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2007年 08月 10日

フリーサウンドノベルレビュー 『フィンジアスの少女』

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今日の副題 「君を覚えている限り」

お勧め指数(五段階評価):三
ジャンル:ファンタジックミステリー(?)
プレイ時間:一時間~一時間半



道玄斎です、こんにちは。
今日のレビューは、「simple text」さんの『フィンジアスの少女』です。
今、サイトの方を見てみましたら、かなりの数のサウンドノベルが公開されていました。いや、私もプレイした事のある作品もあったり……。

本作は、敢えて言うならば「ファンタジック」で「ミステリー」っぽいお話しです。
意外と、今までファンタジーでミステリーというものは無かった気がしますね。そういう意味で「新しい」印象です。
一応、選択肢はあるのですが、基本的に一本道。



良かった点

・作品の雰囲気と背景やイラストが良く調和している。

・良くこうしたサウンドノベルで聞く音楽が多いものの、場面に合ったチョイスを行っている。



気になった点

・選択肢のある一本道ノベルの為か、選択肢の選び方によっては意味が通じない所がある。
例えば車の中で発作の起きたアルミーズを、師匠の家に運び込んで数日経った後、オルアーノが「調べモノをしている最中に倒れた」と話すのだが、これは別の選択肢を選ぶと場面とぴったり合う様になっている。

・作品を通して伝えたいものが見えにくい。




冒頭で書きましたように、錬金術が存在するファンタジックな世界のミステリー的な作品です。
フィンジアスという街を主要な舞台としていて、作品の雰囲気はなかなかのものです。中世イタリアみたいな、そんな感じかな。
ぼんやりとした背景と、イラストが上手くマッチしていて雰囲気作りに一役買っています。

ストーリーは、


錬金術の名門の家での殺人事件が発生する。家には妹アルミーズも居り、別居していたオルアーノ(次男)がアルミーズを発見した時、彼女は既に息を引き取っていたのだが、数時間後に生き返ったのだった。
殺人事件の真相は?消えた長兄は?オルアーノはアルミーズを引き取り事件について調べていく……。


とこんな感じ。

繰り返しになりますが、少し暗めではあるものの、雰囲気は良く出ています。
完全に「ファンタジー」という感じでもなく、電話が存在していたり、車があったりと「こちら側」の世界との共通点を持ちつつも、独自の世界観が存在しています。

どの選択肢を選んでも、ストーリーの本筋には影響しない、というのは賛否両論あるような気はします。単一の選択肢では見えない繋がりや、裏話などが見れる部分はちゃんと選択肢の意味があるのですが、ミステリー的な要素も強い作品ですから、「不正解」な選択肢も存在していて良かったのではないでしょうか。

一番気になったのは、全体的によく纏まった作品ではあるのですが、逆に伝えたいものが見えにくい印象があった事です。
ぼんやりと朧げな結末が、読者に対して訴えるものは勿論あると思います。
が、本作だと、何か明確な「結末」というか読者が腑に落ちる感じ、というのが欲しかった気がします。それは、ミステリー的な要素が強い事、選択肢によって裏話が分かる事という本作の特徴ともリンクする問題です。
そうした意味で、少し後半の結末部分が弱い印象を感じました。

とはいへ、本作が良質である事は確かです。
読みやすいテキストや、言葉に出来ない情緒のようなものが巧みに描かれています。
結末部分が弱い、と感じたのは私の感性でして、他の方はもっと違った印象を持つかもしれません。

そこまで長いプレイ時間ではありませんので、是非プレイしてみて下さい。
又、本作の他にも沢山の作品をジャンル別に公開されていますので、興味があればそちらもプレイしてみると良いかもしれません。
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by s-kuzumi | 2007-08-10 13:36 | サウンドノベル | Comments(0)


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