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2011年 12月 11日

フリーサウンドノベルレビュー 『忘れな二夜』

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今日の副題 「最後の夜は月を眺めて」

ジャンル:謎の少女と出会う型ノベルゲーム
プレイ時間:1ルート20分程度。
その他:選択肢アリ。4ルート。
システム:NScripter

制作年:2011/10/16
容量(圧縮時):18.1MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は、20分くらいで終わる作品なので、本来ならば「番外編」に入れるべきなのですが、短いながらも多彩なエンドを持っていたり、或いはちょっと良い話が入っていたりするので、通常レビューで。
というわけで、今回は「サウンドノベルはまち」さんの『忘れな二夜』です。『晴れた日9月、恋天使』の作者さんの作品ですね。
良かった点

・意外なほど多彩なエンドを持った作品。

・各ルートが、他のルートを補完しており、巧みな作りに。


気になった点

・文章の繋ぎが悪く、不自然な箇所がある。

・エンド4は無くてもよかったかもw

ストーリーは、今回は私が纏めておきましょう。
祐二は、中学の頃からの付き合いのある、あかりと供に、教室に忘れたプリントを回収すべく、夜の学校に入り込んだ。目当てのプリントを回収して教室を出ようとした所、謎の少女と出会い……。

と、まぁ、大体この辺りでしょう。
20分の短編ですからね。


さて、本作「謎の少女と出会う型」です。
主人公が、ふとした拍子に、何か謎を秘めた、或る意味でワケアリの女の子と出会って、その内実を知っていく……というタイプでした。

こうした作りは、ドが付くほど定番の設定です。今挙げた作品以外にも、この手の作品は数多くプレイしています。クラスメイトがヒロイン、という場合ではその限りではないのですが、大体、主人公とヒロインの出会いでダントツに多いのが、このタイプです。

しかし、本作、エンドが分岐していまして、それが多彩で且つ、或るルートで分かる事実が、他のルートの謎を補完する、という凝った作りになっていました。
こうした短めの作品ですから、完全にルートが分岐する、というタイプよりも、各ルートが上手く結びつく、というタイプの方が合っていますね。

正直、最初の五分プレイした段階で「ちょっと読みにくいかも……」と感じてしまったのですが、謎の少女が出てきてから、ストーリーのテンポが良くなって、凄くプレイし易くなりました。
話が核心に近づいてくると、やっぱりプレイヤーとしても興味が出てきますし、自然と文章のテンポも良くなってくるような気がします。

又、短いながらも、謎の少女を含めて、3人の女の子が出てきて、立ち絵が表示されます。
選択肢によっては登場しない子もいるんですが、エンドの問題を含めて多彩な姿を見せてくれます。
とはいえ、一人、ちょっと可哀想……というか、「汚れ担当」になってしまっているあかりのルートはちょっとw
18禁っぽい要素もありますし、これは、他のルートと比較すると、ちょっと蛇足だったかもしれませんね。

エンドで云えば、エンド1が所謂トゥルーエンドなんですが、これがやはり、一番しっくりくるエンドでした。
当然、このルートではヒロインは謎の少女、です。
これが、中々いいエンドでして、ちょっと余韻無く終わってしまうものの、短編という作りを考えれば、十分納得のいくエンドになっていたのではないでしょうか?


さて、一方気になった点で、最大のものは、文章の繋ぎが悪い、という点です。
メリノという女の子と、夜の学校に来るルートがあるのですが、メリノの発話の後、結構唐突に謎の少女の「こんばんは」という発話、そして間髪入れず主人公の「こんばんは」という返事が表示されます。

ここは、プレイしていて、ちょっと置いて行かれる部分でした。
例えば、メリノの発話が終わった後、改ページをしてから「こんばんは」と、謎の少女の発話を持ってきたり、「その時、声が聞こえた」とか地の文で書いて示してやれば、こういう違和感は解消します。
「こんばんは」と云われるのはまだ良いのですが、それに対して主人公が驚きも何もなく、即座に「こんばんは」と返している事が問題なのかもしれません。

又、このルートでは、「楓の事を好きっていってくれて」みたいな、メリノの発言があるのですが、この「楓」がかなり唐突に出てきて、私は最初、人名か、植物かで結構悩みました。
実はこれ、メリノは新聞部に所属しており、中央公園に植わっている楓について記事を書いたことがあるんですよね。
なので、ここも「(わたしが書いた)楓の記事を好きっていってくれて」とかにすると、文意は若干変わりますが、違和感は無くなるかな、と思います。

この「楓」は他のルートでは、ちゃんと補完されているんですよね。
なので、エンドを見る順番にも拠るのかもしれません。とはいえ、やはり少しフォローが欲しい所ではありました。

短編なので、大体このくらい、かな。
短いながらも、選択肢によって結構多彩なエンドを見せてくれる作品でした。
気がきいているのが、或るルートが別のルートの謎を補完してくれる、という作りで、1もしかすると、ルート、1ルートと考えていくより、全てのルートを包含した一つの作品、として読むのがいいのかもしれませんね。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-12-11 17:35 | サウンドノベル


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