来ました。

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ここまでは、疲れるけれども何とか出来るんですよね。
最後の難所は、ヒモをどう結ぶか? という問題。

画像を見て下さい。
ヒモ、一本しか出てないんですよ。二本あれば蝶々結びでもなんでもやっちゃえばいいんでしょうけれども、あれほど簡単に解くことができた結び方を、一本のヒモでどう行うのか、そこが「巻物直し」のキモ。

恰も、凄い難しいみたいな事書いてますけれども、実は単純。
普通に、巻いていけばいいだけです。こんな風に。

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問題は最後の一巻きの部分です。
こうします。

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つまり、自分の指を間に挟んで最後の一巻を巻くんです。
そして、指を挟んだ分出来たスキマに、画像のようにした状態でヒモを通し、キュッと、しっかりと形を整えます。
ここでのポイントは、「結構長く、ヒモを残したまま最後の一巻きを巻く」って事です。そうでないと、スキマにヒモを入れられなくなっちゃいますから。
慣れれば、指を挟まなくても大丈夫そうですね。わざと少したるみを作って、最後の一巻きをしてやればOKでしょう。

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ほい。
んで、結果としてこうなります。

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これで、巻き戻し完了! お疲れ様でした。

最後の最後に、巻物が収まっていたであろう箱の中に入れて、終了。巻物の種類にもよると思うけれども、箱に軸受けみたいのが付いている事もあったような。まぁ、ここまでくれば大丈夫でしょう。
もっかい読みたいって時にゃぁ、飛び出ているヒモを引っ張ってやれば綺麗にヒモはほどけます。



■最後の最後にこんな事を云うのはアレだけど

こんな感じで、巻物を巻き直すわけです。
で、実は恥ずかしいんだけれど、実はヒモの結び方忘れちゃっててねぇw 巻物を巻きながら、記憶も巻き戻して何とか何とかという体たらくでした。
多分……これで結び方としては合ってるハズ。よしんば間違っていたとしても、これで一応結べたわけですし、一発でほどけますし、結果オーライという事でw

それは兎も角、巻物の巻き方、ネットで、もしかして載ってるかな? と思ってあれこれ検索しても出てこないんですよ。
「巻物 巻き方」とかそういうキーワードで検索を入れても、海苔巻きの巻き方とか、マフラーやストールの巻き方とかばっかりでした。
まぁ、あんまり役に立つ事はなさそうだけれども、秘伝の(以下略)なんて時にお試し下さい。

そうそう、言い忘れたけれども、今回は私の汚い机の上でやったんですが、出来れば、ごちゃごちゃしていない綺麗な机で作業しましょう。


あー、すごい疲れた!
そういうわけで、ボチボチ眠ります……。

それでは、また。



/* 追記

どうやら、『徒然草』なる書物の中に、巻物の紐の巻き方、書いてあるらしい。読んでみるに、私がここで書いたやり方は、『徒然草』の時代から見ても、古式ゆかしい麗しい巻き方だそうな。
興味があれば『徒然草』208段をどうぞ。

ちなみに、こんなやりかたもあるようです。殆ど違いは無いけれど、こちらの方が丁寧に書いてあります。
「何度か練習しなければ出来ない」なんてありますが、別にそんな事はありません。ご安心召されよ。
このページは、今回の記事で書かなかった(というか、すげぇ適当に雑にやっちゃった。四枚目の画像のヒモは滅茶苦茶悪い例です。ちゃんと最初に仕舞い込んでおかないと、五枚目の画像のように、ヒモがぐねぐねになって、紙に巻き込まれたりします)「読んでる最中の紐の処理の仕方」なんかも載ってるので、興味があれば併せてご覧下さいませ。 */
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by s-kuzumi | 2009-11-11 02:04 | 日々之雑記 | Comments(0)


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