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2012年 02月 25日

フリーサウンドノベルレビュー 『キミはキメラR』

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今日の副題 「わたしも恋も規格外」

ジャンル:人外恋愛ノベルゲーム(?)
プレイ時間:2時間ほど。
その他:選択肢なし、一本道。15歳以上推奨。
システム:NScripter

制作年:2012/2/13(本レビューで扱うリメイク版)
容量(圧縮時):54.4 MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は、少し変わり種のご紹介。ヒロインは人外、そして15歳以上推奨という作品です。
というわけで、今回は「StarGazer」さんの『キミはキメラR』です。
良かった点

・読みやすくテンポの良い文章と、ストーリーの流れ。

・一見イロモノだが、実は純愛路線。


気になった点

・ラストで、色んな問題が置き去りにされてしまっている。

ストーリーはサイトの方から引用しておきましょう。
学校の教師になる夢を諦めた塾講師アルバイト――秋山義文(あきやまよしふみ)。
ある日の帰り道、「家庭教師として引き抜きたい」と、不審な女から誘われる。
その給与は破格であり、奨学金返済に苦しんでいた秋山は、家庭教師の仕事を受けることにした。
教えられた住所を頼りに辿り着いた場所は、「生命科学総合研究センター」という怪しげな研究所。
一室に案内され、秋山は少女ハマルと出会う。
やがて秋山は、ハマルに関する衝撃的な事実を知り、決断を迫られる。

こんな感じです。



キメラという人工的に作られた人外の女の子と、彼女の家庭教師として雇われた主人公の純愛路線の作品です。「純愛」と言い切らないのは、15禁止の描写があるからですw
けれども、そこを抜かして考えれば、凄くピュアな恋愛が描かれていました。

キメラであるハマルとのぎこちないやり取り、そして少しづつ距離が縮まっていく様子がテンポ良く描写されていきます。恋愛作品は、この「距離感」をどう描写していくのか、が非常に重要だと私は思っています。
最初っから、主人公の事が好きで好きでたまらない……というよりは(幼なじみとかなら、それはアリだと思いますが)、最初は心理的な距離があり、各エピソードを通して二人の距離が少しづつ縮まって……というタイプですね。

時折、その距離感を描かずに、スコーンと「好きだ!」と、急に恋愛まっしぐらになってしまう作品があったりします。けれども、本当にちょっとしたエピソードでいいので、少し距離感の推移を描いて、「数ヶ月経った」とかしてやるだけでも、違和感がかなり軽減出来るはずです。

本作の場合、テンポを確保しながら、上手くハマルと主人公の距離が近づいていく様子が描かれており、好感が持てました。文章そのものもテンポが良く、ダレる事がありません。
ラストまで、一定以上のテンポ感を感じる事が出来て、良く作られているなと感心します。反面、15歳以上推奨シーンを除くと、インパクトのあるシーンは少なかったように思えます。


研究施設から逃げ出して、主人公義文のアパートで同棲が始まるわけですが、基本、この同棲生活が作品の背骨になっているという印象です。
人外の、それも女の子のハマルとどうやって生活していくのか、ハマルは生活の中でどんな変化を見せるのか、そういった部分が描かれていくことに。
ここで、一発目の15歳以上推奨描写が入るんですが、決定的なアレはないので、そこまでナーバスになる必要はないでしょうね。

そして、例によってハマルは義文の事を好きになっていくわけですが、女の子としてのハマルと、キメラとしてのハマルの姿があって、キメラという属性がこの作品のアクセントになっています。
これが逆にキメラでなければ、割とよく見る、「謎の少女を拾ってきた型」の作品になっちゃいそうですもんね。
先に、純愛路線と云いましたが、義文がお堅いタイプで、純愛らしさを演出してくれます。もともと、義文は教職に憧れていた、という設定があるからなのですが、それは後述しましょう。


そんな形で、よどみなくストーリーが進んでいくのですが、ラストまで見るとなんとなく腑に落ちない部分があります。
一つは、義文の「教師」「教職」に就きたいという夢がどこか置き去りにされてしまっている、という所。
もう一つは、結局、何かが解決するわけではない、という点です。

主人公義文とキメラのハマルが愛を育む。そこはラストとして問題ないと思います。
だけれども、そこにはキメラというアクセントがあったはずなんです。それに他のキメラの存在もいますし、キメラの王国を作りだそうとしているマッドサイエンティストもいるわけで……。キメラという存在そのものの問題がそこにはあるはずです。
ですが、そうした、要素をスパッと切って二人の恋愛に焦点を置いたラストになっており、少し消化不良を感じました。


ちなみに、今回は、ノーマル版とリメイク版(今回取り扱ったヴァージョン)の二つをやってみたのですが、リメイク版は流石のイラストがついていて、豪華で美麗なのですが、私はノーマルの絵柄も決して嫌いではないです。
手作り感、という事を考えるならば、寧ろノーマル版の方が温かみがあって良かったかもしれません。ただ、ここらへんは完全に好みの世界でしょうね。


最初は人外との恋愛との事で、ビクビクしながらプレイしていたのですが、意外にも普通に楽しめるラブストーリーになっていました。
タイトルで敬遠してしまう方もいるかもしれませんが、ご安心下さいw




それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-02-25 19:03 | サウンドノベル | Comments(0)


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