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2007年 09月 02日

フリーサウンドノベルレビュー 『桜舞う頃…』

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今日の副題 「願はくは花の下にて……」


お勧め指数(五段階評価):二
ジャンル:病弱な女の子と桜の花(?)
プレイ時間:三十分程度


道玄斎です、こんばんは。
私は桜の花が大好きです。「花は桜木、男は~」とか慣用的な言い回しになっている程に、日本人と桜は切っても切り離せない精神的な結びつきのあるものです。
私のように、世捨て人のような人生を送っていても、花の咲く頃には妙に気持ちがざわめきます。
というわけで、季節はずれですが、今回は「Spiral Market」さんの『桜舞う頃…』です。


良かった点

・どこか日本人の心に訴えるものが……。

・画像・音楽の選定が良い。どれも主張し過ぎることなく自然に作品に溶け込んでいる。


気になった点

・ありがちなゲームのありがちな部分だけを抜粋してしまったような、既読感。



粗筋も紹介しておきましょう。


病弱な幼馴染とのたわいのない会話。
彼女の周りで起こる人間模様。
読み進めるだけのサウンドノベルです。


という事です。

妙なクセが無く、すんなりと読んで楽しめるゲーム(ノベル)です。
ただ、本当ならもう少し長めのストーリーを、30分の中に強引に詰め込んでしまったような、そういう無理矢理感みたいなものを多少感じます。

ストーリーも、まぁ良くあるタイプのお話しです。
この手の作品で、より長編なものから、美味しい所を30分で切り取ってきた感じですかね。
ですので、作品内で描かれる人間関係や、因果関係みたいなものが一応ちゃんとした形にはなっているのですが、妙に性急に描かれすぎている印象を受けます。

と、何だか文句ばっかり言ってるみたいなんですが、「桜」を使う事で、妙に心に染み入るというか、そういう心の琴線に触れるものを感じさせてくれるのも確かです。いや、本当にありがち、なんですけれども。
なんていうか、それでも、妙な懐かしさと穏やかな気持ちを提供してくれる、みたいな。

ちなみに文章は読みやすかったです。
嫌味や外連の無い、素直なテキスト。好感が持てます。
ライティングのセンスはあると思いますので、本作にも「他と違う何か」を付け加えて欲しかったですね。
他と似たようなストーリー展開でも、その作者さんの持ち味や個性が表れた「何か」、それがあったならば、もしかしたら大化けするかもしれません。

短編としての見せ方、という問題も重要だと思います。
本作では、長編を短編に作り替えた的な、印象を受けてしまうのですが、短編作品として、どのようにストーリーを語り、それをどのように読者に見せるか、そこが重要です。

ちょっと今回は厳しい事を言いすぎた感じはあるのですが、それでもやっぱりどこか心に残る作品でしたので、レビューで取り上げてみました。

ファンタジックな作品やSFチックな作品も今後リリースされそうなので、期待しています。


/* 全くの蛇足ですが、今まで見た桜の中で一番美しいと感じたのは、『立正安国論』の収められしお寺の桜でした。もう、多分一生見ることはないかと思いますが…… */
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by s-kuzumi | 2007-09-02 22:04 | サウンドノベル | Comments(0)


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