久住女中本舗

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2007年 11月 22日

フリーサウンドノベルレビュー 『どうしようもない僕に悪魔が降りてきた』

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今日の副題 「現代社会への警鐘……なのか?」


ジャンル:モテない男によるモテない男のための純愛アドベンチャー(?)
プレイ時間:2時間くらい。
その他:選択肢の代わりに要所要所にタイピングモードが。



道玄斎です、こんばんは。
大分、忙しさが軽減されたのですが、まだ少しだけ作業が残っていて全力で遊べません。
二日くらいここも更新出来ませんでしたね。毎日見にきてくれた方には申し訳なく思っております。
これはまぁ、言い訳なんですが、ちょくちょく時間を見つけては短そうなノベルゲームをプレイしていたのです。けれども、なかなか好みにあうものが見つからなかったのでした。
というわけで、久々に楽しめたゲームを発見したので、ご紹介致します。
ヨーグルシンジケート」さんの『どうしようもない僕に悪魔が降りてきた』です。
良かった点

・音楽にこだわりが。手垢にまみれていない音楽を多くチョイス。シャンソン(?)がヴォーカル付きで流れる場面もあったりなかなか楽しい。

・タイピングゲームとノベルゲームの合体。ありそうで無かった(或いは既にあるのかも?)組み合わせ。斬新で面白いと思う。

・中身は意外とまともなストーリー。


気になった点

・大量の本・映画・漫画などの引用が文章に組み込まれており、元ネタが分からないものも多く、分からない人は置いてけぼりにされるかも。

・割と下ネタが多い。しかもタイピングモードで現れるので、自分の育ててきた変換が、一挙に怪しいものにw

ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。
舞台は小さな地方都市。
モテないあまり悲惨な高校生活を送る主人公。
そんな彼はある日、自らを悪魔と称する少女と出会う。
「人を喰らう」という悪魔の魔の手を口八丁で切り抜けるべく、
精子生死を懸けた性器世紀の舌先三寸戦が今、幕を開ける。


全編に渡りモテない男の嘆き、悲しみ、妬み、嫉み、開き直り、そして真実の愛が炸裂する
13歳以上のモテない男性向けノベル+クレイジータイピングADV。
ノベルパートでモテない少年の生き地獄に涙し、
タイピングでヒロインと愛のチカラでバトルする新感覚のバカゲーです。

内容の都合上、モテる男性および女性のプレイは堅くお断りします。
どうしてもプレイしたいなら100万円払ってください。

大体、このストーリーで、この作品がどんなものか悟って下さいw

ちょっと下ネタが多すぎたりして、クセのある作品ですね。
けれども、意外と楽しく遊ぶ事が出来ました。プレイしていくうちに既視感が。それもそのはずあの『ふらすと!レヴォリューション』の作者様だったのでした。世界観(というかクラス?)は繋がっていますし、登場人物も共有されています。
前作『ふらすと!レヴォリューション』を更にテンションを上げ、尚かつ洗練させたものが本作、という印象です。

人間を食べる悪魔の女の子と、口先三寸で渡り合う、っていうのが大まかなストーリーラインなんですが、最後までプレイすると、この現代社会では寧ろ悪魔の方が純粋で純真なんだなぁ、と思ったり。そういう現代社会に対する警鐘みたいな所も若干あるのかな?と思いました。
ま、寧ろ作者様の現代の若者の乱れに対する怒りというか地獄からの叫びと申しましょうか。そんな感じです。
主に若者の性の問題なわけですが。といっても、説教がましいなんて事はないので、安心してプレイしてみて下さい。
けどまぁ、そうですよねぇ。最近の若者は乱れている、なんて年寄りじみた事を言いたくなってしまうくらいに(そしてどの時代の年寄りも同じ事を言うハズ)、今の若者は乱れていると言わざるを得ない……。二極化なんて馬鹿みたいな事は言わないけれども、「非モテ系」に対する風当たりの強さは確かに年々強くなっていっている気がします。
なんていうか、我が先輩でもあるアキバのドストエフスキーこと本田透氏の主張に近いものが、前編に渉って繰り広げられます。

正直、なじめない人には全くなじめないかもしれませんね。
まぁ、私なぞは結構共感してしまう所が多かったんですがw

そうそう、音楽が多彩で、良かったと思います。
中には聴いたことあるぞってな曲もないことはないのですが、割と新鮮な音楽が多い。しかもシャンソンと思しきものもBGMで流れたりと楽しい演出だと思います。

忘れちゃいけないのが、本作がノベルタイプのゲームでありながらタイピングゲームの要素も持っているという点です。
悪魔の女の子をたたみかける為に、恥ずかしい(そして微妙に下ネタ満載)な台詞をタイピングしていくという。難易度はさして難しくはないと思います。私のタイピングだと大体17秒くらい余して打ち終わるくらいですから(って全然具体的じゃないですが)。まぁ、カマキリ拳法打ちをするような人じゃなければ、大丈夫なレベルだと思います。
「あとがき」を読むと、選択肢の代わりにタイピングを取り入れた、と述べられていました。アイデアとしてとても面白いですよね。ちょっとした緊張感を持ちながらプレイ出来るので、ダレたりといったことは少ないんじゃないかと思いました。

ただ……、まぁ恥ずかしいor下ネタ系の台詞を打たないといけないわけで、そういうネタが駄目な人にとっては拷問でしょうw 私は結構なんだかんだで楽しんでしまいました。

下ネタや、本田透的な主張を除いてストーリーを眺めてみると、非常にまともなストーリーである事に気がつきます。バカゲーだなんてとんでもない。寧ろ或る意味で「ありきたり」と評しても良いくらいなのかもしれません。
ですが、ゲームを実際にプレイしてみるとそんな事は全然気にならない。モテないキモメンが頑張って悪魔の女の子を(タイピングで)口説く、というこのゲームの最大の特徴が「ありきたり感」を見事に払拭している印象です。こういう所に作者様のセンスの良さを感じますねぇ。

センスの良さって話で、もう一点。
アイキャッチが凄いんです。黒い画面に白字で偉人の名言みたいなものが出てくるのですが、出てくる偉人はみんな「非モテ系」w いかにキモメンと呼ばれる男が「生きづらい」かを蕩々と語ってくれますw
内容の是非はともかとしても、このアイキャッチはなかなかセンスがあるんじゃないかな?と。


ただ、主人公である今西君が、悪魔娘のるーかちゃんに恋をしていく過程みたいなものの描写は薄いです。実際はそこまで気にならないかも。結構、勢いで押し切っちゃうみたいな所があるわけですが、それも又本作の魅力でしょうね。


文章ですが、まぁ、引用だらけでまさしく中世の物語作品を読んでいるようです。
元ネタが分かる人はいいんですが、全然元ネタが分からないと置いてけぼり感を味わうかもしれません。幸いにして私は半分くらいの元ネタは分かりましたので、そこまで支障を来す事はありませんでしたが。
とは言っても、下ネタと、元ネタが分からないとどうしようもない部分が存在している点、やや気になりました。ま、シリアスな話というよりも「ギャグ」作品だと思いますし、気にしてもしょうがないのかもしれません。

下ネタやモテない男の叫びを直視出来る人は、是非プレイして貰いたい作品です。
二時間とそれなりの分量はあるのですが、楽しい作品ですので割とあっという間にプレイが完了すると思います。楽しんで笑いながらプレイしてみて下さい。
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by s-kuzumi | 2007-11-22 20:19 | サウンドノベル


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