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2009年 11月 30日

フリーサウンドノベルレビュー 『Dear∽Life』

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今日の副題 「丁寧な作りと、脇役の存在が秀逸です」

※吟醸
ジャンル:学園恋愛アドベンチャー(?)
プレイ時間:1ルート1時間半~2時間くらい。
その他:選択肢アリ、三人のヒロイン、それぞれバッド・グッドのエンドに分岐。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:?/?/?
容量(圧縮時):64.6MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は、お勧め頂いた作品を昨日からちょくちょくプレイしていて、コンプリートしたので、その作品を取り上げようかと。誰しも「My情報源」みたいなサイトってあると思うのですけれども、逆に言えば、作品の情報がそこだけ、みたいになっちゃう側面もやっぱりあります。
ですので、こうしてサーチ出来なかった作品なんかをお薦め頂くのは本当に助かります。
というわけで、今回は「Starry Nursery」さんの『Dear∽Life』です。
良かった点

・オーソドックスな要素が多くありつつも、丁寧に作られており好印象。

・バッドエンドも一つのエンドとして、しっかりしておりエンド回収の作業が楽しい。


気になった点

・もう少し、死神達の存在感があっても良かったかも?

大体、こんな所ですね。
ストーリーは、少し長目ですので、サイトのURLを張っておきましょう。こちらからどうぞ。



本作は、どうやら専門学校の卒業制作として制作された作品のようです。
コンプリート後に出てくる座談会的なものを見ると、卒業制作として作った作品を更に磨いたものと思しい。兎に角丁寧に作られており、好印象な作品でした。

冒頭でいきなり死神がやってきて余命宣告をされる主人公。
残された一年ほどの時間をどうやって過ごすのか? そんなちょっと王道的な始まり方をする訳ですけれども、本当に丁寧に作られている為、「ありきたり感」みたいなものは殆ど感じませんでした。

基本は、余命宣告された主人公が、残りの時間を使い、女の子と恋愛をして……みたいな、恋愛アドベンチャーに近い感じですね。
主人公篤也は専門学校に通っているらしい19歳の男の子。ゲームで徹夜とか、ニート体質のようで、死神二人娘カレンと朱琶(あげは)によって、死ぬ日までに全うな人間になるべく矯正教育を受けつつ日々を過ごしますw

一つ、本作の特徴を云えば、主人公が死亡する事が前提になっているのに、意外な程明るいストーリーで且つ、主人公の死生観というか、そういうものも少し乾いているような、そういう部分はありますね。
自分があと一年で死ぬって分かっていたら、取り乱したり、或いは内側に籠もっていったり……そういう事ってきっとあると思うんですが、何となく篤也は「あと一年で死ぬの? そうですか」みたいな、かなり冷めている感じ。こういう主人公の死に対する受け止め方ってのは、若干気になった部分ではあるんですけれどもね。

それはさておき、ヒロインは三人。
王道幼なじみ(そしてお隣さん)の佑香、同い年だけれどもちょっぴりお姉さん的雰囲気の真里乃、そして純情可憐な雰囲気を出している小枝。

何と云っても本作の良い所は、主人公の悪友達である所の所謂「脇役」とヒロインのルートがガッチリ結びついているという部分。
単純にヒロインとの恋愛っていう部分でもしっかりと作ってありますし、グッドエンドは云うに及ばず、一般的な意味ではバッドエンド(多分、本作ではそれをノーマルエンドって呼んでいると思います)も、「死にました。お終い」みたいなブツ切れ感がなく、ちゃんとストーリーとして完結したものになっており、グッドエンドじゃなくてバッドエンドの終わり方の方が好み、なんて事もプレイヤーによってはありそうです。

そうそう、割と選択肢は多めかな?
ただ、ルートに入るのは簡単だと思います。一回二回プレイすると、「○○の選択肢を選ぶとあの子が出てくる」みたいなものが分かるので、なるべくお目当ての女の子と沢山接触していけば、ちゃんとルートに入る事が可能。一つ、注意点を挙げるとするならば、ルートに入ってから、が若干シビアな面があるかも? ルートに入ったら多分、選択肢を一つでも間違えるとグッドエンドにはいけないんじゃないかしら? まぁ、ただ、そこまで捻った選択肢があるわけじゃないので、素直に選んでいけば大丈夫なハズ。
逆に言えば、バッドエンドを回収したい場合は、ルート突入後、敢えて一箇所「ハズレ」な選択肢を選ぶとすんなりバッドエンドを見ることが可能に。

で、この三人娘のどのルートに入っても、主人公の悪友達から一人、ストーリーに深く関わってくるキャラクターが出てきます。佑香のルートなら隆彦、真理乃のルートなら洲一、小枝のルートなら賢吾といった具合に、日常シーンでは普通に仲良くしている悪友達も、ルートルートでフィーチャーされており、そういう作り方はとっても良かったです。
時にお節介を焼きつつも、主人公とヒロインの恋路をサポートしてくれる友人達。彼ら脇役キャラの存在が生き生きとしており、ストーリーに厚みを加えている印象。

あんまり書きすぎるとネタバレになっちゃうので、多少ぼかして書きますが、ヒロインも色んなタイプがいます(って三人なんですけれどもw)。王道的なキャラあり、甘酸っぱい恋愛をこれでもか! というくらい堪能出来るキャラあり、ちょっとダークな展開を見せるキャラがありとバラエティに富んでいて、やっぱり面白い。

個人的に一番胸きゅん指数が高かったのは、真理乃ルートですかね。
かなり直球に主人公に愛を伝えるタイプ。それで居てしっかり者で、ちょっとお姉さんタイプで私はこの中だったら、一番真理乃が好きですねぇ。真理乃の弟や、このルートでメインで関わってくる悪友洲一を巻き込んだストーリーの作りも上々だったのでは?

ただね、この真理乃ルート、個人的にバッドエンドもかなりいいなぁ、と思えてしまうのも事実なんですよ。最初に普通にグッドエンドを見て、その後バッドエンドを見た訳ですが、「ん……こっちの方が感動的かも?」とちょっと思いました。ああいう小道具が出ると私は弱いんですw


ここいらで気になった点についても。
先ほども、ちらりと主人公があまりにも軽く「自分の死を受け止めている」みたいな事を書きましたが、それとは別に、物語の発端から登場してくる死神二人組の存在感が意外と薄かったんじゃないかな? という気がします。割とライトな恋愛アドベンチャーの体裁を取っていますが、その奥には「生と死」という重たいテーマを内包しているのも事実です。
ですから、その象徴たる死神の二人娘が、もうちょっとあれこれストーリーの中に干渉してきても良かったのかな? という部分がありますね。ちなみに小枝のルートでは結構頑張ってるんですけれども、佑香や真理乃のルートでは、本当に「見守っている」的なちょっと活躍が控えめだった印象がありました。

ただ、これもコンプリート後に判明するのですが、どうやらカレンルートも構想されていたようです。
それは時間的な問題だったりでカットされているのですが、やっぱりカレンのルートもあると、「生と死」みたいな、本作のより深い部分でのテーマが掘り下げられたんじゃないかな、と思いました。


大体、こんな所かな?
何だかんだいいましたが、本当に丁寧に丁寧に作れた良作の一つだと思います。
意外と未読の方もいらっしゃるんじゃないでしょうか? オーソドックスな部分は多くあるのですけれども、是非プレイして貰いたい作品です。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-11-30 01:54 | サウンドノベル | Comments(0)


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