人気ブログランキング | 話題のタグを見る

久住女中本舗

kuzumi.exblog.jp
ブログトップ
2011年 05月 21日

フリーサウンドノベルレビュー 『魔法使いカラオケにゆく』

フリーサウンドノベルレビュー 『魔法使いカラオケにゆく』_b0110969_18304838.jpg

今日の副題 「何となく、魔法使いは住んでます」


ジャンル:ゆるーい魔法使いノベル(?)
プレイ時間:30分程度。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:YU-RIS

制作年:2011/5??
容量(圧縮時):60.2MB




道玄斎です、こんばんは。
所謂フツーのレビューを書くのは結構久しぶりかも? という感じ。何だかこの土日は色々と忙しいのですが、気分転換とか、そういうのを兼ねてゲームをプレイしてみました。
というわけで、今回は「枕三つ」さんの『魔法使いカラオケにゆく』です。
良かった点

・ちょっぴりユルい雰囲気が中々楽しい。

・意外と笑える要素もあったりして。


気になった点

・肝心な所がスポッと抜けてしまっているような……。

ストーリーは、作者さんのページにリンクを張っておきましょう。こちらからどうぞ。



というわけで『だいだいsnow』の作者さんの新作です。
『だいだいsnow』は完結したらプレイしよう、と思っていたら、いつの間にか完結していたようで……これも近々プレイしたい作品の一つですね。

で、まぁプレイしてみたら……聞き覚えのある曲が、結構チラホラ出てきます。
私が作ってNMに投稿してある曲の中で……割と汎用性の高い曲、が結構使われていて、思わず嬉しくなりました。「篠ノ井高等女学校の朝」なんて誰も使わないだろうなー、なんて思っていたので、「おおおおっ!」と妙にテンションが高くなってしまったのは、ここだけの秘密。

個人的にも、「こういうシーンで使って貰えたら……」みたいな事を考えて、曲を作ったりするんですけれども、その作者である所の私の意図にかなり近い形で、音楽素材使用して下さって、これは本当に作者冥利に尽きますね……。

折角、色々曲を使って頂いたので、微妙に脱線してますが、裏話といきましょう
本作で使って頂いた曲の中に「Tear To Drop」なる拙作があるのですが、この「Tear」は涙の「ティアー」じゃなくて、動詞の方の「テア」です。
って、どうでもいい話ですなw


っと、ここらへんで、作品に話を戻して……。
UFOを確認する為に裏山に行く事になった主人公、その裏山の天辺に待っていたのはUFOではなく、自称「魔法使い」が設置した落とし穴だった……。

みたいな、感じで話が進んでいきます。
ちょっと面白いな、と思ったのは、「魔法使い」という存在を、割と主人公はあっさり認識しちゃうんですよ。ちょっぴり冷めた……っていう印象も無い訳じゃないんですが、そういう主人公のスタンス、が中々面白いですね。

私、割とそういうキャラ造型が好きみたいで、以前、ご紹介した事のある『I can fry』という作品の主人公も、天使だ幽霊だって出てきても、絶対に自分の路線を変えないってタイプで、そういう所に、面白さを見いだしてしまいますw

本作の場合、割とすんなり「魔法使い」という存在を認めちゃえる主人公の特質が、後半部活きてくるわけですが、そういう作りもいい感じですよね。


そんなこんなで、なし崩し的に魔法使いの女子校生と、二日間だけ同居する事になった主人公。
彼女のたっての頼みで「カラオケ」に行く事になります。
この辺り、ユルい雰囲気がいい感じです。強烈な引き込む力はないけれども、丁寧に描かれた日常の何てことない描写、そこが魅力的でしたね。
そこには、過度なウケ狙い的文章も無く、かと云って、何だか内輪だけで完結してしまっているような寒さ、もありません。

ふんわりと、優しい手触りで描かれる独特なユルさは、人を選ぶかもしれませんけれども、私は好きですねぇ……。

後半、ヒロイン(?)華子を、吹っ飛ばした、お母さんがやってきたりして、緊迫するシーンもあります。
30分、という枠の中ではあるものの、密度は高め。
性急過ぎる事もなく、かといってダラダラするわけでもない、絶妙なバランスで作品が成り立っているような。


さて、一方気になった点、なんですが、凡そラストやその近辺が気になりました。
確かに、後半、思わぬ展開があったりして(そこで、結構笑えるのも事実、あのオレンジ色のアレとかw)、楽しい作品になっている、のは確かなんですが、エンドロールの後にポンと提示される、短い文章、あれがなんとなーく座りが悪かったような……。

何か、後半で華子とその母の家庭の問題(?)がフィーチャーされるんですけれども、多分……華子が自分の夢を貫き通す為の「過程」が重要なハズで、そこがすぽんと抜けてしまっています。
そして、最後に、その「夢の第一歩」を無事、踏み出せた事が示されて、作品は幕を閉じるわけです。

……となると、そこに主人公が介在しないのは、どうにも座りが悪い気がしませんか?
主人公は、華子の思いを或る程度汲んでやっている訳ですから、主人公がちょっと男気を見せて、その家庭の問題に堂々と立ち入るような、そういう熱いシーンがちょっとあっても良かったかな? というのが率直な感想だったりします。


ともあれ、魔法使いなる属性を持つ人間が、何気なく住んでいる世界観。
そこで紡がれる、ユルくて、手触りの優しい雰囲気が、本作の最大の魅力でしょう。

尺も30分程度、なので、是非気軽にプレイしてみて下さい。
あっ、あと、「BGMが悪い!」というクレームは受け付けておりません、あしからずw



それでは、また。

by s-kuzumi | 2011-05-21 18:30 | サウンドノベル | Comments(2)
Commented by 栗桐文輝 at 2011-05-21 21:49 x
どうも、枕三つの栗桐文輝です。アクセス解析に初めて見るサイトがあるなぁと思ったら、まさかレビューしていただいていたとは・・・、半泣きです。ラストに関してはなるほどこちらの力量不足だったかもと思いますし、的確な指摘ありがとうございました。
Commented by s-kuzumi at 2011-05-22 21:41
>>栗桐文輝さん

こんばんは。
わざわざコメント、本当にありがとうございます!

自作の曲も使っていただいたりして、又、内容も楽しいものだったので、取り上げさせていただきました。

一応、気になった点、は挙げてはありますが、あまり気にしないで下さいw 多分に私の主観も入っているハズなのでw


また、お気軽に書き込み等、なさってくれたら嬉しいです。それでは、失礼致します。
名前
URL
削除用パスワード


<< フリーサウンドノベル関係の雑記...      なんてことない日々之雑記vol... >>