2007年 08月 13日
今日の副題 「パワー全開!」 ジャンル:ブラコン妹と兄の交流 プレイ時間:三十分程度 その他:選択肢なし、一本道。 システム:NScripter 製作年:2007/8/12 容量(圧縮時):14.4MB 道玄斎です、おはよう御座います。 さて、お約束通り「あおぞら幼稚園」さんの新作『思春期な妹』のレビューです。 多分、私が、世界で一番最初に本作のレビューを書いているかと思いますよ? 良かった点 ・「あおぞら幼稚園」さんお得意の妹&熱い展開。 ・兎に角凄い勢いとパワー。 ・テキスト部分が見やすさが格段に向上 気になった点 ・もう少し長めにして、妹と兄との関係なんかを掘り下げて欲しかった。 ・脇役が活かしきれていない印象。 やってくれましたね……。 以前のレビューで書きました通り、妙に中毒になってしまう「あおぞら幼稚園」さんの新作です。 本作は、最近続いていた「ファンタジック路線」ではなく久々の「熱血路線」でしょうね。 兄を無条件的に慕う妹と、妹に兄離れをして欲しいと願う兄。 この二人の関係、それ自体がテーマとなっています。 そして、ベタベタで甘甘な妹の描写は、「あおぞら幼稚園」さん特有のものですw 話自体は盛り上げるべき所は盛り上げており、全体の起伏、という意味ではしっかりと描かれていると思います。 ただ、もう少し日常のシーンにスポットを当てて、弥生とその友人やクラスメイトの描写、又、真悟と友人達の描写があるほうが良いかもしれませんね。 折角、血のつながりのある兄への恋心に対して、疑問符を突きつけるクラスメイトが出てきているので、「何故、兄が好きなのか?」という大前提や、「実の兄を好きになる事の意味」みたいなものを、弥生に考えさせても良かったと思います。それをフォローすべき春日さんという親友もいるわけですしね。 「兄檄ラブ!」という単純な勢いだけで弥生が動いている(いや、その勢いが魅力の一つなんですがw)印象で、ラストがかなりあっさりとしたものになっていました。 「お兄ちゃんは大好き。だけれども今は妹として側にいる」というラストの弥生の決心への、説得力が不足している気がします。 やはり、もう少し弥生が「兄との関係」をしっかり考えて、結論を出して欲しかったです。 その意味で、やはり真悟サイドからの妹の捉え直し、も必要だと思いました。 真悟が、妹をどのように見ているのか、彼にとって妹とはどのような存在なのか、という視点が無いとやはりラストが活きてきません。 勿論、それらしい描写は随所に出てくるのですが、何かエピソードに絡めつつそれが語られたり、と或程度、読者に印象づける形での描写が欲しいと思いました。 そういえば、妹視点・兄視点とそれぞれ、文章が存在しています。 今までは、殆ど、男性主人公視点から物語が進んでいたと思いますので、こうした試みは評価したいところです。 テキストに関してですが、読みやすさが格段に向上しています。 会話部分と地の文の間にスペースが設けられており、工夫が見られます。その為、非常にテンポ良く読み進める事が出来ますね。 あと先にも書きましたが、兎に角勢いとパワーが凄いです。 逆に言うと、勢いとパワーだけでここまで読者を惹きつける作り手は、珍しいです。 多くの絵師さんとコラボレーションしているのも、こうした作品の持つ魅力に共感してくれる絵師さんが多いからだと思われます。 いや、本音を言えば是非私も、一枚噛ませて頂きたいくらいでw 絵も描けないしアレなんだけれども、短編作品か何かで、少しでもお手伝い出来たらなぁ、と。 一応、大学では日本文学を専攻していたので、多少なりともお役に立てる事もあるかもしれないし、ないかもしれない……w もしかしたらレビューを書いている経験が活きるかもしれないし、活きないかもしれない……w 本作を一言で纏めると「(妹)パワー全開!」という事になるのかな。 短時間でプレイ出来ますので、今、フリーサウンドノベル業界で、一番元気の良いあおぞら幼稚園さんの入門にも最適です。 是非、プレイしてみて下さい。
by s-kuzumi
| 2007-08-13 07:26
| サウンドノベル
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