久住女中本舗

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2010年 01月 10日

フリーサウンドノベルレビュー 『死舞草』

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今日の副題 「演出が引っ張る、しっとり感動ホラー作品」

※大吟醸
ジャンル:ホラーちっくな感動モノ(?)
プレイ時間:3時間程度
その他:選択肢アリ、特定のエンドを見ないと次の章へいけない。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2009/12/31
容量(圧縮時):559 MB




道玄斎です、こんばんは。
今回は、久々に長目の作品。というか、この作品をプレイしたくて、土日を待っていたというか。
というわけで、今回は「死舞草」さん(っていうか公式サイトっすね)の『死舞草』です。
良かった点

・イラストやムービー、音楽、どれもハイクオリティで、作品を上手に引っ張っていた。

・単なるホラーで終わらない展開。


気になった点

・若干、各章の繋がりが良くなかったかも。

ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。
夏休み、燕は家族と一緒に父方の実家に帰ってきていた。

そこで幼馴染の古崎隼人にホラーゲーム製作の資料集めに誘われる。

村のしきたりで入ってはいけないと言われた森。
ホラーの資料としてはもってこいの場所だった。

退屈な夏休みが少しでも紛れるなら……

そう思い、森の探索へ同行する事にした。



両親に見つからないように家を抜け出し、森へ向かう……

と、まぁ、こんな感じになっています。


実は、このストーリー解説は、第一章というかプロローグ的な部分のストーリー解説になっています。
章立てがあり、一章読み終えると次の章に進む事が出来るシステムですね。
一応、選択肢があって、ストーリーが若干分岐するのですが、トゥルーエンドは勿論の事、もう片方(グッドエンドだったり、バッドエンドだったり)も見ないと、次の章に進めなかったりするので、そこは一つ注意点でしょうか? 

ただ、選択肢選びに苦しむ、という事は恐らく殆どないと思います。
本当に素直にオーソドックスな選択肢選びをしていけば、普通にトゥルーエンドに到達出来ますし、「どこを誤答したらバッドエンドにいくのか?」という部分もすぐに分かると思います。


と、いきなり選択肢について書いてしまいましたが、本作は某動画サイトの生放送にて、突発的に立ち上がった企画、だそうです。
突発的……にしては、滅茶苦茶凄い事になっているんじゃないかな……と。

本当にイラストも素晴らしいものでしたし、音楽がね、また凄くいいんだよね。今、この作品を立ち上げ、音楽を流しながらこれを書いているのですが、『Mirage』という曲が、結構作品の中でも重要な曲で、且つ凄く素敵な曲ですねぇ……。タイトル画面で流れる『夏風鈴』というのもツボを押さえた名曲。
そういえば、OPムービーにヤラレました。もう半分、個人レベルのそれを超えているような、そういう力の入ったムービー。ヴォーカル曲入り。全部で31曲ですかね、兎に角BGMも凄い数ですし、一つ一つのクオリティが高すぎる……。正直、フリーの作品でここまで豪華でいいんですか? と云いたくなるくらいでした。

ガワ的な部分での説明が続くんですが、各章を選択する画面とかも、滅茶苦茶凝ってるんですわ。
容量もかなり大きめの559MB。単純計算で、スクリプト抜きのテキストだと100KBで一時間なんて事が良く言われます。すると、私がプレイしてみて全体で3時間ちょい欠けるくらいだったわけですから、シナリオの分量そのものは大凡300KB(に+スクリプト分)という感じでしょうか。
兎に角、音やイラスト、ムービー、そういった面で力の入った名作だったのではないでしょうか。


ストーリーに関してですが、ネタバレはしない方向でいきます。
基本、燕と葉の姉妹が体験していく不思議な出来事を見ていく、というかそういう感じ。一応、ホラーノベルって事になっていますけれども、ホラーの要素はありつつも、肉親の愛情とか、或いは友情とか、そういう要素の方が強い印象。
本作の雰囲気に近いタイプの作品を挙げろ、と云われたら、私だったら『学校七不思議』シリーズを挙げる、という、って分からない人には分からない喩えかもしれませんねw

怖い部分は勿論あるけれども、それ以上に「しっとり」なんて形容が似合いそうなそういう作風だったと思います。このしっとり感を後押ししてくれるのが、先に述べた音楽だったりするわけですが。

で、割とエピソード集みたいな、そういう3章目をプレイしていた辺りにはあったわけです。
とはいへ、3章のラストと最終章はちゃんと繋がっていて「作品の全体」を意識させてくれるものになっていました。
でも、ちょっぴりここが気になった点でもあって、上手く云えないような、本当に「印象」のレベルでなんですが、各章の接続というか、繋がりが若干悪かったような気もします。
いやいや、おしまいまで見ていけば、ちゃんと各章が存在する為の必然性みたいのも見えてくるんですけれども、例えば第二章は20分くらいで読了出来たりするわけで、章によって割と温度差みたいなものがあるように思えたりしました。最終章での葉の発話や内話は、それまでの葉のイメージと結構違って見えたり、ね。


ここらで、恒例の脱線に入りますw
私、ホラー作品って好きで、直球のホラーもいいけれども、ホラー+αの感動的な要素が入り込んだ……ぶっちゃけていくとあんまり怖くないホラーが凄く好きなんです。
それこそ先に挙げた『学校七不思議』みたいな、ホラー的な要素を味付けに使っていて、実は生きる事と死ぬ事の意味みたいな、そういうもの(って言葉にしちゃうと妙に軽々しくなってしまうのですが……)を見せてくれるものが大好きなので、本作はまさにその直球という感じ。

で、少し甘いかな? と思いつつも素晴らしい音楽、ムービー、イラスト、そしてストーリー的に割とオーソドックスな結末ではあるのですけれども、やっぱりそれが好きなので、今回は大吟醸。
大吟醸は久々ですかね……。 私の記憶が間違っていなければ『Normalize Human Communication』以来、五ヶ月ぶりくらい。


何て云うか、やっぱり様々な凝った演出がストーリーそのものだったり、場面場面を良い方向に引っ張っていった感触はありますね。
個人的には、もうちょっとラストの盛り上がりの部分で、グワッと来ても良かったかなぁ……なんて思ったりもします。意外とそこはサラリと流れてしまった感じがあったような。。

そういえば、結構シリアスな場面で「(性的な意味で)」とか使われちゃうと、「ありゃりゃ」となってしまうわけですがw ギャグ的な意味で印象的な場面もいくつかありましたね。
ストーリーの流れ的に、全体を通してみた時、前半部にギャグ多めという感じかな? あっ、ただ、後半にサービスシーン兼用のギャグもあったな……w


大凡、こんな感じでしょうか。
ホラーという括りになるんですけれども、それはきっと適切なジャンル名が無いからであって、実体はホラーとはまたちょっと違う感じになっていますよ。微量、伝奇的な要素は入っているかな。
ともあれ、プレイした時間の損は絶対にしない作品だと思います。ハイクオリティの演出が引っ張るしっとりとした感動ストーリー、是非プレイしてみて下さい。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2010-01-10 00:42 | サウンドノベル | Comments(2)
Commented at 2010-03-04 22:08 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by s-kuzumi at 2010-03-06 21:17
>>匿名でコメント下さった方

これは演出が凄く凝っていて、楽しく遊べましたね。
あの着メロヴァージョン、凄くいいですよね! 私も「どうやって着メロ風の音源を作るのだろう……」と思って、あれこれ検索を掛けたけれども、結局分からず、というw

で、面白い動画のご紹介も有り難う御座いました。
これは可愛い! こういう小物が作れる人も凄いですねぇ……。

ご紹介頂いたフリーの作品、実はプレイ済みです。
ただ、中々文章にしてレビューを書く、というのが難しい作品だったので(ですよね?)、敢えて書いておらず、という状況です。
もうちょっと当方の文章能力があればいいのですが……。

ご紹介、いつも本当に有り難く思います。
また、ちらほらと色んな作品をプレイしていけたら、と思っているのでどうぞ今後とも宜しくお願い申し上げます。


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