2007年 08月 26日

フリーサウンドノベルレビュー 『幻想世界』

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今日の副題 「秘密の花園」


ジャンル:学園百合モノ(?)
プレイ時間:30分~40分くらい
その他:百合描写アリ。
システム:NScripter

製作年:2006/8/3
容量(圧縮時):9.11MB



道玄斎です、こんばんは。
何だかこの一週間は割と重たい作品を多くプレイしたような気がしています。
容量もそうですが、内容的にも割と「重め」だったのかな、と。終末世界が舞台の作品とか多かったですよね。

それで、案の定というか、今度は軽めにプレイ出来る短編を探している最中です。
あっさり、さっくりとしていながらも、何か心に残るものがある、そういう作品を探しています。
さて、そんな探索をしつつ、ちょくちょく気になった作品はダウンロードしているわけで、「雪国の人」さんの『幻想世界』もそうした調査の最中に見つけてきた作品です。


良かった点

・背景画像とイラスト、音楽がマッチしている。貴族的で退廃的な空気を上手く表現している。

・意外としっかりとした構成。


気になった点

・若干の百合描写。苦手な人は苦手かも。とはいへ、15禁とかそういうレベルではない。

・捉えどころの無い、或る意味でぼんやりとした世界観。



ということで、やってみました。百合モノとして一部の人たちには話題になっていた作品のようですが、実際プレイしてみると、そんなに百合っていう感じでもなくて。
何て言うか、ちょっとませた思春期の少女の心の揺らぎみたいな、そういうテイストの作品です。

ストーリーを軽く概観しておきましょう。


数学のちょっとした天才児、中学一年生の在原ゆう架はある日、三年の菊田春子に声を掛けられる。内容は、「ある人の、数学の勉強を見てやって欲しい」との事。
春子に案内された場所は、クラブハウスの中、どのクラブとも分からぬ一室だった……。



ちょっと隠微な感じがしますがw 別に過激な描写があるとかじゃないですし、意外と抵抗感無く読んでいく事が出来るのかな、と。
テキストは、基本的にゆう架の一人称。ちょっとませていて、内向的な文学少女の心の中、みたいな文章で好き嫌いが別れそうな所です。私は割と好きなんですよねぇ。
自分が中学生くらいの時って、こういう感じだったような気がします。良いか悪いかは別としてw

あまり使いたく無い言葉なんですが、起承転結、という面から見ると意外としっかりとした構成だと思いました。ただ、「結局どういう事なんだ?」とか「だからどうした?」的な感想を抱く人も多いのかな、と。

本作で、最も重要なのは、その作品の「雰囲気」です。
「雰囲気」そのものが「内容」みたいな。そういう手触りです。

背景画像なんかとっても凝っていて、私は好きですね。そうですね、大正時代のモダンな建物みたいな、そういう画像が沢山出てきます。
そうした背景に併せて、作品内容にマッチしたイラスト、そして貴族的な倦怠感を持つ音楽が流れてきて、この三つの要素が織りなす世界は魅力的なものです。

ただ、内容に関しては、別に百合っていう程でもないし、特に盛り上がりがあるわけでもないし、なんだか淡々としていて、ある種の物足りなさを覚えるかもしれません。
しかし、ゆう架という女の子を通して描かれる、思春期の女の子の内面。これは結構興味深いものがあります。
移ろい易く、変化する事に戸惑いと憧れを併せ持つ、そんな微妙な年頃の心境そのものがこの作品の「雰囲気」なのかもしれません
ちょっとぼんやりと霞みの掛かった世界。まさに「幻想世界」的な雰囲気を持った作品です。


百合だなんだって過度な期待はせずに、「雰囲気を楽しむか」くらいに、気軽にプレイした方が良いのではないかと思います。
休日の午後にでも、アンニュイな空気を楽しみたい方は是非プレイしてみて下さい。

ちなみに、作者さんは文章をお書きになっている方なのかな?
サイトの方に、本作の補完小説がありますので、興味を持った方はそちらも読んでみては如何でしょう?
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by s-kuzumi | 2007-08-26 21:26 | サウンドノベル


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