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2007年 09月 01日

フリーサウンドノベルレビュー 『匣の中の楽園~ハコノナカノトモダチ~』

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今日の副題 「すぐ側にある世界」

ジャンル:青春ホラー
プレイ時間:30~40分くらい
その他:選択肢あり、バッドエンドも。
システム:NScripter(Macでプレイ出来るヴァージョンもアリ)

製作年:2006/1/17
容量(圧縮時):7.54 MB(NScripter版)


道玄斎です、こんばんは。
昨日はレビューが一本も出せなかったので、今日は(といっても日付をまたいでますが)二本レビューをぶち挙げようと思います。

白城るた」さんの『匣の中の楽園~ハコノナカノトモダチ~』です。
この作品は、コメント欄で紹介して頂いたものです。プロのライターさんが書いている作品ですね。

で……、えっと……、何て言うか今、サイトの方を閲覧していたのですが、今はBL系の作家さんって事みたいっすね……。あー、今回紹介する作品にBL的要素はありませんから、苦手な方も安心してプレイ出来ますよ。
まぁ、男の身としてはですね、BLってーと抵抗感がやっぱりあるわけなんですよ。だからこんなに歯切れの悪い書き方になってしまってw

文化的な側面から乏しい知識でモノを言わせてもらうと、男色の方が歴史は古いのかなぁ?って感じです。飽くまで書物として確認出来るもの、という限定条件付きですが。
私が知る限り、最も古い(そして実録!)男色の記録は『台記』ですかね。藤原頼長の日記ですね。
ちなみに、百合は私の知る限り『我が身にたどる姫君』なる作品が初出でしょうか?ちょろっと女同士で絡み合ってる描写が出てくるだけなんですけれどもね。
勿論、こちらは物語=フィクションです。この作品が書かれた正確な時期は分かりませんが、『風葉集』に名前が見えるので、文永八年(1271)より前だと分かります。
ま、素人の講釈はこの辺にしておきましょう。


以上、蛇足でした。

では、いつものように……。


良かった点

・30分程度の作品として、手堅く纏まっている。

・設定が面白く、思わず引き込まれる。

・Macユーザーでもプレイ出来る!(らしい)


気になった点

・イラストが微妙。最後までプレイすると愛着が出てくるのですが、苦手な人は苦手なタイプのイラストかも。意外とイラスト無しの方が作品の雰囲気にあっていたのかも?

・読み返しが出来ない文章がある。


それでは、ストーリーの方も紹介しておきましょう。


友人とのくだらない会話に飽き飽きしていた女子高生の「アタシ」。
片思いの相手のこともマジに話せない。
そんなとき、視聴覚教室のパソコンで偶然受け取ったメール。
メールの相手は「アタシ」の欲しい言葉をくれる。彼女こそ「アタシ」の親友……。

奇妙にゆがんでいく日常。
あばかれた恋心、さらされる秘密。
憎悪が視界を赤く染め、教室には沈黙が訪れる。

ほんの一瞬、あたしの人生を不思議色に染めたあの夏のオワリ──

ちょっと怖くてちょっとせつない、青春ホラー。全年齢向け。



ストーリーの前半部を見ると、「ありそう」な感じのお話しですが、後半からはホラーな感じが出てますね。このありそうな感じとホラー的な要素(サスペンス的なものもあるかな?)が上手に融合して、結構読ませてくれる作品です。

個人的にキモだな、と思ったのは主人公の瞳子(デフォルトの名前)は、最初は茶髪のジョシコーセーのお姉ちゃんなんですが、最終的に更生(って言うと大げさだけど)したと思しい所ですw
いや、もう現実世界では、清楚なあの子がどうしてこんな風に!ってな現象を厭って程みてますからね。せめてゲームの中だけはユートピアがあって欲しい。

纏まりも良く、普通に読んでいて面白い作品です。
ちゃんと導入部分があり、徐々に盛り上がっていく部分あり、一気に盛り上がる部分や最後の結末ありと、構成も確かです。
小道具の「ボトルメール」方式の「メーラー」が面白かったですね。
いや、調べてみると実在してるんです。500円掛かるソフトですが。こういう手あかにまみれていないちょっと変わった小道具を使うのは「アリ」ですよね。

けれども、プレイ後に思い返してみるとどうにも淡泊な印象があるんですよね。
何て言うか「持ち味」的なものが、少し希薄だったのかな?という感じでしょうか。

もっと荒削りでな作品でも、妙に印象に残るものもあります。
それは、やはり作者さんの「持ち味」が遺憾なく発揮されていたりする場合だと思うのです。
文章自体は確かなだけに、少し惜しいと思いました。もう一味どこかに加えるだけでグンと良くなるのではないでしょうか。
実は、第二弾の『ハコノナカノミライ』という作品もあるので、本作よりどれだけパワーアップしたのか、プレイするのが楽しみだったりします。


文章も確かで、プレイ時間も短くすんなりと楽しむ事の出来る作品だと思います。
ちょっとヒマな時にでも気軽にプレイして欲しい作品です。
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by s-kuzumi | 2007-09-01 03:35 | サウンドノベル | Comments(2)
Commented by 白城るた at 2007-09-02 22:23 x
こんにちは! レビューしてくださってありがとうございました。あまり感想とかいただくことがないので照れくさく嬉しかったです~。
淡白、と言われるのは実はゲームでも小説でも私のその………弱点でして。こう小さくまとまってしまうというか、ひとひねり、がとにかくできないんです。もう少しはっちゃけちゃうというか、破綻するとまずいですが、アクのようなものがないと、「作品」としては弱いのでしょうね。
日々精進の日です。いつか突き抜けるためにがんばります。

スクリーンショットについては紹介してもらってるんだから載せていただいてもいいんじゃないか、と思います。
clipdeskは私も愛用してます。あとWinShotというのも使いやすいですよ。
Commented by s-kuzumi at 2007-09-03 04:10
>>白城るたさん

久住女中本舗の道玄斎です。初めまして。
コメント、有り難う御座いました。いつも思うのですが制作者の方から直々にコメントを頂くと緊張しますね……。

飽くまで「淡泊」と評したのは私の感性の問題ですから、さらっと読み流して頂ければ。。割と辛口にレビューを書いてしまった所もあるのですが、文章も丁寧で、纏まりがあり私は好感を持って読むことが出来ました。
本当に、面白いゲーム、有り難う御座いました。
是非、今後とも創作活動を続けて下さい(出来たらフリーでリリースして頂けると……)。

スクリーンショットのソフトも紹介して頂いて、恐縮です。
WinShot、チェックしてみますね!


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