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2011年 04月 13日

フリーサウンドノベルレビュー 『あやかしよりまし祓』

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今日の副題 「拳に魂は宿っているか?」

※吟醸
ジャンル:伝奇ノベル(?)
プレイ時間:第一話~第三話(とオマケ)を含めて一時間半程度。
その他:選択肢無し、一本道。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2011/4/10(に、最終話、第三話リリース)
容量(圧縮時):第一話=11.2MB、第二話=14.2 MB、第三話=24.6MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は、兼ねてから予告していた、作品のご紹介。些か変則的なのですが、第一話~第三話まで単独でリリースされているのですが、一括して『あやかしよりまし祓』という作品として取り扱いたいと思います。
というわけで、今回は『冒険野郎のトムソーヤ』さんの『あやかしよりまし祓』です。
良かった点

・スピード感のある展開。ガシガシ読み進めていけます。

・とにかく熱い! 主人公風太郎及び、その父巌がカッコ良すぎます。


気になった点

・画面が小さいので(後述)、メガネを掛けてプレイしたので、少し疲れましたw

ストーリーは、今回は私が軽くまとめておきましょう。
風太郎は、学校に通いながら実家の蕎麦屋「九条庵」を手伝っている。ある日、出前の注文を受けて、稲生さんの家に行ってみると、そこには人語を解する猫、そして不思議な少女がいて……。

と、こんなイントロで第一話始まっていきます。
そうそう、本作は、元々、2007年春にファミ通.COMから配信されていた、所謂「携帯アプリ」でした。
それが「ももいろかんづめ」さんの手によって、コツコツとPC移植作業が行われて、こうしてパソコンにてプレイ出来るようになった、という経緯があります。

凡そ、一年に一話づつ、というジラされながらの移植リリースだったわけですが、無事完結し、且つこうしてレビューを書ける事、嬉しく思います。

というのも、前回の日々之雑記にてチラリと書いたのですが、私が制作した曲が一曲、この『あやかしよりまし祓』にて使用されています。
各話の最後に、次回予告的な寸劇が挟まれたりするのですが、その時に使って頂いている曲ですね。私家版の「オリジナルヴァージョン」は作中で使われているものより、テンポが遅かったりと差異はあるんですが、『あやかしよりまし祓』版の「オリジナルヴァージョン」(ん? 何がオリジナルだか分からなくなってきたぞ……)も、そのうち、例のNMにアップしたいな、と思ってます。
いや、ちょっと.wavの形式で、既にアップしてあるんですが、何分、昔に作ったものなので、もっと手を入れたいというか、あれこれした上で、再アップしたいと思っています(当時はFL STUDIOじゃなかったしね)。


ここらへんで、作品そのもの、について入っていきましょう。
兎に角、主人公(の一人)風太郎が好漢なんですよ。熱いハートを持ったヤツ、っていうか。それが終始一貫している、というのも高ポイントですよね。

大体、ノベルゲーム/サウンドノベルの類では、男性主人公は、割と「ウジウジ」っとしたタイプだったりしますw まぁ、大抵の場合、彼がそうなった理由っていうのが存在して、ヒロインとの関わりの中で解消され、場合によってはその過程で、男気を見せる……そんな造型が一般的、かな。

でも、本作の場合、主人公がとにかく熱い男なんです。加えて、その父親である所の巌さんもシブい魅力全開で、キャラクターとして魅力的です。

キャラクターという事を考えると、作務衣を着た主人公、ジャージを着たヒロイン、という辺りも本作の、というか『あやかしよりまし』シリーズの見所かもしれませんw
男気のある熱い主人公、抑えるべきポイントをしっかりと抑えたヒロイン。なのに、どこかホッと出来るような「ダサさ」があるんです。

わざわざカギ括弧付きの「ダサさ」としたのは、それが「単純にダサい」という事と区別する為、です。
このシリーズに出てくる「ダサさ」は、それが主人公達とプレイヤー(読者)の距離を近づける為に、凄く有益に働いているように思えるんです。そして、それが「ダサ」さを通りこして「カッコよさ」まで昇華しちゃってるようにも思えるんですよねぇ。

カッコよくて熱い男、控えめだけれども誰よりも優しい女の子(当然美人だ)。
こうしたキャラクターは、ノベルゲームではおなじみである、とは先に述べた通り。だけれども、こういうキャラクターって或る意味「理想像」じゃないですか、私達の。
なので、プレイヤーである所の読者とは、心的な距離を感じない事もないわけです。「こんなヤツぁ、現実にはいねーよ!」みたいなねw

風太郎、そして木綿は、ヒーロー、ヒロインとしての素質は備わっているのにも関わらず、作務衣を着て、岡持を持っていたり、ジャージを着ていたり、と、何となく等身大の人物、を感じさせるものになっています。
なので、なんかそういう所で、どこかホッと出来るような、それでいて一層、キャラクターに親しみが持てるような……そんな「ダサさ」があるように思いますが、如何ですかね?

また、引き合いに出して恐縮なんですが、谷川史子の初期のマンガでの「ダサさ」と一脈通じる所がありますね。普通にカッコ良くて純粋な少年でも、下駄を履いていたり、魚屋さんの息子だったり、とどこか、親しみを感じる……そんな温かさがあるんです。


っと、脱線はこのくらいにして、本筋に戻しましょう。
ヒロイン木綿に触れる事で、「あやかし」を見る事が可能になった風太郎。そして、様々な「あやかし」が関わる事件に巻き込まれていきます。
中には、少ししこりを残すような、単純にハッピーエンド、で片付けられないような事件もあるわけですが、兎に角プレイしていて「気持ちよい」んですよね。テンポが凄く良いので、恐らく各話、一気に読めちゃうんじゃないかと思います。

少々の粗を吹き飛ばしてしまうくらいの、勢いがあって、このシリーズを語る時にいつも使う「少年漫画」の勢いある展開、を感じさせます。
美味しい恋愛要素、もちゃんとありますしね。また、風太郎のセリフが「ダサい」んですよw そこが、彼のウブな部分だったり、何度も述べてきているように、温かさを感じるもの、にもなっていて、凄くいいですねぇ。


一方、挙げさせて頂いた「気になった点」に関しては、注釈が必要です。
元々、携帯アプリだったものを移植した、というのが本作の成立事情なのですが、「携帯版をなるべく忠実に再現する」というプロジェクトだった為(イラストの追加、オマケストーリーの追加はありますけれどもね)、画面のサイズが、かなり小さめです。
なので、ちょっと文字が読みづらかったり……という難点があります。あとは一枚絵をもっと大きな画面でみたい、なんて要望もありそうですよね。実際、小さな画面では少し物足りない一枚絵があった事も事実です。ちなみに今回のスクリーンショットは、原寸大です。

どうでもいい話ですが、私、最近メガネ着用率が上昇していて、まぁ、モノは良く見えるようになるんですが、やっぱり目が疲れますねぇ……。
普段はメガネ外すように心がけているのですが、一度何かのタイミングで着用すると、なまじ見えるようになっちゃうから、ついつい着用率が上がりますw
で、今回もメガネを付けてプレイした、という事情もあって、少し疲れましたw あっ、実は今も付けてます……。もう外しちゃいましょうねw


本作と関係して、『あやかしよりまし』、『あやかしよりまし―逢魔―』という作品があります。
凄く有名な作品なので、ご存じの方も多いとは思うのですが、一応、個人的なお勧めプレイ順序を挙げておくと……。

『あやかしよりまし』→『あやかしよりまし祓』→『あやかしよりまし―逢魔―』

ですかね。
ともあれ、PC移植版もこれで完結した、という事で、「祓」の方をプレイ出来なかった方も、作品にアクセス出来るようになったハズ。
是非、『あやかしよりまし』、そして『あやかしよりまし―逢魔―』もプレイして、このシリーズの世界観、堪能してみて下さい。
作品が連結する事で、見えてくる世界っていうのがやっぱりありますからね。そういうシリーズとして見るならば、文句なしの大吟醸ですね。


久々に吟醸を付けられる作品がプレイ出来て嬉しいです。
ずっと移植を待っていた人、又、『あやかしよりまし』をプレイしている人は、迷わずダウンロード&プレイ、です。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-04-13 21:37 | サウンドノベル | Comments(0)


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