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2014年 08月 24日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『今日僕は自殺をします』

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道玄斎です、こんばんは。
今日は、久々のノベルゲームレビュー。全ルートをオマケまで含めて見ても、20分といった所なので、今回は番外編です。
というわけで、今回は「闇黒天使」さんの、『今日僕は自殺をします』です。



ちょっと前に、ファンタジーの要素を取り入れたノベルゲームにまつわるヘンテコ話をしたのですが、今日取り上げる作品の作者さんは、ファンタジーノベル作品、『クレイズン・ハート』というものもリリースしていたりします。ちょっと女性向けのテイストを感じますが、興味があれば是非是非。


「自殺」を一つのテーマに据えた作品を、ちょくちょく目にするようになりました。
それもこれも、発端は『ナルキッソス』だったように思います。『ナルキッソス』を目指して作られた作品がある一方で、また別の切り口から自殺の問題……もっと云えば、「生と死」の問題に取り組んでいる作品も増えてきました。

中には「これはちょっとなぁ……」と思ってしまうものがあるのですが、非常に大きなテーマを扱うものですから、真剣に作ってあったりして、概ね、力作が多いような気がしています。

そうした「自殺」を扱う作品群の中で、本作は「割とシンプル」に作られているのではないでしょうか?
フルボイスで(声優さんは皆、好演でした!)、気合いの入った作りなのは、間違いないにせよ、シナリオそのものは、じっくり読んで(聞いて)も、10分そこそこ。

一つには、少しづつ、自殺に至るまでの道筋を描き、そして「死ぬか生きるか」の選択を描くのではなく、主人公が「今日、自殺をする」と決心する所から物語がスタートする、という部分と関係があるのでしょう。
「最後の一日」を焦点化していく、という手法ですね。


本作には、面白い試みがいくつもありました。
一つは、「セーブ/ロード」が出来ない、という事。更に、スクリーンショットを見て頂ければ分かる通り、「自殺する」という禍々しいボタンが、基本、画面に表示されていますw

基本的に、プレイヤーが主人公の自殺決行のタイミングを制御出来る、という事なのですが、「いつ自殺するか」が、エンドを分けるのです。選択肢を使わないエンド分岐というわけで、これは中々面白い仕掛けだったと思いますよ。まぁ、或るタイミングでは自殺ボタンを押しても、「今は様子を見よう……」みたいな感じで、自殺出来なかったりするのですがw

主人公が「自殺へと至る理由」の方は、比較的オーソドックスなものなのですが(所謂、イジメです)、そうした作品の仕掛けの部分が、この作品を特別なものにしていたように思えます。
プレイしながら、場の流れを読んで、自殺ボタンをクリックする。そうする事で、トゥルーエンドへの道筋も拓けてきます。

更に、トゥルーエンドの方では、「死ぬ」という意味が逆転したりして、そこは素直に「おお、上手いなぁ!」と思いました。一発でトゥルーエンドに行くのは難しいかもしれませんが、尺自体が短いので、何度か試してみれば、すぐに到達出来るはずです。

所謂、エンターテイメント、とはちょっと違う雰囲気の作品ですが、これも亦、やはり楽しめる作品だと思っています。作品の作り(構造)的な部分で、あれこれ考える事も可能でしょうし、ストーリーを味わう、というのも勿論アリです。バッドエンドを楽しむ、という遊び方だって当然可能(バッドエンドが楽しい作品もありますからね)。


そういえば、後書きにて、「敢えてイラストを付けなかった」という事が記されているのですが、私はそれは大正解だと思います。
昨今、フリーのそれであっても、「綺麗(や、可愛い)イラストが付いているのが当たり前」というような風潮すらあるわけですが、敢えて、イラストを排除して雰囲気を作っていく、という方法は、私はとっても好きです。

確かに、美麗なイラストがついていれば、それだけでダウンロード数が跳ね上がります。
けど、好きに作ってるものなんですから、ダウンロード数だけを絶対に価値基準にする事はないんですよね。そりゃ、多いに越したことはないんですがw

本作の場合、イラストこそないものの、やはり、タイトルワークが目を引くので、そこでダウンロード数は補填出来てるんじゃないかな、なんて勝手に思っていますw 完全に余計なお世話ですが……w


さて、作品については大体これくらい、なのですが、今日はちょっと久々なので、蛇足を書いていくつもりです。

本作の主人公は、所謂イジメにあっていて、それが為に、自殺を決心するわけですが、「学校という場では、なかなかイジメの問題は解決しないだろうなぁ」というのが、私の正直な所感だったりします。

そもそも、当たり前の事なんですが、学校というのは結構矛盾に満ちた空間です。
「イジメはいけないんだよ」と教えている教師が、職員室の中でイジメをやっている、なんて事は日常茶飯事なのですから。子ども達の中で発生するイジメに教師も加わっていた、なんてニュースも見たことありますでしょう?

学校を出て、社会に出たとしても、イジメは至る所にあります。
しかも、その手段はもっと巧妙になりますし、その被害は学生時代の比ではありません(休職に追い込まれてしまったら、収入がなくなっちゃいますからね)。

なので、学校は「イジメをなくそう」じゃなくて、「どうしたってイジメは出てくる」っていうスタンスの方がいいんじゃないかなぁ、なんて思うのです。
どういう場面でイジメが発生するのか、どうやって解決していくのか、そっちの方に重心を置いて、「イジメに対処する手段」というか、そういうものを学ばせる方が、意義があるように思えるのです。

勿論、対処出来ないような酷いケース、と云った例外はあるでしょうけど、基本的に「力のある奴がそうでない奴をイジメる」という構造自体は、あまり変化はしません。
「イジメはいけないよ」と、イジメそのものを全否定するより、「イジメはいつでもどこでも起こり得る」という立場で、それに対抗する術、逃げる方法を教えて免疫を付けてやる……というのが実践的かなぁ、なんて愚案致します……。


ガラにもなくあれこれ書いてしまいましたが、脱線はいつもの事なので、どうぞご容赦下さいませ。
ともあれ、今日はこの辺で。


それでは、また。



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by s-kuzumi | 2014-08-24 17:00 | サウンドノベル | Comments(5)
Commented by Low at 2014-08-24 22:50 x
だれか レビーしないかなあと 思ってました。
レビューとか 感想読みたかったもので。

そう思わせる作品でした^^

手紙が よかったなあ^^



いじめですかあ 
わたしも いじめられてたらしいですが 記憶にございません。 三歩歩いて 忘れる 鳥だったので。
軽い吃音ですので そんなことも あったのかも~

母に言わせると 良い先生(担任の理科の)に 守られたんだよ~といってましたが。 そーいえば 女の子何人かがきにしてくれてたような・・・先生に頼まれてたんだろう。  まあ 本人は ぱあなので ???と言う感じでしたが。
小学生の頃。

やはり 先生って大事だなあと 思われます。
Commented by 西日本 at 2014-08-27 02:48 x
ふと道玄斎さんのお話に、疑問を抱いたので一言。

ナルキッソスは自殺をテーマにしているというより、
生者でも死者のいづれにも属さない人の葛藤・優しさを描写した作品であるように思われますが・・・。
けれども、純粋に「自殺」を引き金に、物語が展開していく作品であるという点において、非常に興味深いとは思われます。

Commented by 西日本 at 2014-08-27 03:09 x
私も僭越ながら、イジメという少々持て余しがちな問題に対して愚見を少々。

イジメという行為そのものが、誹謗や暴力・脅迫という、精神的かつ肉体的に他者を攻撃する事であり、同時に自己の欠点から他者の意識を逸らすが為の、一種の防衛行為であると、教育関係者の方々がよく唱えられています。

確かに、それが自分にとって都合の良い環境を構成する本能的なものである事は、古今東西の事例からも明らかでしょう。

ただ、イジメ=自殺or抑えるものという奇妙なイメージが、この数十年間で妙に流布しているものと思います。イジメによる結末よりも、その言葉を忌避する風潮が今現在多々見受けられるような気がします。

だから、イジメイクナイという定型文を連呼するよりも、人それぞれの考え方が存在するという事実を、道玄斎さんのノベル紹介などを通して間接的に伝えていく必要があるのかもしれません。

突然の教員志望の戯言、お付き合い頂き有り難う御座いました。
Commented by s-kuzumi at 2014-08-27 10:20
>>Lowさん

おはようございます。

最後の手紙が良かったですね! ああいうのがついていると、何だか救われた気になりますw

今、この夏最後の忙しさがやってきているので、何とか耐えて、またゲームで遊ぶ時間を確保していきたいですw
Commented by s-kuzumi at 2014-08-27 10:25
>>西日本さん

おはようございます。

仰る通りだと思いますよ。
『ナルキッソス』は自殺だけではない、というご指摘は、まさに正しいと思います。
であるからこそ、私も予防線を張って「テーマの『一つ』」という言い方をしているんですw 当然「自殺」だけに全てが収斂してしまうわけではないですからね。

問題は、その『ナルキッソス』から、その表面上のテーマである「自殺」だけを何となく無自覚に抜き出して……みたいな、作品がある、という所にあるような……。

まぁ、私の落書きのようなノベル紹介にどれだけ力があるか、は兎も角として、思った事、考えた事を素直に発信していけたらいいな、と思っております。

教員志望との事、是非頑張って下さい。
中々大変だとは思いますが、その分、普通のサラリーマンでは味わえないような、経験も得られますよ!


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