久住女中本舗

kuzumi.exblog.jp
ブログトップ
2009年 12月 19日

フリーサウンドノベルレビュー 『Space Freeters! ~天駆ける宇宙の乙女たち~』

b0110969_1272150.jpg

今日の副題 「さっくり軽快、SFファンタジー(?)」

ジャンル:SF的ガールズトークストーリー(?)
プレイ時間:三十分程度。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:2009/9/30
容量(圧縮時):18.9MB



道玄斎です、こんにちは。
今日も割とさっくり軽めにプレイ出来るものを持ってきました。見る人が見たらちょっと吃驚する作品かもしれませんね。
というわけで、今回は「Fly me to the sky!」さんの『Space Freeters! ~天駆ける宇宙の乙女たち~』です。
良かった点

・相も変わらぬ丁寧な作り込み。

・作者様の新機軸が垣間見える。


気になった点

・この作者様の作品に慣れ親しんだ人がプレイすると、ちょっと一瞬面食らうかもw

ストーリーはサイトの方から引用しておきましょう。
遠い昔、遥か彼方の星の海で……。
時は、宇宙大航海時代。
一攫千金と名声と自由と冒険を求めて宇宙を駆けめぐる
にぎやかな女の子たちのガールズトークストーリー。

こんな感じのストーリーです。
そう、何と本作はSFしてるんです。それだけでも吃驚してしまう訳ですが、百合作品を集めた「Girls Party」の応募作の一つ、という事で微百合的な描写もあったり、立ち絵・一枚絵ではないですけれども「会話ウインドウ」に顔のアイコンが表示されるというか、かなり色々な試みのある作品でした。

「Fly me to the sky!」さんの作品というと、俗っぽい言葉ですけれども「切なさ」とか「淡さ」とかそういうテイストが先ず頭の中に浮かんでしまいます。加えて文章も、サラリと流す、というよりは「じっくり読ませる」タイプで、「滋味に富んだ」作風のものが多かったですよね。
で、背景などの素材を丁寧に作ってあるからイラストの類は全然無くてもOK、というか、寧ろそういう要素が無い方が「らしい」というか、そういう感触を私は持っていました。

ところが、本作、女の子の掛け合いが中心で、文章それ自体も割と「ラノベ」っぽい感触があったりして、新機軸になってますよねぇ。これ、予備知識無しで「作者を当てよ」なんてクイズが合っても正解出来そうにありませんw 沢山フリーのゲームをリリースしている作者さんの作品を集めて、「どれがどの作者さんの作品か当ててみな!」って云われたら、結構正答率には自信があるんですけど、流石に本作に関しては分からなかったでしょうね。
いや、本当にそれくらい今までの作品とはかなり違うテイストになっていました。

けれども、従来通りの「丁寧な作り込み」は本作でも健在。
SFというジャンルに合わせて、タイトル画面で流れる音楽はスペーシーな音が鳴ってますし、システム画面(セーブとかロードの画面ですね)では、ボタンを押した時の効果音も凄いそれっぽいですし、ボタンそのものもシステムチックというか、そういうデザイン。


さてさて、中身の方に触れていきましょう。
舞台はSFの定番とも云える「宇宙大航海時代」。一攫千金を求めてフリーランスで仕事を請け負う「ランナーズ」の一チームである「フリーターズ」の女の子三人組が主人公。

ラリホー号なる宇宙船(このネーミングもいい意味でユルいSFっぽさ全開ですよねぇ。レッドドワーフ号を彷彿とさせる……w ちなみにこの宇宙船はAI搭載。HALみたいなもんだ)を駆って、今日も今日とて宇宙を飛び回るわけですが、宇宙ステーションからの救難信号を受け取り、その宇宙ステーションに宇宙船を着け、救助へと向かうのだが……。

と云った感じでストーリーが進んでいきます。
殆どが、女の子同士の掛け合いで話が進んでいくわけで、吃驚するのと同時に凄い新鮮でしたよ。勿論、「Girls Party」応募作ですから、微百合的な要素や描写もアリ。とはいえ、それがメインって感じでもなくて、フレーバーの一つというか、そのくらいなので、そういったものに抵抗のある方でも気にせず楽しめるんじゃないかと思います。

「こんな作品も作れるんだ……」とちょっと本当に吃驚しましたw
普通に読みやすいですし、面白いんですよね。
舞台は未来の宇宙、なんですけれども、ノリは「中世ヨーロッパを模した架空の世界で、冒険を生業とする女の子達の活劇」みたいなw 所謂ラノベ的な「ファンタジー」っぽいって云うと分かりやすいかも。
要するに、ハードSFではなくて、もうちっとユルめのSFという感じでしょうか。そうは云っても、SFってひとくくりにしていますけれども、色々なジャンルがあるわけですし、こういうノリは「ファンタジー」なSFもアリだと思いますよ。『史上最長のSF』(だったかな?)なる怪作もアーサー・C・クラークにはありますし、多分SFってかなり自由度の高いジャンルなんだと思います。

「本作が本当にSFかどうか」ってのは読んだ人それぞれが判断するとして……。
私は宇宙船に乗っている、という時点で「SF認定」しちゃいますw 個人的な見解ですけれども、舞台が宇宙であろうが、中世ヨーロッパ風の謎の世界であろうが、それが楽しく読めて、満足出来ればいいんですよねw

一方で、気になった点、というのは意外と難しくて。
強いて挙げれば、一番最初に挙げた「テイストの違い」に戸惑う人がいるかも、ってのと(まぁ、これは気になった点、という訳じゃなくて、余計なお世話って感じですけれどもね)、本当にガールズトークストーリー、といったテイストで、少しストーリーそのものというよりも、そのストーリーと共に繰り出される女の子同士の掛け合いの方に重点が置かれている感じですから、合わない人は合わないかも、というくらいでしょうか。私は、こういうノリは凄く好きなんですけれど。


30分の本編とオマケが何本か付いた気軽に楽しめるSF作品です。
SFファンじゃなくても、そして百合に抵抗がある人でも気軽に楽しめる、ライトなノリの軽快な一作。是非、プレイしてみて下さい。
[PR]

by s-kuzumi | 2009-12-19 12:08 | サウンドノベル


<< なんてことない日々之雑記vol...      フリーサウンドノベルレビュー ... >>