2007年 08月 22日
今日の副題 「To be, or not to be?」 ※吟醸 ジャンル:ミステリー&サスペンス(&ホラー?) プレイ時間:一時間半~二時間くらい(トゥルーエンドルートで) その他:選択肢あり。エンドが分岐する。暴力シーン、残酷・グロテスクな描写アリ。 システム:吉里吉里/KAG 製作年:2007/3/? 容量(圧縮時):7.84MB 道玄斎です、こんばんは。 今日は、コメントにてお勧めして頂いた作品のレビューです。 ということで、「西 邑倖」さんの『死に至る病』です。 いや、てっきり主人公が難病に掛かる例のパターンかな、と思っていたのですが、大間違いでした。大まかな区分けをすると「終末モノ」に近いのかな?という印象です。 良かった点 さて、こういうミステリーの要素の強い作品をネタバレを回避しつつ、レビューを書くというのは難しいものですね。 紹介して頂いた時には、まさかミステリー&サスペンスだとは思っておらず、プレイしながら軽い驚きを覚えました。 先ずはストーリーをサイトの方から抜粋しておきましょう。 食料難の世の中。 先程も書きましたが、終末の世界が本作品の舞台です。 全体をプレイしてみた印象では、ジャンルは「ミステリー&サスペンス」に加え、「ホラー」の要素も詰まっています。「サイコホラー」的な。 相性の良さそうなジャンルが一本の作品に詰まっていて面白さを相互的に盛り上げています。 何と言っても、読者を引き込んでいく文章・ストーリー。それが本作の大きな魅力の一つです。 第一章の暴動シーンあたりから、物語のテンポが加速度的に向上して読者を惹きつけます。 舞台が「病院」に移ったあたりから、ミステリーとサスペンスの要素が入ってくるのですが、色んな謎・疑問があるのにも関わらず、読者に「??」を過剰に感じさせない優れた構成力があると思いました。一つの疑問が解けると又次の疑問が頭を擡げてくる、といった感じで上手に、作品世界の中に読者を引き込んでいきます。 誤字の類も、ぱっと読んでみた感じでは「体型」とすべき所が「体系」となっていたくらいで、かなり少ないのではないでしょうか。 ちなみに、立ち絵は無く、背景とテキストのみのシンプルなスタイル。 これも作品の内容を考えると、こういうスタイルの方が断然マッチしていて良いと思います。 又、アイデアが良いですよね。 ネタバレになってしまうので、発言を最小限に留めますが、凄く面白い設定を持っていて、それが作品内容やタイトルに上手く結びついているなぁ、と。 ただ、何て言いますか、あの設定だと病院に居ようが居まいが、絶えず恐怖に苛まれ続けるわけで、「あそこ」から出たら意外とその設定が、すっきりと消化されてしまった感があって少し気になりました。「じゃあ代替案を出してみろよ」って言われたら出せないのですが……。 後は、背景画像ですかね。 物語内容が内容なので、そのままの画像を使うのを敢えて避けた、との事なのですが、もうちょっとシャープで、パキッとした背景だったら、もっと作風に合うと思います。 とはいえ、配慮しつつ苦心の結果こうした画像になったのだと思うと、欠点として挙げるのは少し忍びないものがあるのですが……。 トゥルーエンドも、一個の作品として纏まりがあってなかなか良かったのですが、ハッピーエンドなるものも用意されていて「誰も不幸にならない」物語を楽しめます。 個人的に好きなのはラブエンドですかね。物語のバランスを考えるとあのくらいのエンドがベストなのかなと。 バッドエンドは五種類あるのですが、ちゃんとエンディングリストが存在し、ヒントまで出してくれるという親切設計の為、割と迷わずトゥルーエンドに到達出来ると思います。 私ですか?四週目で到達しました……。三週目まで全部バッドエンドでしたが。 非常に隙がないというか、粗が無いというか、ハイクオリティの作品だと思います。 本編(トゥルーエンドルートかな?)は、チュンソフトの小説部門で奨励賞を貰っているそうで、本作本編シナリオの著作権も実はチュンソフトの方にあるようです。 テンポ良く進める事の出来るゲームですので、是非、プレイして「死に至る病」というのは、一体なんなのか、確認してみて下さい。 ※前半部分、御飯を食べる前にプレイはしない事をお勧めしますw ※8/22 午前三時二十分頃にちょっと加筆修正しました。
by s-kuzumi
| 2007-08-22 03:13
| サウンドノベル
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