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2010年 02月 09日

フリーサウンドノベルレビュー 『オッペンハイムの古城』

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今日の副題 「エンドの作り込みがグー」


ジャンル:吸血鬼モノ(悲恋要素アリ)
プレイ時間:15分+30分くらい(コンプリートは1時間~1時間30くらい)
その他:選択肢アリ、エンドは四つに分岐(初回はエンド固定)。
システム:Yuuki! Novel

制作年:2009/?/?
容量(圧縮時):13.6MB




道玄斎です、こんばんは。
昨日プレイした作品が悲恋モノだったわけですけれども、今回もそうした要素のある作品をご紹介。
いや、昨年に既にダウンロードだけしておいたんですが(メイド要素もあるしね)、タイミングが合わずに今日プレイした、という次第。
というわけで、今回は「しあわせ工房」さんの『オッペンハイムの古城』です。
良かった点

・エンドが綺麗に分かれて、どのエンドも納得感のあるものになっている。


気になった点

Yuuki! Novelに起因するプレイの(以下略

ストーリーは、ふりーむの紹介文から引用しておきましょう。
記憶を失った少女は、深き森の奥に聳え立つ古城へとたどり着く。
そこは人間の目を離れてひっそりと暮らす吸血鬼の屋敷だった…。

名も覚えていない少女は「ベリル」と名づけられ、生かす条件として城のメイドを任されてしまう。

幼い外見をした古城の主と、冷徹な瞳をした使用人。
少女の記憶が渦巻く中、物語の歯車もまた絡み始める…。

こんなストーリーになっています。


さてさて、今回は吸血鬼モノ。
別にノベルゲームに限らず、非常にポピュラーな題材として吸血鬼という存在があって、立て続けにプレイしたりそうした題材の映画なりを見ちゃうと若干食傷気味になったりする事も屡々。

とはいえ、今回、本作をプレイしていて切り口がちょっぴり新しいかな? と感じました。
ですので、「む……また吸血鬼か……」という印象もなく、一気にコンプリートまでしてしまったという。

どんな所が新鮮だったのか、っていうと二点あって、先ず一点は「不老不死」である事の作品内での利用の仕方、でしょう。
不老不死ってのは吸血鬼に付きものののアビリティで、それ故のもの悲しさみたいな演出で使われる事が良くあります。本作でも不老不死の吸血鬼、という枠組み自体は変わりませんが、永く生きている期間が群を抜いていますw どうも1000年単位で生きている吸血鬼という設定で、それ故に主人公の女の子との関わりが重層的になっているというか、「なるほどねぇ……」と唸ってしまうような設定になっていました。

やっぱりネタバレはしない方が楽しめると思うので、なるべく避けて書くつもりですが、見せ方も良かったですよね。ちなみに選択肢は出ていますが、一周目はどんな選択肢を選ぼうとも決められたエンドに到達するようになっています。
その段階で、或る程度謎が解けていて、更に「じゃあ、真相はどうなんだ?」みたいな引き方をして二周目を誘導してくれる、そういう仕掛けでした。

で、新鮮だと感じた二点目が、二周目以降のエンディングの分かれ方です。
選択肢の数こそ少ないものの、全部で四つのエンドがある(一周目のエンドを含む)のですが、どのエンドもしっかりと作られており、納得感がありました。
割とサウンドノベル/ノベルゲームでは、トゥルーエンドなる一つの正解があって、それに付随する形で他の「派生エンド」とも云うべきエンドが存在していたりします。そうした事情があると、エンドの比重がトゥルーに偏りがちになってしまいます(それ自体は全然悪い事じゃないと思いますよ?)。

けれども、本作の場合、どれか一つのエンドが突出している、とかそういう作りではなくて、どれも手応えがあって満足感が高かったです。
所謂ハッピーエンド的なものもあれば、悲恋的な要素もあったりとバラエティにも富んでいましたしね。
前回のレビューの時に「悲恋モノ、好き」とか書いたわけですが、やっぱり本作でもエンド02、エンド04なんかが個人的に好みですねぇ。エンド03はハッピーエンドに近い感触なので、「ハッピーエンドじゃなきゃ厭だ!」という人は、是非エンド03を目指してみて下さい。


さて、一方で気になった点……なんですが、やっぱり最大に気になったのは、作品そのもので、というよりはツールの機能に拠る部分でしょうか。
そもそも、一周目は固定エンドですから、Yuuki! Novelだと、その一周目をクリアした「しおり」からはじめないと延々と一周目が繰り返される事になってしまいます。
選択肢が少なめ、という事でYuuki! Novelとしてはプレイしやすい方なんですが、一応嘘でも4つに分岐するわけで、「既読スキップ」なんかがあるともっと快適にプレイが進められたのになぁ、と思う事も。

もう一点上げておくと、「全てのエンドを見ると座談会が見れる」的な事がヒントコーナーに書いてあるのですが、何故か見られませんでしたw 多分、そのヒントとかが出てくる画面に「座談会」が表示されると思しいのですが……。

まぁ、すっげぇ細かい事ですけれども、本当に序盤、吸血鬼である所のセラフィナイトを即座に略称の「セラ」を使って呼んでいて、若干違和感がないわけでもない……。あっ、いや、けれども、作品の中身を考えると、寧ろ主人公が無意識的にそう呼んでしまうのも無理はないのか。
うーん、まぁ、ここらへんは気になった点、というよりは感想の延長ですね。



大体こんな所でしょうか。
吸血鬼モノという或る意味でお馴染みのフレームを持っているわけですが、満足感の高い作品だったのではないでしょうか? やっぱりエンドがそれぞれにちゃんと重みを持っているといい感じですねぇ。
「そろそろ吸血鬼モノにも飽きてきた」なんて方にもお勧めの一作。悲恋要素が大好きな方も是非どうぞ。


それでは、また。


/* 少し、以前よりもあっさり目にレビューを書くように試行錯誤中。長い、というのが一つの特徴だったわけですが、くだくだしくなっちゃうのもアレなんで、色々やってみようかと。 */
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by s-kuzumi | 2010-02-09 23:02 | サウンドノベル | Comments(0)


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