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2009年 12月 27日

フリーサウンドノベルレビュー 『雨降りの夜には』

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今日の副題 「久々の館モノ」

ジャンル:ホラー(?)
プレイ時間:30分くらい。
その他:選択肢あり、バッドエンド、ノーマルエンド、トゥルーエンド。
システム:NightmareSystem

制作年:2002/8/28(初版)
容量(圧縮時):2.48MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は何故か、ホラーを、しかも少し古式ゆかしい感じのものを探してきました。初版が2002年で、今回プレイしたものは2006年にヴァージョンアップされたもの。あまり他のサイトなどでも紹介されていないものなんじゃないかな? と思います。
というわけで、今回は「臥龍の深淵」さんの『雨降りの夜には』です。
良かった点

・古式ゆかしい、館モノの雰囲気がたっぷりのホラー作品。


気になった点

・トゥルーエンドへ行く為の推理……出来ないんじゃ……?w

ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。
雨宿りによった廃墟のような病院
そこで、出会った老婆と少女
ホラーかな? かなり力を入れて作ったつもりです。
NightmareSystem 同梱 SEを入れたためサイズが少し大きくなりました。(2.5mbyte弱)
登場人物はすべて架空の人物です。

という感じ。
サイズが大きくなりましたって、2.5MBですから、今の水準からすれば「滅茶苦茶小さい」と云っても過言ではなかろうかとw ただ、「SEを入れたため」とあるようにBGMは無くて、効果音のみ、となっていまして、それが逆にホラー系の作品としてマッチしていた部分でもあります。
それがまた、恐さをかき立ててくれるような良質の効果音がグーな感じで使われており、効果音を作る者としても「こういうのが作れたら」と思えるようなものでしたよ。

で、久々に館系のホラー作品。
館系ってジャンル名があるのかないのか、私が勝手に使っている言葉ですけれども、こうしたノベルゲームを少なからずプレイした方はピンと来るのではないでしょうか?
『1999 Christmas Eve』とか『柵の淵』とか、『Bisque Doll』とか、建物の中を探索していくタイプのホラー作品です。多くの場合、その建物に閉じこめられて「どうやって脱出するのか?」みたいな部分が焦点となり、謎を解き明かしていく内に、その館を巡る陰惨な過去だったり悲劇だったりを知り……という、そういう或る意味でお馴染みの作品の事です。

最近、この手の館モノ、あまり新作として見かける事はないのですけれども、私はやっぱり結構好き。
まだレビューを書いていないものだったら『June Bride』(あってる? ちょい自信無し)とかもそっち系だった気がしています。以前、プレイした時は(何年前だ??)あんまりコンプリートとか意識していなかったので、トゥルーエンドらしきものを見て、さっくり切り上げた記憶がありますねぇ。


一応、館モノに分類していますが、本作はメインとなる舞台は「病院」です。しかも、バッドエンドを回避してトゥルーエンドに行くためには、「夜の病院」でないとマズイので、雰囲気バッチリ。
よくよく考えてみれば、日常に於いて、病院ほど「死が身近」にある場所はない、と云えるかもしれません。例えば入院とかした経験のある方ならご存じだと思いますけれども、夜中の病院の恐さは半端じゃないですよねw 「喉が渇いたぜ……」ってな時に、自販機で飲み物を買いに行ったりする時、自分の出す足音が妙に気になったり、非常口の明かりがいやに目立って見えたり。

何が云いたいのかってーと、病院って結構怖いぞ、とw
怪談関係の本を一冊見てみれば、その中に一本や二本、病院にまつわる怪談が入っているハズです。ですからホラーとは凄く相性の良い舞台なんですよね。しかも、何かワケアリな病院だったら……? それが本作のオイシイ所。

天候不順によって、病院に宿を借りた主人公一行(ちなみに、主人公はヒロ。その友人の美鈴、ナンパな感じのオガも一緒)は、奇妙な老婆と可愛い娘さんと出会います。
老婆の衣装は西洋風の喪服みたいな感じですし、女の子も黒いドレスを着ている。なーんか、怪しげな病院なわけですよw 

悲しい哉、その怪しい地下室に行った際に、友人が懐中時計を落としてしまって怪しい病院だと知りつつも、再度その病院に行く主人公と友人。こっからが本当の本編って感じですかね。
選択肢も出てきて、実際にバッドエンドを体験したりするようになります。

ここらで、解説しておくべきなのは、本作がNightmareSystemなる自作と思しいシステムを使用している、という点。NScripterや吉里吉里/KAGになれてしまっていると、やっぱりちょっと使いにくく感じる部分があります。右クリックを押すと即座にセーブ画面に。「じゃあロードはどうすんだ?」って事になりますが、所謂「右クリックでメニューを表示」は本作の場合「右クリック押しっぱなし」で行います。んで、「セーブ」なり「ロード」なりは右クリックをしたままカーソルを移動させ「そこで右クリックを解除」してやることで選択される、という昔のLinuxのウインドウマネージャーみたいな独特の操作性。
普通に右クリックすると、丁度カーソルがセーブの位置にあるわけで、右クリックだけポンと押すと、セーブが選択される、という事になるわけです。
個人的には、文字表示の部分も「高速出力」の方が使いやすいかな? と思いました。

読み返しが出来ないとか、色々あるわけですが、短めの作品ですし、何より自作は凄いじゃないか、という事で、システム面に関してはあまり突っ込まない方針で。


気になった点は、やはりラストへ向かう選択肢の問題、でしょうか。
夜の病院を探索し、情報を集め、それを元に推理をして事の真相を知る、というタイプではあるのですが、恐らく普通に推理は不可能なんじゃないかとw 探索して得られた情報が、どうにもトゥルーエンドへの選択肢に直結しないというか。ミスリード……ともまた違う、何か凄い独特なタイプでした。

この時点で、プレイヤーは幾つか情報を持っているわけです。
「○○で、何かがあったらしい」とかね。
だけれども、最後の謎解きで、そうした情報が全然役に立たないというかw けど、まぁ選択肢には限界がありますから、総当たりでやるなりすれば、いつかは解けてしまいます。そうして明らかになる真相が、こちらの予想の斜め上をいくわけで、ちょっと軽く衝撃を受けましたw
もうちょっと丁寧な描写があるなり、或る意味でプレイヤーをリードしてくれるような部分が、もうちょいあっても良かったのかな? っと。少し後半からラストに掛けてがストーリーも不明瞭な部分もあったりして。

「事のおこり」が、アレだった、と云うのには少し無理があるんじゃないかなぁ、と。
その時点で明示されている情報を頼りに選択肢を選ぶと、絶対にトゥルーエンドには行けません。多分……。
最後に三連発くらいで選択肢が出てくるんですが、一個目が難しいわけです。一個目が分かれば二個目は割とすんなり。で、三個目もちょっと難しい。
推理として見た場合、これは無理があるんじゃないかなぁ……と思わざるを得ないw


けれども、ホラーとして見た場合、意外な程楽しめてしまうのも事実なんですよね。
今だからこそ逆に新鮮な影絵のホラー作品として、雰囲気は出てますし、結構夜の病院の探索も楽しいしね。何度も同じとこ出入りしたり、条件が変わった段階で同じ所を探索すると、またセリフとかが変わったり、この手のゲームの王道ではあるのですが、そこがダルくならず楽しい、というのは評価したい所。
そのホラーとしての面白い部分が、ちゃんとラストの選択肢に反映されていれば文句なし、だったんですが、やっぱり、そこが引っかかっちゃうかな。
その最後の選択肢までは、割と楽々行けると思います。で、どれだけすんなり最後の選択肢三連発を突破出来たか、で評価も変わってくるかもしれません。
完全なネタバレはしませんが、軽くヒントを。「“主人公達”の直接体験」を選択するようにすると、二つ目までは大丈夫だと思います。三つ目はあれこれ試してみて下さいw


大体こんな所でしょうか?
ラストのオチと、ホラー作品としての中身がもっとリンクしていて、納得感のあるオチだったらより満足度が高かったのではないかと。
古式ゆかしい館系ホラーが好きな人は一度プレイしてみては?

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-12-27 20:03 | サウンドノベル | Comments(0)


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