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2010年 01月 03日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『その物語の主人公』

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道玄斎です、こんにちは。
今日はさっくり短めの番外編をお送り致します。大凡10分くらい。だけれども、ゲーム制作には色々なレギュレーションがあって、その制約の中で一本の作品をお作りになった、という。
というわけで「イノセントウイングス」さんの『その物語の主人公』です。


本作、One dot contestというゲームのコンテストの作品として出品されたもののようです。
改めてこのコンテストの規約というか制約を見てみると凄いですね。

・スクリプト抜きで20KB以内のシナリオ。

・登場人物は一人、最大でも二人。

・BGMは三曲まで。

・テーマ発表をした翌日から一週間で制作する事。

などなど、全部で六つの制約がありました。
何かを書こうと思って、それをコンパクトに纏める事(ちゃんと整合性を取り、ストーリーに破綻無く)、これは相当難しいんじゃないでしょうか? 文章を書く際に難儀することは、「如何にして削るか」という部分が大きくて、長く書く事はそこまで難しい事ではありません。だけれども、コンパクトに必要最小限に纏める事、これは相当難しい。

で、そんな中での作品ですから、「ありきたり」とか「尻すぼみ」とかそういう部分があるのかなぁ? なんて漠然と思いつつプレイしていたのですが、ヤラれましたw
ちゃんと驚くような仕掛けもあって(気付けなかったのが悔しい……w)、ちゃんと一個の作品として成立していました。後半からちょっとニヤけてしまうような部分もあったりして、ね。

異世界ファンタジーな世界に身をどっぷり浸し、現実を直視しないあきらに、幼なじみの姫子が「なんでそんなのが好きになったのよ?」なんて詰め寄る所から物語が始まります。
姫子は典型的なちょっと気の強い美人な幼なじみ、なんですけれども、このありきたりというかマイルドな造型が、尺と仕掛けの部分で実は貢献していたのではないかと思いますねぇ。

これで、姫子自体にも強烈なヒネリがあったら、とても20KBに治まりそうにないですし、ラストまで見ると、そんな造型上の問題なんてどうでも良くなっちゃいますから。
最小限の描写で、プレイヤーと制作者の両方が持つ「共通認識」で以てキャラを理解させる、という感じかもしれませんね。そうした共通認識を利用する事で、クダクダと説明しなくても「ああ、こういうキャラね」とすんなり理解出来るわけで、こうした制限の中で作品を創る、という状況では凄く良かったんじゃないでしょうか?

小粒な作品ではあるのですが、そうした部分も含めてテクニックが活きている作品だなぁ、と。
そこまでめくるめくストーリーの展開、はないのですけれども(尺を考えれば当然ですね)、ちょっと得した気分になれる、そんな超短編作品だったんじゃないかと思います。


気になった方はさっくりとプレイしてみて下さい。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2010-01-03 12:46 | サウンドノベル | Comments(2)
Commented by a at 2011-07-08 00:08 x
あまり古い記事にコメントを書くのもどうかと思ったのですが……。

作品のタイトルが間違っています。
『「この」物語の主人公』ではなく
『「その」物語の主人公』です。
割と重大なものだと思うので報告した次第です。
できれば訂正願います。
Commented by s-kuzumi at 2011-07-12 20:06
>>aさん

細かい報告、有り難う御座います!
意外と、こうした凡ミスをやらかしてしまうので、こうしたご指摘、本当に有り難いです。

早速、修正させて頂きました。
また、何か御座いましたら、どうかご指摘宜しくお願い申し上げます。


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