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2011年 03月 27日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『魂渫い』

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道玄斎です、こんにちは。
本当に久々のノベルゲームのレビューになります。大分、生活も落ち着いてきて、少しだけ気持ちに余裕が出てきたので、ダウンロードしておいたものの中から、短めのものを選んできました。
というわけで、今回は「さとる」さん(でいいのかな?)の『魂渫い』です。


実は、今回、通常のレビューにするか、番外編にするか結構迷いました。
大凡、20分程度までなら番外編、30分~でしたら通常、という事にしているのですが、本作20分ちょいですw
通常と番外編の微妙な淡いを突くプレイ時間だったのですが、サラリと読めてしまうので、番外編の方に致しました。

通常、ノベルゲームの主人公は、高校生の男の子で、何気ない日常を過ごしているわけですが(そんな主人公に暗い過去がある、というのも定番設定です)、本作の場合、主人公南譲は、「普通の高校生」ではありません。

というのも、冒頭部から判断するに、実母実父から虐待を受けていると思しく、学校にすら行かせて貰えない、というかなり悲惨な状況が描写されているのです。
この作品は、こうした境遇にある主人公が「普通の高校生」にたどり着くまでを描いた、ちょっと不思議な短編作品、と捉える事も可能でしょう。
他の作品にとっては、或る意味で当たり前の「前提」、そこが本作の終着点、という意味では、かなり特殊な主人公の設定だったのではないでしょうか。


ちなみに、本作のタイトル、読めた方はいらっしゃいますでしょうか?
私は学が無いので全然分かりませんでしたが、「たまざらい」と読むようです。字面から、「お、和風ホラーか?」と思っていたら、見事に予想がハズレちゃいましたね。読み進めていけば、字こそ難しいものの、この「渫い」は「攫い」と考えて良いようです。

親からの虐待の末に行き倒れになった主人公、そしてそれを助けたヒロイン霧島吹希。
二人の奇妙な共同生活の末、主人公は吹希に隠された意外な真実を知る事になり……といった調子でストーリーが進んでいきます。

そしてヒロインは、「魂渫い」なる種族であって、人間を殺さないと生きていけない、という厄介な属性を持っています。
で、主人公は、そんな自分を殺そうとしたヒロインに対して、「助けたい!」という気持ちを抱き、そっと静かに彼女の最後を看取っていく……という形でエンドとなります。

若干気になったのは、この辺りの主人公、そしてヒロインの心理描写が荒削り、というか性急であった、という辺りでしょうか? 
主人公がヒロインを助けたい、と思った心理の背景には、別の種類ではあるけれども、「逃れられない生活」に苦悩していた実体験があるはずですし、更に短期間とは云え、共同生活を送る中で芽生えた彼女に対する何かしらの感情、なんてのもあると思われます。

その辺りが割とスパッとカットされて、主人公の熱い言動でストーリーが急加速し、収束していってしまうんですよね。勿論、少々の粗を吹き飛ばしてしまう勢い、というのもノベルゲームの……そして特にフリーのノベルゲームの持つ特性なんですが、やっぱり少し気になったので、記しておきます。

そういえば、ラストまで読むと、余韻も何もなくやっぱりスパッとNScripterそのものがシャットダウンしてしまいますw 付属のreadme.txtを読めば分かるのですが、その後もう一度起動すると……。
けど、やっぱり、ジワッとタイトル画面に戻る……くらいの余韻があっても良かったんじゃないかなぁ? と思いました。


あっ、最後に。
どうやら本作、音楽も自作、のようです。写真素材もご自身でお撮りになったものらしく、NScripterというエンジン以外は全て自作のものみたいです。多才ですよねぇ。そんな所に注目しながらプレイしても面白いんじゃないかな、と思います。


大体、こんな所でしょうか。
まだまだ、落ち着かない日々が続きますが、又少しづつ、ノベルゲームをプレイして記録を綴っていきたいな、と思っています。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-03-27 13:24 | サウンドノベル | Comments(0)


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