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2012年 02月 19日

フリーサウンドノベルレビュー 『春』

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今日の副題 「私の人生ハッピーエンド?」

ジャンル:青春アドベンチャー(?)
プレイ時間:1時間ちょい。バッドエンドを全部見て2時間程度。
その他:選択肢アリ。結構多め。バッドエンド多数。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2006/4/15
容量(圧縮時):87.3MB




道玄斎です、こんばんは。
めぼしい新作がない今日この頃、昔の、それも埋もれた作品を見つけるべく色々プレイしています。今日は、そうした中で発見してきた作品のご紹介。
というわけで、今回は「YAOYAプロジェクト」さんの『春』です。
良かった点

・何と云っても楽しいバッドエンド。選択肢選びが苦になりません。

・ラスト、意外にも熱い展開が。


気になった点

・いじめの問題を描く作品なので、全編に渉り暗い雰囲気は漂う。

・恋愛面と学校生活面のシナリオが分離していたような。

ストーリーは、ふりーむの紹介文から引用しておきましょう
「寒いのは平気だから」千夏は本心ではないことを、母に言う。

新しい学校、新しい家族。 今、千夏を包むものは
すべてが氷のように冷たかったけれど、我慢、出来るから。

…千夏は平気だから。
「逃げちゃ駄目だよ」その一言が千夏を変える。

「春になれば、一緒に出かけよう」
そう言ってくれるのは…

こんな感じです。



いじめを題材とする作品では、『そこに幸せがある限り』がありました。あれはイジメ撲滅ノベルと標榜されていたと思しいのですが、別にいじめを特別なテーマにしない作品でも、ヒロイン(や主人公の女の子)がいじめられてしまう、というのは割と良く目にします。最近では『電波電波カプリッチョ!』の萌ルートなんかも、そうした雰囲気がありましたよね。

本作も亦、「いじめ」が取り扱われる作品です。
主人公千夏は、母親の再婚により、一気にお嬢様になってしまいます。そして転校先の学校で、「お嬢様」故にいじめられる事に。
このいじめの問題はラストまで続く、この作品の一つの特徴であり、基本路線となっています。
ですので、全体的な雰囲気はかなり暗め。いかにも悪役然とした最強寺響子と、その取り巻きのビジュアルなんかは思わず笑ってしまうものがあるのですが、それでも、少し暗めのストーリー展開です。

もう少し、明るい場面なんかも盛り込みながら話が進めば良かったな、と思いましたね。ここは後述する気になった点と重なる部分でもあります。


本作を取り上げるポイントになったのは、何と云っても、「楽しいバッドエンド」です。
序盤から選択肢がかなり多く出てくるのですが、バッドエンドが楽しいんです。いじめられた末に、千夏がヤンキーになってしまったり、はたまた悪役、挙げ句の果てにはアイドルになってしまったりもするのです。
作品そのものがホラーになってしまったり、ね。

逆に云えば、この楽しいバッドエンドが、本編を貫く暗いイメージを払拭してくれるものになっているのは事実なのですが、本編は本編としてそこに明るさがもう少し提示されても良かったかな、と思います。


いじめられる千夏に対して、むつきというクラスメイトが声を掛け、友達になってくれるのですが、千夏と友達になった事でむつきにもいじめの手が及びます。
この辺りで、さりげなく生徒会の面々を出して、後半への布石としているのは、本作の隠れた良い点ですね。これがラストで効いてきます。


又、千夏は、公園で出会った康平というサラリーマンと仲良くしていき、彼に恋するようになるのですが、その恋愛というテーマと、学校でのいじめの問題というテーマの二つが、どうしても分離しているように思えました。
康平の出番をもう少し増やして、千夏との交流を描く。そしてそこでは、康平は千夏の良きアドバイザーであり、明るいトーンで二人の描写が行われる……とかすると、大分印象が変わるんじゃないかな、と思います。
もう少し、学校外の人間である康平と、学校内で行われるいじめの問題を上手く接合してやるポイントがあればなぁ、と云う感じです。
そこが、本作最大に気になった点ですね。


非常に良かったのは、後半の展開です。
いじめも陰湿さを増してとんでもない事になっていく中で、むつきが所属する生徒会の面々が、学校からいじめをなくすべくかなり熱い行動をおこします。
そして、彼らに後押しされて、千夏もいじめをなくすために一歩踏み出す。そこが本作で一番光る場所でした。最後はちゃんとハッピーエンドなのも嬉しいですよね。


千夏は、ちょいロリ入ってますが、可愛らしいですし、イベントCGも50枚以上。更に一回しか使われない立ち絵などもあり、かなり豪華な作りになっています。
いじめから脱却して、幸せな日々を取り戻す……という割と良くあるテーマではあるのですが、素直に読んでいける読みやすさもあます。
そして、前述の楽しいバッドエンドがてんこ盛りなので、プレイしていて飽きる、という事は多分ないはず。シナリオの細かな所で突っ込みどころはチラホラあるのですが、十分楽しめる作品になっていると思います。



是非、本作のバッドエンド、コンプリートしてみて下さい。
意表を突いた展開のオンパレードで思わず笑ってしまう事、請け合いです。ストーリー的にはハッピーエンドなのに、バッドエンドになってしまうもの、なんかもあるので結構笑えますw
コンプリート後のおまけシナリオもちょっといい雰囲気ですので、そちらの方も。

少し暗めの本編と、楽しいバッドエンドの折り重なるストーリー(?)を、是非楽しんでみて下さい。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-02-19 19:37 | サウンドノベル


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