久住女中本舗

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2008年 02月 11日

フリーサウンドノベルレビュー 『魚姫』

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今日の副題 「突き詰めたオーソドックス」

ジャンル:恋愛ノベル(?)
プレイ時間:一時間くらい。
その他:選択肢無し。一本道。
システム:NScripter



道玄斎です、こんばんは。
少し元気になってきました。注文しておいた本が届いたりと嬉しい事もあったりします。
けれども、もう一押ししておきたい所。尤も休日が終われば否応無しに忙しさの中に紛れてしまうと思うのですが。。

というわけで、今回も「あおぞら幼稚園」さんの作品『魚姫』です。
良かった点

・究極のオーソドックス。思わずほおがゆるんでしまう。

・意外や意外、物語のラストが今までにないタイプのものに。


気になった点

・魚が食べられなくなるかもw

ストーリーはサイトの方から引用しておきましょう。
「俺は魚が好きだ!」

今日も学校の帰り道、スーパーで安売りされている魚を買いに行く。
 
「あー、それ終わっちゃってるんだよね」
しかし行く時間が遅かったせいか、セール品は既に売り切れていた。
悲しみを胸に秘め、落ち込んでいると店員に声を掛けられる。

「少し痛みがあるやつならまだ残ってるけど、安くするからどう?」

痛みがあるやつを一時的に逃がしていたらしい。
もちろん答えは即答だった。
が、その魚がちょっとした出会いを引き起こして──

こんな感じ。

タイトルとこのストーリーだけで、物語の謎というか、ギミックの部分は分かりますよね。
けれども、なんて言うか、何事も突き詰めていくとひとかどのものが出来るなぁ、と改めて思います。

ストーリーやギミックみたいなものに新味は少ない。
けれども、それが究極のオーソドックスとして却って、好意的に受け止められる。そんな手触りを感じるのです。

ヒロインの娘さんの名前は「魚子」(うおこ)さんというわけですが、この或る意味で直球のネーミングも却って本作の場合好ましい。
これを、私が名前を付けるとしたら例えば「ななこ」(=魚々子)とか、そういう余計なギミックを付けちゃう所。
ヒロインの名前一つとってみても、「突っ走る勢い」みたいなものも感じられるのです。

本作で、特筆すべきはそのラストでしょう。
ストーリーの進行はやはりいつものパターン。まぁ、それが安心感を生み出しているわけですが。
で、例えば『Whiteクリスマス』或いは『MYペット曜日』の時のようなオチをひしひし感じるわけですよ。ところがものの見事にそうした期待を裏切ってくれました。
そういえば、『雨空の下で』なんかも、本作のエンドに近い感触かしらね。

オーソドックスを極めている。
けれども、確実に進化している。
そんな「あおぞら幼稚園」さんの進化が良く分かる作品だったんじゃないかな、と思いました。


正直、気になった点みたいなものは殆ど感じないんです。なんとなくですけれども、文章もより読みやすくなった気がしますねぇ。
短編としての纏まりもいいし、いままでずっとあおぞら幼稚園さんをプレイしている人の期待を裏切ってくれるエンドや演出。
いつも言っているのですが、ちょっとした粗なんかを吹き飛ばす勢いや力強さがありますね。
タイトルだって、最近のリリースでは割とリリカルというか詩的な感じがするものも増えています。

敢えて、重箱の隅をつつくみたいに語ると、「主人公は今後、魚を食べられなくなるんじゃないか」とか、「魚子さんは、界面活性剤入りのシャンプーとか使えるのか?」とかw

優しさの中にほんの少しだけ悲しみが宿るエンド。
こんな気分の時に、こういう作品は本当に有り難い。即効性があるというよりも、漢方薬的にじわりじわりと効いてくる感じ。
是非、落ち込んだ時にでもプレイしてみて下さい。
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by s-kuzumi | 2008-02-11 21:16 | サウンドノベル | Comments(0)


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