2012年 04月 16日

フリーサウンドノベルレビュー 『君の道、僕の道』

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今日の副題 「二人の道はまだまだ続く」

ジャンル:恋愛ノベル(?)
プレイ時間:2時間ほど
その他:選択肢なし、一本道
システム:YU-RIS

制作年:2011/9/?
容量(圧縮時):66.1MB




道玄斎です、こんばんは。
今日はなんか具合がとても悪くて、蟄居していたのですが、こういう時こそ積んでいたゲームをプレイするチャンスなので、気になっていた作品をプレイしました。
というわけで、今回は「同人ゲームサークルalpha」さんの『君の道、僕の道』です。
良かった点

・厭味、澱みがなく、素直に読み進めていけるテンポの良い作品。

・お約束の展開を見せるも、中々楽しいストーリー。


気になった点

・何と言っても、締まらないラスト。

・後半、キャラクターの感情変化が激しく、置いて行かれる部分も。

今回は、私がストーリーを纏めておきましょう。
海原海斗は、大学進学の為上京する事となった。
家族と別れを告げ、東京行きの寝台車に乗り込んだはいいが、荷物入れの中には袋にくるまった女の子、井波京香がいた。彼女は家出をして、寝台車に潜り込んだという。海斗は彼女を匿い、一緒に東京まで行くことにしたのだが……。

と、こんな所でしょうか?


さて、久々のノベルゲームレビュー。
奇を衒わない素直なタイプの作品だったと思います。

プレイをするとすぐに分かるのですが、キャラクター同士の会話の掛け合いに力が入っています。
主人公の心中と同化している地の文も、割とくだけた感じで、時にギャグっぽさを交えながら描写が行われます。
こうした掛け合いの要素が強かったり、或いは主人公の心中思惟が多い作品は、下手をすると、とてもテンポが悪くなってしまいます。プレイヤーの気持ちとしては、次の展開を早く見たいのに、何故かズルズルと引き延ばされる何てことない日常シーン……。

しかし、本作の場合、掛け合い、海斗の心中思惟で話が進んでいくタイプであるにも関わらず、テンポが損なわれません。
それは、「ストーリーのテンポが良い」からでしょうね。小気味よく場面が変えていくことで、冗長さを無くし、ストレス無くプレイ出来るように作ってある、という印象を受けました。

家出少女、京香とは、東京駅で一旦別れてしまうのですが、お約束通りにすぐに再会し、同居することに。
この辺り、お約束過ぎる! と感じる人もいるかもしれませんが、こういう素直で先が読める作品も、中々良いものです。お約束、とは「予想通りの所に落ち着く」という意味では、安心感のあるものですから。
特に、最近ではむやみやたらとヒネリを効かせた作品が多いので、本作は、そういう意味でも少しホッと出来るタイプの作品でしたね。


海斗と京香が同居してからも、お約束は続きます。
少しづつお互い惹かれ合っていき、恋人同士に。お祭り(花火付き)やプールといったイベントも完備してます。
こうした恋愛ノベルゲームでは、お馴染みのイベントなんですが、それでも何となく楽しめちゃうのは、作品の雰囲気のお陰でしょうかね。

恋愛面に関しては、かなりコッテリとした檄甘展開ですw
海斗は(例によって)かなり恋愛方面に鈍い男なんですが、めでたく恋人同士になるやいなや、読んでいて恥ずかしいくらいのラブラブっぷりが展開されることに。セリフも思わず赤面してしまうものが多かったですw
中盤くらいから、かなりラブラブになる海斗と京香なのですが、気になった点もそこにあります。

というのは、京香は家出をしてきたわけで、「何故家出をしたのか?」という重要な部分を、海斗が聞きだそうとする場面があります。
そこで、自分の非常にデリケートな部分に踏み込まれた京香が「あんたはあたしの何なのよ?」とか云うんですよね。
あれだけ、ラブラブしていて恋人同士、という単語が頻出するにも関わらず、「あんたはあたしの何なのよ?」は流石にないんじゃないかなぁ……と。かと思うと、あっさりとまたラブラブ状態に戻ったり……。
そんな調子で、終盤は、京香の感情の変化の振れ幅がかなり大きくて、ちょっと置いてけぼりを食らってしまいました。


まぁ、それは置いておくにしても、ラストが締まらなかったのが、本作の最大の気になった点でしょう。
結局、何となくなし崩し的に、家出するきっかけとなった家庭での軋轢に、真正面から向かう事にした京香なのですが、まさにその瞬間に物語が終わってしまいます。

もう少し、京香と彼女の家族の抱える問題を提示したり、又、それに立ち向かい、云うなれば幸せを勝ち取るまで、を描いて欲しかったな、という感じです。
先にも書きましたが、テンポが良くストーリーはスムーズに進んでいきます。けれども、グッと重みを増すパートもやっぱり必要だと思います。そこが、本作の場合ラスト付近なんですが、あまりにもサラリと流れてしまって、余韻もなく終わってしまったのが残念でした。



スムーズな展開と、恥ずかしいくらいのラブラブな描写があるわけですから、もう少しラストを丁寧に描いていたなら、より良い作品になったのではないかと思います。

全体で見れば、少し物足りなさはありますが、王道の展開と、赤面するくらいの甘酸っぱさを味わいたい方は、是非プレイしてみて下さい。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-04-16 19:29 | サウンドノベル


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