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2012年 01月 24日

フリーサウンドノベルレビュー 『Imperfect Blue』

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今日の副題 「一夏の思い出は君と一緒」

ジャンル:恋愛アドベンチャー
プレイ時間:コンプリートで2時間程度
その他:選択肢有り。各キャラエンドの他に実質バッドエンド有り。
システム:LiveMaker(?)

制作年:2011/9/6
容量(圧縮時):164 MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は、今までずっと積んでいたゲームをプレイ。昨日、東京は雪が降ったわけですけれども、そんな季節と真逆な、一夏の思い出を描いた作品のご紹介。
というわけで、今回は「零式。」さんの『Imperfect Blue』です。『Lilie -Love⇔Hate- 』の作者さんの作品ですね。
良かった点

・王道の恋愛ノベル。最近、この手の作品が少ないんだ。

・無限の優しさを持つメインヒロインに癒される。


気になった点

・展開が割と性急。もう少し、段階的にヒロインとの関わりを描写しても良かった。

・読みにくい漢字がちらほらと。もう少し、漢字を開いても良かったか。

ストーリーは、ベクターの紹介文から引用しておきましょう。
世界は無色だった。
世界は不完全だった。
世界は残酷だった。

だからただ願っていた。
一刻も早く、この鼓動が潰えて無くなりますようにと。

平坦で刺激の無い、けれどそれでも良かった月人の惰性の日々は、一人の少女との出会いを機に少しずつ色を変え始める。
季節外れの転校生に、突然の部活勧誘。そして、夏休み。
これは、不完全な少年と少女の物語。

・選択肢により物語が分岐する一般的なADVゲームです。
・選択肢の数は本当に必要最低限に設定しており、難易度・ゲーム性はかなり低めです。
・主人公含めフルボイス
・主題歌を始めとする全楽曲オリジナル
・OPムービー有り
・1ルート30~50分、総プレイ時間3、4時間程度
・主人公の立ち絵・声を非表示にしたバージョンも同時配布中

ちょっと長目の引用になってしまいましたね。


さて、本作は直球の王道恋愛ノベルゲームです。
無愛想な男性主人公に、美少女の転校生。にぎやか担当の元気系女の子、ミステリアスな魅力たっぷりの先輩。そして、悪友。

こうした設定を見れば、「ああ、このパターンね」と、長い間ノベルゲームの世界に携わっている人には、一発で分かって貰えるはず。
実際、内容もそこまで奇を衒ったものではなく、素直にストーリーが流れていきます。強烈なヒネリはあまりないのですが、それも亦、時には良いものです。

ここ最近……ノベルゲームの、それも恋愛を主題とした作品では、内容が凝りすぎて、結果として、「詰め込まれ過ぎ」なものが増えてきている感触があるのですが、そういった意味では、本作はストレートな恋愛ノベルで、逆に新鮮さを感じるものになっていました。
ちなみに、キャラクターは全てフルボイスで、ガヤの声もちゃんと入ってます。OPムービーなども完備で、かなり豪華な作りです。


先に述べた三人の女の子達が、ヒロインとなり話が進んでいくのですが、メインヒロインと思しいのは、タイトル画面でセンターに位置している空羽です。
彼女のルートでは、主人公が抱えている問題(トラウマ)、そしてヒロインの抱えている問題もフィーチャーされ、ストレートで多少荒削りながらも綺麗に纏まっていました。

逆に云えば、彼女のルートを見ないと、主人公の抱える問題は分からない事になります。
他のルートでも、主人公が何か問題を抱えている事、仄めかされるのですが、それが何であるか、決定的には分からないのです。

そして、やはり一番魅力的なヒロインだったのは、空羽でした。
かなり早い段階から(やや唐突ではあるものの)、優しさ全開で主人公に向き合ってきます。「こんな女の子がいてくれたら……」と思えるような、そんな魅力的なキャラクターになっていたのではないでしょうか?
とはいえ、いきなり引っ越し先のお隣さんの家でおかゆ作ったりするかなぁ、とか、リアリティ、という事を考えると少し違和感があったりなかったりw
けれども、空羽の無限の優しさが、このルートで遺憾なく発揮され、やはり好印象でした。

一方、他のヒロインのルートはやや薄め。
にぎやか担当の陽那は、鈍感且つ不器用な主人公月人に、或る意味振り回されてしまうわけですが、それも恋愛ノベルゲームの定番、かな。

美夜乃先輩のルートも同じで、普段はエキセントリックで、捉え所のないキャラではありながら、実は自分の恋愛には疎い、という造型もやはり、王道。
この美夜乃ルートだけ見れば、割と薄め、なんですが、寧ろ他のルートで美味しい役割を担っているキャラでもあるので、もう少し、作中で活かす事が出来るキャラだったのかもしれません。
余談ですが、『Lilie -Love⇔Hate- 』に出てきた、雅のお姉さんですよね、この人。興味を持った方は『Lilie -Love⇔Hate- 』も併せてプレイしてみると良いかもしれません。


気になった点としては、先ほどからチラチラ書いていますが、各ルートに性急さがあった、という点です。
空羽ルートも、登場してきた瞬間から主人公に一目惚れをしているんじゃないか? と思わされるような、そんな描写になっています。
テンポが良い、というのは、ノベルゲームで結構私が重視する要素なのですが、一夏の思い出を描くような作品なので、どうしても詰め込み気味になってしまうのは分かります。にしても、やはり性急さがあった、という印象はありますね。もう少し、ヒロインと主人公のエピソードを入れ、二人の間の心理的な距離を近づけるような、そんな描写があと一つ、入っていれば、大分印象は変わったはずです。

もう一点は、かなり難しい漢字がポンと出されてしまう、ということ。
いや、私も、結構このブログ、そしてこの記事の中でもヘンテコな漢字を使うわけですが、それにしても「尸位素餐」なんて、初めて知った言葉ですw
「玲瓏」とか「寂寞」とか、若干難解な熟語が出てきて、そういう所で若干の読みにくさを感じる部分がありました。又、もう少し、漢字を開いてやると、読みやすさが向上するかも、と思いましたね。


大体、こんな所なのですが、各ルート攻略後に出る後日談などをプレイしてみると、「これ、案外女性向けのゲームなんじゃないかな……」と思えてしまいました。
勿論、男性がプレイして楽しめる作品です。主人公は男性ですし、ヒロインは女の子。だけれども、意外と女性がプレイして楽しめる要素もあるような、そんな感触がありましたね。


各ルートは凡そ50分程度。
既読スキップを使えば、本編のみなら一時間半。後日談を全部見て二時間といった所でしょう。
昨今稀な王道恋愛ノベルゲーム、是非プレイしてみて下さい。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-01-24 18:21 | サウンドノベル


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