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2007年 07月 29日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『VOICE』

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道玄斎です。こんばんは。
今日は短いながら、なかなかに良い作品を引き当てました。
NOTE BOOK」さんの『VOICE』です。


良かった点

・短いながらもツボを抑えた作品構成

・ストーリーの素材が良い。

・癖の無い読みやすいテキスト。



気になった点

・中編もしくは長編でやって欲しかった。

・もう少し適切な音楽素材があったような気がする。

・消化不良の伏線らしきもの(男性の名前とか)が存在する。



こんな感じです。
ストーリーを軽く概観しておきましょう。


夢を諦め、生きている意味も分からないまま惰性で生活している男が、チャットで知り合った女性に会いに行く。
教えられた住所に行ってみると、そこは病院だった……。


こんな所です。

ほんっと惜しい作品です。
素材やネタ、文章力はあるのですが、短いプレイ時間の為に、作品の潜在的に持つ持ち味を生かし切れていない印象でした。

一見すると、良くあるタイプの話かと思ってしまうのですが、最後までプレイして見ると、どこか引っ掛かるというか、妙にプレイヤーを惹きつけるものを持っている作品だと分かります。
作品全体を見て、どこか光るものがあるのです。

最初にもいいましたが、これは短編作品にしてしまうのは惜しいです。
中編程度の分量にして、随所随所をもっと丁寧に描写していったなら、名作になる可能性を秘めています。

やはり、男性と女性はチャットで知り合っているわけですが、そのチャットの内容の描写なども必要だと感じました。チャットを通じて、男性がどのようにその女性に興味を持っていったか、又どのように救われていったかを描写して欲しかったです。
お互いの交流を描いていないと、本作のラストが妙に唐突に感じてしまいます。
又、もう少し、「実際に会った」あとの交流にも力を注いで欲しいと思いました。そうした二人の交流があってこそ、あのラストが活きてくると思うのです。

大まかなストーリーラインで示すと、

①男性がチャットで知り合った女性の所に行く。

②そこが病院である事に気付く。

③女性と会う。

④ラストへ。

とこんな感じで、割と平坦です。
例えば、ですよ?俺なら、こうするかな、というのを示してみます。

①男性がチャットで知り合った女性の所に行く。

②移動中の回想シーン。男性と女性のチャットでの出会いや、そこでの交流を回想する(わりとじっくりと描写)。

③目的地到着。女性が教えてくれた住所が病院である事に気付く。

④女性に会う。

⑤これをきっかけにリアルに、女性と交流していく。随所随所に実際の交流を通じてのエピソードも欲しい。

⑥男性の日常の描写。男性の夢とは何だったのか?何故夢を捨てなければならなかったのか?などの説明もこういう所で。そして自分がいかに女性とのチャットが心の安らぎとなっていたのか、という部分も示して欲しいですね。

⑦ラスト

と、こんな感じのが、いいかな、と個人的には思いました。
簡単な図式で、上手く説明出来ないのですが、やはり伏線の回収やラストへの必然性をもう少し持たせて欲しい、というのが素直な印象です。


短い作品で、何かいいモノ持ってるなぁ、と思わせる作品に久々に出逢いました。
本作が処女作らしいのですが、是非、分量を多くして本作のリメイクを作って欲しいですね。
結末部分に向けての因果関係・必然性を丁寧に描くことが出来たら、かなりの作品になるはずです。

次回作、期待しています。
あっ、出来たらNScripterとかで作って貰えると……(本作はLiveMakerでした)。
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by s-kuzumi | 2007-07-29 02:29 | サウンドノベル | Comments(0)


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