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2007年 11月 19日

フリーサウンドノベルレビュー 『隣人は静かに魔法少女』

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今日の副題 「少女は心の中に……」


ジャンル:魔法少女(?)アドベンチャー。
プレイ時間:一ルート30分~一時間くらい。
その他:全部で三つのエンディングあり。選択肢によって分岐。



道玄斎です、こんばんは。
なんだか、昨晩からメンテナンスで随分と長いことアクセス出来なかったようです。
忙しい忙しいと言い続けて来たわけですが、何とか作業の終わりの目途が立ってきました。これが終われば暫くかなり悠々自適な生活が送れます。もう少し……、もう少しなんだ……。
さて、今回は「交信局ソフトウェア」さんの『隣人は静かに魔法少女』です。
良かった点

・美麗にして、個性のあるイラストが沢山使用されている。

・設定が面白い。思わず珈琲を吹いてしまったり……w

・脇役がしっかりとしていて、短いプレイ時間ながら密度は高かったと思う。


気になった点

・せっかくのイラストが、メッセージの表示領域でせいで見づらくなっていた。又、クリア後にギャラリーモードがあっても良かったかも。

・若干BLっぽい要素が無いわけでもない……w 苦手な人は注意。

ストーリーは、紹介ムービーなどもあるようですので、サイトのURLを張っておきます。こちらからどうぞ。


いや、面白かったです。
何度も珈琲を吹いてしまいました。こういうノベルタイプのゲームは基本的に一人でプレイします。だから画面に向かって黙々と文章を読み進めるわけですが、本作では、私は「まじかよ……」とか「うわぁ……」とか独り言を連発してしまいました。
一見、ただの(?)魔法少女モノかと思いきや、その実、かなり凝った設定(変わった設定)で面白かったですね。

先ず、魔法少女の正体が、30歳の無職の冴えない男、というw
正義の組織から渡された謎のクスリを使用する事で、「魔法少女メイプレード」に変身するわけですが、変身シーンもかなりこだわってます。
魔法少女の変身シーンって、まぁ、少しづつ大事な所を隠しながら全裸になって変身が完了しますよね?ああいうノリのイラストが付いています。

又、イラストのギャップみたいなのも面白いですよね。
可愛い魔法少女メイプレードが、あんなマジで冴えない30歳の男だとは……。
悪の組織の幹部のユーマも可愛いですよねぇ。私は寧ろユーマの方が好みでした。
けれども、ユーマは女装していて中身は男で……w
ちなみに、この魔法少女(男)はアパートみたいな所に住んでるわけですが、隣人が悪の組織の幹部ユーマですw


正義の組織と悪の組織の対立を軸にしながらも、恋愛が一応メインという事になるんでしょうか。正義の魔法少女(実は男が変身して少女になっている)が、悪の組織の幹部のユーマ(男が女装している。当初メイプレードはその事実を知らないw)に恋をする、というなんだかややこしい設定ですが、このひねりの利いた設定がいいですね。
なんだか『とりかへばや』みたいな感じです。そういえば『今とりかへばや』でも、女装している本当は男性の尚侍に、男が言い寄ってきて男だとバレてしまうのですが、「もう男でもいいや!」と開き直って襲いかかるのに、ちょっと似てます。

作品のテイストはやっぱり「ギャグ」って事なんでしょうか。
かなり随所随所に、笑いのタネが仕込まれています。
こういう或る意味でちょっと倒錯した設定は、やっぱり鎌倉時代以降の物語文学に良くみられるタイプのものですね。あまり知られていない作品ですが『風に紅葉』という作品があります。これも男色っぽい描写が出てきて、何とも面白い作品です。
だから、本作は奇抜な設定なんて言っちゃ駄目なんじゃないかと。寧ろ我が国の伝統的な文学の流れを汲んでいるのではないかとw
たまに、ちらほら書いてるわけですけれども、あまり社会一般からみて評価されない「ライト」なモノ(ライトノベルとか漫画とか、アニメとか)こそが、日本文化なるものを結構正しく継承しているような気がしてなりません、少なくとも私にとっては……。
又、余計な事を書いてしまいました。

そうそう、モスオなるなんだかやる気なさげな名前を持つ、ユーマの部下(アンドロイド)が脇役として、光っていましたね。主人であるユーマを思いやったり、「メイプレード=隣に住んでる冴えない男」という事実を一人だけ正確に把握していたりw 尚かつ「メイプレードがユーマに恋をしている」という事まで知ってるという。
ラストに至る流れでも、名脇役としての役どころをこなしており、脇役が積極的に活きてくる点は評価したいですね。
そういえば、エンディングには(エンディング№1では)エンディングテーマ(ヴォーカル入り)を聞くことが出来ます。ギャグテイストは満載ですが、一本のゲームとして完成度は高いと思いますよ。


さて、気になった点ですが、味のある良いイラストが付いているのにも関わらず、結構見にくいです。それは、文字表示領域が画面全体にわたっている為に、丁度イラストを覆ってしまうような形になっているんですよね。勿論、半透明な訳ですが、下の絵が(特に色合いが)わかりにくくなってしまっていて、残念でした。ですので、スクリーンショットはタイトル画面を。
又、短い作品にしては、一枚絵の数も多く、ギャラリーモードがあったらもっと楽しめるのになぁ、と思いましたね。

結局、魔法少女と悪の幹部は、男同士の恋愛という事になるわけですが、BL嫌いな人でもそんなに違和感や嫌悪感を抱くことなく読んでいけるんじゃないかとは思います。
それぞれが、異性として相手を認識しているわけですからね。まぁ、そうは言っても拒絶反応を示す人もいらっしゃるだろうという事で、一応「気になって点」に挙げておきました。


さっくり楽しく遊べる良作だったと思います。
こういうある種の「突き抜けた」作品がもっと増えるといいですねぇ。
先ずは、気合いの入った紹介ムービーを見てみて下さい。きっとプレイしてみたくなるはずです。
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by s-kuzumi | 2007-11-19 20:33 | サウンドノベル


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