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2012年 01月 21日

フリーサウンドノベルレビュー 『発掘少女』

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今日の副題 「君がただいま、俺がおかえり」

ジャンル:ファンタジック恋愛アドベンチャー(?)
プレイ時間:3時間ほど。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2011/12/26(ふりーむ! 公開日)
容量(圧縮時):167MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は久々のノベルゲームのレビューですね。ここんとこ少しバタバタしていたのですが、これからは、またちょくちょくレビューが出来るんじゃないかな、と思います。
というわけで、今回は「LR」さんの『発掘少女』です。
良かった点

・興味を惹く設定。世界観も少しファンタジックで面白い。

・序盤~中盤に掛けてのテンポは上々。


気になった点

・主人公(とパシフィカ)の過去と、ヒュナの物語がやや分離していたか?

・実は恋愛描写が薄め。

ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。
地下墳墓を淡々と探索する、地味で根暗な冒険者、ゴドー。
彼は、ある日、未探索の階層で、棺に眠る少女を発見する。
獣の耳と尻尾を持ち、たどたどしい言葉を話す少女。
意識を失った彼女を地上に運び出した主人公は、ひょんなことから彼女と生活を共にすることになる……。

こんな感じ。



誰かを拾う(そして、その誰かが大抵の場合美少女)という枠組みを持った作品はノベルゲームに限らず、散見されます。
マンガ(そしてアニメ)だと、『ちょびっツ』とか、ノベルゲームでも枚挙に暇がありません。『桃色☆パニック』とか、少し古めだと『ひなたぼっこ』とか、探せばもっと出てくるでしょう。

本作も亦、美少女を拾ってくる、という話型の1パターンなのですが、発見場所は何と遺跡です。
やはり、一般的な型では、街中をフラフラと徘徊している少女とか、そういうのを主人公が拾って、同居生活が始まるというものですが、本作の場合は、遺跡。しかも棺のようなものに入っていた女の子です。

ここで補足をしておくと、本作の舞台は現実世界のそれとは違う、ちょっとファンタジックな世界のようです。古代には魔法文明があり、その文明は滅びている。文化的な水準としては、1800年代みたいな感じかな。
故に、主人公ゴドーの冒険者という職業が成り立ち、遺跡を探検し発掘が行えます。
意外と……ファンタジックな世界を持った作品は少ないですよね。

なので、ファンタジックな世界だと分かったときに、「お?」と思いましたね。
しかも、クドくない世界観で、自然とそれを受け入れられる。良い意味での「薄味」具合が作品の雰囲気に良く合っていました。
また、冒険者って云っても、遺跡発掘とかそういう冒険者であって、剣と魔法を駆使する、他人のトラブルで飯を喰う冒険者、と一線を画していたのも好印象でした。


さて、本作の良い点は、先ず、テンポの良さでしょう。
かなり頻繁にアイキャッチ的にチャプターが示され、場面が切り替わっていくのですが、それがテンポ感を演出してくれます。序盤~中盤くらいまでは、ダレる事なく、スイスイと読んでいけるんじゃないかと思います。一方で、後半になると、やはりストーリーも重量感を増してくる為、少しテンポは悪くなるわけですが、それは仕方ない事ですよね。

また、ラストがちょっとだけご都合主義かなぁ……という気がしないでもないのですが、正直、あのくらいのハッピーな終わり方の方が私は好きです。
グッとくる形でのハッピーエンド。若しくはちょいほろ苦いエンド。この二つが私の好みですが、まぁ、それはどうでもいいですね。

少女ヒュナと、ゴドーの不器用な交流は見ていてちょっと心が温まりますし、私がいつも云う「いつまでも見ていたい」雰囲気、を持ったものになっていました。
サブキャラのパシフィカ、マクレーンの存在もいい味を出していましたね。特にパシフィカが物凄く可愛らしくて、私は一番気に入ってしまいました。

ただ、これは気になる点と表裏一体です。
主人公、そしてパシフィカに関わる物語が、主人公とヒュナの物語に半ば割り込むようにして挿入されています。それだけならば、別に問題はないのですが、その主人公とパシフィカに関わる物語が相当な重さを持っているのと同時に、本筋の話であるヒュナのストーリーとは、ちょっとベクトルが違うんですよね。

ですので、何だかその部分で違和感、そして分離感がありました。
下手をすれば、そのまま、パシフィカのルートまで作れてしまうような、質量のある物語だったので、余計にそう感じるのかもしれませんね。
ただ、後半でのヒュナと主人公の関係の焦点化を重視するならば、パシフィカ絡みのストーリーはもう少し薄味でも良かったのかな? と思います。

あとは、ちょっと恋愛描写が薄かったかな、と。
ヒュナの方はストレートに気持ちを出してきているのに、ゴドーの方は今ひとつ、というか。
それに真っ直ぐ応えるわけでなく、「好き」だとか「愛してる」だとかいう言葉を先送りにしてしまっているので、ちょっと焦れったい部分もあります。
もう少し……ヒュナが報われてもいいんじゃないかなぁ? と、ちょっと思ってしまいました。


大体、こんなところでしょうか?
所々に、いい台詞も散りばめられていたり、ラストはやっぱり(先にも述べましたが)ご都合主義な部分はあれど、ちょっと素敵なハッピーエンドになっています。
タイトルだけ見ると、ちょっとジメジメした印象がありますが(?)、ちょっとファンタジックで素敵な話になっていると思いますよ。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-01-21 20:18 | サウンドノベル | Comments(0)


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