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2008年 01月 19日

フリーサウンドノベルレビュー 『イリュージョン~記憶のカケラ~』

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今日の副題 「幼き日の約束」

ジャンル:学園恋愛アドベンチャー。
プレイ時間:一ルート30~40分くらい。
その他:選択肢有り。各ルートにグッドエンド・ノーマルエンド有り。バッドエンドに相当するものも……。ヴォイス有り。残念ながらフルヴォイスではない(と思う)。
システム:LiveMaker


道玄斎です、こんばんは。
今日はオーソドックスな学園恋愛モノをプレイ。
実は、本作既にプレイしていたのですが、あまりの難易度の高さで放り投げてしまっていました……。NaGISA NetのNaGISAさんにプレイのアドバイスを頂いて、今回目出度く全ルートをコンプリート出来たというわけです。
というわけで、今回は「paradox」さんの『イリュージョン~記憶のカケラ~』です。
良かった点

・オーソドックスな形態の作品ながら日常パートは手堅く、そして個別ルートは一ひねりあって良い。

・それぞれのルートが微妙に絡み合っており(主に過去の回想などで明らかになったりする)、綿密に作られた作品である事が伺える。

・ルートによってエンディングの曲が変化したりと、嬉しい演出も。


気になった点

・瑞希が微妙に悪者チックになってしまった感があり、そこが少し残念。

・兎に角信じられない程全ルート攻略までの難易度が高いw

ストーリーはサイトの方から引用しておきましょう。
主人公は高校に通う普通の学生。
ある日、不運にも交通事故に遭い、一部の記憶を失いかけた。
退院してから暫くして、主人公は一人の少女の夢を
何度も見るようになるが、目覚めると忘れている。
夢の意味することは何なのか?
それは全てのルートをクリアした時、明らかになるはずです。
※選択肢によって話が変わるマルチエンドタイプです。

こんな感じ。
久々に、オーソドックスなスタイルの学園恋愛アドベンチャーをプレイしました。
妙な嫌みも無く、素直でありながらひねりの利いたストーリーで、楽しくプレイ出来ると思います。

ヒロインは瑞希・美由・沙羅の三人です。
ヒロインの数や、ストーリーの展開なんかも全体的にバランスが取れていたと思いました。
この中で、最も王道的な恋愛が描かれるのは(そして最もグッドエンドに到達しやすいのは)美由のシナリオです。
他のヒロインに比べて、ストーリー的な深さでは物足りなさが残るものの、定番の学園ラブストーリーということで安心してプレイ出来るという利点があります。

以下、主に瑞希ルート、沙羅ルートを中心に書いていこうかと。

先ず、瑞希ルートです。
最後に明かされる仕掛けには、完全に一本取られましたね……。
そういうストーリーだったのか!と思わず興奮してしまいました。
ノーマルエンドまではさくさくと回収出来たのですが、この瑞希のグッドエンド。これが全然見ることが出来ませんでした。
ただ、苦労に見合った分のストーリーにはなっているので、是非是非頑張ってプレイしてみて下さい。後半で、少しヒントを出そうかと思っていますよ?

で、瑞希ルート、うんと大雑把に言ってしまうと、私の良く使う言い方だと「ぼたんゆきテイスト」なストーリー展開です。
けれども、全くそれを感じさせないストーリーの運びで、完全にやられました。
「ぼたんゆきテイスト」な作品は、今となってはストーリーの早い段階でその後の展開が読めてしまう、という最大の欠点があります。
けれども、本作をプレイすると結果的なものは同じでも、見せ方(魅せ方?)によってまだまだこの「ぼたんゆきテイスト」なものが、現在も通用する事を痛感する事に。
本当に巧みな仕掛けと見せ方だったと思います。

ただ、少し気になった点も。
一応CGも回想も100%になってるんですが、瑞希が薬を飲む描写があるんですよね。
こうした瑞希の抱える体の弱さは、彼女が柔道部を退部する事に繋がっていると思しいのですが、瑞希ルートの中で、そこらへんのちょっとした説明があってもよかったのかな、と感じます。
勿論、プレイヤーの想像力で十分補完出来るんですけれども、やっぱり少し説明があった方がいいかな、と。

タイトル画面を見ると、瑞希がフロントに出てきていますから彼女のルートがメインシナリオという事になるのでしょうか。
メインルートに相応しい、謎とその解放を持ったシナリオでした。このルートだけで、見かけは良くあるオーソドックスな学園恋愛モノでも、中身は一味違う作品になっているのではないかと。


次に沙羅ルートです。
正直、私の一番の好みのルートです。
このルートもオーソドックスで片付けてしまうわけにはいかない、深みを持ったシナリオだったと思います。
沙羅が幼い頃に主人公に送った手紙という小道具が、私のお気に入りです。
手紙を使うシナリオって私は、結構好きなんですよね(『ぼたんゆき』もラストが手紙だった!)。
沙羅が書いた手紙の中身自体は、まぁ、恋文一歩手前くらいの淡い感じでw だけれどもその幼さ故の拙さみたいなものが、その後のストーリーと相俟ってじわりじわりと感動を誘発します。
最後のベタベタな主人公との描写も却って好感が持てるくらいです。

瑞希ルートに隠れて、或いは目立たないかもしれない。
けれども、私はこの沙羅ルート大好きです。


これらのルートは微妙に相互に絡み合っているのも又いいですね。
沙羅のグッドエンドルートは、瑞希のグッドエンドを見ていないと、どうしても消化不良になる部分があると思うのですが、相互補完が出来ているので、アドベンチャーゲームとしての作りも上々。細かい点なんかでも三人のヒロインが幼い頃、微妙に交流していたのが分かり、本当に目立たない点ですが、こういう丁寧な描写は評価すべきでしょう。


さて、気になった点ですが……。

なんといっても難しすぎる……。
私、久々に「チャート」を書いてプレイしたんですよ。選択肢のチャートを。
けれども、何故か瑞希・沙羅のグッドエンドには到達出来なかったという。
A4の紙にずらずらと選択肢を書いて、一つづつ潰していったわけです。で、机の上にこのチャートをおきっぱなしにして、何の気無しに鞄に入れてしまったんですよ……。
で、案の定人の目に触れて「『嫌な子』『プール』って一杯かいてあるけれども、これ何……?」と胡散臭い目で見られてしまいました……w
で、冒頭にも書きましたが、NaGISAさんから頂いたアドバイスで全てが解けました。
ポイントは、

・セーブポイントからゲームを始めない

という事だったのです。
選択肢のあるゲームは、大抵選択肢の直前、若しくは行動選択時にセーブをして、一つのルートをクリアーしたらそのセーブポイントから始めて、別の選択肢を試していくというやり方が、一般的かと思うのですが、それをやるとグッドエンドが見れないんです。
一旦ノーマルエンドをクリアーしたら、そのままタイトル画面から「はじめから」を選択しないと、重要選択肢が出てこない仕組み。
このからくりさえ分かってしまえば、あとは割と楽かな……?
どこに誰かいるのか、という点だけ覚えておけば、そして目当ての子に積極的に会いに行き、交流を持つようにすればグッドエンドはもうすぐです。

これに気付かないとチャートを作ってもクリアー出来ない、という事になってしまいますw
本作でつまづくポイントがあるとしたら、この点ですね。


もう一点、気になった点を挙げておきますと、なんだか瑞希が悪者チックになってしまっているんですよ、瑞希・沙羅のグッドエンドを見ると。
どうやら、瑞希は沙羅に対して結構酷い事をしていたようだし……(ここらへん激しいネタバレを含むのでぼやかして書いてますよ?)。

これは単なる私の感想なんだけれども、作品の「汚れ役」っていうのかな、そういうのを瑞希が一身に背負ってしまったような印象があって、そこがちょっと気になりました。
もう少し瑞希が浮かばれるような、そういうエピソードなり描写なりを入れてくれると、読後の気持ちよさがより強くなるように思えました。

大体こんな所ですね。
兎に角セーブのトリックに気づかないとなかなかグッドエンドのクリアーは難しいと思います。
是非、頑張ってみて下さい。

そして最後になりましたが、貴重な情報を下さいました、NaGISAさん、本当に有り難う御座いました。
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by s-kuzumi | 2008-01-19 01:03 | サウンドノベル | Comments(0)


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