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2012年 07月 01日

フリーサウンドノベルレビュー 『You'my Sweet』

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今日の副題 「それは“手軽さ”の代償」

ジャンル:脱出系アドベンチャー
プレイ時間:コンプリートまで1時間程度。
その他:選択肢アリ、グッドエンド2、バッドエンド11
システム:NScripter

制作年:2011/5/7(Ver.1公開)
容量(圧縮時):28.8MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は、少し懐かしい手触りと、今風の要素が盛り込まれた、所謂“脱出系”のアドベンチャーゲームの紹介です。
というわけで、今回は「ペリさん」さんの『You'my Sweet』です。
良かった点

・一気に読了出来る、良い意味での軽さがある。

・クリアマップシステムが斬新。単なるエンドリストに+αが加わっている。


気になった点

・もう少し、現代的なネタを作中に盛り込んで欲しかった。

・もうちょっと、怖いシーンがあっても良かったかも。

ストーリーは、サイトのURLを張っておきましょう。こちらからどうぞ。



というわけで、夏が近づいてきたので、少し怖い要素のある作品を、と思って本作をプレイしてみました。
ストーリーを簡単に纏めると、ニコ生のオフ会で知り合った面々が、そのオフ会の流れで廃墟探検を行います。行きはよいよい帰りは怖い、で、自分たち以外の人間も廃墟にいるようで、入り口が封鎖されてしまい……というタイプ。

こうした脱出ものは、昔から人気がありますね。私の大好きな『柵の淵』なんかも、その系譜に入りますし、『Bisque Doll』とか、不朽の名作『1999ChristmasEve』なんかが、フリーのノベルゲーム(アドベンチャー?)では有名ですよね。

本作も、そうした脱出モノの流れの中で生み出された作品と思しいのですが、何とニコニコ生放送発のノベルゲーム、だそうです。作中の設定も、そうした部分が活きていますね。
ニコ生と思しき生放送コンテンツで出会った面々がオフ会を開く。そして、全員HNで呼び合うとか、それっぽい雰囲気を醸し出しています。
そういえば、オフ会を一つのテーマとして、且つホラーやサスペンスの要素を持っている作品、と云えば『アクマオフに行ってきた訳だが』という作品もありました。

それはさておき、本作の良かった点は、「良い意味での軽さ」を持っている、という所でしょう。
五人の登場人物が、全員ハンドルネームで呼び合うのですが、キャラクターがごちゃつく事もなく、比較的読みやすい文章だと思いました。ライトなノリで読んでいく事が出来ますし、結構頻繁にチャプターが分けられているので、サクサク感があります。
なので、グッドエンドまで到達しやすいのです(裏を返せば、少し物足りない、という事でもあるのですが)。大体、グッドエンドを見るのに掛かった時間は40分くらい。このくらいなら、一気に読める尺ですよね。

どのくらいの尺を短編、中編、長編と呼ぶかは、個々人の判断に拠るんでしょうけれども、私としては1時間半~2時間くらいが「標準」=中編、という感触です。一気に気持ちよくプレイ出来るかどうか、私はプレイする作品を選ぶ時、ちょっぴり気にします。


作品としては、先にも述べました様に、かなりオーソドックスなタイプの脱出ものなんですよね。
ただ、伝統的な脱出ものに+して、非常に現代的な要素が含まれており、そこが作品の一つのキモになっているんでしょうね。
その現代的な要素とは、ツイッター(作中ではボカして別の名前のサービスになっていましたが)。ゆるく他人と繋がる事が出来て、140文字でつぶやきを投稿出来る、という例のアレです。

このツイッターが事件の真相にたどり着く為の手掛かりとなっており、他の作品と一味違ったアクセントになっていました。
が、反面、もう少しこのツイッターを活かす事が出来たような気もします。中盤になって急にツイッターがフィーチャーされてくるのですが、前半からチラホラ、このツイッターを使ったネタとかがあると、もっと奥行きが出るかもしれません。

お察しの通り、本作のホラー要素は、「お手軽に顔も知らない他人とコミュニケーション出来るが故の悲劇」のようなものなのですが、その点、押しが足りなかったかな、と。
もう少し、ちらっと言及されるブログとか、或いは、ニコ生自体ももっとネタとして、作品に活かしていけたのかもしれない、という感じがします。そうする事で「現代の恐怖」みたいな、恐さも補強出来たんじゃないかな、と。


攻略とも関わるのですが、本作、クリアマップシステムというのが斬新で面白かったです。
チャプターチャプターをクリアマップとして切り取っていく。そしてそこで、どう分岐が発生したのか、が一目で分かるようになっています。単なるエンディングリストより、視覚的に見やすくて面白い試みだったと思います。

さて、攻略なのですが、「フラグによる分岐」と「選択肢による分岐」の二種類がある、と考えると分かりやすいのではないでしょうか。
選択肢によってドンドンフラグが追加されて、というのとは、また一味違う感じですね。
ですので、クリアマップから「フラグアイテム」をセットしたうえで、或るチャプターから読み直す、なんて事も出来るわけです。これはプレイヤーには嬉しい機能ですね。



大体こんな所でしょうか。
もう一押し、ニコ生発ならではの要素、或いは世の中に氾濫するブログやツイッターを作中に絡める事が出来れば、奥行きが出たかもしれませんが、お手軽に繋がる事の出来る現代、の負の面を描いた作品として、面白い作品でした。

ツイッターをガシガシ使っている人は、ちょっとヒヤッと出来るかもしれませんw



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-07-01 18:37 | サウンドノベル


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