2011年 01月 15日

フリーサウンドノベルレビュー 『僕の好きな君の顔』

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今日の副題 「実は共感ストーリー!」

※吟醸
ジャンル:ちょっと不思議な学園恋愛ノベルゲーム(?)
プレイ時間:30分程度
その他:選択肢なし、一本道。
システム:LiveMaker

制作年:2010/12/?
容量(圧縮時):16.2MB



道玄斎です、こんばんは。
先ほど、風邪と思しいので医者に行ってきたのですが、体温計で測ったら何と38℃も熱が出ていました。
けど、別に関節が痛いとか、喉が痛いとかそういうのはなくて、ただ、咳が結構出てる……という感じだったんですよ。だから38℃もあって、ちょっとびっくり。頭の方は冴えてますから、今日も気になった作品をご紹介しましょう。
というわけで、今回は「雨夜曲切」さんの『僕の好きな君の顔』です。
良かった点

・顔の認識が数字になる、という面白い設定が、作品のテーマと相俟って上手く機能していた。

・非常に共感出来るシナリオ。


気になった点

・やや、ラストが性急だったか?

ストーリーは、ふりーむの方から引用しておきましょう。
ある日の放課後、僕は告白された。

だけど、断る。
だって、不細工な彼女なんていらないから。

その日から、僕は人の顔がわからなくなった。
右を見ても左を見ても、人の顔が数字に見える。
それなのに。

「好きです、付き合ってください」

この人は、美人なのか……?

こんな感じ。
のっけから主人公に対して殺意が湧いてしまったのですが、それはそれとして、最後までプレイすれば、本作が非常に良質のテーマを持っており、良い作品である、という事が分かると思います。

主人公の高牀隆時という名前も強烈ですね。たかとこたかとき、通称「タカタカ」ですw
立ち絵も無く、又、一枚絵、ムービーなんかも無い、硬派な作品なんですが、その「制限」を上手く利用しており、非常に好印象でした。

ある日、主人公は(自分の顔に自信があるナルシスト……)、自分の顔を含めて、「人間の顔を数字としてしか認知出来ない」という状態になります。
逆に、こうしたシナリオで立ち絵、一枚絵が付いていたら、とんでもなくカオスな事になりそうですよね。あっ、そういえば『Merry X'mas you, for your closed world, and you...』なんてのは、そういう中で凄く頑張ってましたよね。

前述の通り、主人公は結構イヤなヤツなんですが、その主人公に直撃する不幸(?)には思わず共感せずには居られません。
顔が分からない状態で、「付き合ってくれ」と下級生から云われ、「取り敢えずお友達から」と体の良い返事を返す主人公。「ブスだったらイヤだけれども、美人だったら勿体ない」というのがその理由です。

で、一応、主人公は、その子と「付き合っていないこともない」くらいの関係が続くのですが、そんなある日に、クラスで一番美人で主人公も窃かに気にしていた女の子から告白されます。
勿論、美人だって事は確認済みですから、そそくさとその子と付き合ってしまう主人公……。そして下級生の子を袖にしてしまうんですね。
私は、プレイしながら「なんて事するんだ!」と思わず叫んでしまいましたw

けれども、そこからが主人公の不幸の始まりなんですよね。
そこまで来てしまえば、あまり良い印象が無かった主人公に、非常に同情的になる事請け合いですw

そろそろネタバレは自重していこうと思うのですが、ここで描かれる「イヤな女性」のタイプは、本当に共感出来ます。最近、私も個人的にイライラする事が多いのですが、まさにここで描かれているような、女性と直面していて……という事なので。


もう一つ、本作で「これは!」と思えたのは、主人公の友人である志摩の存在感ですね。
しっかりとストーリーにも絡んできますし、お調子者で通っているけれども、主人公よりも実は大人、という美味しいポジションです。
主人公と志摩を巻き込んでの騒動は、なんか「本当にありそう」なリアリティもありますし、その顛末の凄く納得感のあるものでしたね。しかも、こうしたエピソードがちゃんと作品のテーマに直結していて、味わい深い作品です。


気になった点を敢えて挙げるなら、先ず、「人間の顔が数字としか認識出来ない」という状況に関わらず、「上目遣い」とか「潤んだ瞳」とか認識しちゃっている所がある、という所。
こういうのは、「顔は認識出来なくとも、潤んだ瞳に思えるのだ」とか、何とか誤魔化せるんじゃないかとw

で、ここが最大の気になった点なんですが、「主人公があっさりとよろめいてしまう」という所です。
欲を言えば、もうちょっとストーリーが長く続いて、下級生の女の子(伊住さん)に、徐々に惹かれていくような、そういう描写があっても良かったかな、と。もうちょい、そこらへんにフォローがあれば、久々の大吟醸にしてましたね。
や、そうは云っても、ラストでの伊住さんの言動は、インパクトもあって、良かったんですよ。



大体、こんな所でしょうか?
出だしの、主人公の性格の悪さでプレイを中断しないで下さいw
短いながらも、良質のテーマが詰まっている、素晴らしい作品です。気になった方は是非プレイしてみて下さい。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-01-15 18:56 | サウンドノベル


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