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2014年 05月 03日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『明日へ踏み出す、僕の物語』

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道玄斎です、こんにちは。
今日は、ちょっと気になっていた短編作品をプレイしました。プレイ時間が凡そ20分程度でしたので、いつものように番外編で。
というわけで、今回は「Project TKM」さんの『明日へ踏み出す、僕の物語』です。ダウンロードはこちらのページから指示に従って下さい。

過去に、このサークルさんの『forever more ~俺と彼女の、奇跡の5日間~』を取り上げた事もありました。また、レビューこそしていないものの、『夏色流星群』という作品もプレイしています。
このサークルさんの特徴は、「新王道宣言」なるものがなされている事からも分かる通り、王道の良さや面白さを追求していく、そういう作風のようです。

が、本作『明日へ踏み出す、僕の物語』は、実験的な要素もあるようで、王道とは違う、暗めのストーリーとなっています。いや、もっと云ってしまえば、「ストーリー」というよりは、その一部のような手触りです。

主人公は所謂引き籠もり。
大学三年時に、或る事件があって以来、人間不信に陥り、部屋から出る事が出来なくなってしまいます。そんな彼が、何とか引き籠もりからの脱出するきっかけを見つけた……という所で、物語は終了です。
もう少し長い物語でしたら、本作の内容は「序章」や「第一章」に相当するような、そういう感じでしょうね。

何とか引き籠もり脱出のきっかけを見つけた主人公が、これから奮闘して、少しづつ大袈裟な云い方で云えば、社会復帰を目指していく。ただ、その道は順風満帆ではなく、色々な困難を伴ったものである……。
みたいな、全体のストーリーがひとまず想定されるのですが、本作はそうした大きな物語の一部、という印象があります。

故に、この作品が、何か未完成のダメな作品か、って云ったら、それも違うなぁ、と思うのです。
確かに実験的だと思いますし、起承転結(や、序破急)みたいなストーリーの流れも薄め。
けど、主人公が悩む事となる、過去の出来事に関する描写が限りなくリアル。「こ、これはもしや実体験なのでは……」と思わず考え込んでしまうような説得力が存在しています。

主人公の身に降りかかった出来事とは、ご多分に漏れず「女性絡み」の問題です。
この主人公の過去の回想が兎に角リアルで、「いや、こういう事ってマジで良くあるよな……」とw
そして、男の方は、女性から手ひどく袖にされると、結構傷つくものなんです。半年とか一年くらい、それを引きずるなんて当たり前。数年引きずってしまう、なんて事だって良くあるんです。

大体……女性の方から別れを切り出される時って、女性の方には次の相手が既にしているんですよねw だから安心感を持って、今付き合っている相手を捨てる事が出来る。一方、男の方は、別れ話が青天の霹靂なわけで、取り乱して、醜態をさらす事に。男ってバカな生き物です……。

でも……。そんなに何年も引きずってしまうくらい相手の事が好きだった。その気持ちくらいは自分で褒めてやってもいいんじゃないでしょうか? 世の中には女と男がいるわけで、そういう手ひどい振られ方、なんてのも実は割とありふれたものです。

女性みたいに直ぐに気持ちが切り替えられる、っていうのは、ちょっと羨ましい気はしますけれども、そう出来ない以上は、何とかそれでやっていくしかないわけで。
そこまで相手の事を好きでいられた自分、を肯定してやる、っていうのは意外と大事なのかもしれませんよ。勿論、ストーカーとかになっちゃダメですけどw

こういう問題って、女性の側にも当然問題があって、既に新しい相手がいて、早く目の前にいる男と縁を切りたいのは分かるんだけど、なんつーのかな、とりつく島がなさ過ぎるというか。
新しい相手を作る前に、ちゃんと別れるというプロセスを経て、それから次に別のヤツと付き合えばいいじゃないか、と。そして、或る程度納得感というか、「別れる」という合意を形成して欲しいですねぇ。

本作のように、別れ際になって、今までの不満をぶちまけられたり、こちらの話を100%聞いて貰えない、なんて状況になったら、本当に男は多大なダメージを負ってしまうのです!
そういう時に、方便というか、「優しい嘘」というのも大事なんだと思いますよ。何も今までの恨み辛みを云わなくたって、円満に別れる方向っていうのも残ってると思うのです。優しい嘘が、男女を救うのではないかと、私は思ってますw


と、まぁ、ど派手に脱線しましたけれども、主人公の過去の重さ、そしてそのリアリティが、プレイヤーに何かを突きつけてくるような、そういう激しい何かを感じさせてくれる、という点で本作を取り上げる事にしました。
「こんな酷い体験した事ねーよ!」って人もいるでしょうし、「俺は別に女に袖にされたからって引きずらん!」って人もいるでしょう。

けど、ある種の人には、物凄く響く作品だったのも、亦確かな事だと思うのです。たまには、一般的な意味での「面白い作品」ではなく、こういう、人を選ぶかもしれない作品も紹介したいですよね(ちょくちょくやってるつもりなんですけどもね)。

こうした実験的な作品を経て、次にリリースされる作品がどんな「王道」になっているか、今から楽しみにしています。女性……にはあまり響かないと思うのですが、恋愛で苦い経験のある男性は、ちょっと痛いかもしれませんが、プレイしてみると面白いと思いますよ。



それでは、また。



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by s-kuzumi | 2014-05-03 17:49 | サウンドノベル | Comments(0)


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