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2010年 09月 25日

フリーサウンドノベルレビュー 『Serenade』

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今日の副題 「絶妙な不治の病の物語」

※吟醸
ジャンル:隔離病棟の患者と担当看護士の恋愛アドベンチャー
プレイ時間:1時間ちょいくらい。
その他:基本選択肢は無し。クリア後に「MAIL」にキーワードを打ち込むと……。
システム:NScripter

制作年:?/?/?
容量(圧縮時):24.8MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は久々、普通の形式のレビューです。例によって「ダウンロードだけしてあって、デスクトップに積んであった」ゲームなんですが、毎度毎度、「もっと早くプレイすれば良かった!」とw
というわけで、今回は「巡遠」さんの『Serenade』です。
良かった点

・ありきたり、では終わらない「不治の病」モノ。ありそうで無かった、グッと感動出来るエンド。

・ぶっきらぼうなヒロインの短いながら、印象的なセリフが作品を盛り上げる。


気になった点

・文章表記でやや気になる部分が。

・あの「MAIL」解説の時のトーコのギャップに、些か戸惑うw

ストーリーは、ベクターの紹介文から引用しておきましょう。
不治の病に犯され隔離病棟に入院している、園田と、
何をやらせても不器用で愛想も無い担当看護士、館林 東子の
隔離病棟で繰り広げられる物語です。

物語は、章ごとに園田、東子と交互に物語が進みます。
基本的に選択肢はありませんが、本編クリア後に
おまけも用意されています。

こんな感じ。


先にも書きましたが、本作は所謂「不治の病」モノです。
2010年の今、寧ろ「不治の病」モノって凄く作りにくい気がするんです。金字塔みたいな作品はありますし、同じテーマの作品も数多くあります。
ですので、病院、不治の病……なんてキーワードで物語を組み立てると、中々そういう設定の「ガワ」の部分でオリジナリティが出しにくいような……そんな気はしてたんですよね。

そんな中で、本作はかなり良い線、いってたんじゃないでしょうか?
直球の恋愛モノ、とも違うし、単純な不治の病モノとも一線を画している……。
ともすれば、安直な「ヒロイン殺し」だったり「主人公殺し」になってしまうところが、非常に納得のいく形で纏められていた所、非常に好印象です。

ストーリーの大きな流れで見てると、こういう印象なんですが、細部にもちゃんと力が入っていましたよ?
私が個人的に「これは印象的だな」と感じたのは、ぶっきらぼう看護師のトーコさんの発話です。

「からかってるでしょ?」

というセリフが随所に出てきて、彼女の性格だったり、主人公との距離感だったりを上手く演出してくれています。ちょっと多用しすぎ……な所はあるにしてもねw
他にも、単発のセリフですけれども、

「私以外の人は、からかわないでほしい」

とか、短くも印象的なセリフがトーコというキャラを作っていたんじゃないかな? と思います。
うんと簡単に云ってしまえば……ツンデレというかクーデレというか、どちらかと云えばそういうタイプで、作中でも「ツンデレ」疑惑が掛けられていましたが、上手く云えないけれども、そういうちょっと俗っぽい感じでもないんですよ。
一つには、トーコというキャラのバックグラウンドもちゃんと描写されており、それが現在の性格にどのように影響を与えているのか? をプレイヤーが読み取れるからだったりします。

ほら、アニメとかラノベとかに出てくる娘さんって、一概には云えないけれども「最初っからツンデレ」であって、別にツンデレになった理由なんて描写されないですよね? 云ってしまえば「キャラとしてのツンデレ」であって、そこに深い理由は無かったりして。
そういう意味で、トーコさんの「ツンデレっぽさ」は、ナチュラルで見ていて感じの良いものでした。


さて、ここらへんで気になった点と絡めて、一本脱線いれておきましょうか。
なんか以前にも書いた事がある気がしているんですが、確認の意味を込めて、もう一度。

本作は、今までつらつらと書いてきたように深みがあって、凄く良い作品、なんですが、何となく文章の表記とか体裁の部分で気になる部分が……。
飽くまで、今から書くのは「原則」です。それが絶対解ではない、という点だけご注意下さい。

で、思いつくままに書いちゃいますけれども「?。」という表記は、これは「?」だけでOKですね。
文末が「!」「?」で終わる時は、句点を入れなくても良い、という事です。

あと、三点リーダーの使い方として「……」と二つをワンセットで使うのが普通……かな? たまにプロのゲーム作品とか見ていても、そういう原則から外れている事があったり、そもそも三点リーダーじゃなくて中黒(=・)を使っていたりする事もあります。
あとは、「!」「?」などを使った後、文章が続くのならば、「全角一字スペースを空ける」という原則が。勿論、それで文章が終わって行が変わったり、カギ括弧が閉じたりする場合はスペースは不要。

大凡、こんな所かなぁ……。
あっ、あとは、会話文は『 』じゃなくて普通に「 」を使えば良いような……。『 』って書籍の名前とか、或いは「 」内で更にカッコを使いたい! なんて時に使う為のものだったりするわけで。
まとめると、


「……! あれは、『全国今川焼き図鑑』じゃないか!」


みたいな……。相変わらず酷い文章ですけれども……w
兎に角、どこまでこうした「原則」を採用するのかってのは、それぞれの裁量に掛かっていますが、「?。」は直してもいいかなっと。


ここらでまた軌道修正。
ジワジワッと心を侵食していくような作品なので、一応プレイ時間は1時間ちょいとしてありますけど、プレイしている時間を測定して後で加算しただけですw 実際は、丸々1日以上掛けてじっくりじっくり読んでました。

ちょぴっと読んで、色々考えたり、内容を反芻したり。自分だったらどうするか? を考えたり……。
これもまた、一概には云えないんですけれども、個人的に良い作品だと思うものの中に、「プレイヤーが我が身にたどって考える時間を提供してくれる」様な作品というカテゴリーがあるような気もします。
流れるようにストーリーが進み、楽しくエンディングを迎えられる。そういう作品も大好きなんですが、一方で、ちょっと立ち止まって、考えさせてくれるような、そういう作品もいいよね、って事ですな。

内容的にはシリアス……なんですけれども、それが「ただ単に暗いだけ」にならずに、絶妙なエンドを迎えており、好印象の作品でした。
あと一点、気になって点を述べれば、本編クリア後に「おまけ」の示唆がなされるんですが、その時のトーコさんのキャラが、浮いてる……様な気がしないでもないw

そんなに有名な作品、ではないと思うのですが、良い作品だと思います。ですので、今回は吟醸を。
そうそう、本編クリア後に、タイトル画面の「MAIL」から文字を打ち込む事でおまけのストーリーを見ることが出来ます。
私は、二つ三つくらいおまけを見て、「これ以上見るのもなぁ……」と思って自粛していますw 本編は本編で綺麗に完結しているので、寧ろ自分の印象の中での純度を高める為の自粛ですw
とはいえ、50個でしたか? おまけがあるので、「この作品を骨の髄までしゃぶりたい!」という方は是非、コンプリート目指してみて下さい。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2010-09-25 14:28 | サウンドノベル


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