2007年 09月 09日

フリーサウンドノベルレビュー 『ヒトナツの夢』

b0110969_23595584.jpg

今日の副題 「恋の終わりは夏のかほり」


お勧め指数(五段階評価):四
ジャンル:ファンタジックラブストーリー(?)、感動系
プレイ時間:一ルート、1時間~一時間半くらい
特記事項:ヒロインは二人。ルート分岐アリ。



道玄斎です、こんばんは。
今回は、コメントで教えて頂きました「(猫)mill cat」さんの『ヒトナツの夢』のレビューです。
いや、昔にプレイした事があったのですが、すっかり存在を忘れていて、フォルダを掘り起こしてみたらボイス化パッチまで適用済みという。
作者さんは、「sake of you~始まりの季節から~」なんかのゲームを作っている事でも有名かと思います。
本作も、さっくりと遊べて中身はぎゅっと詰まっている、そんな作品です。
良かった点

・ハイクオリティな画像と音楽

・「ありがち」な展開だけれども、丁寧に作り込まれており、独特の余韻を残すラスト。

・設定がかなり細かく出来る。使う/使わないは別にして、こういう細やかな気遣いはプレイする側にとってはとても嬉しい。


気になった点

・美味しい所を「ヤツ」が取っていってしまったw

・どうしても「ありがち」感が。

こんな所ですね。
ストーリーは、少し長目なので、リンクを張っておきます。そちらをご参照下さい。

当時、かなり話題になった作品だと記憶しています。
今でこそ、ボイス付きの作品は随分と増えましたが、本作がリリースされた時はまだまだボイス付きの作品は少なかったと思います。
本作は、パッチを適用する事でフルボイス化出来ます。瑞菜ちゃんのイメージ通りの可愛らしい声は必聴です。

プレイしていると、妙にこそばゆいというか、恥ずかしいような、そんな感触もありますよね。
いい歳こいた大人が『耳をすませば』を見ているようなw
いや、『耳をすませば』は傑作ですよ?私なんて、全てのセリフを暗記していた事があるくらい、見まくった作品です。

文化祭準備期間のドタバタ展開で芽生える恋、なんて書くと極めて陳腐なんですが、そういう甘酸っぱい恥ずかしさ、みたいなものがこの作品にはあります。内容はもうちょっとシリアスでファンタジックなんですが。

瑞菜ルートは、かなり早い段階から仕掛けが分かってしまいます。
或る意味、とてもベタで、予定調和的なエンドを迎えるわけですが、瑞菜ちゃんのキャラが非常に魅力的で、キャラクターのヘンテコな言動で特徴を出すようなゲームとは、一線を画しています。
それはともかく、何となくKeyっぽさがあるような……。『Kanon』の舞ルートにちょっと似た感触がありますね。


クライマックスの場面で、瑞菜ルートの仕掛け(=謎)が明かになるのですが、この仕掛け人がまさかヤツだったとは……w
何だかちょっと美味しい所を持って行かれた気がしますね。

一方の、篠井ルートは、オーソドックスな恋愛モノっていう感じでした。
プレイすれば分かるのですが、篠井ルートに進んでも、やはり瑞菜ルートの謎との絡みが出てくるわけで、是非、瑞菜と篠井の二人のヒロインを攻略してみて下さいね。

結構、ありきたりな感じではあるのですが、妙に読ませてくれるし、特に瑞菜ルートのエンドは独特の余韻があって、非常に好きです。
丁寧に、そしてすっきりと纏まった作品、というのが第一印象です。

「ありきたりでありながら、すっきりと纏まる」というのは、多分、文化祭期間の中の物語、と期間を限定して描いた為なのではないでしょうか。
延々と日常が続くゲームも多いのですが(そしてそうした中にも名作があるのは承知の上ですが)、プレイする側にとっては結構苦痛だったりします。
最近、プレイした中では『S-H』という作品がそれでして、良いモノを持っているのに、妙にプレイするのが怠いというか、冗長というか。あっ、けど本当に美麗なイラストとかが見れるので、この『S-H』も興味を持たれた方はプレイしてみて下さいな。

それで、話を戻すと、本作は学園祭前後の三日くらいに、ぎゅっと密度を込めて物語が作られている為に、冗長さを感じる事は殆どありませんでした。
瑞菜ルートでは学園祭そのものがキーワードでしたしね。
この密度の濃さが、本作を良作にしている一つの要素だと思っています。

そうそう、すっかり忘れていましたが、本作はテキストが「縦書き」です。
合う人、合わない人がいると思いますが、試みとしては面白いですね。
こうしたノベルタイプのゲームでは殆どの作品が「横書き」ですので、最初は違和感に戸惑うかもしれませんが、私たちは新聞にせよなんにせよ、普段は「縦書き」を読む方が圧倒的に多いわけで、読んでいく内に意外とすんなりなじめる気がします。

タイトルでもある「ヒトナツの夢」。
この詞に色々な意味が重ねられていました。そういうのを探りながらプレイするのも楽しいですよ。
是非、ちょっと恥ずかしさはあるけれども、甘酸っぱい感触を楽しみながらプレイしてもらいたい良作です。

※9/9午前一時五十分頃、ちょっと文章を訂正。
[PR]

by s-kuzumi | 2007-09-09 00:01 | サウンドノベル | Comments(0)


<< フリーサウンドノベルレビュー ...      フリーサウンドノベル関係の雑記... >>