久住女中本舗

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2007年 08月 24日

フリーサウンドノベルレビュー 『僕の愛したショコラ』

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今日の副題 「お菓子の国のお姫様」


ジャンル:宇宙人の女の子に料理を教えたり(?)
プレイ時間:三十分~四十分程度(一周)
その他:選択肢あり、多数のエンドが。
システム:吉里吉里/KAG

製作年:?/?/?
容量(圧縮時):110MB




道玄斎です、こんばんは。
昨日は、更新頻度が落ちるかも、とかいいつつ今日も今日とてレビューをぶちあげます。
今日は「LEVEL-ZERO」さんの『僕の愛したショコラ』です。



良かった点

・キャラクターはフルボイス。キャラと声が合っており好印象。

・オープニングやエンディングで数多くのヴォーカル付きテーマ曲が流れる。

・美麗なイラスト。立ち絵も一枚絵もかなりの水準だと思われる。


気になった点

・少し短すぎるかも。その為か料理を習いに来た、というアイの前提があまり活かされずに終わってしまったのは残念。

・エピソードの達成率は分かるのだが、どのルートが「トゥルールート」だか分かりづらい。

・音声処理に多少難が。声が必要以上に大きくなったり、音割れが生じていたり。




美麗なイラストと、ヴォーカル曲をふんだんに使ったオープニングに先ず驚かされますし、フルボイスなのもこだわりを感じます。

ただ、何となく全体的にあっさりし過ぎているというか、ストーリーの起伏に乏しい為、妙に希薄な印象になってしまっていたのは残念です。
ねらい所は良いとは思うのですが、やっぱり「惜しい」印象です。

ストーリーをサイトの方から引用しておきましょう。


ある日の朝、直樹と真琴が学校への道を歩いていると突然、真琴に落雷が。
しばらくして、真琴は何事もなかったかのように目を覚ますが、何か様子がおかしい。
問い詰めてみると、真琴の体を宇宙人が乗っ取ってしまったという信じられないような話。
宇宙人は3ヵ月後に母国で行われる料理コンテストにどうしても優勝しなければならず、
そのために料理のレベルの高い地球へやってきたらしい。
いやおう無しに直樹は3ヶ月協力することになる。
3ヶ月間の甘くて少し塩味の効いたチョコのような物語。



宇宙人であるアイが、幼なじみの真琴の体を借りて結婚から逃れる為に、料理修行にやってきた、という設定は面白いですし、SF好き(アーサー・C・クラークの短編オンリー)な私は面白いと感じました。ちょっとライトなSFみたいでこういうノリは結構好きです。

ですので、この作品の前提というか、キモは本当なら「料理修行」にあるんですよね。
それが、いつの間にかラブストーリーというか、青春物語の中に溶け込んでしまっていて、本来の目的が希薄になってしまっていた点、残念に思いました。

もう少し、本作が長めの作品であるならば、料理修行もきっちりと描きつつ、尚かつ普通の生活で、直樹やクラスメイト達のとのやりとりを通じての交流、みたいなものも描けたのになぁ、と感じました。

しかし、選択肢の多さと相俟って、エピソードは多彩で、所謂「お嬢様系」のキャラとの交流があったり、悩む友人を助けたり、告白されたりと盛りだくさんの内容となっています。学園ラブコメ的な要素はたっぷりと詰め込まれているので、そういうのが好きな方にはお勧め出来ますね。

一応、大部分のエピソードは見たのですが、どうしても埋まらないエピソードがあるんですよねぇ。逆に言えば、あのくらいの規模の作品に対して90を越えるエピソードが詰まっているわけで、満足感と同時に、やはりちょっと「プレイしづらいな」と感じる部分もありました。
ちゃんとしたスタッフロールやエンディングテーマの流れてくるエンドは確認しているので、恐らくそれが、「トゥルーエンド」なのでしょう。

他のエンドも、沢山あるのですが、ちょっとその中には尻切れトンボになってしまっている、エンドも存在していました。こういう所もやっぱり「惜しい」ですね。

作品の前提である、料理修行をしっかりと踏まえた上での、アイと他のキャラとの交流。そこをもう少し丁寧に描いて欲しかったです。ちょっと厳しい言い方をすれば、作品の向かうべき方向がブレてしまった、という感じです。

そうですね、例えば学園青春モノになってしまうのであれば、「料理大会の優勝者と強制的に結婚させられるから、修行に来た」という重い前提を取っ払ってしまっても良かったのかもしれません。単純に「何としても料理大会で優勝したから、留学(?)しました」みたいな、そのくらいのレベルに止めておいた方が、しっくりきたのではないでしょうか。


ちょっと厳しい事を書きすぎた感はあるのですが、美麗なイラストとふんだんなエピソード、そして全キャラフルボイスの作りは、本作の大きな魅力です。又、ヴォーカル付きのテーマ曲もかなりの力作だと思います。

ちょっとライトなSFが好きな方、或いは学園モノをとことんやりこみたい方には、プレイしてもらいたい作品です。
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by s-kuzumi | 2007-08-24 00:54 | サウンドノベル | Comments(0)


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