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2008年 01月 16日

フリーサウンドノベルレビュー 『こんな物語』

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今日の副題 「助けてくれてありがとう」

※吟醸
ジャンル:住み込み従業員アドベンチャー。そして……(?)
プレイ時間:二時間半くらい。
その他:選択肢無し、一本道。
システム:Nscripter


道玄斎です、こんばんは。
少し前にダウンロードしておいた作品をプレイしました。
最後の最後までぐわっと感動出来る良い作品だったと思います。
というわけで、今回は「LAT」さんの『こんな物語』です。
良かった点

・良く練り込まれた作品。

・主人公宏和、そしてヒロインの理奈のキャラクターが魅力的。

・適度なボリュームを持ちつつも、テンポ良くプレイ出来る。


気になった点

・宏和の抱えていた秘密がちょっと重すぎる……。

・宏和が死んでしまうのがちょっと……。

ストーリーは、「ふりーむ!」のダウンロードページから引用しておきましょう。
あの日俺は全てを失った
一人で生きて行かなければならなくなった
全てを捨て孤独と共に

手には一つの古びたバッグ
中には大切な宝物
そして一枚の手紙

いつか届くと信じて
俺はその日まで
歩いていく

こんな感じ。

いい作品でした。
単純な恋愛アドベンチャーとは違い、また独自性のある設定で、良作だと感じました。
作者様は恐らく『君が好き』を書いた方と同じ方だと思うのですが(作中でちらっと出てくる)、『君が好き』からの進歩は目を見張るものがあります。
音楽なども作者様が手がけている曲があったり、今後が本当に楽しみな作者様ですね。
『君が好き』のレビューを書いた時に、「処女作でこの出来映えですから、次回作が楽しみです。今の内に目を付けておくと良いかもしれませんね」と記しているのですが、私の目に狂いはなかったようです。

本作を大まかに分けると、二つのパートに分かれると思います。
宏和が行き倒れて、理奈の経営するレストラン「プレゼント」に住み込みの従業員として働く事になるパート。そして、宏和が死亡した後、理奈を視点人物に据えた後半のパート。

全体を通して、先ず「プレイしやすいな」と感じました。
テキストは読みやすいですし、テンポがいい。少し長目の前半パートもダラダラとした感じも無く、読み進めていく事が出来ます。

無愛想で、まぁ所謂クールビューティー系の理奈がヒロイン。私、こういうキャラも好きなんですよねぇ。
キャラクターとしての魅力も十分にあって、前半部、あまり感情の起伏のない理奈がちょっとだけ見せる感情の片鱗みたいなものも良く表現出来ていたと思いますし、後半部での理奈視点のパートも良かったと思いますね。
キャラクターの魅力という事で言えば、主人公宏和もなかなか好青年キャラで魅力的。割とこういう形式のゲームでは主人公である男性キャラは「お馬鹿さん」的な役回りが多いわけですが、だからこそこういう性格の主人公は評価出来ます。
ただ、プレイして暫くするとどうやら、この宏和には何か重大な秘密があると判明します。
要所要所に、その秘密が宏和に影を落としていくのですが、決定的な答えは後半パートにならなければ分かりません。この辺りちょっとじらし過ぎかな、と感じなくもないんですが。もう少しちょこっとだけでも秘密の片鱗くらいは前半パートで見せても良かったのかもしれません。

本作は、割と意識的に前半パート、後半パートと分けているので、設定というかそういう部分での作り込みも綺麗に纏まっていたのではないかと。
前半パートで謎だった部分が後半パートで明らかになる、一種謎解きのような要素も持っているかと思います。


気になった点としては、宏和の抱えていた秘密が結構重たいものだったというところでしょうか。
その上、ある事件がきっかけで宏和が死亡してしまったので、最初は本当にびっくりしました。てっきり入院か何かしているのかと思いきや、本当に死亡してしまっていたので……。
重要キャラを、言い方が悪いですけれども「生かすか殺すか」っていうのは賛否両論ありそうなので、アレなんですが、宏和が死んだからこそ、後半パートであれだけの感動が出せたのもまた事実。一応「気になった点」には入れているのですが、正直好みの問題なのかもしれませんね。

後半パート(宏和死亡後)に入ると、宏和の抱えていた謎が徐々に明らかにされていき、感動一直線の布石が発動する事になります。
最後の最後の演出は、もう涙無しじゃ読めませんね……。
前半部での伏線を一気に後半で解き放っていくような作り方が、良かったです。

「気になった点」に挙げるまでもないんですが、なんで理奈さん、従業員を雇わないんでしょうかね……?w ま、まぁ、この辺りは気にしても仕方ないところですが。。


『君が好き』で処女作らしからぬクオリティの作品を見せてくれた作者様の第二弾でした。
先にも書きましたが、本当に凄い成長で、『君が好き』を発掘してきてレビューを書いたものとして嬉しく思います。
制作ペースも凄い早いんじゃないでしょうか。
今後とも注目していくべき作者様です。是非、プレイしてみて下さい。
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by s-kuzumi | 2008-01-16 23:43 | サウンドノベル | Comments(0)


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