2011年 08月 25日

フリーサウンドノベルレビュー 『未来都市』

b0110969_18212893.jpg

今日の副題 「実は本格SFモノ」

ジャンル:未来都市少女SFノベルゲーム(?)
プレイ時間:一時間半ほど。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:2007(初版)、本レビューは2011/?/?のVer.3.00版にてプレイ
容量(圧縮時):111MB



道玄斎です、こんばんは。
やっとこさやってきた夏休みという事で、ノベルゲーム強化週間を勝手に実施しております。何だかんだでノベルゲームの紹介が、活動の背骨ですからね。
というわけで、今回は「WORLD COMICS」さんの『未来都市』です。サークルホームページが分からなかった為、ふりーむのリンクを張っておきます。
良かった点

・ややアイキャッチが五月蠅いものの、一話一話のテンポが非常に良い。

・美しいアニメ調のイラスト。

・実は結構本格的なSFになっている。


気になった点

・テンポの良さと引き替えに、説明不足、消化不良になってしまっている所がある。

ストーリーは、ふりーむから引用しておきましょう。
未来の海底都市で生活する女子高生の
日常と、やがて巻き込まれてゆく
人類と進化生物の死闘を描いています。

もともと同人作品等に同時収録されて
きた作品です。
選択肢等はございませんが、小説を
読むような感覚でお楽しみ頂ければ
幸いです。

こんな感じ。


最初は、人類が地上に住むことが出来なくなって、海底に都市を作り、そこで暮らす女の子達のちょっとSFチックノベルゲームかなぁ……なんて思っていました。
そう、例えば『ノトス水上紀行』の一場面を切り取っていく、みたいな、近未来ノベルみたいなね。

実際、潜水艇でちょっとした冒険に、女の子四人組で出かけていくなんてのが第一話ですし。
第二話も、未来都市での生活を描きながら、海底ならではのトラブルを描く……んですが、この第二話まで来ると、大凡作品の骨格……が読めちゃうかもしれませんね。

けれども、私はその仕掛けというか、何が問題なのか? が分かった時に「これはいい!」と思わず膝を打ちました。
何故ならば、未来モノ、もっと云ってしまえばSFモノって、何かって云うと宇宙が出てくるじゃないですか。或いは、外は崩壊しているけれども、内部をシェルターで覆ったような、閉鎖的で一見平穏そうな世界とかさ。

けれども、SFって、勿論そういう宇宙的だったり、高度に発達した文明だけにあるわけじゃなくて、もっともっと、身近で神秘的で謎の多い世界があります。
そう、それは深海です。

ネットで「深海 生き物」とか調べるだけでもきっと楽しいと思いますよ。
なんか妙に光ってたり、なんでこんな恐い顔してるんだよ! ってヤツがいたり、はたまたおぞましいと云ってもいいくらいの外見のヤツがいたり……。
例のクトゥルフ系の恐い話の一つの柱がやっぱり海にある、っていうのは示唆的ですよね。

ですので、海底に移り住んだ人類の脅威が、進化を遂げた海底の生き物で、っていうのは凄く納得感がありますし、凄くSFしてるんですよね。
だから、「これはSFとしていい線いってるじゃん!」と思って、嬉しくなっちゃいましたね。


さて、大きく分けると、第1話~第4話までが前半パート、それ以降が後半パートって感じでしょうか。
前半は、四人の女子校生のちょっとした冒険譚だったり、恋バナだったり、何てこと無い日常パートを描きます。だけれども、そこには深海の生き物、という脅威がふっと吹きこまれているような……そういう感触はいいですよね。それに、ちゃんとそこが後半に生きているわけですから、大いに評価したい所。

そして、怒濤の後半パートに入るわけですが、前半部もそうですが、兎に角テンポが良いんですよね。
なので、「え?」みたいな、半分息つく暇も無い程にストーリーが加速してしまって……という事が若干あります。また、それに関連して、消化不良になってしまっている所とかも。

具体的に云えば、何で軍隊はもっと早く行動を起こさなかったのか、とか、何故「彼女」だったのか、とか、結局、地上はどうなってるんだ? とか、色んなクエスチョンは残っちゃうんですよね。
ただ、これも反面で、そこに気づかないでテンポの良いまま読めてしまう、という部分でもありますよねぇ。


そうそう、イラストがアニメ調で美しいものだった、というのはお伝えしておくべきでしょう。
フリーのサウンドノベル/ノベルゲームも突き詰めていけば「イラスト不要!」とか硬派になっていくんですが、それでもやっぱり綺麗なイラストが入っていれば嬉しいですからね。
作品そのものが良くて、尚かつイラストも良ければ云う事ないじゃないですかw


未来の海底都市を舞台にした、女子校生四人組の日常と密かに忍び寄る影、そして怒濤の後半。抜群のテンポと共にお楽しみ下さい。



それでは、また。
[PR]

by s-kuzumi | 2011-08-25 18:21 | サウンドノベル | Comments(0)


<< フリーサウンドノベルレビュー ...      フリーサウンドノベルレビュー ... >>