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2011年 07月 25日

フリーサウンドノベルレビュー 『黄昏を見つめて』

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今日の副題 「やっと完結! 中華風ノベル」

※吟醸
ジャンル:中華風ファンタジーノベル(?)
プレイ時間:コンプリートしても一時間半ほど。
その他:各章に選択肢有り。バッドエンド/グッドエンドに別れている。
システム:Live Maker

制作年:2008/1/2~2011/4/1完結
容量(圧縮時):11.1MB



道玄斎です、こんばんは。
今日取り上げる作品を見て、「おや?」と首を傾げた方がいらっしゃるかもしれませんね。それもそのハズ、過去にプレイした作品(当時は現行の第一章で完結していた)の完全版をプレイしたから、なのです。
過去のレビューを消そうかどうしようか、迷っているのですが、取り敢えず、残しつつ、完全版のレビューをやっていきましょう。
というわけで、今回は「mystic night」さんの『黄昏を見つめて』……の完全版です。
良かった点

・過去ヴァージョンでノリシロになっていた設定が、一気に解放されグッと世界が広がった。

・抜群のテンポ感。作者さんのページに書いてある目安よりも、遙かに早く読了出来るハズ。


気になった点

・旋律と神楽の関係が割と……淡泊……だったか?

ストーリーは、作者さんのサイトから第一章に当たる部分を引用しておきましょう。
青年、神楽は少女、旋律と妖魔の千尋と共に旅を続けていた。
旅の途中で立ち寄った村である妖魔の噂を耳にする。神楽達はその噂を確かめるために…。

彼らは"ないもの"を追いかけ、取り戻すために探し求め続ける――。

こんな感じ。


最初にこの作品をレビューしたのが2009年の3月でした。
その後も、短編連作という形を取りながら、コツコツと制作が進められ、2011年の四月に完結をした、という事になっています。

以前書いたレビューで挙げた気になっていた点は、綺麗サッパリ無くなってしまっていました。
又、差し出がましくも「食事シーンで肉まんでも食ってる事にしたら一発で中華風だと分かるハズ」とか何とか書いた記憶があるんですが、第一章の食事シーンで肉まんが出てきて――勿論、私のレビューのせいではないと思いますが――個人的に「おお!」って思いましたね。

あと、イントロで、「古代中国の」みたいに、実在の地名を出して説明すると云々とか書いた記憶もあるんですが、やっぱりすっぱり消えていて、以前感じた違和感みたいなものは殆どなくなっていました。


何より……個人的に「彼らの旅はどうなるんだ?」という最大の未消化の部分が、完全版で消化されたので、物凄く嬉しかったりします。
一応、無印(=純米)、吟醸、大吟醸という三区分を付けてはいるのですが、その価値観を脅かしかねない、「何となく気になる」「何となく好き」な作品、は数多くあって、本作はその筆頭とも云えるものでした。

本当はね、完全版が出た事も知ってたんですが、中々プレイするタイミングがなくて、今日まで延びてしまっていました。

一体、何で旋律は呪いを受けたのか? どういった妖魔が呪いを掛けたのか? 何故、神楽はあそこまで旋律に尽くしているのか? この二人の関係は?

みたいな、色んな謎……の断片が第一章で提示されていました。
それが少しづつほどけていくのかな……と私自体も恐る恐るプレイしてみたら、第二章で、神楽と旋律が追い求めていた伝説の妖魔があっさりと姿を現し、普通にフレンドリーな関係になってしまい吃驚しましたw

けれども、そこで話が終わらない……のがいい所ですね。
言わば、ラスボスは姿を現しているけれども、何故か主人公達と行動を元にする事になって、旅が続いていく……というような。
あそこで、「九尾のピカチュウ」と以前私が評した、善良な妖魔千尋の誘拐事件が起こって……と話が進んでいく辺りも巧みでした。

そうした状況に付随して、「都」がある事、王朝がちゃんと確立されている事等が示されます。
更に、妖魔狩りをしている人間達の組合(?)があったり、世界観が少しづつ固まって、そして広がっていく感じがダイレクトに味わえます。

こういうファンタジーもの、割とノベルゲームでは少ない気がしますし、更に中華風っていうと、更に少ないような……。
なので、相当稀少なイメージがありますねぇ。

ともあれ、世界が固まり、且つ広がりながらも、テンポが凄く良いのが印象的でした。
作者さんのサイトの作品紹介のページには、各章ごとのプレイの目安時間が示されているのですが、多分、歴戦のノベルゲーマーでしたら、もっと早く読む事が可能です。
目安では、三時間ちょい掛かる感じなんですが、凡そその倍の速度、つまり一時間半で読了可能、だと思います。

一つ、プレイ上の注意点があります。
多分、これは各章ごとに、グッド/バッドエンドを見ないと、次章に行けないんじゃないかな、と思います。
大体、各章の後半部に選択肢が出てくるので、そこでセーブしてあげると楽々ですね。

このグッドエンドとバッドエンドに関して、一つ思う所があって、第一章、第二章に関してはまぁ、アリかな、って思うんですが、第三章はエンド分岐させなくても良かった気がします。
というのも、あるエンドでは、第四章の冒頭と繋がらなくなっちゃうような……。


そういえば、ちょっと脱線しますが、宿屋の作りにリアリティがありましたね。
本作に出てきた、一階が酒場で、二階が宿泊施設、というのは、非常に昔からある「宿屋」のあり方なんですよね。西洋東洋問わず。昔読んだ本に拠ると(本の名前が出てこない……)、中国では、今でもホテルの事を「○○飯店」と呼ぶ、って書いてあった気が……。
つまり、メシ(と酒)を喰う場所と、宿泊施設はいつもくっついて存在している、って事ですね。


ついに出てきたラストも、盛り上がりがあり、良いものになっていた……のは確かなんですが……やっぱり、旋律と神楽の関係が、もっとね、こう親密な感じかと思っていたんですよ。

ところが、蓋を開けてみると、意外と淡泊っていうか……。うん、確かに神楽の過去に旋律は絡んでいるし、旋律にとっても神楽は大事な存在ではあるんだけれども、決定的に「こいつがいなければダメだ!」って、激しさを伴ったものじゃなかったような……。そこは少し寂しかったですねぇ……。


兎に角テンポの良い、そしてどこかゆかしい雰囲気を持った作品です。
「是非完結を!」と望んでいたので、何はともあれ完結して、それをプレイ出来て嬉しかったです。
細かい事を云えば、右クリックした際に表示される「既読文章を飛ばす」が「即読文章を飛ばす」になってたり、細かな突っ込みどころはあるんですが、色々勘案して、今回は吟醸です。


イラストは超美麗、とかそういうんじゃないですけれども、独特な雰囲気がハマると抜けられなくなりますよw



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-07-25 21:48 | サウンドノベル | Comments(0)


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