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2007年 09月 04日

フリーサウンドノベルレビュー 『浮島に巡る想い』

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今日の副題 「一味違う幼稚園」


お勧め指数(五段階評価):三
ジャンル:青春と離島の記録(?)
プレイ時間:40分くらい



道玄斎です、こんばんは。いや、おはよう御座います、かもしれません。
微妙に更新ペースが落ちているのは、実はHP立ち上げの為、またもや自己満足度全開の画像を撮ったり、加工したりしていたからです。訪れて下さった皆様、ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。
もう少しで、今まで書いたものが一覧で見れるようなページをお披露目する事が出来るのではないかと。一応、読み直した上でリライトする箇所も出てくるので(私は文章が大変下手なので、読みやすいように、或いは適切な日本語に直す必要があるのです)作業は遅々として進まず、という事になりそうな気も……。

さて、今回はまたしても「あおぞら幼稚園」さんの作品、『浮島に巡る想い』を扱いたいと思います。
実は未読でしたが、プレイのしやすさは実証済みですし、分量も短めなのでサクッとプレイしてみました。


良かった点

・お得意の「熱血」や「ファンタジック」な路線とも一味違う、新機軸。

・一枚絵の充実。


気になった点

・舞台である沈む予定の「浮島」があまり活かされなかった気が……。

・少し性急な展開。


なんだかんだで、一番多くレビューを書いているのが「あおぞら幼稚園」さんの作品です。
作品数自体が多いですし、プレイしやすいんですよね。何より、徐々に上がるクオリティを見ていくのが又楽しい。そして、一ファンとして応援したいという気持ちもあったりするのです。

では、又ストーリーを抜粋しておきましょう。


小さな浮島で秋人は、平凡な暮らしをしていた。
友人との学校生活、当たり前の日常生活だった。
そして卒業を来年に控えた今年、秋人はこの島を出て都会の大学に通おうとする。

そんなことを考えつつも生活をしてると、
ある日、先生に“この島は一週間後に沈むんだ”と告げられる。
誰もがそれに対して驚き、そして戸惑う……。

告げられた残り一週間、大切に。
そしてそれぞれの想いを胸に過ごしていく。



こんな感じです。
「あおぞら幼稚園」さんには珍しいタイプのストーリーですよね。
島を離れる事から生じる郷愁や、島で過ごした仲間との友情、そして恋愛と多方面に渉るテーマを持つ作品となっています。

ちなみに本作は「第二回ふりーむ!コンテスト」にて、審査員特別賞を受賞しており、「妹」などの今までの作品に存在していた(しかも微妙に人を選ぶ)キーワードを無くした事で、より万人に楽しんで貰える作風になっているかと。ま、私は「妹」タイプのゲーム、結構好きなんですけれどもw

他の短編作品に比べて、少し分量は多め。
それ故に、単一のテーマではなく多方面に話を広げる事が出来た事、個々のエピソードを(他の短編より)丁寧に追っていく事が出来た点は評価出来ます。
勿論、完全に持ち味である「熱血」が消えたわけじゃなくて、随所随所に「熱血」も盛り込まれています。熱血っていうとちょっと誤解があるかな?ひたむきでまっすぐな男性キャラの行動、くらいにしておきましょうか。
兎も角、持ち味と新しい試みが、上手く融合して魅力的な世界が描かれています。

気になった点ですが、「沈みゆく浮島」という設定が少し希薄になっているような印象を受けました。物語のかなり早い段階から、秋人と美並の恋愛譚がメインになってしまい、折角の面白い設定であり舞台である浮島がそこに積極的に活かされていない感じです。

美並は島に凄い愛着を持っている、とプレイ直後に知らされるのですが、一週間後に島が沈むという状況であるのにも関わらず、あまり島を思って落ち込むとか、そういうのが無いんですよね。
秋人の方も、島が沈む事にあまり感慨を持っていなくて、島を離れて美並と離れ離れになる前に(しかも友人に唆されてやっと)告白しなきゃといった感じで、島が沈んでしまう事そのものに対しての感情の描写が薄い点、非常に惜しいと思いました。

そうですね……、例えばですよ?
例えば、島の中で、秋人と美並の「二人の思い出の場所」とかを出して、その場所をベースキャンプにしつつ恋愛譚を進行させれば、島が沈み無くなる事(=思い出の場所の喪失)と、恋愛の話が上手く両立出来たのかなぁ、とか思ったり。
人見知りだった美並が、秋人のお陰で積極的で活発になれた、というエピソードもあったので、そういうのもその「思い出の場所」と絡めて語られたら、良かったのかもしれません。
美並を秋人が「好きな人」として認識する過程も性急過ぎた感があるので、それも上手く消化出来るのかも?
何とも勝手で烏滸がましい意見なんですが……。

どういう形であれ、あと、+10分、全体の整合性を整えるための描写があったら、きっともっと良い作品になったのではないでしょうか。

蛇足ですが、お得意のコテコテの女の子描写は健在ですw
頬に付いた醤油を舐めとってくれたり、熱を測る為におでこをくっつけてきたり、お弁当を作ってくれたりする幼なじみの女の子、美並。
逆にこれで、秋人が振られたら「一体お前は何なんだよ……」って思いませんか?w
ちなみに世捨て人の私でも、幼なじみの女性がお弁当を作ってくれる、というシチュエーションには何か心惹かれるものが。。


「おにあい」の頃からずっと追っている作者さんなので、本作の意欲や充実度は、私も非常に嬉しく思います。一つの作品としての纏まりは「あおぞら幼稚園」の歴代作品の中でも一番なんじゃないでしょうか?
このくらいの長さの作品も定期的にリリースしてくれると嬉しいなぁ、と。
これは、完全に個人的な主観なんですが、作者さんはただの短編より、長めの短編、或いは中編くらいの容量の作品の方が力量を発揮出来るのではないか、と実は密かに思っています。

「あおぞら幼稚園」さんの歴戦のファンも、そして初心者の方も是非一度プレイして貰いたい作品です。そして、九月中にリリースされる新作(相変わらず、凄い頻度でリリースしますよね)の準備としてもお勧めの作品です。


/* 嗚呼……、今日も睡眠時間が……これから眠ります(仮眠だね…もう…) */
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by s-kuzumi | 2007-09-04 05:51 | サウンドノベル | Comments(0)


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