久住女中本舗

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2014年 03月 09日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『Summer Girl ―夏の少女とボク―』

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道玄斎です、こんばんは。
やっとこさ、少し色々とゆとりが出来たので、プレイしようとため込んでいた作品を遊んでいます。今日は、その中でも、かなり短めの作品ですね。
というわけで、今回は「mint wings」さんの『Summer Girl ―夏の少女とボク―』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。



今回は、凡そ20分程度で読了してしまったので番外編です。
主人公大輔が、幼い頃に体験した、ちょっと不思議な出会いを描く、ノスタルジック短編作品。ふりーむの一言作品紹介欄に「心ほぐす 一般向けビジュアルノベル」と、書いてあるのも頷けます。

皆さんがフリーのノベルゲームに求めるもの、って何でしょう?
ゲーム性? ストーリーの良さ? イラストの良さ? それとも、どれだけ商業作品に近付いているか?
様々なご意見、あるかと思います。ちょっと、最近、色々な人との関わりの中で、そうした「フリーのノベルゲームに求めるもの」を意識してしまう場面がありました。

まぁ、別に「フリーの」と限定しなくてもいいっちゃいいんですが、兎にも角にも、色んな人が、色んなものをゲームに求めているわけですよね。ストーリーは二の次で、エロ要素が強けりゃいい、なんて人もいるわけですしw

たまに目にしたりするのが、「俺は○○という立場で、ノベルゲームを捉えている。よって、そこからはみ出たものは認めない!」「ノベルゲームは△△じゃなければいけない!」なんてタイプの人。一本、自分の意見を持っていて、そういう所は素晴らしいと思う一方で、私は、どうにも、そうした意見には賛同出来なかったりします。

私は本当にいい加減なので、「その時その時、自分が楽しんでプレイ出来て、何か心に残るものがあれば、それでいい」みたいな考え方です。
同じ作品をプレイするにしても、プレイする時間帯とか、その時の自分の精神状態とか、或いは、自分の身辺の事情とか、そういったファクターで個々の作品は、結構色が変わって見えたりします。

うんと単純な話だと、失恋した直後に、失恋の悲しみを描くような作品をプレイしたとしたら、それが割とありきたりな演出だったり、よく耳にするお馴染みのBGMを使っていた作品だとしても、結構グッとくるんじゃないでしょうか?

そうやって考えていくと、或る意味で、ありきたりな、オーソドックスな作品っていうのも、それが「オーソドックスだから」という理由で排除される謂われはないんじゃないかな、と。
オーソドックスな作品に対して、個人的な楽しさなんかをもっと積極的に見いだしてもいいんじゃないか? なんて思っています。それでも「ちょっとこれはなぁ……」と思う作品があれば、言及しなきゃいいだけですしw


と、いつにも増して前置きが長くなりましたが、本作も亦、割とオーソドックスな手触りを持つ作品です。
祖母の住む田舎にやってきた、主人公大輔が、駄菓子屋さんで働く一人の不思議な少女と出会い、少しづつ惹かれていく……というもので、「(主人公にとって非日常的な)田舎での出会い」「不思議な少女」など、部分部分を切り出してみれば、きっと、目にしたことのある設定だと思います。

又、舞台が夏である為、少女の衣装も白のワンピース。
少女らしさと、夏っぽさ、そして微かなまぶしさを感じさせてくれます。

そういえば、大輔と、不思議な少女のぞみは、年齢差がちょっとあるようです。
大輔の方が幼くて、のぞみは大輔にとってお姉さん、という位置づけです。この年齢差が、実は作品のノスタルジック感を増して、素敵なものにしていたと思いますよ。
これが、同い年の少女で、例によって例の如く、彼女にハッキリと恋心をおぼえてしまう……なんて事になっちゃうと、この尺だと、流石にちょっとね。そういうストーリーがあっても当然いい訳ですけど、そこに説得力を持たせる為には、もう少しエピソードを積み上げた方がいいのは、云うまでもありません。

大輔の、のぞみに対する、恋未満の、ほのかな憧れ、みたいな雰囲気がラストまで効いています。
作品を彩るBGMの選曲も、とても良かったと思います。確かにノスタルジックな雰囲気が出てますし、夏のまぶしさの中にある翳りのようなものも感じさせてくれます。

20分くらいの短めの作品ですし、今は、春なのでちょっと季節はずれているのですが、私は、本作を何だかとっても気に入ってしまいました。作品全体を包み込む、優しい手触りも魅力的です。
最近、忙しさなどで、固くなっていた私の心も、少しほぐれた気がします。

良い作品だと思うので、是非遊んでみて下さい。
ダウンロードだけしておいて、夏にプレイしてみる、なんてのも乙かもしれませんよ。



それでは、また。



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by s-kuzumi | 2014-03-09 18:03 | サウンドノベル | Comments(6)
Commented by ねーむ at 2014-03-10 07:56 x
「フリーノベルゲームに何を求めるか」については、難しい問題ですね。
私はどちらかというと道玄斎さんと同じく、「その時その時、自分が楽しんで~以下略」という考え方です。更に強いて言うならば、「自分が楽しめる作品を探している」ですかね。

しかし、自分が楽しめない作品が全て嫌いかと言うと、答えはNOで、どちらかというと殆どが好きです。何故ならオーソドックスだろうと、似たような話の流れだろうと、作者がどんなに隠しても確実に思考や意志が顕著に作品に現れるからです。

ゲームをする上で、「作者はどんな思考をして、どんな人で、どんな人生を生きているのだろう」と想像して、妄想に浸るのも私の一つの楽しみ方ですw。

色々な人が来て、話だけして去って行く。そんな物語があった気がしますが、私はフリーノベルゲームをそれに似たものと捉えているのかも知れません。無料で話をしてもらえる。最高です。

自分と違う価値観や思考。面白い!私はそう思います。



Commented by Low at 2014-03-11 19:40 x
『Summer Girl ―夏の少女とボク―』
けっこう 普通を切り取った お話も好きです。
リアル寄りのこおいう話のほうが好きなのかもしれません。
あと おねーさんも好きです。(・・・・・)
物語を読むときは それなりの精神年齢になります。だから自分は おねーさんより若いのです。

さて 自分は  フリーのノベルゲームに何を求めているのだろう。
あんまり 考えたことありません。
やり始めたのは 暮れに買い置きの文庫本がなくなったので なんとなくネットに読むものあるかなあと思っただけ。

あ フリーと言うのを求めたのかな。  無償で読めるものと・・・・

で 『ひとかた』と『ナルキッソス』で 嵌り。『BEYOND THE SUMMER』で 戻れなくなったと。

てか 普通の読書の分野も広がりました。恋愛もんなんて いままでは読まんかった。

フリーて 作り手のこだわりが 出るのではと思っています。(商業もの読んだことないのでないので唯の思い込みですが^^;)
Commented by 西日本 at 2014-03-12 03:35 x
「フリーゲームに何を求めるか」
相変わらず道玄斎さんは面白い考察を展開されていますね。

私の場合は、『ナルキッソス』でフリーゲームの底力と可能性(実力派有名声優や音楽編集者の起用や、死生観・宗教的観念を素材とした内容展開など。)を体感させていただきました。おかげで、ライターである片岡氏が活躍されているパソコンゲーム(18禁含む)の方面にも関心を抱くという自体になりつつありますが・・・・・・。

要するに、フリーゲームに求めるものは、各々が持つ個人的趣向によるものであって、絶対的なものなど存在しない(むしろしてはならない)のです。
過激な表現を示される作品もあれば、メルヘンチックな作風の内容のものも、同じ紹介サイトで並べられている。
個々の作品の個性を評価するも良し。それぞれの作品の持つ持ち味を上手に組み合わせて(戦略ゲーム風ボーイミーツガール系など)新しいジャンルを考えてみるのも最高でしょう。

新たなひらめきや感動が生み出される接触点。
これこそフリーゲームに期待していることかもしれませんね。
(道玄斎さんと意見がかぶっているような気がしますが、稚拙な意見に目を通していただけると幸いです。)
Commented by s-kuzumi at 2014-03-12 17:53
>>ねーむさん

こんばんは。コメント有り難う御座いました!

「何故ならオーソドックスだろうと、似たような話の流れだろうと、作者がどんなに隠しても確実に思考や意志が顕著に作品に現れるからです」

この一文、凄く良く分かりますw
やっぱり、どこかに、その作者さんだけの「味」って出てきますよね。一応話の流れ等で作品をグルーピング出来る一方で、目の前にある作品は唯一無二のものでもある、というか。

「微細な差異に注目してもしょうがないだろ」とか云われちゃったら、ちょっと困っちゃうんですけどもね。

色々書いてみたものの、私は、どうやら、「一応、ストーリーがある」作品が好きみたいですね。そうでないものも過去に取り上げていますが、「特に何も起きるでもなく終わっていく」みたいな作品はあまり取り上げていないハズですw


自分と違う価値観や、思考が面白い、というのは大賛成です。それをただ否定するだけじゃつまらないですしね。


ともあれ、コメント有り難う御座いました。
また、お気軽にコメント等して下さいませ。
Commented by s-kuzumi at 2014-03-12 17:58
>>Lowさん

こんばんは。コメント有り難うございました!

いや、多くの人のきっかけも、そんなものかもしれませんよ? 「フリーで(ただで)読めるものを探していた」っていう。

かく云う私も、無聊を慰める為、「遊びたい時にすぐにダウンロードが出来、遊ぶ事が出来る」という、部分で、フリーのノベルゲームに耽溺していったような部分、ありますからw

ノベルゲームから始まって、一般の読書にまでレンジが広がる、というのは素晴らしい事だと思いますよ。「ノベル」とありますけど、ノベルゲームと小説には、やっぱり一枚大きな隔たりがあると思いますし、どちらも楽しめれば、一番いいですよね。

私は、ノベルゲームばっかりプレイしていると、普通の本が恋しくなり、普通の本ばっかり読んでいると、今度はノベルゲームが恋しくなったりする今日この頃ですw
Commented by s-kuzumi at 2014-03-12 18:34
>>西日本さん

こんばんは、コメント有り難う御座いました!

ねこねこソフトですか。老舗のメーカーですよね。一時中断があったとは云え、長く続けられるのは素晴らしいですよね。
ちなみに、余談(宣伝?)ですが、PS2版の『スカーレット ~日常の境界線~』には、私も一曲提供させて頂いておりますw 宜しければそちらの方もw

で、おっしゃる通りで、「○○でなければならない」っていうのは、ちょっと凝り固まりすぎてるかな、と私も思いますよ。強い主張が出来る、ってのは良い事だとは思うのですけれども。

ジャンル間の接触は、半年とか一年単位で制作する商業より、サクッと作れるフリーの方が優れてるかもしれませんねー。その時の旬なものをすかさず取り入れたり、色んなものを混ぜてみたり……。


一方で、「何でフリーで公開してるの?」っていう、作者サイドの事情も気になる所です。
フリーか非フリーかって事で、それぞれメリットもデメリットもあるんですが、まぁ、下手な考え休むに似たり、という事で、あまり深入りしないようにいたしますw

どうぞ、またお気軽にコメント下さいまし。


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