2007年 07月 30日

フリーサウンドノベルレビュー 『透明な優しさ』

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今日の副題「えいえんのやさしさ」


※吟醸
ジャンル:兄と最後に過ごした夏
プレイ時間:一時間~一時間半程度

その他:選択肢アリ、エンドが分岐。ちなみにデフォルトでフルスクリーン。右クリックからコンフィグにて、ウインドウ表示にする事が可能。

システム:NScripter
容量(圧縮時):52.5MB

道玄斎です。こんばんは。
先ず、謝らないといけません。今回、スクリーンショットにATOKのバーが映りこんでしまいました。ちゃっちゃと直せばいいのですが、何よりも早くレビューを書きたくて書きたくて。
又、名作を引き当ててしまったのです。スクリーンショットがちょっと失敗したけど、それよりも早くこの作品をお伝えしたい、という気持ちで一杯です。

さて、今回は「P.o.l.c.」さんの『透明な優しさ』です。
P.o.l.c.さんは、あの『手紙』などのサウンドノベルを手がけているところで、『手紙』をご存知の方は多いのではないでしょうか?

では、逸る気持ちを抑えつつ、いつものように。



良かった点

・多彩なBGM。それぞれが場面に良くマッチしている。

・丁寧に描かれたストーリー。伏線の回収もばっちり。

・ストーリーを通して、メッセージがちゃんと読者に伝わってくる。


気になった点

・立ち絵は、趣味が分かれそう。個人的には背景のみでも良かったような……。背景だけの方が作品にマッチしていた印象がある。

・少し詩的というか、難しく文章を書きすぎている所があり、すんなりと頭の中に内容が入ってこない部分がある。が、後半になるに従ってテキストは洗練されてくる。



ちなみに、選択肢アリのノベルです。
四つ+αのエンディングがあり、どのエンドでも一回攻略する事で、エンディングリストを見る事が出来ます。

このレビューでは、割と「新鮮」なサウンドノベルを紹介してきているつもりです。
発表されて間もない作品の非常が多いですね。所謂名作と言われるようなタイプのものは、優れたレビュワーさんが色々と書いて下さっているので、「新鮮」なサウンドノベルを紹介しつつ、名作や過去にプレイしたものなんかも織り交ぜていけたらなぁ、と。

本作は、最近リリースされたノベルの中で、ダントツの良さです。
ストーリーの良さもさる事ながら、そのストーリーを紡いでいく過程がちゃんと描写されているのは非常に良い点です。
妹が兄と過ごした最後の夏。入院している兄と妹の様子を一日一日と丁寧に描写しています。この描写があったからこそ、兄への感情の変化、大切なものは何か?という気づきに繋がるのです。
音楽も本作では重要なキーワードで、BGMの選定や使い方も非常に上手いと思いました。
兎に角、丁寧に作り込まれてるなぁ、というのが第一印象ですね。

勿論、本作にも欠点と言えるようなものがあります。
既にいくつかを書いたのですが、他に挙げるならば、病院の描写にリアリティがあまり無いのが気になった所です。
普通、病室というのは、静かに寝ている所です。個室であってもフルートを吹いたりは出来ませんよね?大抵の病室は防音設備なんてついていませんから、フルートの音は駄々漏れです。
入院した事のある方は分かるかと思いますが、入院患者同士のいざこざって大抵、「騒音」から生まれるんです。
いつもテレビを大音量にして見ているとか、深夜にラジオを付けているとか。そういう所から入院患者同士の喧嘩は勃発します。

そういう部分で、リアリティが少し足りないかな?と思いました。
が、あのフルートの演奏はストーリー上必然的なものだから、大目に見るべきでしょうねw
私だったら、屋上で吹かせるというのがパッと思い付くアイデアです。ただ、屋上も普通は入れないからねぇ……。

あとは立ち絵ですか、これは上にも書きましたが、好みが分かれる所です。
個人的には背景のみの方が、ストーリーの良さが引き立ったんじゃないかなぁ?と思います。


良い箇所は先に挙げた通りですが、丁寧な描写はやはり重要だと改めて感じます。
兄と妹の距離感や二人に存在する愛情、これを読者に理解させラストへ繋げていく為には丁寧にストーリーを描くことです。
又、様々な気になる伏線が張られていますが、それが結末に向けてちゃんと機能しており、ちゃんとその伏線を活かしているのは高ポイントでした。

妹が兄と過ごした最後の夏、という事でまさに今プレイすべき作品だと思います。
穏やかながらも夏らしいBGMも素敵でした。
評価は四としましたが、五段階評価だと五を付ける人も多いんじゃないでしょうか?
兎に角、かなりの名作です。是非是非プレイしてみて下さい。


それで、今週、俺はちょっと忙しくなるので、なかなかレビューをアップする事が出来そうにありません。ですので、今回はお詫びの意味も込めて少し長目の作品を選んだのです。

それはそうと、もし、宜しければ「これをプレイしてみて欲しい」「自分の作品のレビューがないぞ」とか、そういうのが御座いましたら、是非お気軽にコメントに書き込んで下さい。
成る可くご要望に応えられるようにしたいと思っています。

それでは。
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by s-kuzumi | 2007-07-30 04:44 | サウンドノベル


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