2011年 02月 26日

なんてことない日々之雑記vol.327

道玄斎です、こんにちは。
昨日今日と、東京は温かくて、暖房も何も掛けていない私の部屋の温度は、26℃もあったりしますから、寧ろ暑いくらいですw

今日は、書庫を整理していたら、とんでもない珍品が出てきたので、それを絡める形で日々之雑記を。



■あの原作マンガ

書庫を整理していたら、何と、映画で有名な『耳をすませば』の原作本が出てきました。
ちゃんとリボンマスコットコミックスの方ですから、オリジナルのヴァージョンです。原作と映画、併せてみると、如何にスタジオジブリという会社が凄い腕前を持っているのか、が良く分かりますw

原作の場面や台詞回しを借用しながらも、ストーリーの大筋は変更せず、しかも劇的な変化をもたらしているのです。

良く、ノベルゲームの解説をする際に、「シナリオ」と「内容」の二つを分けて説明したりします。
今回の『耳をすませば』で言えば、原作の方は、「物語好きの少女が、それが縁でミステリアスな少年と恋に落ちる」というのが内容になりましょうか。

で、個々のシナリオは、

・「夏休みの学校にて、天沢聖司なる男の名前を知る」

・「地球屋なるお店にて、猫の人形を発見し感銘を受ける」

・「杉村を袖にする」

・「自分の姉貴と天沢兄がデキている事を知る」

・「天沢弟の薦めにより物語を書く」

・「姉妹と兄弟がそれぞれくっついてハッピーエンド」

と、大凡こんな所です。
つまり、原作は「月島雫なるキャラクター(=ヒロイン)が物語を書き、又、天沢聖司というキャラクターがバイオリン職人を目指し、夢に向かって頑張っていく」という、映画がフィーチャーしている場面がスポッと抜けてしまっています。

特に、映画後半では、雫が物語を書き進める中で、行き詰まりを感じたり、色々と悩む場面に相当量の時間が費やされ、それがラストへの布石、になっているんですが、そのシナリオが原作にはないんですよねぇ。
つまり、映画では内容が「物語好きの少女が、夢を持っている少年と出会い、お互いの夢と現実に立ち向かう中で、恋に落ちていく」という事になっているわけです。

ね? 結構変化してるでしょ?
多分……なんですが、こういう原作モノの映画化に際して、さっき私がやったのよりももっと細かいレベルでの、「シナリオ」の分解が、あって、それを組み替えたり、追加のシナリオを入れたりして、「一本芯を入れてやる」という作業があったのではないかと思うのですよ。

あ、余談ですが、原作でも雫は結構可愛いですw



■そして恒例のあのマンガへ

で、りぼん、一昔前という事で、やっぱり谷川史子を取り上げないわけにはいかないのですw
また、最近、文庫の採録本を読み返しまして(電車の中で読んでるとちょっと恥ずかしい)、「やっぱり、最高だぜ……」と再確認しました。

採録本、初期から~中期くらいまでの作品が大凡、収録されているのですが、リボンマスコットコミックスには収録されているのに採録本には採られていない、といった作品も実は結構あります。

例えば、「ちはやぶるおくのほそみち」という作品、これは谷川史子が高校生の時に投稿してデビューが決定した、という所謂デビュー作。これを昇華した形の「花いちもんめ」という作品は、文庫にも入ってるんですけれどもね。

あとは「君の夏にとびたい」とか、「祭・長月」とかね。
中期の作品の中にも、このように、採録されていないものが、まだまだ残っています。

最近は、オリジナルのリボンマスコットコミックスが書庫のどこにあるのか、不明なので(どこかにあるのは確実)、手元にいつも文庫本を置いています。
でも、やっぱりいつもいつも読み返してしまうのが、『きみのことすきなんだ』という、初期……の作品集ですね。年代で言えば、89~91年ですから、もう……20年くらい前の作品ですよね。けど、それでもやっぱり名作は色あせないのです。というか、下手すると今だからこそ、輝いて見えたりするから不思議。

この『きみのことすきなんだ』の中で、特に好きなのは「乙女のテーマ」(時代を感じさせるタイトルだ……)と「早春に降る雪」(はるにふるゆき、と読みます)です。

「乙女のテーマ」の前半は、まぁ、割とありがちなラブコメという感じなんですが(文庫採録に際して、変更点アリ。某箇所が削除されている)、後半、文香を主役とするほろ苦いストーリーが、とてつもない威力を持っています。
後半の印象的な場面のモノローグでは、谷川史子は大凡、「極端に漢字表記を減らす」傾向があるのですが、ここはしっかり漢字が使われていて、ちょっと異質な感じはしますけれどもね。

で、一波乱の後、普段の日々が戻ってくる……という感じなんですが、その場面、良く注意して読むと、文香の目が少し腫れてるんですよね。泣きはらした後の。
で、本当に少し、寂しさやもの悲しさを残しながら、物語が終了するってわけで、これは超超傑作だと思います。ここまで絶妙な余韻を漂わせる少女漫画、私は寡聞にして知りません。

谷川史子は、短編、オムニバス連載が得意ですから、ノベルゲーム制作の参考……にも絶対になると思うんですけれどもねぇ……。


「早春に降る雪」も折に触れて、毎年毎年話してきている訳ですけれども、やっぱりこれも名作ですね。
前半、冒頭近くに、

「ほんとだよ 恋ってしたことないの それがどんな気持ちなのか しりたいと思うことはあるけどね」

というモノローグが、後半、ラスト付近の

「けれど この気持ちを恋とよんではいけないのなら あたしは恋なんてしらなくていい」

というモノローグと呼応しているんですよねぇ。
名作。読むべし。


それはさておき、私もどうも苦手な作品が谷川作品にある事は事実なんです。
それは、ファンの間では、超絶に人気の「緑の頃わたしたちは」という作品なんですが、「泣かそう」とする作為が透けて見えてしまって、どうにもあまり好きになれなかったんですよね。

けど、苦手だっていって遠ざけていたんじゃ、進歩はありませんから、今回、それまでの先入観を全部取っ払って(可能な限り……)読んでみたら、意外とイケるんですよw
一つには、ヒロインが恋する男(=かなーり年上)の年齢を、自分の年齢が遙かに超えてしまった、という事でw 「自分がこうだったら、こうするしかねぇよなぁ……」みたいな見方が出来るようになった……って事なのかなぁ……。


んー、少女漫画について語ると長くなっちゃうね。
まぁ、本当に文庫で手軽に読むことが出来るようになっているので、是非是非、谷川史子の作品、お手にとってみて下さい。取り敢えずの一冊目として『きみのことすきなんだ』をどうぞ。これでピンとくれば、あとの作品も自ずと気に入って貰えるはず!


というわけで、今日はこのあたりで。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-02-26 17:15 | 日々之雑記


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